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October 31, 2006

世界の中央で生を叫ぶ オリバー・ストーン 『ワールド・トレード・センター』

20061031174349新世紀に浮かれる世界に衝撃の与えた、NY貿易センターの惨劇。それにまつわる1エピソードを、『プラトーン』などで知られるオリバー・ストーンが映画化した作品です。

ニューヨークの港湾警察に勤めるジョン・マクローリン。いつもように家を出て、いつものように勤務につき・・・ ごく普通の一日のはずだった。しかし午前8時46分、ある報せが署に入ってくる。「ニューヨーク世界貿易センタービルの北棟で火災発生」。直ちに出動するジョンと部下たち。その中には身重の妻を抱えるウィル・ヒメノもいた。断片的で不確かな情報を頼りに、なんとか現場にたどりついた一行。とにかく負傷者を運び出さねばと、建物の中に入ったジョンたち。だがその時、膨大な量の土砂が彼らの上に押し寄せる。

映画で見て改めてわかったのは、現場にすぐに急行したグループは、本当に何も知らなかったということ。事故の原因がテロであることも、もう一つの棟にも飛行機がぶつかったことも、損傷を受けたビルが崩壊を始めることも。「下手な操縦士がいたもんだ」とテレビの前で笑っていたりします。でもあの時、事件の首謀者以外は、誰しも似たり寄ったりの反応だったのでは。まさに事実は小説より奇なりというか、酷なりというか。(トム・クランシーが似たような発想の小説を書いていたらしいですが)。
ただ、なにもわからないとしても、そこで災害があれば飛んでいかねばならない・・・ そういうお仕事の人たちもいます。そしてそれゆえに災難に見舞われた二人の様子を、映画は追っていきます。

ややネタバレになりますが、二人が瓦礫の下敷きになるのが始まって50分くらい経過したころ。あとの1時間20分は、ずーっと埋まりっぱなし。ほとんど首から上だけで必死の演技を見せるニコラス・ケイジとウィル役のマイケル・ペーニャを観ていると、なんだかこちらまで息苦しくなってきます。まあそれだけでは映画的にアレなので、彼らを気遣う家族の様子も頻繁に入るんですが、こちらはこちらで胸がつまりそうになります。どちらに感情移入しても大変辛く、「楽しめる」タイプの映画でないのは確かですね。果たして彼らに救いの手は与えられるのか? その結果は実際にご自分の目でお確かめください。わたしゃ、なんかの記事で先にばらされちまいましたけどね・・・

どちらかというと、アメリカを批判するような作品を多く撮ってきたストーン監督ですが、今回は国の事情とかは置いといて、個人の自己犠牲的な精神や、家族への愛情を中心に据えています。「アメリカだけが被害者」という一部の見方には納得がいかないものがありますが、自分の身も省みず懸命に救助に当たった人々には、素直に敬意を表したいと思います。

20061030221430少し前に同じテロの事件を扱った『ユナイテッド93』という作品もありました。わたしはそっちは観てませんが、『ワールド~』よりもややシビアな作品のようで。どちらかといえば、こちらの方が日本人向けの作品だと思います。

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October 28, 2006

適当掲示板37&ギャラリーSGA

いつも見てくださってる皆様、どうもありがとうございます。ご意見ご感想、オススメの品などありましたらお聞かせください。少し前のこのコーナーで、「一日平均128アクセスえへんぷーい」みたいなことを書きましたが、なぜかあれからガンガン下がってまして(笑)、今は一日平均大体70アクセス、来訪者50名というとこです。ぼちぼち飽きられてるということでしょうか。それでもわたしにゃ十分な数ですけんど。
そんな現状もわきまえず、今日は勘違いまっしぐらな企画をいってみたいと思います

20060529180129_120060907150029全ての始まりは左の落書きからでした。5月にナスカ展に行ったものの、文章だけじゃ寂しかったので、それこそ適当なイラストでお茶を濁すことにしたのでした。ちなみに右がその元となったものです。ご覧のように、似ても似つきません。
ところがこの画像を見て、お客様から「ナスカ展に行くことにした」という反応が・・・・
この時、わたしは「オレの絵には・・・人を動かす力があるのか?」ということに気がついたのでした。
以来せっせこイラストというか、落書きを書きなぐってきました。今回はそれらをざっと振り返ってみることにいたします。

まずは映画編から
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向かって左から。『ウルトラヴァイオレット』 ジョボビッチさんのSFヒロインです。 次いで『ホワイト・プラネット』からホッキョクグマの親子 さらに次いで『スターウォーズ』よりなつかしの名場面を(なんか違うぞ) 一番右が『グエムル 漢江の怪物』より、グエムルとヒョンソちゃんです


次はマンガ編。オリジナルからいかにかけ離れているかにご注目ください
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向かって一番左『バナナフィッシュ』のアッシュ・リンクスくん 次いで世紀末救世主伝説の人。この中で一番自信ありません。さらにその隣に『ゲド戦記』(これマンガつーかアニメだけど)よりハイタカ氏。一番右が今話題の『デスノート』主人公、夜神月くん。

次は小説編。作中人物を脳内で勝手にイメージしたものです。「こんなんじゃない」とお怒りの方、どうぞご勘弁を
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一番左が山田風太郎の『風来忍法帖』から主人公の悪源太。その隣が妖怪小説『しゃばけ』より、若ダンナの謎の妖怪。これは挿絵のタッチを参考にしました。さらに隣が山田詠美『ぼくは勉強ができない』より主人公時田秀美くん。最後にやはり話題の『バッテリー』から唯我独尊少年の原田巧くんです。

では最後はわがマスコットたちにシメてもらいましょう。よろしく!
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・・・・お前ら、あとでまとめて折檻な。

お見苦しいところをお見せしました。っていうか、見苦しいのは全部か
またよろしくです

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October 27, 2006

セーラー服と日本刀 藤咲淳一 『BLOOD+』

20061027182706一月ほど前に終了した、近頃なにかと話題を振りまいている土曜午後6時代の作品。タランティーノの『キル・ビル』にもインスパイアを与えたという『BLOOD THE LAST VANPIRE』の続編というか異バージョンのような位置づけです。

物語は現代の沖縄から始まります。血はつながっていないけれど、暖かい家族に囲まれて幸せに暮らしていた少女・小夜(さや)。その平凡な日常は、「翼手」と呼ばれる怪物と謎の男「ハジ」の出現により、もろくも崩れ去る。不死身に近い翼手を倒せるのは、特殊な遺伝子を持つ小夜の「血」以外にない。そのことを知った小夜は、翼手による悲劇を食い止めるため、彼女を見守ってきた組織「赤い楯」とともに果てしない戦いに赴く決意をする。

