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February 28, 2007

復讐するは彼にあり マーヴェル・コミックス 『ゴーストライダー』

20070228194235あ。三回続けてバイク乗りの話だ・・・ ま、いっか
今週末映画公開予定で話題沸騰中の『ゴーストライダー』。本日はその思い出について語らせていただきます。このゴーちゃん、マーヴェルコミックスの中でも1,2を争うほど出自がややこしいキャラであり、またわたしの持ってる情報も断片的なものしかないので、この記事に関しては眉にツバつけながらご覧ください。申し訳ございません。

ゴーストライダーが誕生したのは1972年。この前年、日本では『仮面ライダー』第一作が世に出ています。仮面ライダーのマスクがもともとドクロにデザインされていたことを考えますと、偶然の面白さを感じずにはいられません。

幼い頃からサーカスで育った曲芸ライダー・ジョニー=ブレイズは、養父の命を助けるため悪魔メフィスト(現役かよ!)の姦計に陥れられる。その後ちょこまかありまして、ジョニーはメフィストに悪魔ザラソスを植えつけられてしまい、夜な夜な罪なき人々のために復讐を代行する精霊「ゴーストライダー」に変身するようになってしまった・・・・ ってアレ? なんでワルの手により誕生したものが、弱い人々のために戦うわけ? そのわけはすいません、わかりません。実はわたしこっちのゴーちゃんとはほとんどなじみがないもので。映画版はこの「初代」を下敷きにして作られていますので、それを観ればわかるかもです。

その後ジョニーくんはなんとか悪魔くんとおさらばすることに成功。ヒーロー業を一時引退することになり、シリーズは1983年に一旦終了します。で、わたしが思い出深いのは1990年に復活し、小学館プロダクションより邦訳も出版された『二代目ゴーストライダー』のほう。

ニューヨークに住む貧乏で平凡な青年ダニエル(ダン)・ケッチは、姉ともども暴漢に襲われ、逃げ出した場所で怪しく光るバイクを発見。その光の源であるオイルキャップに手を触れたとたん、ダンはゴーストライダーへと変身した。
家族思いの悩める青年であるダンは、『スパイダーマン』のピーター・パーカーと似てなくもない。ただ登場時モヤシっ子のメガネくんであったピーターに比べると、ダンはもう少し頼もしい感じの青年です。
このゴーちゃんというキャラが特殊なのは、「惨事が起きてからでないと出動できない」というところです。なぜなら彼は復讐の精霊だから。復讐に足る出来事がなければ、この世に現れることができないのです。日本の作品でいうと『必殺仕事人』に近いものがあるかもしれません。
そういうわけで彼が現れるのは大抵誰かの血が流されたあと。運のいい人はケガを負わされただけで助けられますが、手遅れになることもしばしば。「なんでもっと早く来てくれない」とか、「復讐は何も解決しないわ!」とか言われちゃいそうなゴーちゃん。ただ変身後の彼はいささかマシンに近いところがあるので、例えそう言われたとしても、「だってオイラはそういう風に作られてるから」と全く気にしないことでしょう。

この言ってみれば「役立たず」というかダーク風味満載な設定が時代とマッチしたのか、二代目ゴーちゃんは90年代マーヴェルで『X-MEN』『スパイダーマン』に次ぐほどの人気を得ます。日本でもアメコミを浸透させるための第二の尖兵として、『X-MEN』に続けて邦訳版が出されました。日本語版『X-MEN』第三巻においてはXメンバーと夢の共演を果たしてもいます。
ところがこの計画なんらかの事情により変更を余儀なくされたのか、『ゴーストライダー』日本語版は誕生編である1,2巻と、特別編の3巻をもってストップ。この3冊だけでも色々謎がふりまかれてるんですけど、その謎は10年以上経った今でもまだわかりません。さらに、出版される予定だった『スパイダーマン』『ハルク』『アイアンマン』などの単行本も出る事はなく、ファンとしてはゴーちゃんじゃないですけどそのことを思い出しますと「 ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カ 」と言いたくもなります(その後雑誌形式で紹介されたりもしましたが・・・)

海の向うではその後どうなったかと言いますと、悪のゴーストライダー「ヴェンジャンス」なども登場しそれなりに盛り上がりを見せたものの、どういう理由か1998年に終了。伏線を回収するとみせかけて、結局全部「わかりませんでした」というひどい終り方だったそうです。ったく、これだからアメコミは・・・・

さらにその後ゴーちゃんは初代が復帰して、合同タイトルに名を連ねたり、短期シリーズで細々と活躍したりして現在にいたります。こんなところからわかるようにゴーちゃんはスパイダーマン、バットマンのように安定した人気を誇るキャラではありません。羽振りのいい時は大邸宅に住んでるけど、そうでないときはホテル住まい。そんで時々行方不明・・・みたいな浮き沈みのハゲしい方。その設定とあいまって、「諸行無常」という言葉がなんだか思い浮かびます(笑)

20070228194313そんなゴーちゃんの映画がいよいよ観られるとは、なんだか感慨深いものがあります。これを気に邦訳の動きがあるかといえば、これがまったく耳に入ってきません。再販くらい刷らんかい! あ、いえ、すいません。刷ってください。そしてできたら新刊の方も・・・・

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February 26, 2007

老人と陸 ロジャー・ドナルドソン 『世界最速のインディアン』 

20070226112442まずタイトルに物申す! いまは「インディアン」って言っちゃいけないんだぞ! 「ネイティブ・アメリカン」って言わなきゃいけないんだぞ! ・・・え? バイクの名前? じゃ、いいか(えー)。
実在したイージーライダーならぬジジイライダーを、名優アンソニー・ホプキンス主演でドラマ化。地方なんでこっちではやってくれないだろうと思っていたら、こっそりやってやがりました。油断なりません。

ニュージーランドに住む老人、バート・マンローはスピードに異常な執着をみせるサイコ・レーサー。最強の凶器「インデイアン」と、「火の玉ハンニバル」の異名を持ち、その傍若無人ぶりで近隣の人々から恐れられていた。すでに地元でやりたいことをやりつくした彼は、次なる犠牲者を求めてアメリカに渡る。
法の網を巧に潜り抜け、オカマや老婆を次々とその魔力でとりこにし、向かうところ敵なしのハンニバル。じゃなくてマンロー。時に司直の手が及びそうになることがあっても、必殺の「耳が遠いフリ」と「笑ってごまかし」で彼らを翻弄する。その野望を止めることができる者は、果たして存在するのか?

