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May 31, 2006

恐竜物語ピースケの冒険 藤子・F・不二雄 『ドラえもん のび太の恐竜2006』

わたしの住んでいる町には一軒だけ映画館があります。今を去ること二十数年前、そこでオリジナルの『のび太の恐竜』を観ました。姉とたまたま観に来ていた、見ず知らずの女の子と三人で。

意地悪されたことがきっかけで、「恐竜の化石を丸ごと」見つけることを宣言したのび太は、努力の甲斐あってみごとに化石の卵を発掘することに成功。タイム風呂敷の力で、のび太はフタバスズキリュウの赤ちゃん「ピー助」を卵からかえします。しかし現代は首長竜が生きていくにはあまりにも狭すぎる時代。意を決したのび太はピー助をタイムマシンで中生代に連れて行くことを決意します。このあとタイムマシンが壊れて恐竜時代を旅することになったり、未来の恐竜ハンターに追われたりと波乱万丈の展開が続きます。

それまで劇場に行ったことなど1、2度しかなかった私に、この映画は測り知れない興奮を与えてくれたのでした。
その後一軒、また一軒と映画館がつぶれていき、残ったのはとうとうその劇場だけに。実はそこも一回廃業したのですけど、「さみしいから」ということで市が援助して、その後も細々と続いています。

さて、『のび太の恐竜』リメイク版が今年公開されることになったものの、なんとなく観そびれてしまったわたしは、少し遅れてその劇場でかかっていることを知り、おもうところあって、久しぶりにそこで観ることにいたしました。薄情なもので最後に入ったのはたしか十年ほど前の『トイ・ストーリー』だったか。

こんなエセ評論家のようなブログをやっていると、ついつい作品を見る目がひねくれてしまったり、話の中に入っていけなかったり、ということがよくあります。そこで今回『2006』ヴァージョンを見るにあたり、わたしは自分にひとつの課題を設けました。それは「よけいな小理屈は一切考えない! ひたすら童心に返って映画を楽しもう!」というもの。さてその結果は・・・75点というとこだったでしょうか(笑)。
しかしこれは今回のスタッフに落ち度があったというわけではなく、わたしのひねくれ度の方が勝っていた、ということにすぎません。この映画は、マジで素晴らしい作品です。少なくとも、ドラえもん一行が人の手がまだ触れていない朝もやの中生代に降り立った時。火口湖の岸から雷竜が姿を現したとき。タケコプターで目を見張るほどの大渓谷を飛翔していた時。友との別れに際し、のび太が「君はこれからいろんなものを見て・・・ いろんなところに行って・・・」とつぶやいた時。わたしは二十数年前のあの時に帰っていたと思います。オリジナルがそうであったように、この新作も今とこれからの子供たちにとって、非常に大きな財産となることでしょう。

新作ではオリジナルの時と、ややラストシーンが異なっています。あの名場面をなぜ、と思いましたが、スタッフロールの最後まで見ると、その真意と、藤子F氏にささげられた深い敬意の念を理解することができます。
ただ残念なのは、観客がわたしひとりで(苦笑)、実際の子供たちの反応を見られなかったこと。いつかどこかのお子さんと、一緒に観てみたいものです。
20060527203835画像は映画館でくれたオマケのフィギュア。館主らしき老夫婦が笑顔でくださったのが、心に痛かった(笑)。


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May 29, 2006

適当掲示板29&ナスカ展&みなもと太郎と語る会

毎度バカバカしいお話を。皆様のご意見・ご感想などありましたら承っております。
「山田風太郎」「風雲児たち」別カテゴリ化いたしました。ご興味おありの方はどうぞご覧なすって。

えー、先日5月20日、江戸へ行ってまいりました。
2006052013034120060520142227_1
二枚目のコピーには、正直どっと疲れました。画像をクリックしないと読みづらいかと思いますが、「ナー、スカッとするだろ?」と書いてあります。

そんなわけで、まずは上野の科学博物館に「ナスカ展」を観に。ナスカ文明というと、例の地上絵でよく知られてますね。さすがに本物の地上絵とかは展示してませんでした(当たり前だ)が、今から2000年前にその地上絵を書いた人々の遺物や、地上絵に関する様々なジオラマなどが展示されていました。
で、例によってこの手の展示は撮影禁止。どんなもんがあったかと言うとこんな絵がよくありました。
20060529180129おお、似てしまった!
まあこの絵を見てもわかるように(ええ!?)ナスカ文明ってけっこうポップです。杉浦茂とか好きな人は気に入るかも。よく出てくるモチーフはサル、シャチ、首チョンパなど。あと口からヘビがニョロニョロ出てる図など。
まあより正確な画像はこちらなどどうぞ。
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/art_review/26/
特に印象に残ったのは穴がボコボコ開いてる頭蓋骨。ナスカの人々は相当戦争好きだったらしく、その手の骸骨がよく出土するらしいです。また、彼らは好んで?頭部切開手術をやっていたらしいのですが、驚くべきことにその成功率は約6割。古代の割にはけっこういい数字ですよね。
ナスカ展は6月半ばまで開催中。古代文明とか好きな人にはおすすめです。
当然のごとく通常展も観て来ました。ここは自分が東京で一番好きな空間かもしれません。
200605201429402006052014412920060520145028こちらは撮影しほうだい。真ん中の画像は古代の深海魚かなんかで、全長3メートルくらいあったそうです。


で、そのあと池袋をぶらぶら散策したのち、マンガ『風雲児たち』の作者であられるみなもと太郎先生とファンの集いに行ってまいりました。前半は先生秘蔵のお宝が大放出のビンゴ大会。どの方にもはずれなしという大サービス。自分は画像のレアもの単行本をゲットしました。
20060521212651後半は質疑応答。ずうずうしくも三つも質問をする機会にめぐまれました。まず開始一番に「最近注目されてる作家さんは?」 とりあえず手塚賞の新星賞にはひぐちアサさんの『おおきく振りかぶって』を押されたとのこと。
「『風雲児』の次の大きなヤマは桜田門外だと思うのですが、あとどれくらいかかりそうですか? あと『風雲児たち』完結後の次回作にはどんなものを?」
この二つに関しては「皆目わからない」とのこと。最後の質問には「アホか、おまえは」的な失笑が巻き起こりました。
秦太さま、かにさま、犬塚志乃さまとお会いできたのはうれしゅうございました。淳庵さまとも再会したかったんですが、アタリをつけた人に「違います」と言われてしまい、記憶に自信がなくなってしまった次第。そうそうAkimboさまもおられたんですよね。淳庵さま、Akimboさま、すいません。でも今度はだいじょーぶ!(・・・怪しい)
いずれファンサイト「風雲児たち長屋」にレポートがUPされる予定。URLはこちら http://fuunji.net/

