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December 29, 2006

バカという名のもとに 2006映画ベスト②

それでは前回に続きまして、ワースト5&ベスト10を。その前に今年の傾向をざっと振り返ってみましょうか。
邦画では相変わらずコミック原作ものと、「泣ける」純愛ものがやたら多かった気がします。洋画ではヒーローものの続編や、実際の戦争や事件を題材にした社会派の作品が目立っていました。韓国製も引き続きいろいろ公開されていましたが、ブームもそろそろ落ち着きの兆しを見せ始めているようです。

ではワーストから。2位に4作品が並びます。
20060624144027_2・ZガンダムⅢ 星の鼓動は愛
・ウルトラ・ヴァイオレット
・レディ・イン・ザ・ウォーター
・ブラック・ダリア
カットは『ウルトラ・ヴァイオレット』のつもり。『Zガンダム』『ブラックダリア』は途中まではそんなに悪くなかったけど、風呂敷のたたみ方がひどかったです。『ウルトラ~』は『イーオン・フラックス』の直後という時期が悪かった気もする。似たようなもの続けて見ると、あとの方が印象悪くなりますし。『レディ~』はあの独特の世界観に入り込んでいけませんでした。
20061229174053そして栄えある第一位は
『ジャーヘッド』

兵士さんたちが「退屈だー」と参っている様子をえんえんと見続けさせられる、ひどい映画。面白くないうえにこっちまで気が滅入りそうになる。
予告編観たときはけっこう面白そうだったんですがねー。ここは予告を作ったエディターさんの手腕を讃えることといたします。


さて、ではベスト10のほう行きましょうか。
20060812141118_1第10位 X-MEN ファイナル・ディジション
シンガー派には評判悪いけど、わたしはこれけっこう好きです。サービス満載の上に原作『X-MEN』のスピリットもちゃんと表現してくれたし。つーか、アメコミファンとしてはもっと上に置かなきゃいかんよな・・・・
これからもスピンオフやら続編やらたくさん企画中だそうですが、どこまで信じてよいものやら。

第9位 ゲド戦記(カット)
今年の同情票(笑)・・・・ じゃなくて、わたしにとっちゃマジメにいい映画でしたよ。たぶんアレン少年に同情できるか出来ないかが、この作品に対する好き・嫌いを決めるポイントでなかろうか。ここは夜回り先生のようなひろーい心で鑑賞いたしましょう。


20061229175511続けていきます。
第8位 ALWAYS 三丁目の夕日
第7位 男たちのYAMATO
二つとも昨年末から今年初めにかけて話題をさらった作品。実はどっちにも、かなりボロボロ泣かされた。だったらもっと上でも良さそうなもんだが、作り手の計算に乗せられた気がしてシャクなので、この辺に。『ALWAYS』は先日続編の製作が決定したとか。


20060424162837第6位 ウォレスとグルミット 野菜畑で危機一髪!
ここから三つばかし過剰サービス気味な作品が並びます。
『ウォレス~』は今回クレイじゃない部分もありましたが、なにしろあの『ウォ・グル』を一時間以上楽しめるのですから、そんなことは気にしません。
これまでと比べて、いささかバカ度が高かったことも良かったです。さて、新作が拝めるのは今度は何年後になるのでしょう・・・・ あと、ヒロインがやっぱり化ケモノにしか見えません。


20061229175749第5位 ナルニア国物語第一章 ライオンと魔女
本物にしか見えない野生動物が言葉を話すと、こんなにもかっこよく見えるものなんですねー
主人公の四兄弟が可愛げのない性格だったのに苛立ちを覚えたひともいるようですが、だからこそ連中が一皮向けたときは感動します。例をあげるなら、さんざやんちゃしてきた弟にピー太兄貴が「まず休め」というところとか
続編は再来年だったかな? 


20061229174021第4位 キング・コング
わたしサル系のモンスターにはあまり萌えないほうなので、まさかこの巨大サルに泣かされようとは思いませんでした。コングの悲しみに触れてください! そして泣いてください!!
とはいうもののそこはピージャク。中盤には悪趣味百連発な怪獣祭りもありますので、その筋がお好きな方にはたまらない一品に仕上がっております。
ちなみにピージャクさんは現在『ホビットの冒険』の監督をやる・やらないでもめてるそうです。


20060820182951_1第3位 Death note 二部作
最初は興味なかったんですけど、第二部は今年一番公開が待ち遠しかった映画でした。続きへの期待を盛り上げ、独自のサプライズを用意した第一部を、まずは評価すべきでしょう。そして原作の重要部分をうまく抜き出して、映画独自のアイデアを盛り込んだ第二部『the Last name』も期待に違わぬ出来でした。製作側の戦略に上手に踊らされた気がしないでもありませんが、楽しかったので別にいいです。


20061209190941_1第2位 トンマッコルへようこそ
あのバカっぽいポスターにだまされないでください。たしかにおバカな要素も多々ありますが。
南側の兵士がフラッシュバックで泣きそうになるシーンがあります。わたしもこの映画のことを思い出すと条件反射で鼻水がほとばしります。
狂騒と血しぶきのあとに訪れる、限りなく優しいラストシーン。一連の「南北分断もの」のみならず、全てのコリアン・ムーヴィーのなかでマイベスト。そんなに観てないですけど。

そして第1位は・・・ジャカジャン!
20060527203835_1
『ドラえもん のび太の恐竜2006』

・・・・えー。このチョイスには「二十年以上前オリジナルを観た劇場で、たったひとりで観た」という個人的事情がからんでいます。ただ、それを抜きにしても大変素晴らしい作品でした。ドラと恐竜と子供たちと藤子Fへの、あふれんばかりの愛情を感じます。お子さんをお持ちの方は是非ご一緒に見たってください。

わたしのベスト10ってわりと人に薦められないようなもんが並ぶことが多いんですけど、今年はわりとどれも自信を持ってプッシュできるような・・・・ 『ゲド』以外は(笑)
さて、こちらはこれが今年最後の更新となります。もしまだ命を永らえていましたら、また来年お会いいたしましょう。サイナラ!!