このTBSの時間帯を担当している?プロデューサー竹田菁滋 氏の作品・・・『ガンダムSEED』二部作、『鋼の錬金術師』。『交響詩篇エウレカセブン』など・・・には、なんとなく共通点のようなものがあります。それは「罪・失敗を犯してしまった少年たちが、それに対してどう向き合うか」というテーマ。本編の主人公小夜も、自分が誰かを殺してしまう記憶におびえ、期せずして怪物を世に解き放ってしまったことに自責の念を抱いています。さらにまだ十代なのにあまりにも大きな責任を課せられて、少年たちが苦しみもがく様子もよく描かれています。この辺は先達の『ガンダム(第一作)』や『エヴァンゲリオン』の影響かもしれません。

本編の主人公である音無小夜嬢は、いうまでもなく女子であるため、これまでのヒーローよりもさらに繊細なキャラクター。先ほどのべた自責の念や仲間への不信感などから、時々そのココロをぽっきり折ってしまいそうな時がありました。そうした時小夜を支えてくれるのが、彼女の「兄」であるカイという少年。このカイくん、序盤からなんとか妹の役に立とうと発奮しますが、悲しいかな普通の人間でしかないので、怪物たちとの戦いにおいてはほとんど役に立ちません。また小夜の守護者にはハジという極めてダイハードな男がいて、ますます立つ瀬がない。このあたり見ている側としても最初はなかなか歯がゆかったです。
けれども彼は微力なりに(笑)、一生懸命自分にできることを行ない続け、なにより精神面で小夜をあたため続けます。そのひたむきな努力は、最終的に彼女を死の寸前から連れ戻すことにさえ可能にしました。まさに「一年見続けてよかった」と思えた瞬間でした。

他によかった点を二つほど。まずベトナム、ロシア、フランス、イギリス・・・と舞台が世界各国をまたにかけて移動していくので、なかなか海外旅行に行けない身としては背景を眺めるのが楽しかったです(泣)。ハリウッド作品をよく手がけているハンス・ジマーのサントラも重厚でした。
「うーむ」と思った点も。せっかく色々誉めたあとになんですが、これ、やっぱり50話も要らなかったんじゃないかな・・・と。サブキャラに焦点をあてた番外編的なエピソードがけっこう多く、それゆえ間延びしているように思えたことが度々ありました。そうすることで各キャラに深みを持たせようという狙いだったのかもしれませんが、途中でこの緩いテンポに飽きてしまった人もいるんじゃないでしょうか。わたしは全話付き合いましたけど。

20061027182748そんなわけで『BLOOD+』 は現在DVDが順次リリース中。アニプレックスやaii なんかで配信中です。
竹田Pの次回作も続けて放映されてますが、今回はなんと39歳のオヤジが主人公(!)。どういう心境の変化でしょうか。

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October 24, 2006

LA地獄変 ジェイムズ・エルロイ 『ブラック・ダリア』

20061024184927かれこれ7,8年前に読んだ本で恐縮ですが、いま映画やってるので書いちゃいます。米国を代表する暗黒小説の鬼才、ジェイムズ・エルロイの転換点となった作品です。

終戦直後の1946年、ロサンゼルスに勤める警官バッキー・ブライチャートは、さるイベントでやはり警官のリー・ブランチャードとボクシングの試合をすることになる。奇妙なことにこれがきっかけで二人は親友となり、職場でもコンビを組むようになった。間にケイという女性を挟みつつも、友情を深めていったリーとバッキーだったが、楽しい日々は長くは続かなかった。
1947年1月、ロス市内で若い女性の惨殺死体が発見された。被害者の名はエリザベス・ショート。女優を夢見て田舎から出てきたありふれた娘の一人だった。この事件に遭遇してから、リーの精神は次第に異常を来たし始める。そしてそれにひきずられるように、バッキーもまた長い暗闇の中をさまようことになるのだった。

この小説で扱われている猟奇殺人は、実際にあった事件です。記録では結局犯人はわからず、迷宮入りになるわけですが、エルロイはそこに自由な想像を働かせて、この事件に彼なりの決着をつけさせています。
題材が題材ですから、はっきり言って読んでいて楽しいという類の小説ではないです。それでも行間から漂ってくる情念や熱気に浮かされて、最後まで読まずにはいられない、そんな作品。読んでるときも読み終えたときも、腹の底に石がたまっているようなそんな錯覚に襲われます。

途中読んでいて引っかかったのが、いくらむごたらしいとはいえ、どうして見ず知らずの娘の死に二人がここまで狂ってしまうのか、という点。一応理由らしきものもチラッと説明されてましたが、それだけではどうにも納得しづらい。まあ人間いうやつは必ずしも理屈や理性に基づいて行動するわけではありませんけどね。
ただこの疑問は、作者であるジェイムズ・エルロイの生い立ちを知ると、それなりに理解できるような気がします。エルロイの両親は彼が幼いころに離婚。その後母親は街娼まがいのことをして息子を養いますが、エルロイが十歳の時郊外で他殺体となって発見されます。犯人は小説の題材となった事件と同様、とうとう発見されませんでした。
ですから、この小説は暗黒小説の形を取った母へのレクイエムと言えます。「ブラック・ダリア」ことエリザベスに狂わされるブライチャートとブランチャード。この二人の姓が似ているのは、それぞれがエルロイの分身だからではないでしょうか。情熱家のリーは感情のままに吼え狂う素の自分を、冷静なバッキーは客観的にそれを見つめている小説家としてのエルロイを表わしているような気がします。
トラウマから逃れるべく、真っ向から「母」の死を、そしてその決着を書いたエルロイ。果たして彼はそれで幾らかでも救われたのでしょうか? その答えは恐らく彼自身にしかわからないことでしょう。

さて、この小説はエルロイのもうひとりの母である「LA」への愛憎が、ありったけぶつけられた作品でもあります。しかしこれだけではまだぶつけたりなかったようで、以後三作LAを舞台にした暗黒小説が書かれることになります。
20061024185002タイトルは以下の通り
『ビッグ・ノーウェア』(上下)
『LAコンフィデンシャル』(上下・映画化で有名)
『ホワイト・ジャズ』

