平成ライダーの六年間を振り返る 龍騎編⑥
それでは最後はマイベストシーンで閉めたいと思います。例によって完全ネタバレなので未見の方はご了承ください。
・第2話 母親を奪われて泣いている少女。それをじっと見つめ、ある決意をかためる真司。「おれも仮面ライダーになれば・・・」 だからこそ後の蓮に戦いの動機を聞かれるシーンでは「女の子が泣いてたんだ・・・ ほかに理由なんかあるか!」とか言ってほしかったんだが
・第6話 デッキを切り裂かれて怪物に食われるカニライダー・シザース。「仮面ライダー」の名を冠するものがあっさり消滅してしまう衝撃。「カードデッキは全部で13。倒すべきライダーはあと11人。お前を入れてな!」のセリフがまた厳しい
・第12話 記憶を取り戻した蓮は、鏡の中のダークウイングに向けて拳を叩きつける。契約を交わしたモンスターも、彼にとっては忌まわしい存在でしかない。この辺から「嫌なヤツ」だった蓮にも感情移入できるようになった
・第19話 ガイ・芝浦を盾にして、躊躇なくとどめをさす王蛇・浅倉。「こういうもんなんだろ?」 それに対し「こんな・・ こんなことが」とショックを受ける真司。「戦いをやめさせる」ということがどれほど難しいことなのか、よく伝わってくる場面
・第23話 ライア・手塚臨終のシーン 「いまならわかる。雄一、お前は決して後悔なんかしていない」 またしても無力感にさいなまれる真司だが、一視聴者としては手塚のこの言葉のおかげでだいぶ救われた
・お笑いも一つ。第30話 ゾルダ・北岡の元秘書めぐみの回想シーン。北岡は「こんなことしかできないけど・・・」とめぐみの指に、おでんの卵をはめる。「秀一、熱いわ」 それを聞いて「なんていい話なんだ!」とのた打ち回る真司がバカでいい。めぐみ役は後にグラビアでブレイクする森下千里
・第34話ラスト サバイブのカードを渡された真司=龍騎が最初に対峙した相手は、皮肉にも蓮=ナイトだった。「おれは絶対に負けられない! 一つでも誰かの命を奪ったら、お前はもう後戻りできなくなる!」 自分を殺そうとしている相手に、普通こんな言葉が吐けるだろうか? そこが真司の主役たる所以であると考える。
・劇場版 ゲラゲラ笑って消滅する浅倉。「そろそろ死ぬか!」とひとしれず息絶えるファム=美穂。「誰かの命なんていらないんだ!」 そう叫びリュウガに立ち向かっていく真司。一部ではかなり不評だが、ライダー劇場版でもっとも印象深い作品でした
・TVスペシャル こちらはかなり慌しい印象だったが、まあお祭りということで。幾つもの折り重なる「ファイナルベント」の声の中、ナイトサバイブとなって剣をふりかざす真司に、『男組』のラストがオーバーラップ(劇場版もそうでしたが)。わたしは「戦いをやめる」に投票したかったけど、オンエア時用事があってかなわず(涙)
・第40話 「ここが祭りの場所か」 久々の乱戦シーン。香川教授演じるオルタナティブ・ゼロはデザインがもろ好みでした
・第44話 「おれはただ、幸せになりたかっただけなのに・・・・」そう呟き消滅していくインペラー・佐野。第46話 「じゃあどすれば英雄になれるのかな?」 答えがわからず、うつろな目で町をさまようタイガ=東條。ごくささやかな望みが人を狂気や不幸に陥れることもある、というエピソード
・第47話 どうしたらヒロイン・優衣の命を救えるのか。真司がたどり着いた答えは「何も考えなければいいんだ・・・」 これまでの信念を捨て、ナイトに剣を突きつける龍騎。だが優衣は叫ぶ。「わたし、そんな風に助けてもらってもうれしくないよ!」 どちらも少しも悪くなんかないのに、お互いに「ごめん・・・」という二人。鼻水大噴出でした
・第49話のラスト5分。「完全ネタバレ」と書きましたが、やっぱりここはあえて書きません。正直に言うと、ここ十年近くの映像作品で、一番思い入れのある場面。
・最終話 ニヤリと笑い、警官隊に向かって突進していく浅倉。そして最後の力をふりぼって、恵理のもとにたどり着く蓮。彼女が目覚めたとき、蓮は笑みを浮かべて座り込んでいた。「この戦いに正義はない。あるのは純粋な願いだけ・・・・」
おまけ「もし龍騎続編を二時間の映画でやるとしたら」(予告編風に)
突如として鏡の中から現れ、人々を襲うモンスターたち。事件を追う新米記者・城戸真司は奇妙な感覚に囚われる (おかしい。こんなこと、前にもあった気が・・・・)
戸惑う真司の前に現れる、黒衣の男。「思い出せないか、城戸。無理もない」 (あいつの名は、たしか・・・・)
鏡の中から呼びかけてくる、謎の少女。「おねがい真司君、力を貸して。あなたの助けが要るの」 (おれは君を・・・・知っている!?)
そしていま、真紅の龍騎兵がよみがえる
「変身!!」
新作劇場版仮面ライダー龍騎 『DRAGOON AGAIN』
「それがおれの・・・・ 願いなんだ!」
近日公開予定(あるわけない)
子供たちには向かない話かと思われた『龍騎』でしたが、カードとモンスターというアイテムがきいたのか、グッズ売り上げでは現在までの最高売り上げを記録。そして「白倉三部作」最終作である『555』へとバトンを渡します。
次回はまたいったん『カブト』を語り、その後にレビューする予定(にしてもやっと半分か・・・)。
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