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December 27, 2006

バカという名のもとに 2006映画ベスト①

えー、本当に一年経つのは早いですね。日本一頭の悪い映画ベストです。2006年中に公開されてわたしが鑑賞した39本(んっとーに、バカじゃなかろうか・・・)を大雑把にランキングいたしました。ではまず可も不可もなくというか、プラマイゼロのような作品から。
20060714194835_2・イーオン・フラックス
・ホワイト・プラネット
・父親たちの星条旗
カットは『ホワイト・プラネット』から。三本とも決め手に欠けるというか、印象が薄いというか。
『父親たち~』は、本当は姉妹編である『硫黄島からの手紙』を観てから評価してあげるべきかもしれません。


では続きまして(あくまで個人的に)「まあ良かった」という作品を。まず23位が6本並びます。
20060802195244_1・オリバー・ツイスト
・ミュンヘン
・ガメラ 小さき勇者たち
・花よりもなほ
・M:ⅰ:Ⅲ
・カーズ
カットは『カーズ』から。それなりに感動したり興奮したりしたけれど、途中ちょっと退屈だったものが多いです。『ミュンヘン』なんかは打ち切りになったドラマの総集編を観させられてる気分だったなあ。

続きまして19位から4本
20060924201128_2・グエムル 漢江の怪物
・トゥモロー・ワールド
・007/カジノ・ロワイヤル
・武士の一分
カットは『グエムル』から。わりかし最近観たものが多いな・・・ 欠点もあるけど個性が際立つ4本。『グエムル』なんかけっこう頭に来たけど、インパクトを評価して。『カジノ・ロワイヤル』と『武士の一分』のレビューは来年の宿題。

以下は一本ずつ行きます
20060701082344_118位 V・フォー・ヴェンデッタ
完成度とかは「あららー」ですが、好みのストーリーだったので。アメコミですし。原作者は激怒したそうですが。

17位 嫌われ松子の一生(カット)
邦画のインパクト大賞。良くも悪くも「やりすぎ」な作品。わたしは『下妻物語』よりこっちの方が良かったです。

16位 スーパーマン・リターンズ
「なんでもできちゃう♪」スーパーマンのパワーを体感しよう! そして独身者はそろそろ身を固めよう! な一本。どっかに嫁、落ちてないかしら。あれ?


こっから先は「かなり良かった」レベルに突入します。
20060823183927_115位 the 有頂天ホテル
三谷幸喜ファン、『新選組!』ファン感涙の一本。結局一番印象に残ったキャラは、佐藤浩市かなあ。あと役所さんの「牡鹿は牝鹿よりも・・・」のくだりが、とても痛々しかった

14位 パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト(カット)
これも本当は第三作と足して評価すべきなんだろうけど、タ○があまりにも素晴らしかったので

2006122718562113位 銀河ヒッチハイク・ガイド(カット)
滑り気味のギャグも多いが、「SF」「ロボ」「おバカ」と来たら評価しないわけにはいかない。知能が高すぎてうつ病になってしまったロボがウケた

12位 ロード・オブ・ウォー
面白がっちゃいけないんだけど、つい面白がって観てしまう社会派ドラマ。最後にはキチンと客の胸に傷を付けてくれる

11位 時をかける少女
宿題その三。ある少女のはかなくまぶしい「夏」を鮮やかに切り取った作品。筒井康隆が出発点とはとても思えない


最後に今年のえこひいき賞を
Krkh024b_1『仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』
おめでとう! 平成ライダー!! 三年連続受賞です! 本当におめでとう!!

・・・・えー、本当はこれ、ワーストに入れてもいいくらいなんですが。来年こそは、『アギト』~『ファイズ』の時の興奮を今一度! って、来年は映画やるのかしら。

次回はワースト5&ベスト10を。気の向いた方はまたご覧ください。


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December 25, 2006

第3回SGA屋漫画文化賞

2006年もとうとうあと一週間。そんなわけで今日はひんしゅくもののこの企画いってみましょう。
例によって賞金は一切ありません。て言うか、ください。

少年部門:荒川弘 『鋼の錬金術師』
20061203204130_1少年ガンガン連載中のダーク・ファンタジー。というか、雰囲気としてはスチーム・パンクに近い。
罪を背負い、傷だらけになりながらも「前に進む」若者たちの姿が胸を打つ。
アニメ放映が終了すると尻すぼみになっていく作品が多い中、全然勢いが衰えないところがすごい。
作者の言によれば物語はもう折り返し地点を過ぎたということだけど、まだまだ期待してまっせ!


青年部門 水谷修・土田世紀 『夜回り先生』
20061225190630
コミックIKKI連載中。
実在する教育者・水谷修氏のノンフィクションを脚色した作品。「実話をもとにした」お話だけに、その重さはヘビー級。子供たちの直面するあまりにも苛酷な実情には、言葉もない。
今年もいじめ問題や児童虐待のニュースが目立ったが、そんな時代だからこそ読まれるべき漫画。近日レビュー予定。
そして教師の風上にもおけないのが


ギャグ部門 久米田康治 『さよなら絶望先生』
20061225190403サンデーに捨てられた久米田康治が、マガジンでかっとばした起死回生の一発。
一本のお話の中に惜しげもなくネタをつめこみ、知性と教養とオタ知識とゴシップを駆使して思索をめぐらすそのスタイルは、他の追随を許さない。でも作品の本質はやっぱりくだらない(そこがいい)。
近日レビュー予定。


モン吉賞 そにしけんじ 『猫ラーメン』
20060901194954_1コミックブレイドMASAMUNE連載中。
「猫がラーメンを作る」というそれだけのネタを、えんえんと続ける恐ろしい漫画。その無謀ともいえるチャレンジ精神を評価して。
最近カレーにも浮気してる聞いたが、大将! あんたのラーメンにかける情熱ってその程度のものだったのか!?
見損なったぜ!!
あさってにはテレビ神奈川他でテレビアニメも放送開始。・・・・ってマジですか?