まとめて「暗黒のLA」四部作なんて言われたりしますが、『ダリア』とは多少登場人物がかぶっているくらいで、あんまり密接な関係はありません。
この「猛毒」をベテランのブライアン・デ・パルマは一体どうやって料理したのか? とりあえず明日観にいく予定です。


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October 23, 2006

平成ライダーの六年間を振り返る 555編④

20061023175552お久しぶりねのこのコーナー。今回は本編の主人公「たっくん」こと乾巧に関して書かせていただきます。

これまでの特撮モノとはいろいろ異なるカラーで話題を呼んだ平成ライダー。けれども主人公が「正義を愛するさわやかな青年」というポイントは、外していません。その唯一の例外とも言えるのが、この乾巧です。
第一話で強引にベルトを託された巧は、持ち主であった真理からそれをつけて戦ってくれるよう頼まれます。それに対する巧の答えは、「なんで俺がそんなことやらなくちゃならないんだ」でした(笑)。まあ結局なんだかんだで、ライダーの仕事をやるはめになるわけですが。
また、巧は人に対してあまり友好的ではありません。初対面の相手を滅多に好意的には見ないし、周囲に対しわざわざつっけんどんな物言いをすることもしょっちゅう。ですから、一緒の家に住んでいる真理や啓太郎とはささいなことでケンカが絶えません。「こいつと一年付き合うのか」と開始当初はややげんなりした気持ちで視聴しておりました。

そんなタックンの印象が少し変ったのが第5話のあたり。ここで巧は人に対して冷たい態度を取る理由を、「失望されるのが怖いんだ」とボソッと漏らします。また第8話では「俺には夢がない」というセリフもありました。自分のネガティブな部分を、ぶっきらぼうな態度で知られないようにする。前半の時は巧のそういったキャラクターは、現代に生きる多くの若者たちを反映してそうなったのかと考えておりました。たぶんそれもあるかとは思いますが、第34話まで物語を見ますと、それにはさらに深刻な理由があったことが明かされます。

この『555』はいろいろやりすぎた『龍騎』での反動のせいか、「仮面ライダーの原点に帰る」ということがよく言われておりました。ところがパッと見た感じ、「ファイズ」と仮面ライダー1号は似てもに付かぬデザイン。まあ意識したのはそういう外見のことではなく、いわゆる「旧一号編」における怪奇性、そして「ヒーローの孤独」というところだったのだと思います。それが実際の視聴者にどこまでわかったかは怪しいところですが。
で、この「孤独」という点ですが、平成作品のみならず、特撮でここまで精神的に追い込まれたヒーローはほかにいないと思います。その「秘密」を明かす34話の直前から40話まで、巧は次々とショックにうちのめされます。人を見誤ったことから真理を死の淵においやってしまった自責の念、友人たちからの恐怖のまなざし、我を失い暴走する自分の映像、彼をしつように責めたてる異形のものたち・・・ そして巧は自分の死を思うところまで追い込まれます。
それほどな窮境にあれば、普通は恨みごとの一つも言いたくなるのが人情だと思います。しかしたわいもないことにはあれほどブーブー言ってた巧が、ここではグチ一つこぼしません。あるときは微笑んで、あるときは口をヘの字に結び、ただじっと耐え続けます。
(人間を恨んでいるに違いない)と巧を見くびったオルフェノクのひとりが、「仲間にならないか?」と誘ったときも、彼は毅然としてこう言い放ちます。
「お前らの仲間になるくらいなら死んだ方がマシだ」
どれほど痛めつけられても、理不尽な目に会っても、自分を見失わない巧。
この時彼は、わたしにとっての不滅のヒーローの一人となったのでした。
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次回は恒例?のベストシーンをお送りいたします。

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October 21, 2006

お水の姫君 M・ナイト・シャマラン 『レディ・イン・ザ・ウォーター』

20061021182232『シックス・センス』で注目されたインドの新鋭、M/ナイト・シャマランの最新作。現在公開中です。

変わり者の住居人が多いあるアパートの管理人ヒープはごく普通の中年男。彼はある晩アパートのプールで、謎めいたひとりの少女と出会う。彼女は人間界に安らぎをもたらすため「水の国」から遣わされた妖精で、名をストーリーと言った。半信半疑だったヒープだったが、彼女をつけねらう恐ろしい怪物を目撃し、その話を信じる。次の迎えがくるまでに、ストーリーはある重要な人物と会わねばならない。その目的をとげさせるために、ヒープは彼女の助けとなり、怪物から守り抜くことを誓う。

『シックス・センス』のときは絶賛を浴びたシャマランですが、その後は作品を作るごとにブーイングが多くなってきてるとか。確かにあの名作に比べると、それ以後の作品はバランスの悪さが目立ちます。でもわたしはあの独特のムードがなんか好きで、ついつい新作が公開されるたびにチェックしてしまいます。
シャマランの映画は毎度強烈な「オチ」があることで知られています。が、今回は「大人のための童話を語る」のが目的のためか、あえてそのスタイルを外しています。そのためか、シャマランが持っている「ナイーヴさ」が際立つ作品となりました。
シャマラン作品の主人公たちは、いつも悲しみを抱えています。この世はなぜ悲しむべき事柄で満ちているのか。なぜ罪もない人が理不尽な暴力の犠牲とならなければならないのか。もし神がいるなら、なぜこうした事態をほうっているのか。我々が日々の忙しさのために考えなくなってしまうこれらの疑問の中で、シャマランは未だに苦しみもだえています。ただ、彼はこういうテーマを「アメコミ」とか「宇宙人」とからめて語ってしまうので、その悲しみがいまいち伝わってなかった気がします。

そんなわけでシャマランさんの気持ちはよくわかりましたが、映画全体の出来はというと、これが難しいところでして。中世か幻想世界だったら問題なかった思います。「童話」なんだし。でも実際の舞台はどこにでもありそうな集合住宅だし、出てくる登場人物も多国籍ながらその辺にいるような普通の人々ばっかり。つまり、ファンタジーとしてはあまりに現実的なんですね。そういう背景で「水の国から来ました」と言われても、「このねーちゃん、ただの頭のゆるいねーちゃんとちゃうか」と思えてしまうのが辛いとこです。また、見かけは人間とまったく変らないこのねーちゃんの言うことを、大した証拠もなくアパートの住人たちがほいほいと信じてしまうのも強引でした。
まあこれらの点に目をつぶることができたら、それなりに楽しめると思います。例の「オチ」こそありませんが、いつもの謎解き要素やホラー風味もそこそこありますし。