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風と雲とギャグと 『風雲児たち』を語ってみたい⑧

前回「今度は大黒屋光太夫について」と書きましたが、その前にひとつやっとくことを忘れてました。
とゆーわけで予定を変更し、今回は「悲劇の老中・田沼意次」についてやります。単行本でいうと潮版9巻から12巻、リイド版でいうと7巻最初から9巻202Pまでの話です。

はるか先を見据えていたにも関らず非業の死を遂げた平賀源内の夢は、なんと時の最高権力者に受け継がれます。彼の名は、田沼意次。八代将軍吉宗に見出され、以後権力の階段を着実に上ってきた田沼は、とうとう老中にまで上りつめます。
この田沼氏、長いこと「賄賂の代表選手」といった風評をうけていましたが、近年の研究により、少しずつその業績の再評価がなされてきています。
吉宗のころまでは大きな問題もなく機能し続けてきた徳川幕府も、いわゆる「田沼時代」に入りますともくもくと暗雲がたなびいてきます。特に「天明の大飢饉」は奥羽だけで十万人もの使者を出した大災害となりました。
田沼は国を豊かにすべく、日本を開国へと導こうとします。しかしその行動は保守派の猛烈な拒否反応を引き起こすことになりました。その先頭に経っていたのが、元白河藩主・松平定信。水と油のごとき二人の争いは、やがて江戸城や御三家をも巻き込み、天下を鳴動させるまでにいたります。

みなもと先生が政治家を評価する基準の一つは「庶民に目をむけているかどうか」だそうです。ゆえに一見俗っぽいようでありながら、民衆のために身を粉にして励む田沼は、真摯で誠実な人間として描かれています。一方、私利私欲はないものの、視野がせまく、法で人々を縛ろうとする松平定信は嫌味っぽいキャラとなっています。
また「庶民が第一」といいながらも、この部分では「大衆の愚かさ」についてもキチンと描写されています。
相次ぐ災害を天の怒りと感じた民衆は、「お上」のせいだ。と、田沼親子に批判の雨をぶちまけます。そしてわかくてさっそうとした定信ちゃんを、英雄がごとく持ち上げます。本当に庶民のことを考えているのはどちらなのかもわからずに、田沼のカゴに石を投げる江戸の人々。それでも「耐えねば・・・」とつぶやく田沼さま。その姿は従来の「私欲の権化」みたいなイメージから、はるかにかけはなれたものです。

結局ご存知の通り、田沼は政争に敗れ、失意のうちにこの世を去ることになります。しかしそれで源内から田沼へと渡された夢が途切れたわけではありません。今度はその夢は、ただ一人の下男へと託されることになります。彼の名は最上徳内。田沼の起案した北方探検隊において身分的には最下層ながら、目を見張るほどの仕事をなしとげた男です。同志のほとんどが定信の前に屈したあとも、なお海外とのあいだの架け橋になるべく、徳内さんは奮闘します。その努力がどのように実を結び、そしてまた受け継がれていったかは本編にて語らんください。

以前読んだ新聞記事に書かれていた話ですが、おフランスで「有能だが腐敗してる政治家と、無能だが清廉な政治家、どちらを選ぶか」という質問をすると、圧倒的に「有能・腐敗」を選ぶ人が多いとか。理由は「腐敗は正せるけど、無能は治しようがないから」とのこと。納得のいくようないかんような(笑)。

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May 26, 2006

平成ライダーの六年間を振り返る 龍騎編④

わたしは忘れない・・・ 『龍騎』にだまされたあの夏のことを・・・

2002年夏、満を持して発表された劇場版『仮面ライダー龍騎』のアオリ文句は、なんと「最終回先行上映」というものでした。・・・そんなことが日本国憲法で許されるのでしょうか。
やっぱり最終回は最後に観たい。そういうわけで懸命に我慢していたんですが、なんせこらえ性のないわたしのこと、結局しっかり観にいってしまったのでした。
それから数ヵ月後、テレビシリーズもいよいよ大詰めというころ。残り数話を切っても、映画と繋がる気配が一向にない。しまいには劇場とまったく異なるラストが放映されたのです。そこに至ってわたしはようやく「だ、だまされた!?」ことに気づいたのでした(笑)。
少々腹が立たないでもありませんでしたが、またあのラストをテレビで観るのもなんだし、劇場版を先に観ていたことで、『龍騎』全体を一層味わい深く鑑賞できたのも事実。そんなわけで、訴えは取り下げることにしたのでした。

このほかにも『龍騎』には特別編「13RIDERS」にも二通りのラストが存在し、さらにこの特別編のコミック版や、ホビージャパン誌に掲載されているジオラマストーリー『S.I.C』にも独自のラストが存在します。これほどの多重構造を持つ作品は、特撮のみならず、一般のドラマですらほとんど見かけられません。近い例を挙げるとするなら『かまいたちの夜』をはじめとするアドベンチャー・ゲーム、あるいは様々なRPGくらいでしょうか。
たくさんある中でもし「本当の本当のラスト」があるとするなら、それはやはり、テレビシリーズ最終回ということになるでしょう。幾通りもの結末を積み重ねて最後に出された結論が、そこで語られているからです。そこでもしこれから『龍騎』を観ようかという方がおられるなら、出来れば本編より先に劇場版、および特別編を先に観て欲しいなあ、と願う次第であります。

さて、『龍騎』でもう一つ注意をひく設定は、ライダーたちが戦う異次元空間「ミラーワールド」。恐らく『宇宙刑事ギャバン』にあった、「マクー空間」を発展させたアイデアといっていいでしょう。撮影時には左右が逆になっているのセットをわざわざ作らねばならなかったため、現場は大混乱だったそうです。この「ミラーワールド」、作中ではとうとう何なのか明かされませんでした。それでわたしなりの考えを述べてみたいと思います。こっから先は妄想&ネタバレ大全開でお送りします。付いてこれる人だけ付いてきてください。
ご存知の通り、鏡の中の世界というものは存在しません。あれはガラス板の裏に塗られた水銀が光を反射しているにすぎません。
それで『龍騎』における「カードデッキ」とは、人間に記憶と生命力を保持させたまま光=「鏡像」に変換させられるシステムだったのではと、わたしは考えています。
また、「光」をキーワードにすると、神崎士朗がどうやってゲームを再三に渡って一からやりなおすことができたのか、理解できるような気がします。
たとえば光に限りなく近い速度で飛ぶロケットがあったとしましょう。この中では時間の流れは限りなく遅くなります。地球では10年の月日が経ってるのにも関らず、宇宙船では一時間しか経ってない、ということもありうるわけです。そして宇宙船が光の速さに達した時、船内の時間は周囲と比べて完全に停止してしまいます。さらに宇宙船が光の速さを越えてしまったならば・・・そのとき船内の時間は逆戻りするのでは、という説があるそうです。とんでももいいとこですけど、これが真実で応用できたならば、時間を逆回転させることも出来るかもしれません。
ただ、「光よりも早い宇宙船」ができたとして、未来にはいけるだろうけど、過去にはいけません。過去に行くのであれば、地球を光より早くうごかさないと。さすがにそれは厳しかろうがと思いますが、物理に詳しい人、がんばってこじつけてみてください(他力本願)。そういえば昔「スーパーマン」がそんなズルをやっていた気がします。

