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April 07, 2006

風と雲とギャグと 『風雲児たち』を語ってみたい⑤

今回は潮版で3、4巻、リイド版で2巻107Pから3巻200Pまでのおはなし。

大河ドラマ『新選組!』で「会津藩には代々『将軍家にテッテ的に忠誠を尽くさねばならない』というおきてがある」と語られていました。『風雲児たち』のこの部分では、どうして会津がそのような特性を帯びるようになったのかが明かされています。

「徳川秀忠」という人物に、みなさんはどのようなイメージを抱かれているでしょうか。歴史に興味ないひとには「しらね」か、せいぜい「徳川幕府二代目の将軍」というくらいの認識でしかないと思われます。ちょいと興味のある人であれば「真田幸村の計略にひっかかって関ヶ原に間に合わなかったボンクラ」とか。
かように「二代目」という存在は影が薄くなりやすいようです。室町幕府、ナポレオン、ルパンetc
『風雲児』序章後半は、この秀忠にスポットをあてたきわめてめずらしいエピソードとなっております。

関ヶ原の戦後処理も大方終わったあるころ。秀忠くんは偉大すぎる父親とおっかない細君にはさまれ、ストレスに苛まれる毎日を送っておりました。そんな秀忠に安らぎを与えてくれたのが、妻・お江の腰元の静ちゃん。信じがたい話ですが、ふたりは大奥のバカ長い廊下でさもない会話をかわした時から、互いのことがわすれられなくなってしまったのです。やがて結ばれる二人。しかしこのことがお江の方に知られたら、血の雨が降るのは明らか。波風が立つのを恐れた静ちゃんは、秀忠の前から姿を消します。けれどこの時静ちゃんのおなかの中には、すでにあたらしい命が宿されていたのでした。

二人の悲恋をよそに、歴史は着実に動いていきます。秀頼親子を徐々においつめていく家康。またしても生き残るために知恵を絞らねばならなくなる薩摩・長州。そして始まる大阪城攻防戦。あまりにも斬新過ぎる合戦の描写は、是非本編でご確認ください(笑)。
その裏でひっそりと暮らしていた静と息子の幸松。母子にいかなる運命が待ち受けているのか。このへん『大奥』でやってたかもしれませんが、わたしは観てないのでわかりません。

この部分では、徳川幕府草創期の主な事件がさくさく説明されており、わたしのような物知らずには、大変勉強になりました。由比正雪のくだりなんか明らかに違う人のタッチなんですが、なま暖かい目で見守ってあげましょう。
ご存知天下の副将軍、水戸光圀について割かれた章も要チェックです。幕末において吹き荒れた尊皇攘夷運動。その大元となったのは? 家康がひたかくしにしておきたかった天皇を、水戸藩がずっと忘れずに敬ってきたのは誰の影響によるものなのか? ・・・ってこういう書き方したらわかっちゃうでしょうけど。

毎年冬になるとよくやる「あの事件」を早口で語り終えると、『風雲児たち』の壮大なプロローグはようやっと幕を下ろします。「じゃあ次は幕末?」と目を輝かす良い子のキミ。まだまだ甘いよ(笑)。
次回は「外伝」とも言うべき「宝暦治水」のエピソードをやることにいたします。

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