邦訳部門 マイク・ミニョーラ 『ヘルボーイ:人外魔境』
20060621183933_2シリーズとしては通算六冊目。超常現象調査局を離れたヘルボーイは、太古の神々の記憶が残るアフリカへと足を踏み入れる。
これまでの作品とくらべあんまり出来のいい方ではないが、今年は出玉が少なかったし、日米同時出版という快挙を祝して。
もうけのむずかしいジャンルだとは思いますが、なんとか頼みますよ! ジャイヴさん!&小プロさん!


映画化部門:金子修介 『デスノート』二部作
20060703202315_1
原作をコンパクトにまとめ、オリジナル要素も入れつつ上手にアレンジした一本。じゃなくて二本。
原作も含め、2006年のエンターテイメント業界を色々にぎわしてくれた。
先日映画オリジナルの続編(というかスピンオフ?)の製作決定にはたまげた。・・・・大丈夫か?


アニメ部門 下田正美 『ゼーガペイン』
20061123142301_1ここ5年ほどのテレビアニメで、もっとものめりこんだ作品。P・K・ディック的なテーマを極限までつきつめ、「生きるとは?」「命とは」をオタクくんたちに問いかける。
アニメではほかに『蟲師』『SAMURAI7』『ウィッチブレイド』などが良かったです。


大賞 井上雄彦 『バガボンド』
20061225190326なんだかんだいって、今年一番つづきが待ち遠しかったマンガ、面白かったマンガはこれでした。原作ではさっと出てきてさっとやられてしまうあの御仁との対決が、まさかあそこまで盛り上がるとは。ストーリーはこれから『宮本武蔵』最大の問題箇所である「一乗寺下り松」編にむかうわけですが、井上先生はいったいどのようになさるつもりなのでしょう。また休載がふえそう・・・・


そういえばこのブログ始めてから、いつのまにやら丸二年経ってしまいました。いつも読んでくださるごく小数のかたたち、この場を借りてあつく御礼申し上げます。

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December 23, 2006

ガタックNO.1 仮面ライダーカブトを語る⑤

20061223172143ねがてぃぶな、ばったのきょうだいがあらわれたり、あのひとやこのひとまで「わーむ」だったり、そのごもいろいろありましたが、いつのまにやら、しぶやのもりもさいしゅうけっせんです。「かぶと」あんど「がたっく」のさいきょうたっぐにたいしますは、おおつきけんぢにのかにいちぞく・あんどもうひとりの「てんどうそうじ」こと「てんねんぼけそうじ」です。さあ、はたしてしんの「むしきんぐ」はいったいだれになるのか!?

いよいよ余すところ4回となった『仮面ライダーカブト』。今回はいままでの整理とやや個人的な感想を。
さすがに40回を越えたあたりから展開も急になってきて、いくつか謎も明らかにされました。ただ、それが矢継ぎ早だったもので、すぐには理解できなかったりして。ほんで足りない頭で少々考えてみました

・まず35年前、「ネイティブ」と呼ばれるワームが地球に飛来
・人類とコンタクトを取ったネイティブたちは、次なる凶暴なワームの飛来を警告する
・第二波ワームに備えるため、組織ZECTはネイティブの指導のもと、マスクドライダーシステムの開発に着手
・そして7年前、第二波ワームが飛来。渋谷は崩壊。ZECTは凶暴なワームに対抗するため、ようやくマスクドライダーシステムの実戦投入を試みるが・・・ →第1話

こんな感じでしょうか。まちがってたらすいません。
まだ明らかにされてない謎も数多くあります。最低限明らかにしてほしいものを列挙してみましょう

1.ひよりを育てたネイティブ夫妻は、なぜ日下部夫妻を殺したのか?
2.天道を育てた「おばあちゃん」なる人物は、いったい何者なのか?
3.矢車と影山は、一体どうやってホッパーゼクターを入手したのか?
4.もう一人の天道・ダークカブトの正体は? どのようにして生まれたのか?
5.そもそも、時空を突き破って表れる「ゼクター」とはなんなのか?
6.「エリアX」が隠されていた理由は?
7.ワームたちはなぜ、どこからやってきたのか?

答えを予想してみます。まず1・・・・単に地球に潜伏するための隠れ蓑が欲しかった? でも日下部氏がシステム開発の主要メンバーだったことを考えますと、偶然襲われたというのは、ちと出来すぎ。
2・・・・先日出てきたワームキャラが「最後のゲスト」と呼ばれていたことを考えますと、どうやら本編での登場はなさそう。単なる篤志家・・・・だとちょっとがっかり
3・・・・ドレイク風間のように、向うから匂いをかぎつけてきてなついた? それもちょっとがっかり
4~6は特に思いつきません。この三つの謎は密接に関わりあっている気がします
7・・・・戦争で母星を滅ぼしてしまい、適当な居住地を探してたところに地球をみつけた、ってとこでしょうか(ただこれでだと時間差をつけてワームが飛来したことの説明がつかない)

果たしてどこまで明らかになるかな? ・・・・ていうか、マジで頼みます。
さて、今回は少しネガティブな感想を。以下の「面白かった」「つまらなかった」の前には、すべて「個人的に」という語を省略してあります。ご了承ください。
もう撮影も終了してるでしょうから思い切って言ってしまいましょう。果たして『仮面ライダーカブト』は面白かったか? 10話までは確実に面白かったです。何度も述べたように、わたしはこの作品を「組織と個人の対立の物語」として認識していました。組織の容赦ない攻撃を鼻先でかわしていく超人・天道。組織の意向と個人の良心の間でもがく凡人・加々美。やるかやられるかという緊迫した空気の中で描かれるそうした対比が、まことに痛快でした。しかし十話以降天道とゼクトの関係は次第に生ぬるいものになっていき、両者の対立もなんだかうやむやになってしまいました。『カブト』は結局、平成ライダーの王道的テーマ・・・・「自分と異なるものと理解しあうことはできるか」を中心とした物語だったようです。
もちろん11話以降がまったくつまらなかったかというと、そんなことはありません。加々美がガタックを入手するエピソードなどは、非常にのめりこみましたし。ただ、当初あった緊迫感とテーマは最終クールに入っても戻ってこず、その点が少々残念でした。
20061223171750しかし、『仮面ライダーカブト』はまだ4回を余しています。こちらの予想をはるかに上回るような、怒涛のクライマックスがあってもおかしくはありません。そんな淡い期待を抱きつつ、ラスト一ヶ月視聴していきたいと思います。

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December 20, 2006

仮面らいだー カブトくんヒビキさん 13の巻

「年末といえば」

20061220174851「あー、今年ももう終っちゃいますねー」

「本当、一年ってあっという間ですよね」

「あれ? ヒビキさん、何そわそわしてるんですか?」

「いや、あのさ・・・・」


20061220174920「年末といや、紅白だろ?

