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December 02, 2006

平成ライダーの六年間を振り返る 剣編①

20061202195222『剣』と書いて「ブレイド」と読みます。これに関しては放送終了時に三回にわけてやったんで、また書かなくてもいいかなー、とも思ったんですが、やっぱり流れ的に不自然なんで、もう一度(リミックスしつつ)チャレンジしてみたいと思います。

平成版仮面ライダーで現在までに放映終了したのは全部で6作品。それぞれに熱心なファンがついてますが、なぜか『剣』が一番!」という声はあまり聞きません。代りに「『剣』だけはダメ」という声はちょくちょく聞きます。みんな、ひどいよ!(笑) で、第一回は「なぜ『剣』はダメだったのか?」ということについて考えてみましょう(ああああ)

まず番組の概略を。今を去ること1万年前、地球では種族の繁栄をめぐって、各種の始祖「アンデッド」たちの激しいバトルロイヤルが行われていた。結果、人類の始祖たる「ヒューマンアンデッド」が勝利。地球には人間が栄えるようになった。
そして現代、カードに封印されていたアンデッドたちが何者かにより解放されてしまう。人類の平和を守るため、特設された組織「ボード」は、アンデッドたちの能力を抽出して使う戦士「仮面ライダー」を開発。アンデッドたちを再封印していく。当初計画は順調に進んでいると思われたが・・・
『剣』の特色は「トランプ」。『龍騎』での「カードバトル」をさらに発展させてまして、ライダーたちは怪人をカードに封印し、そのカードを使って変身したり、技を繰り出したりします。で、アンデッドは全部で53体いまして、ちょうどトランプの各札にあてはめられるようになっております。

さて、では『剣』はなぜ「ダメ」とされているのでしょう。この作品は三年プロデューサーを務めた白倉氏に代り、それまで戦隊もののPをやっていた日笠淳氏が手がけておられます。で、この日笠さんという方はよくも悪くも「商売人」なんじゃないかな、と。とくに「これがやりたい!」「これだけは伝えたい!」そういうものは持ってないのでは。まず、その時なにが子供に受けそうか考えて、作品のおおまかなアウトラインを決める。ストーリーはメインライターに概ねゆだねて、自分は監修に徹する・・・ そんな感じだと思います(「脚本はけっこう粘る」という意見もありますが)。そのため個性が作品に表れてしまう高寺・白倉両Pにくらべて、いささか作風が定まらないというか、「没個性的」という印象があります。
ただ、そういう方法論ってむしろ特撮では王道ではないでしょうか。それに基づいて30年やってきたのが、東映特撮のもう一本の柱である「戦隊もの」なわけですから。
けれど、「作家性」「テーマ性」を追求してきた平成ライダーに馴染んでいたファンにとっては、いささか物足りなく感じられたようで、その辺が「ダメ」と言われてしまう理由かと思われます。

他のマイナス要素としては、準備期間があまりなかったせいかストーリーが行き当たりばったり的だったり、一般向けドラマが畑だった脚本家の今井詔二氏が結局特撮になじめなかったようで、途中降板したり・・・ということなどが挙げられます。

しかし『剣』に良い所が全くないわけではなく、これはこれで楽しめるところ、工夫してある部分も少なからずあります。特に後半における持ち直しぶりには、多くの人が高い評価をくだしています。そうした「いいところ」については、また項を改めて語ることとしましょう。
Bbs21rc次項は『カブト』を挟んで、「ダディヤーナさん」の名で親しまれている仮面ライダーギャレン、およびその弟子であるレンゲルについて語ります。


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