大体こんな話です(ウソつけ!)。「世界最速」というからどれほどのものかと思えば、かなりまったーりしたペースの映画でした。たしかにレースシーンもあります。でもそういうのは全体のいいとこ2割くらい。考えてみれば最初から最後まで走りっぱなしだったら、爺さん心臓が止まっちゃいますからね(笑)。老人にはやはりこれくらいのペースでやってあげるのが、人の優しさというもの。
で、代わりに何がメインになっているかというと、それは爺さんの旅。そしてその途中で出会う、様々な人々とのふれあいです。なんせこの爺さんが相当変わり者なんで、引き寄せられる人々もちょっと変ってる。でもそんな変わり者同士の交流が、なぜだか心をほっとさせます。期待してたのとちょっと違ったけど、これはこれでいいや、と思いました。

マンロー爺さんの何が感心させられるかといえば、それはやはりそのバイタリティ。60を越してもスピードへの熱意は一向に衰えることなく、家財をなげうって地球を半周するほどの旅に出てしまう。その旅は到底楽なものではなく、道中様々な苦労や障害もあるわけです。でもじいさんは「はっはっは」と軽く笑い飛ばして、微塵も「あきらめる」ということを考えません。そして改良してはあるものの、かれこれ40年前のバイクで当時最先端のマシンと張り合おうてんですから・・・・ これ、ハチロクがランエボと勝負するどころの問題じゃありませんよ? しかし事実は小説よりも奇なり。ためにためたスピードがクライマックスで一気に大放出される様は、まことに圧巻です。心臓の弱い方はどうぞお控えください。

映画を観て思ったのが、一体何がそんなに彼をスピードへと駆り立てるのか、ということ。時折語られる「身近な者の死」「残された時が少なくなっているということ」それらが動機・原動力ではないか、という気はします。ですが、こういうのは簡単に理屈で説明できるものではないかもしれません。強いて言うなら、ある登山家が言った有名な言葉・・・・「そこに山があるから登るんだ」 そのスピリットが一番近いようにわたしには感じられました。

冒頭でも述べましたが、主演はご存知レクター博士のアンソニー・ホプキンス。色々ネタにしちゃいましたけど、さすがは名優、某サイコキラーの影も形も見えませんでした。睦月さまのところの情報によりますと、アンソニー氏、「本当は人食いの役なんかやりたくない」んだそうで。京都太秦には「普段悪役をやっている人ほど根は善人」という諺があるそうですが、アンソニー氏もそのクチでしょうか。こりゃ全世界のホラーファンもがっくりだわ(笑)

20070226112532タイトルほどではありませんが、早くも公開縮小し始めてるようです。現にわたしの地元ではもう終っちゃったし(・・・・)。某評論家曰く。「見ないなんてバカ!」 彼女(?)にこう言われて観にいく人、どれほどいるんでしょう(笑)。まあ、わたしは見てもバカですけど。そしてこの映画も、「バイクバカ一代」を描いた作品だと思います。

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February 24, 2007

平成ライダーの六年間を振り返る 剣編④

20070224195106『剣』編の最後は予告どおり「『剣』のココが良かった!」というところで締めたいと思います。恒例のベストシーンについては下記URLをご覧ください。完全ネタバレなのでご注意を。
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2005/01/post_14.html

まず一つ目は独特の「カードシステム」。『龍騎』でもカードは扱われてましたが、『剣』のそれはさらに複雑なものとなっています。『剣』の世界の怪人は全部で53体存在することになっています。丁度トランプの枚数と同じ数。というか、トランプがこれら怪人を基にして作られたという設定なんですね(苦しい・・・)。ほんでこの怪人をカードに封印すると、その能力をライダーが使えるようになります。たとえば主役のブレイドの場合、変身にはヘラクレスオオカブト怪人の「A」の札を、キックにはイナゴ怪人の「5」の札を、電撃を用いる時には(なぜか)シカ怪人の「6」の札を用います。つまりこれ、どんなザコ怪人も登場した後はその後の設定に影響を及ぼすという、怪人たちにとって大変愛の深いシステム(結局いっぺんも使ってもらえなかった札もありましたが・・・・)。またライダーがゲットしたカードを数えていくことによって、物語が現在どの辺まで進んでいるのか把握することもできました。

二つ目は先の見えないストーリー展開。わたくし放映中「2ちゃん○る」とかけっこう小まめに見てたんですけど、「薬漬けの橘さんがどうやって立ち直るのか」「カリス=相川始の正体は」「バトルファイトを一体どうやって収束させるのか」 このあたりの疑問に関して正確に予想できた人はほとんどいなかったように記憶してます。「アラが多い」と言われた脚本陣ですが、こうした点においては大いに評価できるのでは。

三つ目は二つ目とややかぶりますが、その結末の独特さ。これまでのどんな特撮作品においても類をみない、意表をついたラストでした。その点に限っては、あまり『剣』をかっていない人たちですら評価しているくらいです。

世間的に目だったことと言えば、相川七瀬の歌う前期OP『Round ZERO』 、RIDER TIPSの歌う後期OP『ELEMENTS』が、どちらもオリコン初登場でベスト10圏内に入っていたこと。視聴率が落ちてきたにも関らずこの成績はなかなかの健闘でした。
あともう一つ『剣』で特に印象深い点として、2○ゃんで作られたAA(アスキーアート)が非常によくハマっていたことも挙げられます。そんなとこで一番、というのがまた『剣』の悲しいところですが。どんなもんかというとこんなもんです。
http://romman.hp.infoseek.co.jp/gallary/flash/ond.html
お暇な方はごらんになってみてください。わけわかんないと思いますけど。

20070224195400放映時はかなり強い拒否反応もあった『剣』ですが、最近あちこち見回ってみると、「アレはアレなりに面白かった」という意見もけっこうありました。やはり作品の本当の評価ってのは、終ってから一,二年経ってようやくわかるもんかもしれませんね。
さて、一昨年の秋から続けてる(・・・・)このシリーズも、とうとうあと一作品を残すのみとなりました。『カブト』『ライオン丸G』『電王』について一回ずつ書いてから、いよいよ『響鬼』に取り掛かりたいと思います(怖えええ~)。

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February 23, 2007

アニメーションは電気仕掛けの夢を見せるか? 筒井康隆・今敏 『パプリカ』

20070223192344筒井康隆のSF小説を、日本アニメ界の鬼才、今敏が映画化。地方なんで首都圏よりやや遅れての公開でした。

近未来、人の夢を映像にし、かつその中に干渉できる画期的なマシン「DCミニ」が開発される。開発チームの一人千葉敦子は、夢探偵「パプリカ」として夢に入り込むことにより、精神的な障害を抱える人々を治療しようと試みていた。だがまだ開発途上の「DCミニ」が何者かにより盗まれるという事件が発生。そして誰かの妄想が、個人の頭脳を越えて、他の者の脳にまで侵食を始めるという事態に進展。「パプリカ」は果たして夢の暴走を食い止めることができるか。

原作が発表された当時、筒井先生はさもないことに腹を立て、「もう物書きなんざやめちゃるわい!」と断筆を宣言。それが話題を呼んでか、けっこうベストセラーの上位に食い込んでいた記憶があります。先の『時をかける少女』が筒井キャリアの中ではかなりイレギュラーな作品だったのに対し、こちらはかなり筒井氏本来の色が出た映画となりました。それでもまだまだ上品にアレンジされてるようですが。