布施さん今年も出るみたいだし

そろそろオファーが来るころかな、と思って

そわそわ」


20061220175103「どうかなあ。今年は出番ないと思いますよ」

「そうそう、たぶん曲は『シクラメンの香り』ですよ」

「いい加減諦めたらどうですか」

「ったく出たがりっつーかなんつーか」


20061220180051「ほっとけっ!!
じゃかあしいぃっ!!」

ぼくっ
「ふがっ」

ぼかっ
「がふっ」


続きまして
「カブト最終回予想」
20061220180340「もしや・・・・

お前も時を止めることが出来るというのか?」

(同じ・・・)

(同じタイプのゼクター・・・・)


20061220180428「テンディオ・・・

お前はミスを犯した

そう、たった一つのシンプルなミスだ

 お 前 は オ レ を 怒 ら せ た


20061220180647「オラオラオラアッ!!」

「無駄無駄無駄アッ!!」

「オラオラオラオラオラオラアッ!!!!」

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄アッ!!!!」


20061220180806物陰からそれを見守る謎の化粧師

「わたくし・・・・
残酷ですわよ」

もう、なにがなにやら

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December 18, 2006

戦国鬼嫁日記 ~大河ドラマ『功名が辻』より⑱

みなさん、こんばんは~。チヨっす。いまこのシリーズ読み返してたんだけど、今年もいろいろあったわねえ。冬季五輪もWBCもワールドカップも、全部今年の出来事だったのよねえ。もうずいぶん前の話のような。永田議員なんか、「誰それ?」って感じ。
ほいじゃ行きますか、「戦国鬼嫁日記」。え? 今日が最終回!? ちょっと聞いてないわよ! だああ、じゃあ思いっきりかっとばすわよ! ついて来れるヤツだけフォロー・ミー!!

ええと、どっからだっけ。そうそう、新ミッチーのその後からね。結論から言うと、あっさりぱくられて斬られました。いまわのきわに「わしはサル殿下となって復活する」とかわけわかんねーこと呟いてたって。もう正気じゃなかったのね。お気の毒。たとえ生まれ変われたとしても、「あ」という間に終っちゃうと思うけどねー

ほんで関ヶ原の闘争のあと、各組長に配置のお知らせが来た。宿六への割り当ては、なんと高知支部を丸々あずけてくれるという大盤ぶるまい。あの宿六のおべんちゃらが、ダンナにとってはけっこうありがたいもんだったってことかしらねー
ところがさー、意気揚々と四国にやって来たら、反徳川の残存勢力やら、いきがったチンピラなんかがその辺にうようよしてる。草木がぼうぼう生い茂っている土地をくれて、「あとは自分ちでなんとかして」みたいな? やってくれるわよ、あの釣りバカ大将
そんなわけでゲリラやチンピラをどうにかしなきゃいけない。そいで宿六が思いついた手は・・・・ なんと「オトコだらけのハダカ祭り」開催。
・・・・バカじゃないの? そんなもん開いたところで用心深いゲリラが来るはずもないでしょうが!! ところがねー。来ちゃったのよねー、連中・・・・ 本当にバカばっかり!!
ゲリラたちは丸腰のところを取り押さえられて、片っ端から簀巻きにされて、四万十川にドボーン。この時どういうわけか六平太もゲリラと間違われて、一緒に流された。あいつ人相悪いからねー

そんなこんなで高知にはようやく平和がおとずれたんだけど・・・・ ちょっと納得いかないわよね。あたしゃ長ドス振り回して暴れる宿六が好きで結婚したのに、あいついつからこんな姑息なお笑い戦法が得意になっちゃったのかしら? あとなにより気に食わなかったのは、この作戦をあたしに内緒でやってたこと。あたしだってハダカ祭り見たかったのに!! 
だからあたしは置手紙を置いて家を出た。「探さないでください」って。ほんで市内のホテルに隠れてたんだけど、いつまで経っても探しに来る気配がない。しびれを切らしたアタシは、自分から高知支部に乗り込んで行った。そしたらあんにゃろう、ホステスはべらかしていい気になってるじゃないの!
「ち、ちよ。これには深いわけが・・・ うぐがぼっ」
そう言って宿六はぶっ倒れた。これが原因となって、宿六はその激動の人生を終えたの

・・・・さようなら、宿六。あなたのことは永遠に忘れない。わたしはこの胸に愛と悲しみを抱えて、いつまでも強く生きていくわ!

このあとダンナとチャチャの大阪決戦とかあったんだけど、もうどうでもいいわね。ダンナが勝って、チャチャは壮烈爆死。血は争えない、つーか
このあとのアタシの予定なんだけど、まず大奥に行って、紅白の司会やって・・・ってまた!? そいで来年は民放でドラマ入ってて・・・・ 殺す気か! ジャーマネ!!