次回は『龍騎』における結論と、主人公の「ドラゴンしんちゃん」こと城戸真司について語らせていただきます。

20060526182338_12006052618254520060526182620
個性ゆたかな龍騎ライダーズの面々
左から順に「シザース」(カニ)、「ライア」(エイ)、「ガイ」(サイ)

どう見ても怪人です。

そういえばこの記事が、ブログ開設してからちょうど300件目です。
毎度バカバカしいお話につきあっていただき、まことにありがたく候。


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May 24, 2006

サインもV アラン・ムーア 『V ・フォー・ヴェンデッタ』(原作)

趣味のアメコミコーナー、ふっっ・・・ かぁあああつ!!
というわけでまだもう少し映画やってそうな『V・フォー・ヴェンデッタ』、原作コミックについて今日は語ります。
その前に小学館プロダクションとアメコミ邦訳の歴史についても解説したいとこですが、いい加減長くなりそうなので、それは諦めます。
そいじゃまず原作者アラン・ムーアについて。
「アメコミ史上最高のライター(お話担当の人)は誰だ?」 諸説あるものの、最も多く名を挙げられるのがこのアラン・ムーアです。1980年代初頭、イギリスでその斬新な作風により注目を集めたムーアは、やがて渡米し大手DCと契約を結びます。『バットマン:キリング・ジョーク』や『サーガ・オブ・スワンプシング』など、それまで長い歴史を築いてきたシリーズに新風を巻き起こし、ついには「アメコミ史上最高傑作」とも称せられる『ウォッチメン』を発表。その名を不動のものとします。
しかし、この方は最高であると同時に、最も気性の激しいライターでもあります(笑)。大手の体質に嫌気がさしたムーアは、ほどなくして絶頂期にも関らず引退を宣言。イギリスの田舎に引っ込んでしまいます。幸いその後、作家主体で作られた新興出版社「イメージ」の要請を受けて復帰。朋友ジム・リーの口利きで大手の仕事も受けるようになりましたが、いつ決裂するかわからない危うい緊張は未だに続行中です。

さて、この『V』は、ムーアのキャリアの中でもかなり初期の作品。あらすじは・・・こないだ書いた映画版と大体同じですね
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2006/05/vv_00dd.html
だから今回の映画、それなりに原作に忠実なんです。でも偏屈者とはいえ、原作者を怒らせたくらいですから、やはりいろいろと違うところはあります。
まず主人公の「V」。映画では人間的なもろい部分も持っておりましたが、原作ではもう感情とか超越した悟りきったヒーローとして描かれています。ヒロイン・イヴィーとの関係も映画のようにロマンティックなものではなく、どちらかと言えば師匠と弟子みたいな間柄。そして全体的に映画が復讐を主眼としたエンターテイメントになっているのに対し、原作は時代の群像や社会の空気が多くのウエイトを占めていて、かなり芸術性の高いものとなっています。なんつーか、「似て非なる」という表現がジャストフィット!って感じですねえ。

そんなわけでこのコミック、アメコミの本道からはやや外れた(ブリコミと言うべきか?)マニアックな作品です。こんなものがけっこう売れてしまうとは、英国も奥の深い国ですなー。
ここまで書いておいてなんですが、わたし実はムーアの作風ってそんなに好きじゃありません。無論、その一切の妥協を許さない徹底した姿勢や、膨大な知識に裏打ちされたセリフの深さは認めます。でも彼の視点って、まるで「しょせんこの世には絶望と破滅しかないんだぜー」とケラケラあざ笑っているようで。陽気なアメリカの方々がなぜ彼をあそこまで持ち上げるのかもよくわかりません。
けれど『V』 はまだ初期の作品ということもあってか、後のものに比べると、まださわやかな印象を残す作品となっています。目的も力もなかった一人のか弱い少女が、一人の男と出会って教えられ、鍛えられることによって、未来へ向けて力強い一歩を踏み出していく・・・(一方でただ時代に流されるままの女性も描かれている) こんな風に「希望」を感じさせるラストは、他のムーア作品にはあまり見られません。 

とはいえやはり難解な部分も多々あり、私自身ちゃんと理解するにはもう2,3度読み込まないといけないです。これからアメコミに入門しようという方は、できればジャイヴより発行されてる『バットマン:ハッシュ』もしくは『イヤーワン』から入られてください。

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May 22, 2006

仮面らいだー カブトくんヒビキさん 06の巻

『カブト』ももう三分の一くらいのとこまできたでしょうかね

2006052213403520060522134126♪いけ いけ ザビー

みつばちザッビー

とべ とべ ザビー

みつばちザビー


20060522134350「という歌を作ってみた

どうだ?」

「・・・ていうかさあ

おまえ、スズメバチだろ?」


Krkh05a4_1「あれ? そうだっけ?

ライダースティング!!」

「・・・・・

また逆ギレだよ」


そのころ別の場所では

20060522134642「うわ

どうしたんすか、ヒビキさん。その格好は」

「いや、なんかまた急にちっちゃくなっちまってな」

「それにしても中途半端なサイズですね」


20060522134734「どうしてまた、こんなことになっちゃったんだろな・・・」

「そりゃあれですよ。単にネタがなかったんでしょ」

次回にはなにごともなかったかのように、また元に戻っているものと思われる


つづく

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May 21, 2006

山田風太郎に関しては色々言わせてもらいたい⑨ ワースト忍法帖はどれだ!?

「一篇の駄作もない」と言われる巨人・山田風太郎。でもそれなりに駄作もあります(笑)。
そこで今回はとくに忍法帖(長編)に範囲を絞って、一番の駄作はどれか考えてみましょう。・・・恐れ多いのにもほどがある。

まずご本人みずからC級以下と認定された作品を挙げてみましょう。『飛騨忍法帖(軍艦忍法帖)』『自来也忍法帖』『魔天忍法帖』『忍法剣士伝』『秘戯(秘戯書争奪)』『天保忍法帖(忍者黒白草紙)』『妖の忍法帖(忍法双頭の鷲)』以上7編がC級。他にP級(笑)の『忍法相伝‘73』と、なぜか忘れられた『忍法創世記』があります。
で、この中から何らかの形で最近復刊されたもの、出来はともかく発想が面白いもの、それなりに好意的な評価がされたものを除きますと、『天保』『妖の』の二編が残ります。
先生にしてみりゃぶっちぎりで『相伝‘73』なんでしょうけど、これはこれで面白いと見る向きもあるようですし、なんといってもこれ映画化されてる(タイトルは『コント55号 おれは忍者の孫の孫』)。おまけにその映画が最近DVDで復刻されてしまったので、除外することにしました。