“昨日みた 夢の話を 得意げに話すヤツがいる
(略) そりゃああんたは 自分で見たからいいけど 聞きたくもない そんなわけのわからん話”
これは嘉門達夫の名曲「夢の話」(ってなタイトルだったと思う)の一節。確かに自慢話、ノロケ話とならんで、人の夢の話というのは一流の表現者が話すのでもないかぎり、聞いていてあまり面白くないものです。
断片的な言葉で聞かされたところで、夢というのはしょせんそれを見た人にしかわからない。他者にとってはおおよそ役にも立たない、理解不能な話でしかありません。
しかしもし人の夢を実際に画面で見ることが出来たなら、それがどんなものなのかはっきり理解できる・・・「夢を共有する」ことができるでしょう。そして何よりかなり面白い経験ができそうな気がします。この『パプリカ』はそんなわたしたちの「夢」をかなえてくれる映画です。

作品の中で、あるキャラクターが様々な名画の中を脈絡もなく移動していく場面があります。そんなシーンから思うのは、「映画と夢は似ている」ということ。いいものもあり、悪いものもあり。現実的なものもあり、突拍子もないものもあり。いいものの場合は、せちがらい現実を一時の間忘れさせ、わたしたちに楽しい思いをさせてくれます。ただ、映画には夢よりもいいところがあります。それはよほどのことがない限り、いきなり「ブツッ」と終ったりしないこと。いやあ、映画って本当にいいものですね(笑)。
『パプリカ』の男たちは夢に飲み込まれ、自分を見失ってしまいます。そんなダメ男たちをヒロインは懸命に夢から引き戻そうと奮闘します。「男は夢を見、女は現実を見るもの」 このあたりに筒井先生のそんな男性観・女性観が現れてるような気がします。

この映画は「狂気」をテーマにした作品でもあります。しかしこの「狂気」が、なんとも言えないくらい楽しい。これまた言葉では説明しにくいんですけど、冷蔵庫やポストが身をくねらせて歌をうたいながら、往来を行進していたりします。「狂気」がこんなに明るく楽しくていいんでしょうか? まあ、たまにはいいかもね(笑)

音楽は平沢進氏。そういえば自分、この人の歌声に魅せられてアニメ『ベルセルク』のサントラを買ってしまったことがあったっけ。その後すっかり忘れてましたけど、この作品で再会できたのは僥倖でした。さらにラッキーなことに映画のメインテーマである『白虎野の娘』が現在無料配信中。“惜しげもなく「放出すべし」と言い放つ作者・平沢進の意志を受け、ここに無料配信が実現しました!! ” キャー! 平沢さん太っ腹! ステキー! でも生活大丈夫? ・・・・ま、未体験の方は一度その独特の世界をその耳で味わってみてください。
http://teslakite.com/freemp3s/paprika/

20070223193300さて、まだもし筒井作品がアニメ化されるとしたなら、次は何がくるでしょう? 「ヒロインもの」ということで、恐らく「七瀬三部作」あたりが妥当なところかと思われますが、個人的にはショート・ショート集『にぎやかな未来』をオムニバス形式でお願いしたい。きっとすげー怖くて、忙しい作品になるような気がします。


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平成ライダー歓迎会

その1

20070221230057_120070221231042_1「えー、そういうわけでぼくらに新しい仲間が増えました!
その名も『仮面ライダー電王』くんです!」
パチパチパチ(拍手)
「どうもー。電王ですー」
「ウェーイ!!」
「一年がんばれよー」


20070221231124_1「そいじゃ電王くんに自分のセールスポイントとか説明してもらおうか」
「えーと、特に大したところは・・・・
あ、そうそう、電車持ってるくらいでしょうか」
「電車!?」
「なんだよ! 鉄道会社の御曹司かよ!」
「ひょっとして大金持ち!?」「むかつくなあ!!」

20070221231358_1「・・・・黙って聞いてりゃいい気になりやがって
文句のあるヤツはどいつだ!
相手してやるからまとめてかかって来い!!」
「ちょっとちょっと、どうしちゃったの電王くん!」

「・・・・あ、すいません!
これにはわけが」

20070221231745「実はボク、モモタロスという妖怪と合体して変身するんです
でも時々そのモモタロスの人格が表に出てきてしまって」
「うーん・・・ 要するに二重人格みたいなもんか?」
「微妙に違いますが、おおむねそんなとこかと・・・
アレ? モモタロスどうしてこんなところに?」
「・・・・
その辺のギャグにももう慣れたぜ」


その2

20070221232027「じゃあひと段落ついたところで、パーッと飲みますか!」

「待ってました!」

「ウェーイ!」

「やんややんや」


20070221232113「あ、電王くんはジュースね」

「えー!? 帰り電車だから大丈夫ですよ」

「いや、それ以前にキミ、未成年だろ」

「・・・・チッ」


その3

20070221232150「ていうか、先輩方バイクで来たんでしょ?
帰りどうするんですか?」

「あ」

「タクシーかな・・・・」

良い子のみんな! お酒を飲んだら絶対運転しちゃダメだよ!

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February 20, 2007

ココログメンテナンスのお知らせ

いつものぞいて下さってる皆様、どうもありがとうございます

明日(2/21)深夜1:00から4:00の三時間、ココログさんがメンテナンスに入るため、その間コメント・トラックバックともに受け付けられなくなるそうです

そんなに繁盛してるわけでもない当店ですが、一応ご了承いただければ幸いです

それではまたよろしく
20070202180133(そんなわけで、メンテ無事終了した模様です)

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February 19, 2007

サーガ・オブ・スワガー スティーブン・ハンター 「ボブ・リー・スワガーシリーズ」

20070219174716久しぶりに海外ミステリーやってみます。蔵出しものですが。スティーブン・ハンターの手による冒険小説の金字塔、「ボブ・リー・スワガー」4部作。まずは第一作『極大射程』のあらすじから。

かつてベトナムで名を馳せ、今は片田舎でハンターをやっているすご腕のスナイパー、ボブ。ある日彼の家にその腕を見こんで、新開発された銃の試射を頼みたい、という男がやって来る。なんとなく引き受けてしまったボブだったが、それは彼を陰謀に引きずり込むべく準備された、巧妙な罠の入り口であった。全米からテロリストとして指名手配されてしまうボブ。しかし巨悪たちは知らなかった。彼らがアメリカで最も危険な男を敵に回したということを。

その印象を一言でいうならば、スナイパー版「ランボー」という感じ。ただ肉体で押しまくるランボーと違い、ボブはなかなかの頭脳派でもあります。よく練られた構成と伏線。その背後に流れる男の誇りと友情。そして圧倒的に不利な状況をひとつ、またひとつと覆していく爽快感。まさしくエンターテイメントのお手本のような小説です。

