« 悪い子の学習帳 劇場版 金子修介 『デスノート(第1部)』 | Main | 戦国鬼嫁日記 ~大河ドラマ『功名が辻』より⑪ »

July 07, 2006

『ゲド戦記三部作』のおもひで アーシェラ・K・ル・グウィン 『ゲド戦記』

20060707144610
最近どーでもいい自分語りが多い当ブログですが、今回はさらに20年前の記憶を掘り起こして話題沸騰中の『ゲド戦記』について語りたいと思います。いつも以上に記憶違いが多いかと思われますが、勘弁したってください。

たしか小学校5,6年のときだったでしょうか。図書館でその無骨な装丁とタイトルに魅かれて、わたしは『ゲド戦記』の第一巻「影との戦い」を手に取ったのでした。
架空の世界アースシーに住む利発な少年ゲドは、魔法に興味を持ちその学校に入ります。しかし持ち前のプライドが災いして彼は禁忌の術に手を染め、結果自分の邪悪な「影」をこの世に呼び出してしまいます。「影」を再び封印するため、ゲドの辛く長い旅が始まります。

この「自分の呪われた半身を追い求め、最果ての地へと向かう少年」という設定に、ガキんちょだったわたしはとってもロマンチシズムをかきたてられたのでした。この第1部のみ後に同時代ライブラリーというレーベルから出版され、その時に再読しましたが、やはりベラ棒に面白かったです。「魔法学校」というアイデアを『ハリポ』に先駆けて用いている点も注目に値しますね。
「次はゲドにどんな冒険がまっているのだろう?」わくわくしながら第2部「こわれた腕輪」も手に取ったのですが、少々あてが外れました。こちらはある囚われていた?巫女の少女が主人公でして、ゲドが出てくるのは中盤から。少女がゲドに誘われて安住の地を捨て、外界へと旅立つまでが描かれます。「あてが外れた」と書きましたが、こちらもそれなりに楽しんだと記憶してます。
その後当然のように第三部「さいはての島へ」にも手を伸ばしたんですが、これがどういうわけかほとんど記憶にありません。理由としては読まないうちに返却期限が近づいてきてしまい、ななめ読みで済ませた、ということなどが考えられますが、主人公ゲドがこの巻ではすでに「じじい」になってしまっていて、子供には感情移入しづらかったこともあると思います。

こんな頼りない調子で思い出して言うのも恐縮ですけど、この『ゲド戦記』、少々邦題に偽りありじゃないかと。ゲドってあんまり戦わないですから(笑)。彼にはむしろ「探求者」「冒険者」という称号のほうがしっくりくる気がします。まあここでの「戦」ってのは剣や拳を使うものではなく、もっと深遠で精神的なものをさしてるのかもしれませんが、英雄が剣を振り回して怪物をやっつける物語を期待して、がっかりする子も多いと思います。ちなみにこのシリーズ名は日本独自のものらしく、母国では「アースシーの本(物語)」と言われているとのこと。

この『ゲド戦記』、三作で完結したものと思われていましたが、長いブランクの後、「最後の書」と銘打って第4作「帰還」が発表されました。原題は「テハヌ」。これは作品のメインとなる、かなり深刻な生い立ちを背負った少女の名です。この「帰還」はフェミニズムをテーマとしていることもあり、ますます子供にはとっつきにくい内容になっているとか。ちなみにゲドはまたしても脇役扱いだそうです。

で、今度こそ終ったはずだったのに、驚くべきことにこのあと第五作「アースシーの風」が発表されてしまいました(笑)。それでも「帰還」から「最後の書」の冠を外さない岩波さん。男だぜ! さすがに最近出されたソフトカバー版では普通に番号振ってますけど。いまのところはこの五作目が最新の作品となっています。

さて、みなさんご存知だと思いますが、この度『ゲド戦記』、スタジオジブリの手により映画版が製作され、あとは公開を待つばかりとなっております。ル・グウィンさんは「なかなか首を縦に振らなかった」そうですが、どうやって納得させたのか、気になるところであります。情報によると一応第3部をベースに他の作品の要素も色々取り込んであるとのこと。わたしもすでに予告編を何度か観ましたが、大変地味~な(笑)いい感じで仕上がっております。ただパパ宮崎の作品によく見られた「(映像的な)悪趣味」が控えめになっているので、「もののけ」「千尋」ほどはヒットしないんじゃないかと思います。わたしの予想って、よく外れますけどね。
20060707144547

|

« 悪い子の学習帳 劇場版 金子修介 『デスノート(第1部)』 | Main | 戦国鬼嫁日記 ~大河ドラマ『功名が辻』より⑪ »

