バカという名のもとに 2006映画ベスト②
それでは前回に続きまして、ワースト5&ベスト10を。その前に今年の傾向をざっと振り返ってみましょうか。
邦画では相変わらずコミック原作ものと、「泣ける」純愛ものがやたら多かった気がします。洋画ではヒーローものの続編や、実際の戦争や事件を題材にした社会派の作品が目立っていました。韓国製も引き続きいろいろ公開されていましたが、ブームもそろそろ落ち着きの兆しを見せ始めているようです。
ではワーストから。2位に4作品が並びます。
・ZガンダムⅢ 星の鼓動は愛
・ウルトラ・ヴァイオレット
・レディ・イン・ザ・ウォーター
・ブラック・ダリア
カットは『ウルトラ・ヴァイオレット』のつもり。『Zガンダム』『ブラックダリア』は途中まではそんなに悪くなかったけど、風呂敷のたたみ方がひどかったです。『ウルトラ~』は『イーオン・フラックス』の直後という時期が悪かった気もする。似たようなもの続けて見ると、あとの方が印象悪くなりますし。『レディ~』はあの独特の世界観に入り込んでいけませんでした。
そして栄えある第一位は
『ジャーヘッド』
兵士さんたちが「退屈だー」と参っている様子をえんえんと見続けさせられる、ひどい映画。面白くないうえにこっちまで気が滅入りそうになる。
予告編観たときはけっこう面白そうだったんですがねー。ここは予告を作ったエディターさんの手腕を讃えることといたします。
さて、ではベスト10のほう行きましょうか。
第10位 X-MEN ファイナル・ディジション
シンガー派には評判悪いけど、わたしはこれけっこう好きです。サービス満載の上に原作『X-MEN』のスピリットもちゃんと表現してくれたし。つーか、アメコミファンとしてはもっと上に置かなきゃいかんよな・・・・
これからもスピンオフやら続編やらたくさん企画中だそうですが、どこまで信じてよいものやら。
第9位 ゲド戦記(カット)
今年の同情票(笑)・・・・ じゃなくて、わたしにとっちゃマジメにいい映画でしたよ。たぶんアレン少年に同情できるか出来ないかが、この作品に対する好き・嫌いを決めるポイントでなかろうか。ここは夜回り先生のようなひろーい心で鑑賞いたしましょう。
続けていきます。
第8位 ALWAYS 三丁目の夕日
第7位 男たちのYAMATO
二つとも昨年末から今年初めにかけて話題をさらった作品。実はどっちにも、かなりボロボロ泣かされた。だったらもっと上でも良さそうなもんだが、作り手の計算に乗せられた気がしてシャクなので、この辺に。『ALWAYS』は先日続編の製作が決定したとか。
第6位 ウォレスとグルミット 野菜畑で危機一髪!
ここから三つばかし過剰サービス気味な作品が並びます。
『ウォレス~』は今回クレイじゃない部分もありましたが、なにしろあの『ウォ・グル』を一時間以上楽しめるのですから、そんなことは気にしません。
これまでと比べて、いささかバカ度が高かったことも良かったです。さて、新作が拝めるのは今度は何年後になるのでしょう・・・・ あと、ヒロインがやっぱり化ケモノにしか見えません。
第5位 ナルニア国物語第一章 ライオンと魔女
本物にしか見えない野生動物が言葉を話すと、こんなにもかっこよく見えるものなんですねー
主人公の四兄弟が可愛げのない性格だったのに苛立ちを覚えたひともいるようですが、だからこそ連中が一皮向けたときは感動します。例をあげるなら、さんざやんちゃしてきた弟にピー太兄貴が「まず休め」というところとか
続編は再来年だったかな?
第4位 キング・コング
わたしサル系のモンスターにはあまり萌えないほうなので、まさかこの巨大サルに泣かされようとは思いませんでした。コングの悲しみに触れてください! そして泣いてください!!
とはいうもののそこはピージャク。中盤には悪趣味百連発な怪獣祭りもありますので、その筋がお好きな方にはたまらない一品に仕上がっております。
ちなみにピージャクさんは現在『ホビットの冒険』の監督をやる・やらないでもめてるそうです。
第3位 Death note 二部作
最初は興味なかったんですけど、第二部は今年一番公開が待ち遠しかった映画でした。続きへの期待を盛り上げ、独自のサプライズを用意した第一部を、まずは評価すべきでしょう。そして原作の重要部分をうまく抜き出して、映画独自のアイデアを盛り込んだ第二部『the Last name』も期待に違わぬ出来でした。製作側の戦略に上手に踊らされた気がしないでもありませんが、楽しかったので別にいいです。
第2位 トンマッコルへようこそ
あのバカっぽいポスターにだまされないでください。たしかにおバカな要素も多々ありますが。
南側の兵士がフラッシュバックで泣きそうになるシーンがあります。わたしもこの映画のことを思い出すと条件反射で鼻水がほとばしります。
狂騒と血しぶきのあとに訪れる、限りなく優しいラストシーン。一連の「南北分断もの」のみならず、全てのコリアン・ムーヴィーのなかでマイベスト。そんなに観てないですけど。
そして第1位は・・・ジャカジャン!
『ドラえもん のび太の恐竜2006』
・・・・えー。このチョイスには「二十年以上前オリジナルを観た劇場で、たったひとりで観た」という個人的事情がからんでいます。ただ、それを抜きにしても大変素晴らしい作品でした。ドラと恐竜と子供たちと藤子Fへの、あふれんばかりの愛情を感じます。お子さんをお持ちの方は是非ご一緒に見たってください。
わたしのベスト10ってわりと人に薦められないようなもんが並ぶことが多いんですけど、今年はわりとどれも自信を持ってプッシュできるような・・・・ 『ゲド』以外は(笑)
さて、こちらはこれが今年最後の更新となります。もしまだ命を永らえていましたら、また来年お会いいたしましょう。サイナラ!!
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