T-REXと歌おう 浦沢直樹 『20世紀少年』
久々にメジャーな漫画いきます。先日唐突に終了した浦沢直樹氏の最新作について、わたしなりの(どーでもいい)見解を。
かつては熱いロック青年だった遠藤ケンジは、しがないコンビニ店長。先の見えた将来に寂しさを感じたり、姉の置いていった赤ん坊の世話に苦労したりはしているものの、昔からの仲間とそれなりに平穏な生活を送っていた。だが旧友ドンキーの怪死をきっかけにして、ケンジの日常は少しずつ狂い始める。ドンキーの死の背後に、「ともだち」と呼ばれるカリスマの存在を知ったケンジは、「ともだち」の率いる組織との戦いを決意する。しかし「ともだち」の力はケンジの想像をはるかに超えて大きなもので、ケンジと仲間たちは劣勢を強いられる。そしてケンジは、自分と「ともだち」との間に深い関わりがあることを知るようになる・・・
この辺が大体単行本5巻くらいまでのあらすじです。
浦沢氏は正直一から斬新な発想を生み出す才能は、あまりないと思います。しかし既存のアイデアを再構成して独特の仕方でアレンジする能力においては、ズバぬけた才能を有している。つまり彼の作品群の多くには、はっきりとした「元ネタ」があるんではないかな、ということです。
『MONSTER』の元ネタが『羊たちの沈黙』をはじめとするサイコスリラーであるとするなら、『20世紀少年』の元ネタはキング、マキャモンらの「モダンホラー」と呼ばれる作品群ではないかと、わたしは踏んでいます。
様々なサブカルチャーと共に少年時代が振り返られるあたりはマキャモンの『少年時代』を、かつてのガキ大将グループが大人になってから再び結集して悪に立ち向かうという流れは『IT』を、文明が荒廃した社会で一部の市井の人々が立ち上がってみんなに希望を与えていくというところは『スワン・ソング』『スタンド』などを思い出させます。作中にはサラリとキングについて触れたやりとりもあり、にやりとさせられました。
もちろんこれらをいじらずにそのまま出せば問題ですけど、そこは希代のアレンジャー、日本人に親しみやすいように、かつ自分の個性も出しつつ仕上げているので、そうなるともう立派な「浦沢作品」となっております。そういう点ではまことに「日本人」らしい作家といえるでしょう。
ただこの作品、悪い意味での浦沢色もいろいろ目立ちます。6巻を越えたあたりから、個々のエピソードの配分が乱れてくるというか、なにもこんなキャラにこんなにページつかわなくても、というところがちらほら。わたしは最近読み出したからいいですけど、一巻からリアルでおっかけてた方の中には、「ケンジ再登場になんでこんなにかかったんじゃー!」と叫びたくなった人も多いのでは。
浦沢先生ってきっと優しい方なんでしょうね。たぶん最初から全体的な流れは頭にあるんだと思います。でも個々のキャラクターに愛情を抱くあまり、ついつい丁寧に描き過ぎてしまうというか、冗長になってしまうというか。そんなとこまでキングの真似しなくてもいいのに(笑)。
いまのところ単行本19巻まで読みましたが、先の終り方があまり評判よくないようで不安になってきました。ただそのあとにさらなる完結編が書かれる予定だとか。先に『PLUTO』を終らせちゃおう、という腹なのか。ちゅーか、この人はなんでいつも二本同時進行なんだろうって、ずっと思ってました。
わたしが一番好きな浦沢作品は、実は『YAWARA!』でも『MONSTER』でもなく工藤かずや氏と組まれた『パイナップルARMY』だったりします。これについて語りだすとまた長くなりそうなので、また場をあらためまして。









































Recent Comments