それでは残った二編をさらっと紹介いたします。
『天保忍法帖』はその名の通り天保年間のお話。南町奉行・鳥居耀臓の下で江戸の諸悪を滅ぼし去ろうと奔走する伊賀忍者・箒天四郎と、その親友でありながら箒と意思を異にし、改革の犠牲者を庇護する塵ノ辻空也の対立を描きます。
『妖の忍法帖』はぐっと時代を遡り、五代将軍綱吉の時代のお話。幕府から密命を帯び、諸藩の内情を探る二人の根来忍者秦漣次郎と吹矢城介。行く先々でお家のスキャンダルに遭遇し、彼らが報告する度にその藩が取り潰されていくというパターン。
で、比べてみると『天保』は確かに『甲賀』『柳生』といった一級品とは比べるべくもありませんが、それなりに評価できるところもあります。たとえばあんまりスポットの当たらない天保年間という時代を舞台にしていることや、鳥居をはじめとする実在した奇人・妖人の描写など。一応起承転結や伏線などもありますし、後の『警視庁草紙』につながるようなテーマも見受けられます。
それに対して『妖の』の方はとくにこれといったウリがみつかりません。長編というか連作集みたいだし、ヤマもなけりゃひねりもない。別に山風でなくとも書けそうな話です。せめてもの救いは新書版のイラストを『子連れ狼』の小島剛夕先生が描いてらっしゃることくらいでしょうか。そんなわけで忍法帖ワースト1はこの『妖の忍法帖』ということで決定したいと思います。

この二作品が書かれたころ、先生はちょっとしたスランプに陥っていたというはなしです。いかに巨人といえど、そこはやっぱり人の子ですから。忍法帖に飽きが来てるのに、そっちの要望が多くて仕方なく書いてた、という事情も反映されてます。この後『海鳴り』『創世記』を書いた後、先生は忍法帖を封印されます。そして自身のターニングポイントである『戦中派不戦日記』『警視庁草紙』を著されることになるわけですが。

この復刊されてない二作品、わたしがどうやって入手したかと申しますと、『妖の』の方はかなり前とあるディスカウントショップの古本の山の中から見つけました。カバーもはがれて100円だったか50円だったか。『天保』の方はつい先日近所のデパートの古本市で、改題された文庫版の方を発見いたしました。
先も申しましたようにあまり評判はよろしくありませんが、それでも巨匠のレアものと来たら読みたくなりますよね。ゆずって欲しいという方はコメント欄にてご応募ください。あげないから(笑)。

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May 19, 2006

地獄のウェンズデー 京田知己 『交響詩篇エウレカセブン』 

本日はここんとこ話題を振りまいている竹田青滋氏がプロデュースし、先日終了したSFロボアニメについて。

移民星らしき惑星の片田舎に住む少年レントンは、謎めいた少女エウレカに一目ぼれし、彼女が属するアウトロー集団「ゲッコーステイト」に入る。はじめは彼らとともに楽しい毎日を過ごしていたレントンだが、リーダー・ホランドやエウレカの過去を知るにつれ、戦争や星の危機に関する厳しい現実に直面せざるを得なくなる。
この星には「トラパー」と呼ばれる特殊な「波」が大気中に存在し、これを利用することで空中でサーフィンが出来るという設定になっています。そんなわけでロボがボードに乗ってクルクル回転するような、一風変ったアクションが特色となっていました。

さて、極めてありきたりの解釈ではありますが、このアニメは二人の男の成長物語として見ることができます。
一人はゲッコーステイトのリーダー・ホランド。彼は最初「楽しければいいじゃない」という感じの、明るく頼もしいキャラとして登場します。しかし話が進むにつれ、過去の罪や、自分の限界に苦しめられる場面が多くなり、ホランドの「メッキ」は次第にはがれていきます。そして、自分にはない資質を持ったレントンへの嫉妬。『ガンダム』第1作でもリーダー・ブライトと主人公アムロの対立がしばしば描かれましたが、ホランドとレントンのそれは似ているようで、微妙に違います。幸いなことにホランドはそれらの苦悩を乗り越え、自分のやるべきこと・・・次の世代の保護者になることを受け入れて、真の意味での「大人」になります。この辺が大体シリーズの中盤くらい。ここでホランドの物語は概ね終ったとみてよいでしょう。

もう一人の男とは、言うまでもなく、主人公のレントンです。レントンはヒロイン・エウレカを「可愛いから」「なんとなく惹かれるから」といった単純な理由で好きになります。けれどこのエウレカ、いろいろ深刻な秘密を抱えた少女でありまして。実の子でないにせよ三児の母だったり、殺人経験者だったり、人間でなかったり。そうした秘密を知るたびにレントンはショックに打ちのめされます。可愛らしい外見も、作品を通じて何度も損傷を受けます。それでも「君が好きだ」と言い続けるレントン。もし誰かを好きになり、その人に暗い過去があったら、あるいは容貌が衰えたなら、それでも変らずその人を好きでいられるか。そんな問いを、スタッフから投げかけられている気がしました。

現在DVDが10巻まで発売中。全部でたぶん12,3巻くらいになるんじゃなかろうかと。そういえばタイトルの「セブン」って結局なんだったのかわかりませんでした。「レントン、ぼくは人間じゃないんだ」と、そういうことだったんでしょうか。♪はーるかなほしがー 

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May 17, 2006

戦国鬼嫁日記 ~大河ドラマ『功名が辻』より⑧

こんばんはっす。チヨっす。みんな連休なにしてた? あたしはねえ、昔馴染みとちょいと日本の辺境に旅行に行ってました。でもねえ、この面子でどっか行くと、殺人事件が起きたり、トリック暴いたりしなきゃなんなくてけっこう大変なのよ。そんなわけであんまり休んだ気、しなかったです。はい。

そいじゃ今回の「鬼嫁日記」、行きますか。
ある日町を歩いてたあたしは、迷子になってる婆さんをみつけたの。名前を聞いたらキンだかギンだか言うらしいんだけど、とりあえず危なっかしかったから、100番100番・・・じゃなくて、110番したわけよ。そしたらビックリ、サルの兄貴のお母さんだって言うじゃない。世の中狭いわよねー。
このことがきっかけで、あたしすっかり兄貴の母ちゃんになつかれちゃった。婆ちゃんになつかれてもあんまり得するこた無いけど、まあこれが宿六の出世につながるとも限んないしね。
話は変って兄貴には妹がいて、婆ちゃんが老い先短いもんだから、この妹を近くに呼び寄せることにした。でも妹夫婦は「抗争に巻き込まれたらたまったもんじゃない」って、田舎からでてこようとしないのよ。
そこでどういうわけか、あたしが妹夫婦を引っ張り出す役目をおおせつかった。なんであたしが? こっちだって忙しいのに! あたしゃ何でも屋じゃないっつーの。でもまあ兄貴の命令だしね。「安全なところに家を用意しますから」つって、二人を説得しようとしました。でもあいつら、なかなかウン、って言わないもんだから、結局は力ずくでつれてくることになったんだけどさ。