20061021182254この映画、同じ日に『ワールド・トレード・センター』も一緒に見たため、かなり印象が薄くなってしまいました。映画をハシゴするときは、よく組み合わせを考えてみましょう。

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October 20, 2006

仮面らいだー カブトくんヒビキさん 10の巻

今回はリミックスヴァージョン(要は使いまわし)でお送りいたします
20061001190125_120061001190228_1「天道、相談があるんだが聞いてもらえないか?」

「なんでも聞くがいい。俺に導き出せぬ答えなどない」

「実は俺、最近付き合ってる人がいるんだ・・・・」
「何ィ!?」


20061008124252_120060909195050_1「これがその人の写真だ」

「なかなかいい女じゃないか? なにを迷っている。単にのろけているのか?」

「違うって! 実はおれ、彼女の昔の写真を偶然見てしまったんだ
そしたら、おれ、動揺しちまって・・・」


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「これがその写真だ・・・・」

「・・・・
これは・・・間違いなく整形してるな」

「やっぱりそう思うか?」


そのころ別の場所では
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「ちはーっす!
だれかいませんかー?

そこの『鬼、募集』って張り紙みてきたもんなんすけどー」

「あーはいはい」


20060909195157_1「・・・・なんだ、またお前か
言ったろ。うちは楽器が扱えないと困るって」

「ふふふ、それがですね。わたしにもひとつひける楽器があることを思い出したんですよ。ふふふ」

「・・・・一応聞くだけ聞いてやる。なにが弾けるんだ?」


20060811185643_420061001190830_1「それはですねえ・・・ (ぐーっ) これこれ、腹時計です!
そういやお腹空いたなあ。あんみつでももらえますか。もちろん社内割引で」

「 か え れ
そして二度とくるな」

いよいよネタ不足が深刻になって参りました
どうする!? カブト!&ヒビキ!


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October 18, 2006

罪とバッテン ブレット・ラトナー 『X-MEN ファイナル・ディシジョン』

20061018180238あらかた公開終わってしまいまして、今さらという気もしますが、劇場版最新作『ファイナル・ディシジョン』をレビューいたします。ちなみに原題は『LAST STAND(最後の対決)』といいます。

先のミッションでかけがえのない仲間を失い、その痛手もいえないX-MENに、次なる試練が降りかかる。合衆国政府はミュータントの特殊能力を消滅させる新薬「キュア」を開発。これの投与を強制させようとする動きが議会で出始める。野に放たれたマグニートーはこれに激怒。政府に反感を持つミュータントたちを集め、大々的な反攻を計画する。一方悲しみにくれていたX-MENのリーダー・サイクロップスは、死んだはずの妻・ジーン・グレイの声を度々耳にする。その声に誘われるように、ジーンを失った地へ赴いたサイクは、そこで最愛の妻と再会。だがジーンはもはや以前の彼女ではなかった・・・

かすかな希望を予感させる前作ラストでしたが、その希望は瞬時にして絶望へと変わります。こんなことなら復活なんかしなきゃよかったのに~ まあ、このあたりは原作のターニング・ポイントになったお話「ダーク・フェニックス・サーガ」が元になってまして、劇場版にひと区切りをつけるためには、やっぱこれかな、という気もします。
今回監督が娯楽志向・サービス旺盛なブレット・ラトナーに変り、公開前からそれを危惧する声が聞かれていました。実際「アクションは増えたがドラマは空っぽ」みたいな意見をあちこちで読み聞きしましたし。でもわたしは今回の作品が今まででもっともX-MENの本質をとらえていたように感じます。
ミュータントを普通の人間にする「キュア」に関し、登場人物は様々な反応を見せます。できれば特殊能力をそれによって捨て去りたいものがいる一方、持って生まれた才能を奪われるなんて恐ろしいという者もいます。どちらが正しいわけでも、悪いわけでもない。人にはそれぞれの選択があり、決定がある。悪いのは他者のそういう権利を奪うこと。そしてX-MENはその権利を守るために、再び同じミュータントであるマグニートーと対決することになります。

そして今回もウルヴァリンは大暴れ。前にも書きましたけどこの三部作は、彼が主役みたいなもんですから。
実際、この物語は宿無し風来坊だったウルヴァリンがお家を見つけるまでのお話と考えれば、非常にしっくりきます。
帰るところを見つけるために、懸命に記憶を取り戻そうとするウルヴァリン。しかしせっかく得た記憶はあまりにも恐ろしく、しかも断片的なものにすぎませんでした。結局彼は過去を捨て、仲間や次世代のために生きていこうと決意して、初めて帰るべき場所を見つけます。もうそこに彼をつなぎとめていた二人はいません。しかしだからこそ、ローガンはそこに残ろうと思ったのでは。そんな気がするラストの笑みでした。

この『ファイナル・ディシジョン』、X-MEN40年の歴史でもやらなかったような思い切ったことを色々やってくれまして、全編に「完結編」みたいなムードがぷんぷん漂っています。そんなわけで「もうお別れなのね」と感傷的な気持ちにひたっていたら、全世界でのヒットを受け、すでに「4」の製作が決定したとのこと。これだからハリウッドは・・・
20061018180453さらに『ウルヴァリン』『マグニートー』(ええ!?)ほか、十本近くのスピンオフが企画に上がっているという噂。収拾がつかなくなるのは目にみえてますが、それでこそ『X-MEN』といえるかもしれません。

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October 17, 2006

風と雲とギャグと 『風雲児たち』を語ってみたい⑭

20061016193317_1アニメ『天保異聞 妖奇士』のスタートで図らずもタイムリーな話題になってしまいましたが、今回は「天保の改革」とそれに関る奇人たちをご紹介いたします。潮版で22巻半ばから26巻半ばまで、リイド版で16巻から18巻191Pまでのお話です。

歴史の教科書にもあるとおり、徳川幕府はその治世中、三回の大きな改革を行ないます。徳川吉宗の「享保の改革」、松平定信の「寛政の改革」、そして水野忠邦の「天保の改革」です。これらの改革に共通している姿勢は、よく言えば「ムダを省くこと」、悪く言えば「ケチること」です。人口増加やそれまでのツケのため、この路線はあとにいくほどジリ貧になっていきます。

