戦国鬼嫁日記 ~大河ドラマ『功名が辻』より⑧
こんばんはっす。チヨっす。みんな連休なにしてた? あたしはねえ、昔馴染みとちょいと日本の辺境に旅行に行ってました。でもねえ、この面子でどっか行くと、殺人事件が起きたり、トリック暴いたりしなきゃなんなくてけっこう大変なのよ。そんなわけであんまり休んだ気、しなかったです。はい。
そいじゃ今回の「鬼嫁日記」、行きますか。
ある日町を歩いてたあたしは、迷子になってる婆さんをみつけたの。名前を聞いたらキンだかギンだか言うらしいんだけど、とりあえず危なっかしかったから、100番100番・・・じゃなくて、110番したわけよ。そしたらビックリ、サルの兄貴のお母さんだって言うじゃない。世の中狭いわよねー。
このことがきっかけで、あたしすっかり兄貴の母ちゃんになつかれちゃった。婆ちゃんになつかれてもあんまり得するこた無いけど、まあこれが宿六の出世につながるとも限んないしね。
話は変って兄貴には妹がいて、婆ちゃんが老い先短いもんだから、この妹を近くに呼び寄せることにした。でも妹夫婦は「抗争に巻き込まれたらたまったもんじゃない」って、田舎からでてこようとしないのよ。
そこでどういうわけか、あたしが妹夫婦を引っ張り出す役目をおおせつかった。なんであたしが? こっちだって忙しいのに! あたしゃ何でも屋じゃないっつーの。でもまあ兄貴の命令だしね。「安全なところに家を用意しますから」つって、二人を説得しようとしました。でもあいつら、なかなかウン、って言わないもんだから、結局は力ずくでつれてくることになったんだけどさ。
意外なことにこの旦那、建築筋じゃ、ちょっと知られた顔だったんだって。神の手を持つ大工だか左官屋だか。それを聞いたボスが、拠点にする事務所を作るのに手を貸してもらおうとか言い出したの。最初と約束が違うわけだけど、職人さんって「腕を見込んで」とか言われると弱いみたいね。旦那、すっかりやる気になっちゃって。
ところがさあ、やっぱり出来たとたんに抗争が激しくなっちゃって。これが後に「長篠抗争」とか呼ばれるようになったんだけど、んなこたどーでもよくて。兄貴と宿六は厳重にガード付けて送り返そうとしたんだけど、旦那、何をトチ狂ったんだか「俺の可愛いビルが!」とか言い出していきなり引き返したんだって。で、流れ弾に当たって死亡。宿六、これには責任感じちゃってさあ、「指詰める」とか騒いでたんだけど、張り倒して止めました。だって万一の時再就職に障りが出たらどーすんのよ。
気の毒なのは兄貴の妹の方。そこでちゃっちゃと再婚させて、うやむやにしちゃえということになった。ところが見つけたやつが、若いころけっこうもててたせいもあってか、「おれ、あんなお笑い系の女とは結婚したくない」とか言い出したのよ。まあこれも殴り倒して言うこと聞かせました。さすがに今回はパンチの打ちすぎで手が痛くなったわねえ。まあ妹さんは相手が色男だったってこともあって、すんなりOKしたからよかった、よかった。
さて、このころうちではもうひとつ難題が。幼馴染の六の字覚えてるかしら? あいつがリストラされたらしくて「ここで働かしてくれ~」って言ってきたんだけど、六の字にくっついて嫌味な顔した娘っ子がいたのよ。宿六、その娘見るなり顔面蒼白になっちゃってさ。おかしいと思って調べさせたら宿六が浮気した相手だったことが判明。どうもあたしを追い出して後釜に座る気だったらしいのよ。 みんなあたしが火山の如く怒り狂ったと思うでしょ? いえいえ、そこは主役の余裕で。それにちょっとうれしかったのよ。最近コントみたいな芝居しか回ってこなかったからさあ、あこがれてたのよね~。昼ドラってやつに? あの手この手でいびりまくってやろうって張り切ってたの♪ ところがあの娘、泡吹いてる宿六見て「ダメだこりゃ」と思ったのね。あっという間にどっかへ消えちゃったのよ。ったく、最近の若い子は根性ないわねー。世界の中心で愛を叫ぶくらいの度胸持ちなさいよ!
そうしてる間にもボスの全国制覇は着々と進行中。ただ内部では問題もいろいろありまして。次回はその辺りを語りま~す。再見!
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