意外なことにこの旦那、建築筋じゃ、ちょっと知られた顔だったんだって。神の手を持つ大工だか左官屋だか。それを聞いたボスが、拠点にする事務所を作るのに手を貸してもらおうとか言い出したの。最初と約束が違うわけだけど、職人さんって「腕を見込んで」とか言われると弱いみたいね。旦那、すっかりやる気になっちゃって。
ところがさあ、やっぱり出来たとたんに抗争が激しくなっちゃって。これが後に「長篠抗争」とか呼ばれるようになったんだけど、んなこたどーでもよくて。兄貴と宿六は厳重にガード付けて送り返そうとしたんだけど、旦那、何をトチ狂ったんだか「俺の可愛いビルが!」とか言い出していきなり引き返したんだって。で、流れ弾に当たって死亡。宿六、これには責任感じちゃってさあ、「指詰める」とか騒いでたんだけど、張り倒して止めました。だって万一の時再就職に障りが出たらどーすんのよ。

気の毒なのは兄貴の妹の方。そこでちゃっちゃと再婚させて、うやむやにしちゃえということになった。ところが見つけたやつが、若いころけっこうもててたせいもあってか、「おれ、あんなお笑い系の女とは結婚したくない」とか言い出したのよ。まあこれも殴り倒して言うこと聞かせました。さすがに今回はパンチの打ちすぎで手が痛くなったわねえ。まあ妹さんは相手が色男だったってこともあって、すんなりOKしたからよかった、よかった。

さて、このころうちではもうひとつ難題が。幼馴染の六の字覚えてるかしら? あいつがリストラされたらしくて「ここで働かしてくれ~」って言ってきたんだけど、六の字にくっついて嫌味な顔した娘っ子がいたのよ。宿六、その娘見るなり顔面蒼白になっちゃってさ。おかしいと思って調べさせたら宿六が浮気した相手だったことが判明。どうもあたしを追い出して後釜に座る気だったらしいのよ。 みんなあたしが火山の如く怒り狂ったと思うでしょ? いえいえ、そこは主役の余裕で。それにちょっとうれしかったのよ。最近コントみたいな芝居しか回ってこなかったからさあ、あこがれてたのよね~。昼ドラってやつに? あの手この手でいびりまくってやろうって張り切ってたの♪ ところがあの娘、泡吹いてる宿六見て「ダメだこりゃ」と思ったのね。あっという間にどっかへ消えちゃったのよ。ったく、最近の若い子は根性ないわねー。世界の中心で愛を叫ぶくらいの度胸持ちなさいよ!

そうしてる間にもボスの全国制覇は着々と進行中。ただ内部では問題もいろいろありまして。次回はその辺りを語りま~す。再見! 


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May 16, 2006

ポエマー危機一髪 ~6月のポエム

(5月16日のポエム)

最近『イタダキマン』の歌が耳について離れません
こんな歌です

「不思議そわそわ なぜか君アキナ
つれない態度が ますますヨシエ
キョウコそお願い 一度うでクミコ
あの子の返事は 勝手にセイコ
アアイ アアイア アイ ラヴ ユー
くちびる接近平手打ち 
いたイヨ ヒデミ どこイクエ
君のハートをいただき いつかすっかりいただき
毎日会いたい 付き合いたい
山のてっぺんいただき
なんでもかんでも いただき いただき いただき
いただきマンボで ウッ!」

この素晴らしい日本の歌を次世代に伝えていくことが
タイムボカン世代である我々の役割ではないかと思うのですが、如何

Bbs21sunsetこのコーナーは今回で終りです。
今度からこういうしょうもないネタは、日記(http://d.hatena.ne.jp/sga851/)の方でやることにします
三十年の長い間、ご声援ありがとうございました

この夕日がある限り、いつかきっとまた会える・・・
その時まで・・・あばよ!

 
(5月9日のポエム)
20060509180104神田を歩き回っても

ネットを調べても見つからなかった本が

近所の古書市でみつかったりすると

なんかむなしいよね

つまり、隣ににあるような本です
(画像をクリックすると、でかくなります)

(5月2日のポエム)
20060427154444ぼくのすんでいるところは「いなか」です

そしておしごとをするところは、もっぱらおそとです

いぬは わんわん
ねこは にゃ-にゃー
からすは かーかー
さるまで きーきー

やかましいったらありゃあしません

せいけつで やねがあって 
きれいなおねいさんが 「おつかれさま♪」といっておちゃをだしてくれる
そんなしょくばではたらきたいと こころからねがうのでした

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May 13, 2006

育てよ、カメ! 田崎竜太 『ガメラ ~小さき勇者たち』

♪ が~めら~ が~めら~
今日は七年ぶりに復活した『ガメラ』についてレビューします。

かつてこの国には怪獣がいた。伊勢湾を恐怖のどんぞこに叩き落したギャオスの群れ。人々を救ったのは巨大な亀の怪獣「ガメラ」だった。戦いは熾烈を極め、最後にはガメラは自らを爆発させることでギャオスを葬り、町に平和を取り戻したのだった。
それからウン十年後。母親を亡くし寂しい思いをしいてたトオル少年は、ある日岩場で奇妙な亀を拾う。その亀は空を飛び、異常な速さで成長していくのだ。トオルはその亀に「トト」という名をつける。時を同じくして、志摩の近海では不可思議な海難事故があいつぐ。それは時を経て再び誕生した怪獣「ジーダス」の仕業だった。やがてトオルの町にジーダスが上陸する。少年たちに危機が迫ったとき、彼らをかばうように現れたのは、成長したトト・・・「ガメラ」だった。

内容はですね。ぶっちゃけ怪獣版『E・T』です。はい。
・・・あっ 終っちゃった! えーともう少し言葉を足しますとですね。片親がいなくてしょんぼりしていた少年が、奇妙な友人と出会い、友情を育んでいき、守り守られることで成長していくとゆー話ですね。
クライマックスに子供たちが脈絡もなく、ガメラにアイテムを渡そうとリレーを始めだすシーンがあります。これにひっかかりを覚えた方々もおられるようですが、『E・T』がお手本と考えるなら、要するに「子供たちにしかないテレパシーのようなもので」さくさくと理解した、ということなんじゃないでしょうか。