続けて行きます。第二作は『ダーティ・ホワイト・ボーイズ』。こちらは雪山を舞台に、ファンキーな脱獄囚ラマー・パイと、不倫に悩む中年保安官バドの息詰まる追跡劇が描かれます。ラマーとその仲間たちはまるで名画『俺たちに明日はない』の、ボニー&クライドのよう。かなり明るいですけど(笑)。入り組んだ作りの前作に比べ、筆力のみでぐいぐいと押し流していくような、直球タイプのお話です。こちらはこちらで面白いんですが、これだけだと『極大射程』とどういう関わりがあるのかさっぱりわかりません。しかしその疑問は第三作『ブラック・ライト』を読むと解けます。

『ブラック・ライト』はこんな始まり。『極大』でのごたごたを片付けたボブのところへ、またしても風変わりな客がやってくる。彼の名はラス。実は『ダーティ~』の主人公の片割れ、バドの息子。ジャーナリストを志すラスは、自分の父が関ったラマーと、その父を殺したボブの父アール(ああ、ややこしい)に深い関心を抱いており、アールの話を聞かせてほしいとボブに頼む。最初はそっけなく断ったボブだったが、ラスの純粋さに心を動かされ、一緒に父の謎について調べることに。するとまたしても(笑)、巨大な陰謀に巻き込まれていき・・・
こちらは第一作と同じスタイル。緻密なプロットと胸のすくアクション。三組の親子を巡る錯綜した運命。そして物語の最後にはタイトルを越えたどんでん返しと感動が待っています。

シリーズはさらに完結編『狩りのとき』へと続きますが、「すご腕とはいえ一兵卒にすぎないボブさんが、なんでこうも色々な陰謀に関ってしまうのか」という金田一少年的な疑問もあり、個人的に「これは別になくても良かったんじゃないかなあ」と思ってます。ただ『極大~』でうやむやに終ったベトナム時代のライバルとの決着も描かれており、ボブさんのその後が気になる方は読んでおいて損はないかも。

ハンター氏はその後ボブ父・アールを主人公にした作品も三篇書いておられます。いまのところ邦訳はここまで止まってるようで、その後どうなってるのかは英語苦手なワタクシにはよくわかりません。すいません。
『極大射程』のみ新潮文庫、他は扶桑社ミステリー文庫より出てます。『ダーティ~』のみ一冊で他はすべて上下本。さきほどアマゾンで調べてみたらまだ普通に取り扱ってました。

20070219174644さて、かれこれ8年ほど前わたしが手にした『極大射程』の帯には「キアヌ・リーブス主演で映画化!」とデカデカと書かれてました。この話は一度流れてしまったようですが(笑)、この度違う企画スタッフで、『Shooter』というタイトルで夏ごろに公開されるとのこと。ずいぶんかかりましたね・・・・ キアヌもウォルバーグもボブにはまだ若いとは思いますけど、とりあえず楽しみに待ちたいと思います。

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February 16, 2007

コント山本くんと武田くん② 骨肉相克編 ~大河ドラマ『風林火山』より

武田「たけちゃんでーす」
山本「山本勘助でごいす」
武田「しかしカンスケ、お主も相当ひどい家庭環境に育ったものじゃのう」
山本「何をおっしゃいます。お代官様こそ」
武田「もちつもたれつ。ふっふっふ・・・ って違うだろ」
山本「失礼いたした。それでもグレないですくすく健やかに育った自分を、自分でほめてやりたいでごいす」
武田「もう、じゅーーーーっぶん、グレちゃってると思うけどな。ところでカンスケ、そちの嫁のことではオヤジがすまなかったの」
山本「ううっ わいにはもう、あいつしかおれへんかったいうのに・・・・ そうだーっ! オレは武田をぶっ潰すんだーッ!! ノブトラーッ!! 出てこいやワレーッ!!」
武田「お、お、落ち着けカンスケ! 本当に出てきたらどうする!」
山本「(我に返って)は! 失礼いたした! しかし殿、あいつのためにも是非大殿をなんとかしていただかねば困りますぞ!」
武田「それはわかっちゃいるけどさあ。わし、本当にアレとやりあわなきゃいけないの? はっきり言って勝てる自信、まるでないんだけど」
山本「日本一シャレのわからない戦国大名と、もっぱらの評判でごいすからな」
武田「前に無限塾のドキュメント見たことあるけど、稽古の時、鬼みたいだったもん。やっぱすごいわ。総合格闘技は」
山本「なんだかなにかと混ざってるような・・・・ まあともかく落ち着き召されい、殿。既に強力な助っ人を手配中でごいす」
武田「おお! 頼もしいの! しかしてその名はなんと言う?」
山本「は。たしか三船トシローだかサンジューローだか」
武田「・・・・・ 
   その人、もう亡くなってるよ」
山本「なんですと! カチャカチャ(検索音) ああ! これはしたり!」
武田「先行きは暗いな・・・・ ところでカンスケ。お主はここへ来る前何をしとったんじゃ?」
山本「は。最近は東北の貧乏武士とか。ブレイクしたのは将棋指しのころでごいすな」
武田「名人は神に愛されし者・・・だっけ?」
山本「殿、それは別の話。しかもマンガでごいす」
武田「すまんすまん。平安時代の霊がとりつくとか、そんな話だったか?」
山本「もういいでごいす。殿の方こそ前は一体何をされてたのでごいすか」
武田「わしか? わしはまあ、伝統芸能の世界で、女形なぞをな。ムフフ」
山本「・・・・・ あの、殿。それはもちろん芸の中だけでごいすよね?」
武田「安心せい! ワシはゲイではない! 男でも女でもカムカムエブリバディじゃ!」
山本「ああ、よかった。って、おい!」
20070216175431


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February 14, 2007

軍団ひとり ジェイコブ・チャン 『墨攻』

20070214190727
先日紹介した小説・マンガの劇場版です。日本・中国・韓国・香港の合同製作。まさにアジア連合です。北朝鮮も入れればよかったのにね。

さて、あらすじですが、冒頭は原作と大体一緒です。
手抜きですいません。

あの豪快な画風をどう再現してくれるのか、けっこう楽しみにしてたんですが、これまたマンガとかなり異なるアレンジがされておりました。
原作の主人公・革離は、「墨家最高!」と自分の道に微塵も疑問を感じていません。ところがアンディ・ラウ演じる映画版革離は、ややナイーブな男として描かれています。たしかに幾ら弱きを守るためとはいえ、自分の指図で築かれた死体の山を見たら、だれだって堪えるでしょう。普通の神経の持ち主であれば。
どんなに正当化しようと、殺しは殺し、罪は罪。こういう姿勢、ハリウッドのアクション作品とは明らかに違うものです。向うの多くのヒーローたちは自分や弱者を守るためには、迷いも無く敵さんたちを撃ち殺します。「やらなきゃやられる」と彼らは言いますが、明らかに「やりすぎ」な例もけっこうあり。またそういうのを見ていて、自分などもついついスカッとしてしまったりします。まあこれが娯楽の範囲でならまだしも、アメリカさんたちは実際にミサイルをかっ飛ばしたりしてしまったりするのでシャレになりません(最近わりと反省してますけど)。
原作と違ってやや「墨家」に対し懐疑的なつくりになってしまったのは、9.11以降のそういう世相を反映してのことかと考えられます。

