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June 09, 2006

憎まれっ子、世をはかなむ 中島哲也 『嫌われ松子の一生』

たった一つの命を燃やし 愛しつくした波乱の生涯
鉄のハートで包んで砕く マチャーンがやらねば誰がやる

原作は山田宗樹氏のミステリー(そうか?)小説。愛を求める孤独な女性に降りかかる、苛酷な運命。言うなれば現代版『女の一生』もしくは『テス』ですね。先ごろ新聞にバーンと出ていた幻冬舎の広告も「松子の悲しみを感じてください! そして思い切り泣いてください!」とそんな感じでした。
このことを踏まえて、映画の公式サイトのトップページをご覧ください。
http://kiraware.goo.ne.jp/index.html
・・・なんか違うよな。あきらかに。

あらすじを。とある地方都市で教師として働いていた松子は、みなから慕われる明るい女性だった。しかし修学旅行の際にある不祥事が起きたことから、彼女の人生は修羅場と化していく。
恋人の自殺、不倫、殺人、収監、自殺未遂・・・ どんなに不幸に見舞われても、希望を失わない我らが松子。彼女に平安の日は訪れるのか?

えーと、これ本当に原作の雰囲気を出したいのであれば、少なくとも5、6時間くらいは必要だったと思います。けれど映画はよほどの大作でないかぎり、二時間くらいと相場が決まっているもの。どんな可哀相なお話も、早回しにしたり、無理に不幸を詰め込んだりすると、なんでか喜劇になってしまうんですよね(矢口史靖監督のデビュー作『裸足のピクニック』もそんな感じでした)。そういうわけで中島監督は「こうなったらギャグでいこう」と開き直られたようです。オリジナルにほれ込んで松子役を志願した中谷美紀さんも、さぞや面食らったことでしょう。原作者山田宗樹氏も激怒したのでは・・・と思いきや「心から感謝します」とのコメント。いよッ! 太っ腹!

他の方の感想など見てみますと、あんだけハチャメチャな映画なのに、「感動した」「励まされた」というものがけっこうあります。それはこの映画が喜劇ではあるけれど、本質的に原作と変らないから(未読だが←こら)ではないでしょうか。まえによそで書いた例えと一緒で恐縮ですが、要するにヴァイオリン用に書かれた楽曲を、エレキギターでギャンギャンかき鳴らしてみた、そんな感じかと。聞こえようはだいぶ違いますけど、弾いてる曲は同じなわけです。
あと、松子さんってなんつーか、どっかの弱小球団みたいなんですよね。どんなに敵わなそうな相手(男)にも、常に全力でぶつかっていく。どんなにひどいケガをしても、一向にひるむことなく。で、毎回メタメタにやられてしまう(笑)。それでもまたすぐに「次は勝つぞ!」と立ち上がっていく。そういうチームって無条件で応援してやりたくなりますよね。観ていて痛々しくもありますが。

で、松子さんが愛した男たちの面子がこれまたすごい。谷原章介、クドカン、劇団ひとり、武田真治、ジャンプ亭ジャンプ、キャシャーン、内海光司(光GENJI)・・・・ よくもまあ、こんなに「濃い」人ばかり集めたものです。『黄金の七人』ならぬ『濃厚の七人』ですな。

『嫌われ松子の一生』は全国にて絶賛公開中。こちらでも一応絶賛しときましたが、絶対このセンスについていけない人もたくさんいると思います。頭の固めの人は、できたら見る前に脳ミソを重曹につけてからご覧になってください。
20060701082344

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Comments

こんにちは!TB&コメ、ありがとうございました!
いぁ、あたしはこんな女、応援したくないですyo。
ぜんぜん嫌われてなんかいないのに、勘違い、激しすぎ。
犯罪者にも人権?殺人者にも家族?そんな感じで、
同情したくないです。
でもね、ちょっと、泣いちゃいましたケド、、、

Posted by: 猫姫少佐現品限り | July 01, 2006 at 12:45 PM

さっそくお返事ありがとうございました。
>ぜんぜん嫌われてなんかいないのに

でも猫姫さまはお嫌いのようで。『嫌われ松子』の面目躍如ですね(笑)

わたしが「応援したい」と思ったのは、たぶん自分に松子さんと同じようなところが多々あるからだと思います。アタマに来ても人は殺さないよう、くれぐれも気をつけていきたいです。たぶん大丈夫だと思いますが。

Posted by: SGA屋伍一 | July 01, 2006 at 01:59 PM

 マンガで見ました。悲しい一生ですが最後の変な問いかけみたいなのはちょっとイヤかもしれないです。
 おしん、みたいにやや押しきせがましいような気も。
イヤなのは松子さんではなく、作者の演出かもです。

 松子「はい私がつきあった男性を紹介します」
劇団ひとり
「この人は最近桜子って女の子と付き合ってるみたいね」
谷原章介
「この人新選組って極道の参謀だったの。でも薩摩組の後ろ楯を
得て気が大きくなって組長を暗殺しようとしたんだけど帰り討ちに
あったの。ヤクザって怖いわね」
 ジャンプ、クドカン
 「こいつら顔かぶってね。絶対童○よね」
キャシャ―ン
「オレがやらねばって責任感は強いんだけどマジメすぎてね」
武田真治
「昔、南くんって名前で千葉麗子と付き合っていたのは御法度?」

Posted by: 犬塚志乃 | July 07, 2006 at 09:58 PM

マンガですか。そちらは読んでませんが、たぶん映画よりマジメな仕上がりになっていると思います。犬塚さまのいう「問いかけ」も映画では弾かれてるんじゃないかしら

松子さんの付き合った男性陣ではジャンプさんが一番好みです(自分オトコですけど)。キャシャーンは根は悪くないんですが、まあ人を不幸にするタイプの人間ですね。あとは甲子太郎氏を除いて人間のクズばかり。あ、あくまでも役柄の話です

Posted by: SGA屋伍一 | July 08, 2006 at 08:35 AM

SGA屋さま、お久しぶりです。
やっと見に行きましたよ『嫌われ松子』。
重曹つけなかったのが悪かったのか、感動は全然出来ませんでした。
ホラーとコメディーが紙一重だと思ってる私にとっては、悲劇をスピーディーなコメディーにし過ぎた時点で、置いてきぼりをくった感じです。
行間を読むような瞬間が少しは欲しかったような…、どうせならラストもハチャメチャで終わって欲しかったような…(火サスシーンなんかは大好きなので)。
ちょっと期待しすぎたかな。

Posted by: ハル | July 09, 2006 at 12:08 AM

らっしゃいませ~

世間的には評価高い『松子』ですが、ウチでは評判悪いなあ
>ちょっと期待しすぎたかな。
そうですねー。わたしはハナからバカ映画と割り切ってましたんで
もう「片平なぎさ特別出演」だけですべて許せます
ただ上にも書きましたけど、中谷さんは「こんなはずじゃない!!」とずっと感じてたと思います(笑)

Posted by: SGA屋伍一 | July 09, 2006 at 08:59 PM

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