もう一本思い出すのは、やはり前作?『G3』。今から『G3』のラストをばらします。未見の方は避難してください。
ライバル・イリスは倒したものの、満身創痍のうえ、ギャオスの大群がせまりつつある。快楽亭ブラック師匠も指摘してましたが、これはもう十中八九「死ぬ」ことを予感させるラストです。田崎監督は恐らくこれを見て「やだ、ガメラ死んじゃヤダ」と泣きじゃくられたんじゃないかと。「同じ土俵にはいかない」とおっしゃっていた監督ですが、今回の作品にはこのラストに対する田崎監督の返歌のようなところがあると感じました。なんとか大好きなガメラに生きていて欲しい、というような。その割には冒頭できっちりトドメをさしたりしてますが。

特撮シーンとしてはビルに突き刺さって往生するガメラが、まことにカメらしくてよかったです。カメって生き物は、なんていうか「耐える姿」が絵になる生き物です。キンシャサのモハメッド・アリじゃないですけど、耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて・・・最後に一発大逆転をやらかしてくれる、そういうのって見ていて燃えますよね。その点はよく出来ていると思いました。

この作品、スタッフロールの最後に「モデルになったカメはけっこうでっかくなるので、買うにはそれなりの覚悟が必要」と、覚悟ヲススメられてしまいました。まあ飼おうとは思いませんけど、動物に対して「自分の愛が迷惑行為」にならないよう気をつけたいものです。

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May 10, 2006

適当掲示板28&SGA屋動物記 激闘編

毎度どうもっす。当ブログに関するご意見ご感想、その他よろず受け付けております。

えー、今回はほかでやってる日記(http://d.hatena.ne.jp/sga851/)とかなり内容がダブってます。だんだん野生の王国と化しつつあるわが町の動物に関する話題など。

20060504063150まずはこいつから。ある雨の晩、電線の上をひょいひょい動く生き物を発見。てっきりでかいネズミかとばかり思ってたら、その後何度か目撃するうち、ジャコウネコ科の「ハクビシン」であることが判明いたしました。
画像はカラスに追われて必死こいて逃げるハクビシン。負けるな!
もっとはっきりした画像はこちら
http://www.ax.sakura.ne.jp/~hy4477/link/zukan/niku/0005hakubisin.htm


20060427154444_1いいかげんしつこいとお思いでしょうが、サルの話。
もはやめずらしくもなんともなくなりました。ごく普通に早朝見かける生き物です。
いまでは「チワッス」「お疲れ」と声を掛け合う仲になりました。
とはいえ一歩間違うと交戦状態に陥らないとも限らないので、それなりに警戒が必要です


20060510172035野良クジャクについて。
前回ふいに目撃して以降、また姿を見なくなっていたのですが、どうやら同僚の配達区域に移動していたことが判明。画像は同僚が撮影した最新のものです。つーかあなたも仕事の最中になにやってんだか。
市では捕獲してどこかに売っ払うつもりのようですが、なかなかうまく捕まらないみたいです。果たしてクジャクにとって幸せなのはどちらの道か?


おまけ
Hpm45_2_thumbああ、もう!
オレだってこんなに一生懸命やってんですよ!

たまには誉めてもらいたいっすよ!!

師匠!!


Hpm2_2_thumb20060503125813
うるせーなー
ほめりゃいいんだろ

あーよしよし
こんなもんでいいのか?
あん?


Bbs204
ありがとうございます、師匠

自分、チョウ感動したっす

はらはら


Bbs203そうかそうか
そりゃ良かった

あ、今晩のメシ、特上マグロ丼で頼むな


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May 08, 2006

風と雲とギャグと 『風雲児たち』を語ってみたい⑦

公式設定でもなんでもありませんけど、わたしは後ろになにも付かない『風雲児たち』は概ね三つの部分に分けられると考えております。Aパートは冒頭から赤穂浪士討ち入りまで。Bパートは田沼時代と寛政の改革の期間。Cパートは文化文政から最後まで。と、こんな感じかと。
で、特にファンから評判がいいのが、このBパートにあたる部分。それはこんなナレーションとともに始まります。
「誰もいないところで嵐が吹き荒れても その音を耳にするものはない」
「しかしいつかその地へ人がきたとき その確かな爪あとを見るに違いない」
風雲児たち、第1シリーズを巧みに言い表した一文と言えましょう。そんなわけで今回は潮版で5巻から8巻まで、リイド版で4巻89P から6巻のラストまでを扱います。

関ヶ原だ大阪城だと、ビッグな視点から語られていたAパートに比べ、Bパートは非常にひっそりした場面から始まります。名残惜しげに長崎をあとにする一人のオッサン。彼の名は前野良沢。良沢さんの手には一冊の風変わりな本が握り締められておりました。オランダの本でタイトルは『ターヘル・アナトミア』。我々が『解体新書』の名で知っている書物の原書でありました。
良沢先生はこの本を杉田玄白ら数人の仲間ととともに和訳することを決意します。でも彼が知るオランダ語はごくわずかで、ほかのメンバーはもっと知らない。いわば中学生数人がノートにわずかに書きとめられた単語だけをヒントに、一冊原書(しかも医学書)をまるまる完訳しようと試みるようなものです。「そりゃ無理だ!」と誰もが思うにちがいありません。そんな様子がギャグ調で描かれると、絶望度がより増して感じられます。
良沢がすごいのはそれほどまでな難事業を決して諦めなかったところ。彼の異常なまでの(笑)熱意により、翻訳作業は少しづつ進展して参ります。しかしここでひっかかるのは、『解体新書』の著者の名が、一般には杉田玄白とされているということです。なぜ良沢の名は公にならなかったのか。それは彼の職人気質というか、「いい加減なものは世に出せない」という信条のためでした。それに対し、「日本の医学のために一刻もはやく出版するべき」と主張する玄白。
「わたしは名誉欲のためにやってきたのではない 医学のためだ」
決裂した二人は離れた場所で同じセリフを口にします。信ずる道のために親友と袂をわかたねばならない寂寥感。『風雲児』屈指の名シーンです。

この部分では、平行して二人の奇人のお話も語られます。一人はべニョブスキー。人を騙すことが何より好きで、世界各国で悪事を重ねてきた男。彼がたまたま鎖国の日本に立ち寄ったことから、ごく一部の中で大変な騒動が巻き起こることになります。あまり日本史では取り上げられることのない事件ですが、幕府の「ことなかれ」体質がよくあらわれたエピソードとなっています。
そして強烈なのがこのべニョブスキーの生き様。こんなにいい加減で世の中渡っていけるのかと、ほとほとあきれ返ります。なんせ日本にろくに上陸してもいないくせに、「将軍と手をつないで町を歩いた」なんて書いた航海記を出してしまうくらいですから。でもこの航海記、マダガスカルに関してはそれなりに貴重な資料らしいです。むーんw

もう一人はご存知平賀源内。時代に早すぎた男の八面六臂の活躍ぶりと、悲しい末路がみなもと調で描かれます。で、この部分で浮き彫りになるのは「孤独」というキーワードです。
閉ざされた国において「外国」に目を向けた人々は、周囲の無理解・無関心に苦しみながら、無我夢中で戦いつづけなければなりませんでした。それはどこからも助けをあてにできない、辛く厳しい戦いです。しかし彼らの業績はたとえ当時報われなかったとしても、何世代か後の幕末の若者たちにとって、非常に大きな財産となったのでした。