さらに映画独自のアレンジとしましては、オリジナルのキャラクターである逸悦という女性と革離のロマンスなどがあります。あちこち記事や掲示板を拝見したところでは「このヒロイン、いらね」という意見が多数ありました(笑)。確かにわけもなく惚れっぽい娘だな、とわたしも思いました。でもこのキャラクターは画面の彩りというだけではなく、革離に「本当の“兼愛”とはなんぞや?」ということを考えさせる上で、用意されたんじゃないかと思います。批判が多いのは、それがちょっと強引だったからでしょう(笑)。

そういうわけで全体的にややウエットというか、どんより暗いムードとなってしまいました。攻城戦に関してもけっこうあの手この手でがんばってはいましたが、このムードに押されて絵的な部分ではそれほどインパクトが残らなかったような。ただ後半で敵側の軍勢が逆襲を仕掛けてくる場面だけはちょっとビックリしました。明らかに歴史曲げちゃってるんですけど、大目に見ることにします。

その主張には大いに賛成したいものの、なんだか悲しい気持ちで劇場を出ることになってしまいました。大陸の人たちって、どうしてこう「やりきれない話」が好きなんでしょうね・・・・ もっと明るくいこうよ! ポジティブにさあ!
もっとも日本も2、30年前まではそんな感じだったかもしれませんね。

20070214190751小説、マンガ、映画と適当ながら三つの『墨攻」について解説して参りましたが、劇場公開とほぼ同時に、第4のヴァージョンともいうべき映画ノベライズも出版されました。パラパラッと見た限り、これまた映画とけっこう異なる仕様となっている感じで・・・・
さすがにわたしも少し疲れてきました(笑)。文庫化されたくらいのころに気が向いたら読んでみようと思います。


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February 13, 2007

適当掲示板42&朝日コレクション

20070201104120 暖冬だ暖冬だ、と言われる今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
ここ伊豆では早くも桜が咲き始めました。つってもこれはもともと「寒桜」というやつで、梅と同じくらいに咲くものなんですが。

わたしの仕事はなかなかに朝が早く、起きるのがけっこうしんどかったりします。それでもまあ一ついいところをあげるとするなら、「朝日が拝める」ということ。しょせんは携帯画像ですが、よろしかったら最近撮った朝の光景をご覧ください。ついでに去年のやつも一緒に貼っときます。

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サイズの小さいものが昨年撮ったものです。

「勉強ができる? 女の子にもてる? ・・・・それがどうした
ぼくは、朝の美しさを知っているっ!!」
(『すごいよ! マサルさん』より)

ついでに最近の猫画像も貼っておきます。
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暖冬ということはお外のノラさんたちも多少は過ごし易かったのでしょうか。
皆様も引き続きお風邪など召されませんよう。


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February 12, 2007

浪漫非攻 酒見賢一・森秀樹 『墨攻』

20070212211152攻めて!攻めて!攻めて!攻めて! や・め・て や・め・て や・め・・・・ おっと、これは『KOME KOME WAR』だったな。
現在映画公開中のふたつの原作について、今日は説明いたします。

時は(中国の方の)戦国時代。強国趙は隣国である燕へと軍を進める。その途上にある城・遼の命運は、まさに風前のともし火であった。そこで城主は「弱きを助ける」という噂の戦闘ボランティア団体「墨家」に助力を請う。しかし墨家からやってきたのは、ただひとりの男のみであった。

「墨家」については本当にちょびっとだけ、世界史の授業で習いました。思想家・墨子を祖とする集団で、「非攻」「兼愛」を人々に説いたと言います。要するにラブ&ピースを重んじる古代のNGOみたいなものか、と思いきや、墨家さんたちは戦闘にも意欲的だったというからよくわかりません。実際、よくわからないところが多いらしいです。
わたしが足りない頭で理解したところでは、その思想は「強者が弱者を攻撃するのはいけない。それに対し弱者が抵抗するのは正しい」というものだったようです。だから墨家は弱者を全力をもって助けます。口でいうのは簡単ですが、これ相当大変なことなんではないでしょうか。

この『墨家』を題材にまず小説『墨攻』を書いたのが、『後宮小説』で人気を得た酒見賢一氏。内容はまあ上にあるように、古代中国版「ひとり七人の侍」という感じです。この小説をもとにビッグコミックオリジナルでマンガ版が連載されました。作画は『青空しょって』というゴルフ漫画を描いていた森秀樹氏。そして「シナリオ協力」として久保田千太郎氏の名もクレジットされています。「シナリオ協力」で表紙に掲げられる例ってかなり異例のことだと思うのですが、久保田氏にはそれほどのネームバリューがあったのでしょうか(失礼御容赦)

さて、原点の方は酒見氏の持ち味の一つである「皮肉っぽさ」がかなり前面に出た作品となっています。それに対し、漫画版は男節大全開の豪快で骨太なお話。こんな手があったのか、とうならせられる数々のアイデア。確かなデッサンと画面構成力。それこそ映画顔負けの迫力で、連載当時「なんでこんなにスゴイ漫画があんまり話題にならないのだー うがー」と不満のあまりゴロゴロ転げまわったものです。恐らくいま公開の映画が堂々と「漫画原作」と言っちゃってる(いいのかなあ)のも、このスペクタクル感が、アジアの武侠大好き野郎どものハートをぐっさり射止めてしまったからではないかと思われます。

漫画版は単行本4巻ほどで原作部分を消化。その後は久保田氏の名も表紙から消え、森氏のオリジナル展開に突入します。この「第二部」、それなりに面白くはあるものの、どうも完成度や迫力の点で、第1部には及ばなかったような。そんなことからもわかるように、このマンガ版『墨攻』前半は、各クリエイターたちのセッションが非常にうまくいった例と言えるのでは。その後メンバーの誰かが欠けたヴァージョンを聞いたとしたなら、物足りなく思えるのは仕方なきことやもしれません。

20070212211210『墨攻』漫画版は現在小学館文庫の全8巻ヴァージョンが手に入りやすい模様。また第一部のみ廉価版も全三冊で発行される予定(現在二巻目まで刊行)。
原点である小説版は新潮文庫より出てます。ここのところ品切れだったみたいですが、ちょいと重版かかったようなので、読みたい方はオンラインなどでお早めにどうぞ。
そして話題の劇場版も今日観てまいりました。これまたかなり印象が異なる仕上がりでして・・・・ 近日中にレビューいたします。


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February 11, 2007

となりの百鬼丸 手塚治虫・塩田明彦 『どろろ』

20070211191936「マンガの神様」手塚治虫の隠れた名作を、『黄泉がえり』などで知られる塩田明彦が映画化。現在大ヒット公開中です。

時は戦乱の世。武将・醍醐景光は己の勢力を広げるため、化け物たちに助力を願う。その引き換えとして景光は、やがて生まれるであろう我が子の体を、48体の化け物に分け与えた。
それから年月が流れる。のちに「どろろ」を名乗る若き盗賊は、とある市で化け物を切り伏せる人間離れした青年を目撃する。それこそは、仮の体を与えられた景光の息子の成長した姿だった。その腕に仕込まれた妖刀「百鬼丸」を狙って、「どろろ」は青年の跡を追う。

