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April 05, 2006

戦ういい女 カリン・クサマ 『イーオン・フラックス』

金曜までで終わりそうなので、今のうちにやっときます。『イーオン・フラックス』。

近未来、人類の九割がウィルスで死滅した未来。なんとかその脅威を生き延びた人々はジャングルの中に理想郷を築き、その中だけで暮らしていた。平穏極まりない社会の中で、時として起きる失踪事件。それが政府の手によるものであることに気づいた一部の人は「モニカン」なる反政府組織を結成。その中に漆黒のスーツに身を包んだ女戦士、イーオンの姿もあった。

SFには「失楽園もの」みたいなジャンルがあります。といってもトウのたった男女が不倫をする、というわけではなく。完全に管理された未来社会、そのために人間らしさを失っていく人々、そして完璧と思えたシステムの中に生じていたわずかなほころび。そのほころびはやがて大きな裂け目となって・・・・ という話。最近では『マトリックス』『アップルシード』などが思い浮かびます。で、この『イーオン』もそういった類の作品です。人間つーやつはまことにワガママな生き物で、基本的に「平穏」「安定」を求めているくせに、あんまりそればっかりだと「なんか大事件でも起きねえかなあ」なんて物騒なことを考えたりします。こういう「失楽園もの」「ユートピアもの」はそういった人間の本質を暴いているような気がします。

妹を殺されて復讐の鬼となるイーオン。そして彼女に下された議長殺害の指令。これが古代であれば英雄みたく思えるのでしょうが、近代社会の中でそれをやられるといわゆるテロリストにしか見えません。そのまま強引に行くのかなー、とも思いましたが、幸い彼女は任務遂行中に不確かな記憶に悩まされ、レジスタンスを脱走。政府が全て悪いわけでも、レジスタンスが全て正しいわけでもない。そのことに気づいたイーオンはどうするか。二つの組織に追われながら、彼女は徐々に理想郷の謎に近づいていきます。

『マトリックス』『バイオ・ハザード』などの影響も見えますけれど、これはこれで独自の映像センスが見受けられます。こういうサイバーパンク?風の映画の舞台と言うと、大概薄暗いゴミゴミした市街地が舞台になることが多いわけですが、こちらはなぜか庭園の中でドンパチを繰り広げているシーンが目立ちます。そして果樹やら芝生やらが襲ってきたりします。見事に均整の取れたシャーリーズ・セロンさんのバディも、なかなかに見ごたえがあります。ただヘアスタイルだけはどうしても『ゲゲゲの鬼太郎』を連想してしまい、あまりかっこよく見えませんでした。小道具なんかでは、イーオンが号令をかけるとあちこちからコロコロと転がってくるボール状の爆弾がなんか愛らしかったです。
あと女性側にバリバリの武闘派のキャラが多いのに対し、男性の方はなよなよしたインテリ風のキャラが多い。最近は「戦う」ヒロインも少なくないとはいえ、ここまで従来のポジションが逆転した例も珍しいです。

この映画、ウェブ等での前評判があまり芳しくなかったのですが、自分は自分の目で確かめないと気がすまないたちなので、がんばって見に行ってきました。実際、そうすると「意外に面白かった」ということもよくあるのですよ(前評判通りだった、ということもよくある)。
で、『イーオン』は、と申しますと、まことに「可も不可もなし」という印象でした。こっそり「サービスデー」で良かった、と思ったりなんかして。
とりあえずこの手の映画が好きな人は観に行って損はないかと。繰り返しますが、公開は概ね今週金曜までのようです。英会話? うーん。それほど身につきませんでした。

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