次回は同様に異国の地で孤独な戦いを強いられた大黒屋光太夫についてあつかいます。ダスピダーニャ。

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May 06, 2006

ハチミツとゼクトルーパー 仮面ライダーカブトを語る②

「でんせつのかぶとむし」をてにいれた「てんどうそうじ」に、ひみつそしき「ぜくと」はしかくをはなちます。しかくのなは「やぐるまそう」。「まほうのはち」のちからでちょうじん「ざびー」にへんしんした「やぐるま」は、「てんどう」にもうこうげきをしかけてきます。しかしたべものをそまつにしたばちがあたったのか、「やぐるま」は「まほうのはち」からみかぎられてしまいます。そのつぎに「はち」がえらんだのはあの「かがみくん」でしたが、「かがみくん」は『「てんどう」はおともだちだもん!』と、「かぶと」とたたかうことをきょぜつ。「ったくどいつもこいつも」ともんくをいいながら、「はち」はどこかへいってしまいます。

そんなわけで現在までに14話までを消化した『カブト』。今回は『仮面ライダー』の重要なファクターである「組織」について、少々。
番組が始まる前に白倉Pは「『仮面ライダー』は組織と個人の物語」とおっしゃってました。たしかに第1作仮面ライダーは、個人・本郷猛と、組織・ショッカーの対立の物語です。で、このショッカーですが、原作最終回において「じつは我々がお手本にしてたのは日本政府だよ~ん」とシャレにならない告白をかましてくれたりします。
こんなところからわかるように、どうも全盛期の石ノ森先生は「組織」「政府」といったものに根深い不信感を抱いておられた模様。たくさんある石ノ森ヒーロー漫画のなかで、組織を肯定的に描いているものはほとんど無かったように記憶しています。強いていうなら『ゴレンジャー』くらいでしょうか。もっともこの作品も後半は完全にスラップスティックものになってしまい、やっぱり「正義の」組織を書くのに抵抗があったんかなあ、と思ったりします。
けれど現代社会に生きていくうえで我々は何らかのかたちで「組織」に属さねばやっていけないわけであり、晩年先生も『HOTEL』『日本経済学入門』なんかでやや見方を和らげておられたご様子です。

で、『カブト』における組織の描写ですが、この作品に登場する「ゼクト」なる組織は一応人々の安全を守るために作られています。しかし「多少の犠牲もやむをえない」という方針や、人々の安全よりも異分子であるカブトの排除を優先させているところなど、「正義の組織」とは言いがたい部分も多々見られます。
考えてみると、現実の警察機構もここまで露骨でないにせよ、似たり寄ったりなところはあります。決して正義ではない。でも無ければもっと困る。多少誇張しているところはありますが、『カブト』ではそんな風に組織を描写することで、「組織」「政府」との付き合い方を模索しているように思えます。

主人公「カブト」=天道総司は組織とはっきり道を分かち、唯我独尊の道を行っています。こうできれば一番いいのでしょうけど、現実にそこまでできる人間はほとんどいません。だからこそ彼はヒーローなのでしょう。
二番手のライダー「ザビー」は組織に完全な忠実を誓っています。組織のためならどんな犠牲をもいとわない。これまた一般人には厳しい生き方です。また、一歩間違えれば当初の目的・・・人々の安全を守る・・・が見失われる恐れもあります。
最近登場した三人目のライダー「ドレイク」=風間大介は、まだどんな立場かはっきりしませんが、先回の様子から察するに、両者の中間のような立場になるのではないかと思います。つまり、報酬をもらって組織のために働くスタンスかと。だから状況次第では組織を離れることもある。その場合、カブトと同様「敵」とみなされることもありうるわけですが。
そして我々に一番ちかいところにいるのは、どのライダーでもない(いっぺん変身したけれど)加々美新という青年。
基本的に組織に属してはいますが、そのやり方全てに賛同しているわけではないし、時には激しい怒りを覚えることもあります。しかし天道のような超人ではない加々美は、組織の力を借りなければ目的をかなえることは難しい。そこで彼はどうやって多勢の中で「個」を貫くことができるか、戦いを強いられるわけです。
同様のテーマは平成版第二作『アギト』でも扱われましたが、今回はゼクトの暗部を強調することで、より鮮明になっている気がします。

さて、前回述べた「なぜ主人公はあんなにサバにこだわるのか?」という疑問ですが、公式サイトにて一応回答が出されました。こういうことのようです↓
http://www.toei.co.jp/tv/kabuto/index.asp?action=category&key=key(の「友情と鯖」という項目をご覧ください)
・・・納得いくようないかんような。
次は是非「ザビーと豆腐の関係」についてご解答願いたいと思います。
「豆腐を愚弄する者は国を滅ぼす」BY大村益次郎
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May 05, 2006

頭文字V ウォシャウスキー兄弟 『V・フォーヴェンデッタ』

『マトリックス』で名をはせたウォシャウスキー兄弟が、アメコミの名作を完全映画化。現在絶賛・・・か知らんけど公開中です。
パラレルワールドの英国が舞台。第三次世界大戦の影響で環境や人心は荒廃し、イギリスでは独裁者が猛威を振るっていた。圧政に苦しみつつも支配者に逆らうものなど誰もいない、そんな時代に一人のヒーローが現れる。彼の名は「V」。手始めにテレビ局を占拠した「V」は独裁者の欺瞞を暴露し、その後も彼の側近を一人一人始末していく。「V」を追う刑事ダスコムは、その秘められた過去を知るうちに、「V」に不思議な共感を抱くようになる。また、「V」に助けられたことから官憲にマークされることになった少女・イヴィーにも、苛酷な運命が待ち受ける。

こう書くと極めてオーソドックスな英雄譚を想像されるかもしれませんが、この映画はちょっと一筋縄ではいかないタイプの作品です。普通ならここで「V」がいかにもかっこよく、頼もしいヒーローとして描かれるのでしょうけど、この「V」がどう考えてもイカレている。おかめとひょっとこを足してわったようなマスク(ガイ・フォークスという人物に由来する)をかぶり、常軌を逸したような言葉をまくしたて、悪党たちを執拗にいたぶる。だけならまだしも、ヒロインにあんなことやそんなことまでしてしまう。これには開いた口が塞がりませんでした。「だってぼくはあいつらの手で怪物にさせられちゃったんだもん。だから仕方ないんだもん」と必死に言い訳する「V」ですが、だからといってなんでも許されるわけじゃねえ! この変態!!