親の業のため手も足もない状態で生まれる百鬼丸。その姿は日本神話の蛭子神を思わせます。また百鬼丸の奪われた体の部位が「48箇所」というのは、「四国」の「八十八箇所」を連想させます。そして彼が行く先々出会う妖怪たちは、人間の「業」が反映されたもの。ですからこれは、業を消し去るための百鬼丸の巡礼の物語ということができるでしょう。人間の醜い欲望をひとつ、またひとつと消し去ることにより、百鬼丸は徐々に「完成された人間」に近づいていくわけです。

・・・・と真面目ぶって書いてみましたが、これたぶん考えすぎ。何でかというと、手塚先生はこの作品について、「妖怪ブームにあてられてついつい書いちゃった」なんてことをおっしゃってるからです。ですから百鬼丸の設定も、恐らくノリでひょいひょいっと思いついたものと思われます。「だからあんまり気に入っていない」ともおっしゃってました。ひどいお父さんです。
そんな「不遇」の感が否めない『どろろ』ですが、なぜか近年やけに脚光を浴び、小説、ゲーム、舞台とアトムもびっくりのメディア展開ぶり。そしてとうとう映画化までされてしまいました。

で、映画の印象ですが「マンガっぽいなあ」と。マンガ原作なんだから当たり前かもしれませんが。特撮がどこか作り物っぽいというか、チープ感が漂っている。重いテーマもあるのだけれど、ホラ話の形で語られている。そんな
ところがいかにもマンガっぽい。そういうのが気になるひとには向かないでしょう。わたしは全然OKですけど。

この映画のウリは多種多様な妖怪たち。さすがに48体は無理でしたが、その点なかなかサービス精神に富んでいます。ただそうしたお化けたちにも怖いのとそうでないのがいまして。簡単に傾向を分析してみました。

怖いやつ: 背景が夜 人面付き
怖くないやつ: 背景が昼 人面がついていない

で、この化け物さんたち、どっちかというと「昼の部」のやつのほうが多い。恐らく監督が西部劇でも意識して、昼のシーンを多めにしたのでしょう。でもお化けの本領はやっぱり「夜」ですからねえ。着ぐるみみたいな連中も周りが暗かったなら、細部がぼやけてもう少し迫力出たかも。
あと人面付きのほうが怖く感じられるは、本当に怖いのは怪物よりも人間の心の闇である、ということなのかもしれません。
やりきれんことですが、世の中にはまれに「化け物」のように怖い親たちがいます。そして子は親を選べません。でも生まれてきたからには鬼のように、泥棒のようにたくましく生きて欲しい・・・・ そんなメッセージを映画からは感じました。

最後に。この作品、連載時にアニメ化もされています。しかしあまりに放送コードに触れる部分が多いため、現在では地上波での再放送は、まず無理とのこと(・・・・)。今回はこのアニメ版の主題歌でもってお別れしましょう。
20070211192035とぼけちゃいけないしってるぞ
おまえらみーんなほげたらだ
ほげたらざむらい へーらへら

・・・・わけわかんね

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February 09, 2007

平成ライダーの六年間を振り返る 剣編③

20070209200756『剣』編三回目は残る二人のライダー、ブレイドとカリスについてご説明いたします。

いまさらですけど、主人公のライダーの名はブレイド。ヘラクレスオオカブトムシとスペードをモチーフとしたライダー。本名は剣崎一真といいます。
設定には「知能指数が非常に高い」みたいなことが書かれてたらしいですが、そういった描写は全くなく、よくある単純熱血突進系のキャラとして描かれていました。橘さんが「うわああ」と怯えるアンデッドにも、「ウェーイ!」と元気に立ち向かっていきます。
「これがオレの仕事だから」と人のために体を張り続ける剣崎。その背後には、少年時家族を火事で燃える家の中から助けられなかった、という辛い過去があります。
余談ですが主演の椿孝之くんは大変滑舌が悪く、その意味不明な叫びが「オンドゥル語」として2ちゃん界隈で流行ったりもしました。

このブレイドと対をなすのが、カマキリとハートをモチーフとした仮面ライダー、カリス。本名は相川始・・・と言いたいところですが、これはどうやら仮の名のようで。この御仁、人間ではないらしく、「お前ら人類が繁栄していることが間違い」なんて言ってくれちゃったりします。
ところがある母娘と知り合い、人の情愛に触れるうちに、彼の心に変化が生じます。それは人間として生きていきたい、という願望。まるでテレビ版デビルマンを地で行くようなヒーロー。しかし戦闘生物としての本能もまた強く、カリスはその二つの間で苦しむことになります。

ブレイドとカリスは本来ライダーと怪人という間柄のため、当初は会うたびに盛大なガチンコを繰り広げていました。しかし始の悲しい願いを知った剣崎は、なんとかそれをかなえてやろうと奮闘します。もちろんなかなかその善意は相手には伝わりませんでしたが、始は次第に剣崎に心を開いていくようになります。
けれども二人の間にようやく友情が芽生え始めた時、アクシデントが生じます。強力なアンデッドに対抗するためパワーアップしたブレイドですが、その波動の影響をうけてカリスは自分の獣性を抑えられなくなり、暴走。そしてそれを抑えるべく禁断の力を用いるブレイドもまた、段々と「獣」へと近い存在になっていきます。果たして二人は運命の縄目を断ち切ることができるでしょうか。この正義の味方の強化が最大の敵を生んでしまうという流れ、なんとも皮肉なものです。

ごく一部の例外を除き、倒し、倒される関係だったライダーと怪人。しかしこの『剣』ではついにお互いのために命を投げ出すほどの仲良しこよしになってしまいます。シリーズを通じて語られた「人は自分と異なるものと理解しあえるのか?」というテーマ。それはここでひとまずの頂点を迎たようです。それには前作までの積み重ねや、ガン○ムを始とするアニメの影響もあったのではないでしょうか。

さて、前回「個性豊か」と書いたアンデッドのみなさんですが、他にどんな方ががいるかと申しますと、怪人でありながら一個の組織を持つ伊坂(クジャク)、ライバルとの戦いにロマンを燃やす高原(ワシ)、無類の強さを誇りながら「漁夫の利」戦法を用いる大地(ゾウ)、アンデッドのくせにまったく闘争本能をもたない変り種・島(タランチュラ)、そして睦月少年と関るうちに、彼の導き手となってしまう城茜(トラ)・・・などです。
かわるがわる登場し物語をもりあげるこれらアンデッドは、世評高い韮澤靖氏のカラフルなカラーリングでもってデザインされ、平成ライダーの中でも特に見分けやすい怪人となっておりました。