20061217201941ともかく皆様、一年の間ガラの悪いコーナーに付き合っていただき、まことにありがとうございました。本当、ウン十年のような一年だったわ

最後はやっぱり歌でお別れしましょう。じゃ、一足お先に
♪恋のダウンロード~
(ADに)バカ! 違うだろ!
♪ほーたるーのーひーかーりー まどーのーゆーーきーー

ほいじゃねー

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December 16, 2006

風と雲とギャグと 『風雲児たち』を語ってみたい⑯

20061216180014みなもと太郎先生の手による大河歴史ギャグマンガ。16回目は志士たちの「夜明け前」について語りたいと思います。潮版で21巻以降、リイド版で15巻以降のお話。

幕末のチャンバラを描く事が目的だった『風雲児たち』。何事にも丁寧な?みなもと先生の性分のためか、物語はなかなか幕末にたどりつきませんでしたが、さすがにこのあたりになると、ようやく幕末のビッグネームが次々と顔を出すようになります。勝海舟、坂本竜馬、吉田松陰、西郷隆盛、村田蔵六・・・・・ どちらかと言うと「知られざる」人物を扱うことが多かった当作品にこれらの傑物が登場してきたときには、さすがに感慨深いものがありました。
しかし彼らが生まれたばかりのころ、日本はまだ眠りの中にありました。そんな中、志士たちはどのような少年時代を送ったのか。そのあたりが暖かく、時に激しいアクションを交えつつ描かれます。
際立つのは「貧乏」というキーワード。竜馬や桂小五郎など一部を除き、明治の元勲たちはみなド貧乏な家の生まれでした。「あのー読者ももう飽きちょりますけん」というツッコミが作中で語られるほど、貧乏エピソードが続けざまに語られます。しかし不思議と暗い印象はありません。みなもと先生の筆致もありましょうが、彼が後々驚異的な打たれ強さを発揮するのは、この貧乏のドン底で鍛えられたからでは・・・・ そんなことを思わせられます。そして食べ物に関する逸話が多いのも、また偉人たちを身近な存在にしています。この辺は一昨年の大河ドラマにも、深い影響を与えているのではないでしょうか。

数ある若者たちの中でも、やはり目立っているのは吉田松陰と坂本竜馬。松蔭は他の人物より一足先に登場していますし、竜馬にいたっては、単行本第一巻において初めて顔を出すキャラが彼だったりします。このあたり、先生の愛情が一際深くの二人に注がれていいることを感じさせます。
この竜馬と松蔭の共通点について、少し考えてみました。
まず二人はすんげー厳しいスパルタ教育によって育てられています。松蔭は叔父の玉木文之進に。竜馬は姉の乙女に。ちょいと隙を見せただけでも鉄拳が飛んでくるハードな指導。今だったらさしずめ虐待とも受け取られかねないのでは・・・・ そう思うといささか複雑な思いがいたしますが、この環境が竜馬・松蔭を一角の傑物に育て上げたのはまちがいありません。また、いいか悪いかはさておいて、その指導の裏には深い愛情があったことも確かです。

もうひとつの共通点は、両人にみなもとマンガの常連キャラが割り当てられているということ。
『ホモホモ7』『冗談新撰組』『ハムレット』『レ・ミゼラブル』・・・・ わずかな例外を除き、みなもと少年マンガの主人公は、みな同じ顔。わたしは便宜上「主役くん」と呼んでおります。そして本作品の坂本竜馬は、この「主役くん」の顔に描かれています。『レ・ミゼラブル』完結から潮版21巻が出る前まで、彼は長らく休業状態でありました。しかし時代がようやく幕末に近づいたころ、「主役くん」は満を持して復活いたします。こうした点も、古くからのみなもとファンには感慨深いものがあったのではないでしょうか。
一方の松蔭先生。彼はもともと『冗談新撰組』の沖田総司として作り起こされたキャラでした。ですがそのシンプルでインパクトのあるデザインゆえか、その後も度々みなもと作品に顔を出すことになります。他の出演作品は『レ・ミゼラブル』のマリウスくんなど。いかにも脱力系の顔立ちですけど、根強いファンもけっこういるようです。
みなもと作品の常連スターには、もう一人、顔からはみ出すほどの口をもつ「大口さん」なるオヤジがいます。彼はいまのところ近藤勇として登場する予定なので、本格的な出演はもう少し先になる模様。はやく出てこないかなー

20061216175940どうやら「無印編」最後のレビューは来年に持ち越しそうです。切れの悪い・・・・ んなわけで、次は高野長英の後半生について語らせていただければと。ハイ


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December 12, 2006

ミス・チルドレン アルフォンソ・クアロン 『トゥモロー・ワールド』

2007072919540820070729195446
これも公開はおおむねあと三日くらいかな・・・・ そんなんばっかしや・・・・ 冬の大作ムービーの前にひっそりと公開された地味系SF映画です。

どういうわけか人類に子供が生まれなくなってしまった近未来。世界はますます殺伐とし、英国では暴動やテロが絶えない。主人公は元活動家でいまはサラリーマンのセオ。ある日彼はバリバリ活動中の別れた妻から、ひとつの依頼をされる。それは「キー」という少女を国外へ脱出させてほしいというものだった。やがてセオは、少女が人類がひさしくその腕に抱いていないもの・・・・「赤子」を、胎内にやどしていることを知る。

原題は『CHILDREN OF MEN』。原作者の名前を見たとき、「P・K・ディックの人気も根強いよなあ」と思いましたが、すいません。「P・D・ジェイムズ」でした。男っぽい名ですけど英国の女流作家です。大変重厚で文学性の高いミステリーを書かれるとか。『このミステリーがすごい』にランクされたタイトルを見ますと『策謀と欲望』とか『原罪』とかそんな感じですからね・・・・ 固そうです
わたくし彼女の作品はひとつも読んでないので、そのカラーがどれほど反映されてるのかはわかりません。しかし、わかりやすくスカッとするいつものハリウッドのものとは確かに違う感触でした。