えー、そんなわけでとても評価の難しい作品です。娯楽としてはアジテーションが強すぎるし(マトリックスみたいなの期待してた人はがっかりだろうな)、文芸作品としてはあまりにもバカっぽいし、さほど本筋と関係ないようなエピソードがえんえんと語られたりもしますし、ほかにもあれやこれやあります。
でもどっちかって言うと、自分はこういうの好きなほうだったりします(あちゃー)。
その魅力を説明するのは難しいですけど、強いて言うならいわゆる「滅びの美学」みたいなものでしょうか。「V」はハナから生き延びることなど考えちゃいません。彼にとって死と勝利はワンセットになっているわけです。たしかに多少付いていき難いところはありますが、燃え尽きる前にひときわ明るく輝く花火のように、その姿には目をひきつけられるものがあります。一見無敵のようでいて、反面とてももろい部分を持ち合わせている、そんなところも他のヒーローものにはない独特の味わいと言えるでしょう。

前作、マトリックスとの共通点を挙げるとするなら、早い話が「権力は敵だ!」というところですね。今回もおまわりさんは制服を着ている時点で容赦なく敵とみなされます。ウォシャウスキー兄弟はおまわりさんや官僚に、何か嫌な目に遭わされたことでもあるのでしょうか。たしか「マトリックス」の時に「青少年に与える影響があーたらこーたら」とかいろいろ批判されていたように記憶していますが、兄も弟もまったくといっていいくらい反省してない様子。ある意味あっぱれですが、この「毒」は確かにヤバイ。彼らが望むのはただ「アナーキー」、そういうことなのでしょう。

そんなわけで『コナン』『クレしん』に遅れを取っているものの、現在「中」ヒット公開中です。ていうか、こんな映画が大ヒットしたら問題だと思います。冒頭で述べたように、この映画には原作となるコミックがあるのですが、偏屈もので知られる作者は脚本を読むなり「おれの名前はクレジットに出すな」と絶縁を宣言。本当に出てませんでした(笑)。現時点でまだ読み終わってませんが、近日中にこの原作の方もレビューいたします。

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May 03, 2006

仮面らいだー カブトくんヒビキさん 05の巻

副題は「みなし子ザビーの冒険」ということで

Krkh05a1やあ、みんな
ぼくは仮面ライダーザビー
ちょっといなせなハチ型ライダーさ
悪い子にはぶすっと注射しちゃうぞ

ぼくには離れ離れになってしまったママがいて
ずっと探して旅をしている
そんなある日のことだ

Krkh05a2街を歩いていたぼくは
自分と微妙に似ているある男の姿を見つけた

(もしかしたら、彼が?)

高鳴る胸の鼓動を抑えながら
ぼくは思い切って
彼に尋ねてみた

Krkh05a3
「あの・・・ ちょっとすいません」
「おう、なんだ」

「もしかして、あなたがぼくのお母さんなんですか? ドキドキ」

「・・・・・
いや、おまえ頭おかしいだろ」


Krkh05a4
「おれのお母さんにならないヤツはいらない!
ライダースティング!」


「うわ
なんだ、こいつ」


そのころ別の場所では
Krkh05b1Krkh05b2「今日はゴールデンウィークですし
先輩の活躍でも見て勉強しましょうか」
「おう」

「始まりましたね」
「♪かぜにめっくっられたカード 相○七瀬っていま何やってんだろうな」
「さあ?」


Krkh05b3Krkh05b4「オンドゥルルラギッタンディスカー!!

ダディャーナザン!」

「オデノカラダハボドボドダ!

アンナアルンゲンナデカャール!!」


Krkh05b1_1Krkh05b6「・・・・・
このビデオ、字幕は付いてないのか?」

「おかしいですね
普通に地上波を録画したものなんですけど」

つづく
念のため言っておきますが、ブレイド大好きです

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May 01, 2006

歴史は夜明かされる 鯨統一郎 『新・世界の七不思議』ほか

本日は朋友ゼンザイ先生より貸していただいたこの本と、その前作についてやります。ともに創元推理文庫より発売中。

東京のとあるうらぶれた一角にある、バー「スリーバレー」。そこではなぜか夜ごと風変わりな歴史談義が行われている。口火を切るのは最近歴史に興味を覚えたバーテンの松永くん。彼の疑問に対してオーソドックスな答えを述べる才媛の早乙女静香。そこへライターの宮田六郎が、あっと驚く珍説を披露。最初は「アホくさ」と思えるその説が、宮田の解説を聞いているうちに、いつのまにか「もしかして」に変わっていく

鯨氏の処女作、『邪馬台国はどこですか?』は、おおむねこんなスタイルで書かれています。扱われている謎はタイトルの通り邪馬台国の位置とか、本能寺の変はなぜ起こったのかといった、誰でも聞いたことのあるメジャーなものばかり。それゆえ今までも数多くの説が唱えられてきたわけですが、鯨氏は作中人物である宮田の口を通して、誰も思いつかなかったような爆笑ものの珍説を提示します。しかしただ笑えるだけでなく、もっともな根拠もちゃんと用意してあるのがスゴイところ。
もちろんまともな学説として唱えるにはちょいと飛躍があったり、論理が強引だったりするところもありますが、ギリギリで「それもアリかな~」と思わせるだけの説得力を有しています。一例を挙げたいところですが、即ネタバレになってしまうのが辛い。もっとも鯨氏も正面切ってそれらの説の正しさを主張する気はないのでしょう。「ま、酒の肴にでも聞いてくんな」というような軽妙な持ち味がこの小説の特徴です。

で、先日待望久しい第二弾が発行されました。タイトルは『新・世界の七不思議』。わりかし統一感のなかった前作に対し、今回は古代史に限定して宮田(鯨)流バカ理論が展開されます。例を挙げるならピラミッド、ナスカの地上絵、はたまたイースター島のモアイ像など。さらに巻末の一編では、それまでの謎の総決算ともいうべき荒業が炸裂します。ちなみに前作とレギュラーが一名変わっていますが、スタイルはまったく一緒。
わたしとしましては前作では明治維新にまつわるエピソードが一番笑え、今作ではピラミッドと地上絵にまつわるエピソードに特に感嘆しました。歴史に関心がおありの方はコント集でも読むような気持で、手にとってみてください。

さて、古代では七不思議とは、もっぱら一群の壮麗な建造物のことを指す言葉だったようです。しかし挙げられているものの中には現在では消失してしまっているものも数多くあり、また地域も限定されています。そこで現在なお残っている遺跡の「七不思議」について考えてみました。ざっとこんなもんかと
・エジプトのピラミッド
・イギリスのストーン・ヘンジ
・ナスカの地上絵
・イースター島のモアイ
・中国の万里の長城
・タイのアンコールワット
・インカのマチュ・ピチュ
他にもっといい案があるという方もおられるかもしれませんが。
UMA系の七不思議や、怪事件の七不思議なんかもちょっと考えてみましたが、いいかげんキリがないのでやめときます。

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