20070209200710次回は、一回目で「剣のここがダメ」みたいなことを書いてしまったので、その反省として今度は「剣のここが良かった!」ってことを挙げたいと思います。

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February 06, 2007

アンフェアなアフェア マーティン・スコセッシ 『ディパーテッド』

お・・・ やっと旬の流れに追いついたような。
香港映画の傑作『インファナル・アフェア』を、名匠マーティン・スコセッシがリメイクした異例の作品です。

人には誰しも、運命の絆で結ばれた「誰か」がいます。コリンはマフィアから警察へ送り込まれたスパイ。ビリーは警察からマフィアへ送り込まれたスパイ。ある日突然、彼らはお互いの存在を強く意識するようになります。顔も名前も知らないのに、燃えあがるふたりの思い。「あの人に会いたい」 しかし自分の素顔をさらすことは、彼らの立場上、即、死につながりかねない。そうとはわかっていても、ますます強く引かれ合うコリンとビリー。彼らは果たして願いをかなえることができるのでしょうか・・・・ って、あれ。どこでおかしくなったんだ? んー、まあそういう話です(違)。

原作『インファナル・アフェア』はこの「スパイ対スパイ」という奇抜な発想と、練られた構成・重いテーマなどで熱心なファンを獲得。わたしは「Ⅰ」しか見てないんですけど、好評を受けて「Ⅱ」「Ⅲ」も作られました。ちなみに「Ⅱ」は「Ⅰ」の前日談、「Ⅲ」は後日談という構成(ややこしい)。まず足りない頭でもって原点とリメイクの違いについて考えてみました。

「正体ばれたら即投獄・もしくは処刑」というシビアな状況のため、両作品の主人公たちは全編通じて苦しみ、嘆き、もがき、あがきます。その有様は見ていて本当に気の毒。
ただ、本家の方には少しギリシャ悲劇っぽいというか、シェイクスピア的な趣があります。つまり、苛酷な運命に翻弄される自分に、浸っちゃってるというか、酔っちゃってるというか。そんでまた主演のトニー・レオンとアンディ・ラウが、そういうのが似合うカッコエエ男なんですわ。
それに対してリメイクの方は、二人とも明らかにお尻に火がついちゃってます。自分に酔ってる余裕などなく、始終目を血走らせ、泡を吹かんばかりのデーモンとディカプリオ。はっきり言って全然かっこよくありません。
ま、簡単に言うなれば(←最初からそうせいや)、そこに「美学」があるかないかの違いなんでないでしょうか。ロマンか、リアリズムか。その辺の好みは人それぞれだと思います。

わたくし今までスコセッシ作品は『タクシードライバー』『アビエイター』と見てまいりました。『ディパーテッド』を含め共通しているのは、主人公らがいっつも強迫観念にとりつかれているということ。眠れない、菌が怖い、正体バレちゃうかもしれない・・・ そんな不安をふりはらうべく、彼らは悪人狩りや飛行機事業や色恋に没頭します。しかしそれは決して問題を解決することにはなりません。そして彼らはさらに追い込まれていきます。で、実はスコセッシさんもかなり精神的に沈みやすい方なんだそうで。こんだけ名声を得ていると言うのに・・・・ 生きていくって大変ですね。
『ディパーテッド』では本当によく人が死にます(本家でもけっこう死んでるけど)。そして大抵ろくに苦しむこともなく、ある時などはほとんど気づきもせず、「バタッ」「サクッ」と非常にあっけなく往生していきます。たまにじわじわ死ぬ人もいますが、彼らも恐怖に怯えたりはせず、「まっ、しゃあねえか」という感じで潔く死を受け入れます。
こういう描写を見て思うのは、この作品における「死」というのは、処罰ではなく「救済」なんでないかな、ということ。苦しいのは死ぬことよりも、むしろ罪を背負ったまま生き続けること。この辺は本家にもあったテイストです。
まるで「あーあ、早く誰かぶっ殺してくれねーかなー」という監督の呟きが聞こえてくるようで、わたしは少々げんなりしたのでした。
生き残るためとはいえ、自分の正体を偽りつづけなければならないコリンとビリー。彼らに臨むのは処罰でしょうか? 救済でしょうか?

最後に。実はデイモンとディカプリオ、この前にも別の形で対決しております。1998年の第70回アカデミー賞で、それぞれの主演作が作品賞でノミネートされてたんです。結果はご存知の通り『タイタニック』の圧勝でした。しかしデイモンがこの時主演男優賞でノミネートされたのに対し、ディカプリオはスルーされてました。どっちの勝ちかといえば・・・引き分けですかね。ちなみに今年はディカプリオが他作品で候補にあがってるのに対し、デイモン氏はノー・ノミネートです。
2007020621354320070206213612アカデミー賞といえばスコセッシ作品は、これまで三回も候補にあがっていながら、一度も作品賞を受賞していないそうです。果たして今度は「4度目の正直」となりますや否や。

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February 05, 2007

仮面らいだーカブト 完結記念スペシャル

20070205072506「えー、それでは今から、
卒業後の進路相談を始めます

前の方から順番に
お名前と希望、特技などおしゃってください

では最初の方どうぞー」
「はーい」

20061220180806_1「ドレイクです。特技は射撃、水泳です」
「そうですねえ。海上保安庁、もしくは海上自衛隊ってとこですかね」
「あの・・・・ 自分、淡水系の生き物なんで、
海水はちょっと体に合わないっていうか」
「がんばって体質変えてください。大丈夫です。気合さえあればなんとかなります」「え・・・・」
「次の方どうぞー」

20061006140809_1「サソードです。特技は刃物と毒物の取り扱いです」
「・・・・ あんまり大っぴらにいえないけど
やっぱ“組”関係かなー」
「・・・・もっと親に顔向けが出来るような仕事ないですか」
「人にはそれぞれ天分というものがあります
がんばって極道の世界においても頂点を極めてみてください
次の方どうぞー」

20061223172143_1「ガタックです
甘い汁を吸えるような仕事につきたいです」
「ふんふん
じゃあハサミの扱いもうまいようだし、
植木屋さんなんかいいんじゃないですか?」
「いや、オレが言ってるのはそういう意味じゃなくて・・・・」
「次の方どうぞー」

20061108180935_2「キックでーす」
「パンチでーす」
「きみたちか。きみたちは・・・・
むずかしいなー(笑)」
「そんなこと言わずにお願いしますよ!」
「そうそう、アニキこう見えても中華料理うまいんですよ!」
「ん? 中華料理?」

20061127191820_1「ちょうどよかった
それ系の店からひとつ頼まれてたんだ
そこに行ってもらえますか?
「やったぜ兄貴!」
「ひゃっほう!」
「佃煮の材料が足りなくて困ってるそうです」
「・・・・え?」

20060606212815_220070205072821「ハッチです!
生き別れのお母さんを探しています!」
「・・・・お引取りください」
「あなたがぼくのお母さんなんでしょう? 
教えてくださいよ!」
「そのネタは前にもやっただろうが!
大体お前中身だれなんだよ!」