Comments

まいどです。
>最近どーでもいい自分語りが多い当ブログ
うちのほうは益々鉄道(というかおけいはんの実車&模型を作る)ブログ化しつつあります。
例によって他所の掲示板とかで主張(ストレートにいう事もあるので誤解も多いナァ)の食い違いによる悲しいめぐり合わせもあるけど、
実は会社つながりで協力者の方が増えつつあります。
情緒不安定な『爆弾』持ちだって、自分のブログで毒や悪口(ホントに正しい主張だぞ)散々書いていても目をかけてくれている人はいるのだと認識しつつあります。自惚れる気は無いが、思いやりの無い連中が増えてる状況では少しはそれも許されていいようにも思えます。
>ゲドちがい
ぶははははっ(爆笑)。いや、同じ事考えていた。
『ゲド戦記』と聞いて真っ先に某ドレイク王に乗っ取られたヘッポコ王の治める国のオーラバトラーを思い出した・・・・・。
SGAっちの絵ですが、なかなかいいと思うヨ。いや、マジで。
パンダが実は気に入ってます。ウソップ+ビッグオー÷2
みたいな奴もいた気が(えー
(あっ、脱線しちまった)『ゲド戦記』ですか実は
原作は全然知りません。『ゲド』出すぐらいだから・・・
息子さんのお手並み拝見と言うところといいたいですが
ジブリ作品はいい意味でハズレは無いので原作好きの方は
見に行くだけの価値はあると思います。画面中の脇キャラは皆元気だし(特に女性)ごはん美味しそうに食うもの。
>呪われた半身を
>魔法学校
ハリーポッター+もののけ姫x指輪物語 = かな?
いや、キーワードでそんな感じしたから・・・・・。
イラストはもっとやってください。そしていつかは
画伯みたく個展・・・・・・は無理かな(コラ
好きなMSはといわれて、「リックディアス」と「ストライク」て
言ってしまう位両機がお気に入りなまさとしでした。

Posted by: まさとし | July 08, 2006 12:36 AM

まさとし様も着々と更新されてますよね。鉄道系はさっぱりなので、ついていけず申し訳ありませんが(チェックはしてます)

>いや、同じ事考えていた。
まあわたしらの年代からすればこれが当然の反応かと(ええ!?)
バイストン・ウェルの物語を覚えているひとは幸せだそうですよ。ココロが豊みたいで
で、このロボのゲド、全編で2,3話しか出てこなかったような・・・

>息子さんのお手並み拝見と言うところといいたいですが
そうですね。こればっかりは観てみないことにはなんともいえません。というわけで、わたしも観にいくつもりです

>ハリーポッター+もののけ姫x指輪物語 = かな?
マジメに答えると一番近いのは「指輪」ですかね。「ハガレン」も影響受けてると密かに思ってます

しょうもない落書きを誉めてくださってありがとうございます。これからも恥さらしを承知の上でちょこちょこ載せていきますんでよろしく

>ストライク
最近ノワールとかいうのが来たようで・・・

Posted by: SGA屋伍一 | July 08, 2006 08:45 AM

ゲドとは関係ありませんが。
最近カットが入ってすごくいいですね。
思わず『ウルトラ・ヴァイオレット』観たくなっちゃいました(笑)。

やっぱカット有りはいい!うちでもやってみようと思います。参考にさせていただきましたので、ご報告まで(?)

Posted by: かに | July 09, 2006 08:24 PM

うう。熱血漫画描きのかに様にまでエールいただき汗顔のいたりです
ただ『ウルトラ・ヴァイオレット』はちょっとアレな出来だったので、覚悟して行かれてください
>うちでもやってみようと思います

おお! 期待してます。近日中にまたおじゃましますんでよろしく

Posted by: SGA屋伍一 | July 09, 2006 09:11 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 『ゲド戦記三部作』のおもひで アーシェラ・K・ル・グウィン 『ゲド戦記』:

« 悪い子の学習帳 劇場版 金子修介 『デスノート(第1部)』 | Main | 戦国鬼嫁日記 ~大河ドラマ『功名が辻』より⑪ »