宣伝のをコピーを聞くと、マッチョなヒーローが「人類の未来はオレが守る!」とばかりにマシンガンを乱射す
る・・・・そんな映画のように思われます。しかしセオは立ち向かうことよりも逃げ延びることが目的なので、発砲は必要最小限。またこの瀬尾さんというかた、滅多に感情を言い表しません。もっとも悲しかろうという場面でも、ただ無言でうなるのみ。「状況と表情から察してくれ」と言わんばかりです。
そんな主人公とあいまって、作品全体もそっけないと言うか辛気臭いというか。
SFといっても美麗なCGアートがあるわけでもなく、造語があってもていねいに説明してくれない。人が死ぬシーンもすごく淡々としています。そしてセオが目的を遂げたとしても、人類が救われるという保証はどこにもない・・・・
そういった「突き放し具合」を「奥が深い」「リアリズム」と見るべきか、「不親切」「暗い」ととるべきか・・・・ そのあたりがこの映画を評価する分かれ目になりそうです。わたしは個性的なものが好きなんで面白く見られましたが

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「英国人の原作」「ネガティブな未来」「オヤジと少女」というあたりは、春にやっていた『V・フォー・ベンデッタ』とよく似ています。
あと意味もなく小動物の出番が頻繁にあったり、未来のはずなのに70年代のサイケなミュージックがずっと流れていました。「絶望の中に一縷の希望を・・・」そんな作品の好きなかたにおすすめします

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December 09, 2006

山のあなたの奥深く パク・クァンヒョン 『トンマッコルへようこそ』 

20061209190941ぼやぼやしてる間に公開大体終わっちまってる・・・ ボクのバカバカ。2006年も終盤に来て、とりわけすんばらしい作品に出会うことが出来ました。韓国発『トンマッコルへようこそ』です。

時代は朝鮮戦争まっさかり。北朝鮮から二人、韓国から三人、そして米軍から一人の兵士が、それぞれ事情があって境界線近くの山奥にある「トンマッコル」という村に迷い込んでしまう。そこの住民は戦争が起きていることはおろか、銃の存在さえも知らなかった。はじめはいがみ合っていた両陣営の兵士たちだったが、村民の「お気楽極楽」なペースに次第に調子を狂わされて行き、しまいには嬉々として農作業を手伝うようになる。しかしそのとき、トンマッコルにはゆっくりと危機が近づいていたのだった。

まず「いかにもバカ映画でござい」といった感じのポスターにだまされます。アジア系のコメディって波長が合わないことが多いんですよ(チャウ・シンチー除く)。ほんで敬遠してたんですけど、あちこちで評判がいいのを目にして(略)。ま、いつものパターンです。
映画が始まって10分も経たぬうちに、激しい血しぶきを伴う盛大な銃撃戦が展開されます。予想していたものとははるかに異なる光景に不安を覚えますが、物語が進んでいくうちにだんだんバカ映画らしくなっていきます。そしてゲラゲラ笑っているうちに、色々あって、最後は嗚咽と鼻水で呼吸困難になるという・・・ なんとも摩訶不思議な作品でした。これほど「泣ける」作品も珍しいのに、あえてその点を全面に出さないあたりに、宣伝屋さんの意地が見えます(笑)

監督は「宮崎駿に影響を受けた」と語っております。久石譲氏が音楽を依頼しているあたりに、その傾倒ぶりがうかがえます。でも、わたしはどちらかというと宮崎氏より高畑勲氏の方に近い空気を感じました。
宮崎さんって、社会的なテーマを扱っても醜い・厳しい現実はオブラートに包んではっきり見せない人です。それに対し高畑さんは(そして監督がもうひとり「影響を受けた」と言っている今村昌平氏も)現実を「これでもか」と鼻先につきつける人。
猪とか、幻想的な森の風景、一昔前の飛行機・・・こういったガジェットは確かに宮崎風です。しかし作品の根底にある流れはむしろ高畑風。現実をきちんと見ながら、でも夢も見させてくれる。そんな両御大の作風を融合させたような姿勢が、『トンマッコル』のスバラシイところであります。

昨年から今年かけて、幾つかの戦争映画が上映されております。わたしなぞも『男たちの大和』で鼻水をダラダラと流しましたが、どこかに物足りなさというか、ひっかかりを覚えていたのも確か。それが『トンマッコル』を見ていてわかりました。日本の戦争映画ってどうしてもマジメになりがち、というか、マジメにやらざるをえないのでしょう。しかし世の中にはバカの形を取ることではっきり伝わることもあります。では『トンマッコル』が伝えている真理とは? それは「戦争は人々からバカ笑いを奪い去ってしまうからこそ、悪なのだ」ということです。
わたくしこれまで「南北分断もの」は『シュリ』『JSA』『シルミド』と見て参りました。どれも見ごたえありましたが、このバカさと切なさが表裏一体となったスタイルゆえに、『トンマッコル』はそれらよりも強く印象に残る作品となりました。

劇場を出ると立て看板に映画の感想がびっしりと貼られておりました。「期待してなかったけど面白かった」「コメディだと思ってたけど感動した」という意見が多かったです。その「けど」ってなんだよ! おれもそうだったケド!!
20061209191123というわけで『トンマッコルへようこそ』、首都圏ではあらかた公開終わっちゃいましたが、まだ細々とやっているところもあるようだし、地方の劇場にも順次回っていくようです。もし見逃された方はDVDが発売されるまで、このタイトルを忘れずにいてください。


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December 08, 2006

適当掲示板39&脱力王者パン太くん

よくのぞいてくださっているごく少数の方々、毎度ありがとうございます。ご意見や最近面白いものなどあったら教えてつかあさい。では「ハテナ」で予告したアレ、やってみたいと思います。今日中にやっとかなきゃいけないことがある、という方はお控えください。たぶんやる気なくなるので。ではいきます


『脱力王者パン太くん』

そのいち デスノート
2006120813485120061208134915 勉
 強
 も
 し
 よ
 う
 な


そのに よくあること
200612081350092006120813503120061208135047 掲
 示
 板
 三
 一
 参
 照


そのさん 冬休み
200612081351072006120813513120061208135155 い
 い
 よ
 ね
  、
 旭
 山


そのよん 続・冬休み
200612081352192006120813524320061208135310 
 打
 倒
 ア
 メ
 リ
 カ


そのご 黒い戦慄
200612061755552006120813533720061208135400 黒
 は
 悪
 の
 定
 番
 色


そのろく 黒い衝撃
200612081355432006120813561820061208135641 お

 前
 
 も

 な


そのなな 最後に
2006120813570420061208135807 ご
 要
 望
 が←(ねーよ)
 あ
 れ
 ば

2006年の流行語大賞は「脱力」で決まりですね
それではまた

 