20070205072600
「・・・ったく。やれやれ、これで全部か」

コンコン
「すいませーん」

「あれ? まだ誰かいたっけ?
どうぞお入りくださーい」

20070205081815「あの、なんとか『メビウス』に出させてもらえないでしょうか」

「・・・・・
失礼ですが部屋をお間違えでは?」

がんばれ新社会人

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February 03, 2007

山田風太郎に関しては色々言わせてもらいたい⑱ 『伝馬町から今晩は』

20070202175108久しぶりだぜおっかさん! というわけで間が空いてしまった山風コーナー。本日は短編集『伝馬町より今晩は』をお送りいたします。
忍法帖から明治ものに移行する過程で、山風は「プレ明治もの」ともいうべき幾つかの短編をてがけています。それが後にファンから「幕末妖人伝」と言われる一連の作品。これに同時代を舞台とする初期短編を加えた作品集が、10年くらい前に河出文庫から出たことがありました(全三冊)。
幸い最近古本屋で全部そろえることができたので、5編が収録された第一巻をざーっと紹介させていただきます。

☆からすがね検校
明和九年一月、行き倒れて柳生家にかつぎこまれた一人の盲人がいた。彼の名は平蔵。ハンデを持ちながらも金貸し業に並々ならぬ才能を持つ彼は、着実に盲人の位階を上っていき、「からすがね検校」の異名を取るまでに出世する。そしてその道の行く先々で、落日の柳生家と関わりを持つことに。
「検校」って言葉、たまに見るものの何のことなんだか知りませんでしたが、これ盲人の位のことだったんですね。金と性に異常な執着をみせる平蔵。いわば幕末版『銭ゲバ』とでもいうべきでしょうか。見方によっては裸一貫で田舎から出てきた若者のサクセスストーリーといえなくもないですが、主人公の性格があまりにもギラギラしているせいか、かなりピカレスクな印象を受けます。
この「からすがね検校」、実在の人物でして、貸本劇画の大家平田弘史先生も彼をモチーフにした作品を描いてるとか。忍法帖に嫌気がさしていたせいか、十兵衛さまのご実家の柳生家が徹底してこきおろされるという「山ちゃんそりゃないよ」的な一面もあり。

☆芍薬屋夫人
この短編のみデビューまもない昭和20年に発表されています(他は同46~48年)。鎖国の世で例外的に日本で塾を開くことを許された外人医師シーボルト。その弟子で、一途な恋ゆえに心を病んでいく、ある青年の悲劇を描いた作品。なんでわざわざ「シーボルトの弟子」という設定になってるかというと、このお話が「出産」をテーマにしているから。シーボルト先生は産科においても日本に多大なる恩恵を施してくださった方のようで。冒頭で描写される本邦初公開の帝王切開の描写は、医学生だった山風の経験も大いに生かされています。
もひとつ作品から感じられる主張は「日本の女は怖いぜェ~」というもの。ま、女の人がおっかないのはあちらだって変りないと思いますけどね。まだ山ちゃんが結婚前の若々しいころに書かれた話なんで、後のものより女性観が厳しくなってるかも。
山風のかなり最初期の時代小説であり、後に繰り返して現れる「妊娠と出産」というモチーフが早くも現れているという点でも、注目に値する一編。

☆獣人の獄
日本の未来のため、暗愚な将軍の世子家祥を暗殺しようと謀る四人の旗本ら。彼らはその実行犯としてうってつけの豪放な武士・馬頭漢兵衛を見出す。しかしいざ時期が熟すや、主謀者たちは急に腰砕けになってしまい、やる気満々の漢兵衛をもてあまし始める。
「馬頭漢兵衛」という名前検索してみましたが、ひとつもヒットしませんでした。恐らく創作上の人物かと思われます。こういっちゃなんですが、五編中もっとも印象が薄い一編。「天下のためとかいいながら、女の色香に迷って道を踏み外す小人たち」「慰み者にされて散った恋人のため、復讐に燃える主人公」 こういうの、山風作品ではおなじみのパターンですしね。
強いて特徴を一つ上げるとするなら、「幕末(特に安政)って相当真っ暗な時代だったんだなあ」ということがよくわかるところ。大地震は起きる、疫病は流行る、しまいにゃ異人たちに征服されちゃうかもしんない・・・・ 庶民が「ええじゃないか」と現実逃避してしまうのも、無理ないですな。

☆ヤマトフの逃亡
兵学・医学・語学など、様々な才能に長けた掛川藩士・立花久米蔵。彼の政治批判や毒舌は、周囲を片っ端から敵に回してしまう。しまいに藩内に監禁されることになる久米蔵だが、彼がそのままおとなしくしているはずはなかった。
この立花氏も検索してみました。今度はそこそこ出てきましたが、みんなこの小説関連(笑)。しかし経歴とかやけに細かく書いてあるんで、この人は実在してたんじゃ・・・と思うんだけどなあ。
悲運の天才と言えなくもないですが、この人の場合自分から災いを招き寄せているようなところがあるので、あんまり同情できません。それはともかく、オチの切れ味は収録作品の中で随一。タイトルにある「ヤマトフ」。これはある著名な書の中に、ちょこっとだけ出てくる言葉なんですが・・・ 食い物っぽい名前ですが、もちろんそうではありません。

☆伝馬町から今晩は
弘化二年。伝馬町から火が出たため、牢内の囚人たちは外に避難することを許された。その中には「蛮社の獄」で不当な罰を下された大学者・高野長英もいた。大手を振って外にいられるのはわずかに三日間。長英はその期間をフルに活用し、昔恩を売ってやった連中のところへ「地獄の家庭訪問」に行く。
のんきなタイトルとは裏腹に、五編中一番きっつい話。高野長英といえば「時代に早すぎた悲劇の人物」というのが世間のイメージ。けれどもこの作品では、行く先々の人々を積極的に不幸にしていくという、ダークサイド満載な描かれ方です。恐らく山ちゃんとしては、幾ら自由がほしいからといって、自分を慕う若者を放火犯にしてしまった時点で、長英は断罪すべき対象だったのでしょう。自分は長英氏にはすくなからず思いいれがあるので、ちと辛かったですが、彼にはこういう一面があったこともまた確か(やや誇張されてはいますが)。えー、まーなんつーか、善意ってのは見返りを求めた時点で善意ではなくなってしまうっつーか。

五編とも独立しながらもリンクしている部分もあり、そういう関連を見つけて楽しむこともできるでしょう。
共通して感じられたのは、「善玉であれ悪玉であれ、エネルギッシュな人間のそばにいると、とばっちりを食いやすい」ということ。あと山風は偉そうなこと言って庶民を犠牲にする輩が「大大大キライ」なんだなあ、ということも改めて感じられました。

20070202175215当然現在品切れかと思われますが(ここまでやっといて・・・)古書店では比較的見つけやすい本だと思いますので、興味を持たれた方はがんばって探してみてください。ちなみに二巻は『おれは不知火』、三巻は『明治忠臣蔵』というタイトルです。

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