帰ってきたスーパーマン ブライアン・シンガー 『スーパーマン・リターンズ』
本日は久々の映画化となった『スーパーマン・リターンズ』について一席。
事情で長い間宇宙を旅していたスーパーマン。久しぶりに地球へ戻ってみると、戦争・犯罪は増加し、最愛の女性ロイスは別の男と同棲していて、おまけに子供までもうけていた。かなりショックを受けたスーパーマン=ケントだったが、気を取り直してヒーロー業を再開。世間も英雄の帰還を歓迎する。それに呼応するように、宿敵・レックス・ルーサーも復活。スーパーマンの基地で得た異星のテクノロジーを使い、壮大な野望を実現すべく奔走する。
スーパーマンの誕生は1938年。戦前です。以後多少の浮き沈みはありますが、もっとも偉大なアメコミヒーローとして君臨しつづけております。1978年には本格的な映画化が実現。大ヒットとなり、4作品が作られました。ただ最後の「4」は質的にも興業的にも悲惨な結果に終わり、シリーズは長いお休みに入ることになります。その後『バットマン』のヒットを受け再映画化の機運が高まりますが、監督その他がなかなか定まらず、企画は難航。結局企画が出てから約十年もの月日を経て、やっとこ公開となりました。ただちょっとややこしいのは「これは旧作の『2』の後の作品。前の3、4は忘れてくれ」というアナウンスが出ていること。別にそんなことわざわざ言わずとも、みんなすっかり忘れてますから!(オタク以外)
はっきしいってスーパーマンって日本人には萌えにくいキャラだと思うんですよ。日本人って素顔が一部でも露出しているヒーローには、どうもひいてしまうようなので。スーパーさんなんて一部どころか丸出しですから。あのど派手でムチムチのコスチュームも、なんかかっこいいというよりか、笑いを誘ってくれたりします。
しかしまあ、ここはそういう些細な違和感は忘れましょう。「いかにスーパーマンになりきるか」がこの映画を楽しむポイントです。
うわ! すげー! オレ、空飛んじゃってるよ! げげ! 鉄砲玉喰らった! でも全然平気じゃん! あら! あんなとこに人が! ダッシュで助けなきゃ! うーん、こんなもの持ち上がるかな・・・・ まあ、何とかなるだろ! そいやー!!(ぐきっ)
・・・・まあ、こんな感じで。この映画、「超人の能力を体感できる」という点では、かなり良く出来ています。スーパーマンはそれこそ何でもできちゃうわけですが、もはや映像の中ではお金さえかければ出来ないことはないのだな~、ということを今更ながら実感いたしました。
そしてさんざん楽しませてくれたあとには、「そろそろお前ら、大人としての責任を持てよ」みたいなことを、「大きなおともだち」に教えてくれたりします。そうだなあ、おれもそろそろ嫁探さなきゃなァ・・・ う! つい心の声が!
さてこの作品、現在公開中の『X-MEN ファイナル・デシジョン』とは色々ややこしい関係があります。当初は監督が逆になる予定だったりとか。そして『X-MEN』シリーズにも出ているジェームズ・マッデンがこちらにも出演。『X-MEN』では報われない扱いでしたが、こちらでも報われません(笑)。また『ユージュアル・サスペクツ』でブライアンに出世させてもらったケビン・スペイシーが、恩返しのように敵役を熱演しています。
その『X-MEN 』最新作のほかにも、現在『スパイダーマン3』やバットマンの新作、さらに多くの続編・マイナー作品が準備中とのこと。しばらくはアメコミ映画ブームが続きそうです。この調子でも翻訳の方もよろしく。
Comments
>ジェームズ・マッデン
ケント「ロイス、彼は一体誰なんだ?」
ロイス「ケント!」
サイクロップ○「いや、これはジーンがいなくて寂しくて」
ロイス「私も寂しかったの」
ウルヴァリ○「スコット、ここにいたのか今マグニートー
や新薬のキュアが、いや!それよりもジーンが」
サイクロップ○「ジーンがどうしたんだ!?」
彼はスーパーマンにも出演していたのですか。
知らなんだ、です。
監督が逆とは因縁を感じますが、秘宝でロイスの恋人が
サイクロップ○というのは本当なんでしょうか?
それならアメリカも人はそれを意識して見てしまうんでしょうね。
Posted by: 犬塚志乃 | September 13, 2006 09:28 PM
>ロイスの恋人が
サイクロップ○というのは本当なんでしょうか?
そういうことです
恐らくブライアン監督が「気に入った」ということで、『スーパーマン』にも引っ張ってきたのでしょう。こちらではサイクよりも色々見せ場がありました。彼は『プリーチャー』というアメコミ映画でも出演が決まっています
Posted by: SGA屋伍一 | September 15, 2006 07:57 AM