そんで最後の改革を指揮した水野忠邦。このひとがまたえらいガンコ者というか変わり者というか。普通政治家ってお金が好きなものと相場が決まってますが、彼は儲けることにはまるで興味を示しません。念頭にあるのは、ただ、自分の理想を実現させることのみ。あれ? じゃあ立派なひとじゃん! でもこの理想ってのが現状をまるで無視したサムライ中心のものだったため、江戸の庶民はえらい迷惑をこうむることになります。頭でっかちのリーダーに振り回されたことのある人だったら、この辺よくわかるかも。

さて、この水野氏には大変対照的な部下が二人おりました。ひとりは前回名を挙げた鳥居耀蔵。表向きは水野の理想に心酔しているフリをしながら、裏では政敵を陥れ、私腹を肥やすことに精力を傾けます。みなもと先生の人物描写ってまことに公平でして、難のある人物でも評価すべきところや長所はきちんとすくってるんですが、この鳥居氏に関しては「まるでいいとこひとつもなし」な書かれっぷり。よっぽど腹に据えかねたんだなあ、と思いました。そんなわけで彼はいまのとこファンの間で憎まれ№.1の座をほしいままにしております。

で、もうひとりはご存知入れ墨奉行・遠山の金さん。あれ? 金さんって架空の人物じゃないの?と思ったアナタ、遠山金四郎は確かに実在した人物です。まあわたしもこのマンガ読むまでは、時代劇の中だけの人だと思ってましたけど。さすがに毎回お白洲で脱いでたわけじゃないようですが、入れ墨をしていたとか、若いころぐれて家出してたというのは本当のようです。青春時代町人たちと親しんでいたということもあり、庶民の味方であろうと決意する金さん。しかしそれは上司とその腹心を敵に回すことでもありました。そんな極めて厳しい状況で、金さんがどのように戦っていったのかは、本編をご覧いただきとうございます。

20061016193340無印編の(ぞんざいな)レビューも残すところあとわずかとなってまいりました。次回は夜明け前に志士たちに先駆けて海外と格闘することになったおイネ&ジョン・万についてやりたいと思います。それを含めてあと三回くらいで次のステージにいけるかしらん。

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October 14, 2006

岡山少年野球団 捕球編 あさのあつこ 『バッテリーⅣ』

20061014172028天才少年投手原田巧と、彼の速球に魅せられた者たちを描く野球小説第4巻
できればⅠ~Ⅲを読んだ人に読んでほしいです。これまでのレビューは以下の通り
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2005/05/post_3881.html
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2005/07/post_2f60.html
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2006/06/post_4916.html

念願かなって強豪・横手との試合に臨む、原田・永倉バッテリーと新田東の面々。だが、開始早々、相手校の策士・瑞垣の言葉に、キャッチャーの豪は動揺させられる。
“おまえじゃ、キャッチャー、無理やな”
自分に全力の巧の球が受け続け続けられるのか。豪の不安は巧にも伝わり、バッテリーは自分たちを見失ってしまう。試合後、巧と目を合せられない豪。彼は完全に自信を失ってしまい、新田東の一年バッテリーはこれまででもっとも深刻な危機を迎える。

ただ投げられた球を捕る。並みのピッチャーならばどってことないことなのに、ここに「天才」がからむとことはこんなにもややこしくなる。前に「手加減したらぶっ殺す」と言った手前、豪くんは完全に立つ瀬がなくなってしまいます。そんなわけでこの巻ではタックンの前に立てなくて悶々と悩む豪ちんの心象がえんえんと描かれます。名前も知らなくてもうしわけないけれど、例のハンカチ王子のキャッチャーも同じような思いをしたことあるんでしょうか。
これに対する巧の反応がまた意外です。「捕れないんならやめちまえ」「キャッチャーがいないなら審判めがけてぶん投げるまで」と言いそうなものですが、豪のキャッチに魅せられていた彼もまた、投げることが思うようにいかなくなってしまいます。「巧を変らせない」とおっしゃっていたあさの先生ですが、これは変化と言っていいんじゃないでしょうか。あるいは、彼がもともと持っていた弱さなのかもしれませんが。

この巻にはもう一組いささか変ったコンビが登場します。強豪のキャプテンで、いままで自分を抑え続けることに腐心してきたはずなのに、巧の速球を目にしたことで、はじめて本気でファイトを燃やす門脇。そして彼を主に作戦面でフォローする瑞垣。この瑞垣という男が面白い。和歌とオネエ言葉を駆使して相手を煙にまく一方で、門脇に対して友情と嫉妬の両方を抱いている少年。今回のトラブルに火を足してくれたりして、まことに小憎らしい。
ほかに気づいた点としては、二人の力になろうとする新田東の先輩たちがまことにかっこいい。中学生のくせにこんなにかっこよくていいのか。それに輪をかけて、顧問のオトムライ先生がまたいかしている。最初は高圧的ないやな大人でしかありませんでしたが、この巻では「かっこいいとはこういうことさ」みたいないいところを見せてくれます。まあ彼に気遣われても、たっくんにとっては屈辱でしかないんですけど。

話は変わりますが、作者のあさのあつこさんは岡山出身で在住。ほかに岡山出身の女性作家というと『ぼっけえ、きょうてえ』の岩井志麻子さんがおられます。まるでかけ離れた作風のおふたりですが、人と人とのつながりのややこしさを描いているという点では共通してるのでは。・・・って岩井作品よんだことないんですけど(コラ)
まあそれが当たってるとするなら、岡山の女性には恨みをかわないよう気をつけたほうがいいかも(岡山のみなさん、すいません)
20061014105552そんなわけで豪と巧はまたバッテリーとして横手のつわもの達の前に立てるのか? 『バッテリー』は全六巻で文庫版は5巻まで刊行中。たぶん最終巻は映画とあわせてだすんじゃないかなあ

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October 11, 2006

試されてバッテン ブライアン・シンガー 『X-MEN2』

20061011182914劇場版『X-MEN』第二回です。この続編、たしか公開時は『X2』というタイトルだったと記憶してますが、今販売されてるDVDでは上記のタイトルで出てました。まあ『X2』じゃなんの映画かわかりにくいですしね。

辛くもマグニートーの野望を退けたX-MEN。だが世論はますますミュータントへの反感をつのらせていく。そこへミュータントによる大統領暗殺未遂事件が発生。合衆国はついに軍隊を用いて、ミュータントたちを制圧することを計画する。かくしてX-MENの本拠地「恵まれし子らの学園」は、主力メンバーの留守中、急襲を受けることに。学園に住む幼い生徒たちは次々と捕らえられていく。幸い難を逃れたウルヴァリンたち数名は、事態を打開すべくちりぢりになったメンバーたちと連絡を取ろうと試みるが・・・・