 


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December 04, 2006

山田風太郎に関しては色々言わせてもらいたい⑰ 『エドの舞踏会』

20061204190300これはだいーぶ前に読み終えてたんですけどね。『幻燈辻馬車』を読み終えてからにしようと思って。理由は後ほど説明します。

後の海軍大将・総理大臣である山本権兵衛は、上官である西郷従道から奇妙な任務をおおせつかる。政府が企画した鹿鳴館の舞踏会に、参加を渋っている夫人たちをひっぱり出してほしいというものだった。惚れた女を遊郭から強引にかどわかすほどの豪傑も、こうしたデリケートな仕事にはただ困惑するばかり。それでも彼はダンスの指導者である大山巌夫人とともに、明治の大物たちの家庭を地道に回っていく。

そんなわけで山本氏は主人公というよりか狂言回しですね。主人公はそのエピソードごとにスポットがあたるマダムたち。章題も「井上馨夫人」「伊藤博文夫人」という風になっております。明治ものの中でも特に「女性」「妻」をテーマにすえた作品といえるでしょう。
冒頭で西郷弟の「綺麗に着飾ってはいるものの、こないだまで芸者・花魁だった人たちがどれほどいるか」なんてセリフがあります。「人間は口から肛門までの一本の管」ということを山風は言っておりました。それじゃ幾らなんでも即物的すぎ、とは思いますが、ようするに「人間はみな同じ。生まれは関係ない」みたいなことが言いたかったんじゃないでしょうか。外見はいくらでも繕える。でも真に気高いかどうかは、生まれではなくてその生き様が決めるもの。誇りのため、あるいは夫のため、懸命に生きる八人の夫人の物語を読んでいると、そんな風に感じられます。

この作品は、できれば『警視庁草紙』『幻燈辻馬車』のあとに読んだほうがよろしいかもしれません。なぜなら『エドの舞踏会』はこの二作品と登場人物が多数重複しているからです。
たとえば『警視庁~』で井上馨と紙幣偽造事件がからむエピソードがありましたが、「井上馨夫人」ではその後のことが語られています。同様に「黒田清隆夫人」は「春愁 雁のゆくえ」(『警視庁草紙』所収)の、「伊藤博文夫人」「大隈重信夫人」は「開花の手品師」(『幻燈辻馬車』所収)の後日談としても楽しめるでしょう。さらに山本氏と共に狂言回しを務める大山捨松はやはり『幻燈~』の「鹿鳴館前夜」でも姿を見せていますし、「陸奥宗光夫人」では「明治もの」でよく名前が出てくる三島通庸が登場します。

川路利良にしろ原胤昭にしろ、山風作品では同一人物なのに出る作品によって微妙に性格が違う場合が多々ありますが、それも山風の狙いなのやもしれません。同じ人間でも年を経ていけば性格は変るかもしれないし、少し角度が違っただけでも、印象がガラリと変わることがあります。井上・黒田も『警視庁~』では極悪人のような印象を受けますが、『エドの~』を続けて読むならば、また少しイメージが変るかもしれません。

20061204190226そんな『エドの舞踏会』、ちくま文庫より少し前に出てましたけど、今はまた入手困難な様子。ネットで古書サイトを探してみてください。実は先日某O市のブックオフでみかけたんですが・・・・

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December 03, 2006

立ってアルケミスト 荒川弘 『鋼の錬金術師』

20061203204130
だいぶ寂れてきたこのブログも、ようやく400件目の記事となりました。師走にも入ったことですし、今回は今年一番ハマッたマンガを紹介いたしましょう。『少年ガンガン』連載中の人気作品、『鋼の錬金術師』です。
なんでいまごろ、と申しますと、わたしアニメを全話見てまして、「同じ話を改めて読むのもなあ」と気後れしてたんです。んで、今年に入ってようやく記憶も薄れてきまして(笑)、読み出したとたん止まらなくなってしまったというわけ。アニメ版のレビューはこちら
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2005/08/post_e306.html

我々のそれと似ているものの、微妙に異なる世界。その世界では電気や蒸気機関と共に、「錬金術」が特異な発達を遂げていた。そこに生きるエドとアルの兄弟は自分たちの母親を生き返らせるため、禁忌の術「人体錬成」を試みる。しかし錬成は失敗。それだけでなく、エドは片手と片足を、アルは肉体をまるごと失う(精神はその場にあった鎧に定着した)。自分たちの体を元に戻すため、エドは国家の力を借りようと、軍属の錬金術師になる。しかしそれは「軍の犬」になることでもあった・・・・

今回は「なぜ『ハガレン』はこんなに人気が出たのか?」考えてみます。
・・・ハイ、答え出ました。ズバリ「婦女子人気」です。

すいませんすいません!!  それもありますが、それだけじゃないですよね! でもあからさまな美形キャラが一人もいないのに、こんだけ女子からの支持があるというのも不思議です。
理由のもう一つは、『ジャンプ』とはまた違う少年マンガの面白さがある、という点。『鋼』の主要キャラたちっていうのは、それぞれ進むベクトルが微妙に異なります。それが『ジャンプ』系のファイトマンガにはないテイストをかもし出しています。
たとえばジャンプ漫画ではライバルが主人公チームに負けると、すぐに相手の味方になってしまう。敵か、味方か、二つのグループにしか分けられないわけです(それはそれで燃えたりするんですが)。それに対しこの『鋼』では各キャラが概ねバラバラで行動していますし、たまにぶつかったり共闘することがあっても、彼らの進む方向が変わることはほとんどありません。「各人各様」の生き様が交差し、衝突する様子がまことに面白い。って「平成ライダー」の項でも似たようなこと書きましたが。

