バッタマン・リターンズ 『仮面ライダーカブト』を語る⑦
早いもので、もう放送終了から二ヶ月経っちゃいましたけど、ベストシーンで『カブト』を締めくくってみたいと思います。
前回はちょっとグチってしまいましたが、それなりに盛り上がったし、「組織VS個人」というテーマも戻ってきましたし、なかなかいいクライマックスだったんじゃないでしょうか。例のラストシーンに関しましては、かなり脱力しましたが。
では行ってみます。
・第1話 「おばあちゃんが言っていた・・・・」 『カブト』を代表するこの一言。オレ様野郎でおばあちゃん子という主人公に、頭が「???」となりました
・第2話 初クロックアップ ガチャンガチャンとロックが外れていくアーマー、時間のズレの描写、「ワン・ツー・スリー」「ライダーキック」の流れは4回くらい見直しました
・第4話 「僕を殺したら記憶も消えてしまうよ」 出ました『デビルマン』リスペクト
宙に静止した雨の中、拳を振るうカブト。バックに流れる物悲しいメロディ。詩情溢れるシーンです
・第8話 せっかくゼクターを手にしたというのに、「オレはもっと・・・大事なものをつかむんだ・・・」と手放してしまう加賀美。絶対的な組織の意向に、あえて背いてみせる若き魂。わたしの中で『カブト』への期待が最大値に達した瞬間でした
・第18話 ドレイク風間と少女ゴンの別れのシーン。動かないゴンの指にそっと触れるドレイク。その後行き逢ったものの、もう彼女は相棒のことを覚えていなかった・・・・ できればゴンちゃんはこの後もう出さない方がよかったと思うんですけど
・第22話 ガタック初変身のエピソード。絶望を知り、人はまた前に進む。「オレはオレにしかなれない。でもこれがオレなんだ・・・」 “変らない”ことを是とするこの姿勢は、『バッテリー』からの影響でしょうか
・第26話 自分を愛したワームを抱きしめるとみせかけ、容赦なく刃で貫くサソード=剣。「すべてのワームはオレの敵だ!」 その先に想像を絶する真実があるとも知らずに
・第28話 「ドレイク死亡か!?」とやきもきさせられたエピソード。4人のライダーが横一線で同時に変身するカットは、シリーズ有数のかっこよさでした
・第29・30話 井上ギャグが暴走しまくった料理対決の回。「ここはどこだ? 天国だー!!」の本田博太郎氏に、役者魂を見た
・第35話 ホッパー兄弟運命の再会&誓約。「オレをみてくれたのはアンタだけだ・・・・」 ようやく落ち着き場所を見つけた影山にほっとするものの、暗い未来を予感させるシーンでもある
・第40話 記憶を失ったことで、妖女から無垢な乙女へと変貌してしまったワーム・間宮麗奈。また鬼へと戻る前に、彼女は風間の手で人間のまま死ぬことを選ぶ。ドレイクメインのエピソードはなくてもそれほど支障のない言わば「脇筋」なんだけれども、不思議と印象に残るものが多い
・第42話 「時間を止める」最強のカッシスワームを、恐るべき「読み」で返り撃つハイパーカブト。ハイパーゼクターの使用が最もかっこよく決まった演出でした
・第44話 「俺はお前とお前が生きる世界を守る」 世界と自分に望みを失っていた妹に、手を差し伸べる天道。「あいつだって本当は戻って来たいと思ってるはずだ」と、珍しくいいことを言う加賀美くんが良い
・第46話 神代剣退場のシーン。もしかすると『カブト』で最も印象深い場面。
ここで色々考えてしまうのは剣の「じいや」について。じいやにとってみれば、疑似剣は例えその記憶が無くても、自分の主人を殺したにっくきカタキのはず。ところがじいやはその事実を知っていても、疑似剣を主人として受け入れ続ける。恨みよりも、お家を存続させることこそが、彼にとって優先させねばならないことだったから
しかし自分の正体に気づき苦しむ疑似剣を見たじいやは、その悲願を諦め、天道に懇願する
「坊ちゃまの願いをかなえてやってください・・・」
そして彼は最後まで疑似剣に対する優しい態度を変えようとしない
「じいやがずっとそばについておりますから」
この時のじいやの心情について思うと、なんともいえない、切ねえ気持ちになるのでした
・第48話 地獄兄弟退場のシーン。「俺たちはずっと一緒だ・・・」 なんか『傷だらけの天使』みたいだなあと思っていたら、本当にオマージュだったらしい。それにしてももうちょっと時間割いてやってほしかった
・劇場版より 瓦礫の下で力尽きそうになる少年。その前に翼ある異形の男が舞い降りる。「意思の継承」をシンプルに力強く表わしたシーン
・最終話 「この世界を頼んだよ」 そう言い残し爆炎の中消えていくダークカブト
「一度しか言わないからよく聞け」「いや、オレ自身の言葉さ」 わたしにとってはここがラストカットです(笑)
不満も少々ありましたが、またしても一年本当に楽しませてもらったことは確か。
『電王』ではまた違ったスタイルに挑戦しているスタッフに、心よりエールを送ります。


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