X-MENの敵は過激派のミュータントだけではありません。彼らを恐れ忌み嫌う人間たちとも、刃を交えることがあります。そんなわけで窮地においやられたX-MENは、図らずも仇敵マグニートーと手を組むことに。なんとも皮肉な展開ですね。
さて、原作『X-MEN』は群像劇であるゆえ、主役はエピソードごとにもちまわりみたいになってます。それでも一番目立っているのは、やっぱりご存知ウルヴァリン。スタート時からのメンバーでもないのに、人気ナンバーワンであるのは誰の目にも明らか。なんせ『X-MEN』と同時進行で、彼の名を冠した『ウルヴァリン』というコミックスが毎月発売されているくらいですから。彼が登場した当時、「ヒーローは品行方正でなくてはならない」みたいな不文律がありました。見かけも中身も「野生むきだし」なウルヴァリンは、そういう時代にあって読者に強烈な印象を残したようです。で、今回の劇場版三部作も、そういったウルヴァリン人気をかなり露骨に反映したものとなっています。特にこの「2」は「ウルヴァリンの過去を解き明かす」ことが物語のキーポイントの一つなので、一作目以上に主役っぽい扱いでした。
もっともウルヴァリンのワイルドさが目立つのは、チームメイトのサイクロップスという比較物があるからです。実際、このコミックの魅力のひとつは委員長タイプのサイクと、番長タイプのウルヴァリンがやり方をめぐって(ついでに女も挟んで)けんけんごうごうやりながら、次第に友情を深めていくところにあります。劇場版ではサイクが明らかに格下扱いで、その辺がおざなりにされてるのが不満でした。まあ、「2」ではウルヴィーが傷心のサイクを慰める場面などあって、ちょっと和んだんですけど、困ったことに『ファイナル・ディシジョン』では(自粛)

他に「2」の特色など説明いたしますと、スタイルこそ前作の「地味風」を踏襲しておりますが、メンバーも幾人か増え、特撮シーンもスケールアップしていて、「1」より豪華なつくりとなっています。指導者の世代、主力の世代に加え、未成年たちも一つのグループを成し、三世代に分かれながらそれぞれ交流を深めていく様子が面白いですね。
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ひとつの悲劇を乗り越えてなんとか事態を振り出しに戻したX-MENたちですが、彼らの戦いはまだ終りません。そういうわけで物語は第三作『ファイナル・ディシジョン』へと続きます。そろそろ公開終わりそうなんで、見たいけど見てないという方はお早めにどうぞ。


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October 10, 2006

適当掲示版36&SGA屋昆虫記2

朝晩の気温差が激しいこのごろですが、みなさんお元気でしょうか。当ブログにおけるご意見ご感想、その他ありましたらお寄せください。

さて、今回は春から夏にかけて地元で見かけたムシムシをご紹介します。下の方にはラブリーなイモムシちゃんの画像もありますんで、苦手な方はお気をつけください。
まず近所、もしくは仕事中でみかけたメジャーな虫さんたちから
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向かって左から。階段の下に落ちていたイキのいいクワガタ。その次は擬態の名人ナナフシ。緑色のものは初めて見ました。ついで「悪女」の代名詞カマキリ。スタイルいいですね。一番右がやけにきれいだったコガネムシ。画像じゃわかりづらいかもしれませんが、本当にきれいな黄金色をしていました。

ついで伊豆大仁町の「町民の森」で見かけた虫さんたちです。
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向かって一番左が「町民の森」の風景。次いでかなり大きなクワガタ。知り合いの子供と遊んでいたら、どこぞのおじさんがくれました。もっといないかと思ってその辺探したんですけど見つかりませんでしたねえ。ついでふらふら飛んでたトンボ。体調が悪いのかこんな風に指先で持っても抵抗ひとつしませんでした。一番右のこれは・・・ショウリョウバッタだったかな? ほかにアメンボなどもいまして、ムシ好きには楽しいところでした。

最後にうちの母の自由研究。今年もやってたんです。ではチョウが子供から大人になるまでをどうぞごらんください
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今年は5匹育ててたんですが、最初の三匹をパタパタとダメにしてしまい、「むずかしいね」なんて言ってました。幸いあとの二匹は無事成虫になりましたけど。

そろそろ外では鈴虫やらキリギリスが鳴き出すころですね。♪ああ 面白い 虫の声

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October 09, 2006

テツとの旅 綾辻行人・佐々木倫子 『月館の殺人』

20060808222258“ミスター新本格”の綾辻行人氏と『動物のお医者さん』の佐々木倫子女史が夢のコラボレート。月刊IKKIの発行部数を大幅に跳ね上げた(そのあとは知らない)ミステリーコミックを今日は紹介します。

雁ヶ谷空海(そらみ)は沖縄に住む平凡な女子高生。彼女の母は病的な鉄道嫌いで、そのために空海は生まれて一回も列車に乗ったことがなかった。その母が亡くなって二ヵ月後、空海のところへ死んだと聞かされていた祖父から使者が使わされる。空海の祖父はかなりの資産家らしく、遺産相続のことで話があるという。とにかく一度会おうと祖父のいる北海道へ旅立つ空海。祖父は20時40分に稚瀬布(ちせっぷ)という駅を出る、「幻夜」なる汽車に乗ってくるよう指定してきた。すると車内には、なぜか同じように祖父から招待されてきた六人の鉄道マニアが乗り込んでいた・・・・

えー、このあとミステリの定型にしたがい幾つかの殺人事件が起きるわけですが。
みなさんは「テツ」という言葉をご存知ですか? じゃりん子チエのぐーたらオヤジのことではありません。筋金入りの鉄道ファンのことを、ある人たちはそう呼ぶのだそうです。で、このマンガ、推理部分そっちのけで、この「テツ」たちの念の入った描写がなんとも面白い。わたしも門外漢なんでえらそうなことは言えませんが、鉄道好きといっても様々な流派?があるようですね。利用するのに重きを置く「乗りテツ」、カメラ小僧、ダイヤ研究、グッズコレクター、模型製作・・・ などなど。巻末の注釈も含め、こうした細かい鉄道関係の知識は、噂に聞く「テツ」マンガ『鉄子の旅』のスタッフが担当したそうです。
殺人事件が起きても、ちょいびびりつつも己の趣味に邁進する「テツ」たち。そこへ鉄道オンチの空海がさらにボケをかます。ボケとボケの応酬! ツッコミはどこだ! ・・・なゆるいムードが全編に漂っております(たまにドキッとする絵もありますが)。おそらく今年度の『このバカミスがすごい!』ノミネートはまちがいないでしょう。