では、現在主に物語を引っ張っている、5つのベクトルについて解説いたしましょう。
☆エドワード・エルリック:ご存知主人公。「自分たちの体を取り戻すため」便宜上軍に所属している。ゆえに軍に対する忠誠心は皆無に等しい。ただ直属の上司であるマスタング大佐にはそれなりに親しみを抱いている模様。強い絆で結ばれた弟といつも行動を共にしている。
★ロイ・マスタング:アメストリス軍大佐。別名「焔の錬金術師」。いたずらに争いを拡大させる現上層部に不満を抱き、軍を内部から変えるべく奮闘中。忠誠心の篤い部下に恵まれている。
☆スカー:いわれなき迫害を受けた同胞、イシュバールの民の復讐に生きる男。アメストリス軍と全ての錬金術師に激しい敵意を抱いている。額の傷の元ネタは『シン・シティ』から?
★リン・ヤオ:東の大国シンの皇子。一族の地位向上に必要な「不死の秘密」を探求している。彼のみアニメ版未登場。
☆アメストリス軍:キング・ブラッドレイ大総統率いる最強の軍隊。生ける大砲とでも言うべき「国家錬金術師」が多数所属。闇の世界を暗躍する人造人間「ホムンクルス」と深い関わりがあるようだが・・・・

図にしてみるとこんな感じでしょうか。
20061203204103このうちエド・ロイ・リンの3チームはいまのところ共存できる関係にありますが、彼らの目指すところはそれぞれ異なるので、場合によっては衝突もありうるかも。またエドとロイは一応軍属なんで基本的には言うことを聞かなきゃ行けないんですが、彼らの性分からすると、いずれ上層部との対立は避けられそうにありません。そして他の連中をすべて敵とみなしているのがスカー。
このほかにも「お豆の錬金術師」メイ・チャンや最新刊にて再登場したキンブリーも独自の動きを見せそうですし、軍を後ろからあやつっているホムンクルスたちも一枚岩ではない模様。お話はどんどん複雑化してまいります。

20061203191544荒川先生はアニメ終了時に「今が折り返し地点」と言ってましたので、その言を信じるならあと5巻くらいで完結となるのでしょうか。あらためてはまった身としては、もう少し続いてほしいような気もします。
『鋼の錬金術師』はガンガンコミックスより現在15巻まで発売中。アニメと本格的に分岐するのは8巻からなので、先にアニメを見ちゃった人はそっから手をつけてもいいかもしれません。


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December 02, 2006

平成ライダーの六年間を振り返る 剣編①

20061202195222『剣』と書いて「ブレイド」と読みます。これに関しては放送終了時に三回にわけてやったんで、また書かなくてもいいかなー、とも思ったんですが、やっぱり流れ的に不自然なんで、もう一度(リミックスしつつ)チャレンジしてみたいと思います。

平成版仮面ライダーで現在までに放映終了したのは全部で6作品。それぞれに熱心なファンがついてますが、なぜか『剣』が一番!」という声はあまり聞きません。代りに「『剣』だけはダメ」という声はちょくちょく聞きます。みんな、ひどいよ!(笑) で、第一回は「なぜ『剣』はダメだったのか?」ということについて考えてみましょう(ああああ)

まず番組の概略を。今を去ること1万年前、地球では種族の繁栄をめぐって、各種の始祖「アンデッド」たちの激しいバトルロイヤルが行われていた。結果、人類の始祖たる「ヒューマンアンデッド」が勝利。地球には人間が栄えるようになった。
そして現代、カードに封印されていたアンデッドたちが何者かにより解放されてしまう。人類の平和を守るため、特設された組織「ボード」は、アンデッドたちの能力を抽出して使う戦士「仮面ライダー」を開発。アンデッドたちを再封印していく。当初計画は順調に進んでいると思われたが・・・
『剣』の特色は「トランプ」。『龍騎』での「カードバトル」をさらに発展させてまして、ライダーたちは怪人をカードに封印し、そのカードを使って変身したり、技を繰り出したりします。で、アンデッドは全部で53体いまして、ちょうどトランプの各札にあてはめられるようになっております。

さて、では『剣』はなぜ「ダメ」とされているのでしょう。この作品は三年プロデューサーを務めた白倉氏に代り、それまで戦隊もののPをやっていた日笠淳氏が手がけておられます。で、この日笠さんという方はよくも悪くも「商売人」なんじゃないかな、と。とくに「これがやりたい!」「これだけは伝えたい!」そういうものは持ってないのでは。まず、その時なにが子供に受けそうか考えて、作品のおおまかなアウトラインを決める。ストーリーはメインライターに概ねゆだねて、自分は監修に徹する・・・ そんな感じだと思います(「脚本はけっこう粘る」という意見もありますが)。そのため個性が作品に表れてしまう高寺・白倉両Pにくらべて、いささか作風が定まらないというか、「没個性的」という印象があります。
ただ、そういう方法論ってむしろ特撮では王道ではないでしょうか。それに基づいて30年やってきたのが、東映特撮のもう一本の柱である「戦隊もの」なわけですから。
けれど、「作家性」「テーマ性」を追求してきた平成ライダーに馴染んでいたファンにとっては、いささか物足りなく感じられたようで、その辺が「ダメ」と言われてしまう理由かと思われます。

他のマイナス要素としては、準備期間があまりなかったせいかストーリーが行き当たりばったり的だったり、一般向けドラマが畑だった脚本家の今井詔二氏が結局特撮になじめなかったようで、途中降板したり・・・ということなどが挙げられます。

しかし『剣』に良い所が全くないわけではなく、これはこれで楽しめるところ、工夫してある部分も少なからずあります。特に後半における持ち直しぶりには、多くの人が高い評価をくだしています。そうした「いいところ」については、また項を改めて語ることとしましょう。
Bbs21rc次項は『カブト』を挟んで、「ダディヤーナさん」の名で親しまれている仮面ライダーギャレン、およびその弟子であるレンゲルについて語ります。


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