そんなわけでいつもの「館シリーズ」(小説)の幻想的かつシリアスな空気はほとんどなく、共通しているのはタイトルの中にある「館」の字くらいなもんです。とはいえご安心ください。目の玉をでんぐり返らせる「綾辻マジック」はこの作品でも健在です。このマンガは上下二分冊なんですが、それぞれの巻の最後にビッグな仕掛けが用意されています。わたしはこないだ紹介した『びっくり館の殺人』(http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2006/07/post_bb61.html)の2倍×2回で四倍はびっくりいたしました。随所に張り巡らされた伏線がまた見事です。
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意表をつく展開を堪能しつつ、読了後には「テツ」に親しみが湧くかもしれないこの二冊。とはいえ本物の「テツ」が読んだらちょっと腹が立つんじゃないかなあ、という気もします。できればまさとし様の感想など聞いてみたいところでございますが。
『月館の殺人』は上巻1000円、下巻1200円で小学館よりちょい大きな版型で発売中。

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山田風太郎に関しては色々言わせてもらいたい⑮ 『忍法創世記』

20061008201814今回は忍法帖の集大成にして完結編にして、長い間「幻の作品」だった『忍法創世記』について語ります。

時は1390年。長い間小競り合いを繰り返していた伊賀の民と柳生の民は、悪縁を断つためにそれぞれの当主の息子たち、娘たちを娶わせることにする。柳生からは三人の男児を、伊賀からは同様に三人の乙女を。いまままさに婚礼がなされようというその時、突然の邪魔が入る。柳生のほうには剣の達人中条兵庫頭が、伊賀の方には能楽師の世阿弥が。南朝から北朝にゆずられる「三種の神器」を、それぞれ「奪え」「守れ」とけしかける。しかし柳生の次男七兵衛は伊賀に、伊賀の末娘お鏡は柳生にいくことが決まってしまったため、兄弟同士、姉妹同士で剣法と忍術の奇妙な戦いが繰り広げられることになる。

タイトルから想像するに、忍法がどのようにしてこの世に出てきたのか、その成り立ちを描く作品と思い込んでいましが、あてが外れました。まあ正確には『“伊賀”忍法創世記』というところですね。どうして伊賀に忍法が根付いたのか? そしてどうして柳生で剣法が発達したのか? その答えが山風なりの奇想で語られています。
仲の悪い家同士が和平のために、婚姻を結ぶ・・・ どっかで聞いたような話ですね。はい、忍法帖第一作の『甲賀忍法帖』と同じです。『甲賀』も考えようによっちゃかなりおバカな話といえないこともないですが、山風の格調高い語り口のおかげで「感動巨編」といっても差し支えない仕上がりとなっていました。しかしそういうカップルが三組もいたりすると、さすがにこれはバカならざるをえません。ことに柳生の男どもは、悲しいまでのずっこけぶりで我々を笑わせてくれます。自分で自分のパロディを書いちゃうとは・・・・ さすが山風。
さらに、出てくる忍法が下半身系のものばっかり。「そんな忍法、本当に役にたつんかい!」とツッコミたくなることうけあいです。そんな感じで物語の半分過ぎまではバカまっしぐらで話は進んでいきます。
ところがクライマックスにさしかかると、物語は急に殺伐とした空気に。「さっきまであんなにバカやってたのに・・・」と呟く我々をよそに、登場人物の悲壮感はますばかり。この辺はいかにも忍法帖らしい流れです。

このお話、長い間単行本にまとまらず、ファンの間では「幻の作品」ということになっていました。理由について山ちゃんは「あんまり出来がひどいんで」と語っております。しかし実際に読んでみると、さきほど述べたように「バカ要素」が少々くどいものの、全体としてはそんなにひどい出来とは思えません。
この理由として、解説の日下三蔵氏は「天皇についてちょっとタブー的なことを語ってしまったからでは」という点をあげています。この小説が連載されていた昭和44年、天皇家はまだまだ聖域だったということですね。まあご本人も本当にそれほど気に入ってなかったんでしょうけど。
わたし個人の印象はと申しますと、忍法帖全体では中の中という印象です(笑)。とはいえ、一番最後にして、年代的にはもっとも古い忍法帖であったりとか、「柳生」と「伊賀」という忍法帖の二本柱の融合的作品でもあり、はたまた後の「室町もの」への予告編でもあるなど、注目すべきところは多いです。ファンなら必読の一冊です。
20061008201749この本、ハードカバー(出版芸術社より)で買ったら一ヵ月後くらいに文庫版(小学館文庫より)が出てちょっと泣きそうになりました。でも夫人のあとがきや、日下氏の忍法帖年代表や初出タイトル一覧がくっついてるので「惜しくはない」と自分に言い聞かせております。

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October 06, 2006

怪人ライダー剣 仮面ライダーカブトを語る④

20061006140809とうとうじぶんせんようのぺっと「がたっく」をてにいれた、かがみくん。「ほんとうはかぶとむしがよかったんだけどな」そうぼやきながら、ほかの「らいだー」たちと、しぶやのへいわをおびやかす「わーむ」たいじにせいをだします。あるひ、かがみくんはおどろくべきものをめにします。「らいだー」のひとり、さそーどのしょうたいは、じつはたおすべきそんざいである「わーむ」だったのです。ところがなんたるおおぼけ。「さそーど」はにんげんのすがたにもどると、ちょくぜんのことはすべてわすれてしまうらしいのです。「めいわくかけなきゃ、ま、いっか」そういうわけで、かがみくんは「さそーど」のさぶいぼけを、あたたかくみまもることにしたのでした。でもかれのしりあいで「わーむ」であるものは、「さそーど」だけではなかったのです・・・・

現在絶賛か知りませんが放映中の平成ライダー作品『カブト』。今回は敵役である「ワーム」について少々つまんないことを。
そもそも「worm」とは、ミミズや毛虫といった足のないニョロニョロした虫をさす言葉。でも原作版『仮面ライダー』では「とるにたりない虫けら」みたいな意味で、ショッカー怪人がライダーのことをそう呼んだりします。
さて、『カブト』における「ワーム」ですが、ある特定の人物にそっくり擬態できるだけでなく、その人物の記憶やクセもそっくりコピーできるという恐ろしい生物。そういう能力を利用して人間をこっそり襲ったりするので、まったく性質が悪い。ですから番組のはじめの方では、単なる冷血動物か、本能のままに動く機械的な生物として描かれていました。ところが中盤あたりから、このワームにも色々な多様性が現われて参ります。恋をしたり、料理に熱中したり、人間の組織に協力したり、などなど。名作コミック『寄生獣』を思い出しますね。

そんなワームたちの中で、とりわけ変り種なのが第4のライダーであるサソードこと神代剣(つるぎ)。実は本当の剣はワームにより殺されてしまっているのですが、そのときコピーした剣の意志があまりに強かったせいか、そのワームは自分を剣だと思い込んでしまったようなのです。で、原作の仮面ライダーに一番近い存在といえるのがこのサソード。洋館に執事にかしずかれて暮らしているとこなんか、まるで原作の本郷猛みたい(まあ原作も『バッ○マン』から設定を拝借した、という説もありますけど)。また、本来倒すべき怪人たちと同じ出自である、というところも共通してます。だからシリアスにしようと思えばいくらでもそうできるキャラなんですが、これが最近じゃすっかりお笑い担当。いったいどういう狙いなのか? これから明らかになるんでしょうか。

実際の社会で、怪物が誰かを殺してその人間に成り済ます、ということはまずありえません。でもショックな事件に遭遇して、あるいはなにかの強い影響を受けて、「別人のように変ってしまう」ということはしばしば起こります。
そんな時、もう「別人だから」ということで諦めるべきなのか、それと「同じ人間なんだから」前の人格に戻れるよう助けてやるべきなのか。
また、ある特定の民族・グループの多くの人がこちらを敵視しているとして、それでも100%がそうではない・・・そう信じるべきなのか。
『カブト』におけるワームの描写を見ながら、そんなことを考えたりしてました。

さて、最近の『カブト』の展開ですが、ここのとこ無愛想な「ボクっ娘」日下部ひよりちゃんにスポットがあてられてました。そういえば30話越したあたりでヒロインがピンチになるのって、白倉ライダーのお約束でしたね。そんで色々と意外な事実が明らかになったりしました。その間「揺らがない」と書いた天道氏は揺らぎっぱなし。「本当の主人公」と書いた加々美くんはだいぶ影が薄くなりました。少しはこちらの立場も考えてください(苦笑)。
20061006140637『カブト』も余すところあと三分の一程度。これまで終盤に向けて様々な盛り上がりを見せてくれた平成ライダー作品だけに、期待して追っかけていきたいです。


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October 04, 2006

プロジェクト・バッテン ブライアン・シンガー 『X-MEN』

20061004191335『X-MEN』については、いずれ本腰入れてやろうと考えてましたが、現在劇場版第三作が絶賛公開中なんで、こっちの方を先に軽く紹介いたします。

20世紀後半、人類の中に急激に進化を遂げた者たち・・・ミュータントが多数発生。従来の人間たちは彼らの力を恐れ、警戒する。事態を危惧した強力なミュータントのひとり、チャールズ・エグゼビアことプロフェッサーXは、両者の平和な関係を築くために特殊チーム、「X-MEN」を結成。しかしエグゼビアの旧友、エリック・マグナス・レーンシャーことマグニートーは彼の主張に異を唱える。「和解などありえない」「やるかやられるか」 かくしてX-MENとマグニートー率いる「ブラザーフッド」との間に、熾烈な戦いの火蓋が切って落とされる。

みなさんご存知でしょうが、原作はアメコミです。最初に発表されたのは1963年。スタート時にはそれほど注目を浴びませんでしたが、1975年に人気キャラ・ウルヴァリンが登場してから大ブレイク。現在もアメコミ界でトップクラスの人気を誇っています。
アメリカは多民族国家ゆえ人種間での差別・衝突が絶えません。『X-MEN』はそのことが強く反映された作品であると言えます。よく言われる点ですがプロフェッサーXはキング牧師が、マグニートーはマルコムXがモデルとか。一理ありますが、キング牧師の思想とX-MENのそれとは決定的に違うところがひとつあります。キング牧師は徹底して暴力を否定しましたが、X-MENは必要とあらば実力行使も辞しません。まあそうしないとヒーローコミックとして成立しないので(笑)。
とはいえこの「本来同胞である者たちと、主義の違いのために戦わねばならない」というのが『X-MEN』の特殊というか、悲しいところですね。そして守っている人間の側からも、蔑みや迫害を受けます。70年代からヒットしたのには、そういった悲劇性が、暗くなっていく世相にマッチしていたからかもしれません。この劇場版第一作も主に物語の鍵となる「ローグ」という少女を通じて、ミュータントであることの辛さ、疎外感などが随所に描かれていました。

で、原作ともっとも違う点は恐らく「えらく地味になった」というところ。暗いテーマを扱っていてもそこはアメコミなんで(笑)、オリジナルの彼らは原色バリバリの派手~な衣装を身にまとっています。ところが映画版では全員フラットブラックのシックなコスチュームにチェンジ。一見別物かと見まがうほどでした。「地味になった」のはそれだけではありません。現在、原作では1チームに大体7,8名が在籍してるのですが(そんなチームが複数ある)、映画では主力メンバーがたったの四人。そのせいか話自体は非常によくまとまっていました。さすがは構成の妙で知られる『ユージュアル・サスペクツ』のブライアン・シンガーではあります。衣装の方もこういう「大人向け」の仕様にしたおかげで、日本の一般のみなさんにもだいぶ気に入られたようであります。恐らく原作どおりの派手派手コスだったら「バカ&ガキだよねー」ということで敬遠されたかも。

まあ原作ファンとしたら「ウルヴァリンがチビじゃない」「アイスマンが透けてない」「サイクがあまりにいいとこない」と、言いたいことは色々あります。しかしこの成功で日本での認知度もだいぶ上がったことだし、これはこれで「大人向けX-MEN」ということで割り切ることにしました。
20061004191300続編『X2』、最新作『ファイナル・ディジション』も近日中にレビュー予定。気長に待ってチョ。

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October 01, 2006

仮面らいだー カブトくんヒビキさん 09の巻

今回は季節がらホラーチックに(←おせーよ)
2006100119012520061001190228「たいへんだ! カブト!
最強のワームが現れた!
今度はおれたちも敵わないかもしれないぞ!」
「・・・ふっ
どんなやつだろうとかまいはしない
このオレに倒せない敵などありはしないのだからな」