« March 2006 | Main | May 2006 »

April 30, 2006

T-REXと歌おう 浦沢直樹 『20世紀少年』

久々にメジャーな漫画いきます。先日唐突に終了した浦沢直樹氏の最新作について、わたしなりの(どーでもいい)見解を。

かつては熱いロック青年だった遠藤ケンジは、しがないコンビニ店長。先の見えた将来に寂しさを感じたり、姉の置いていった赤ん坊の世話に苦労したりはしているものの、昔からの仲間とそれなりに平穏な生活を送っていた。だが旧友ドンキーの怪死をきっかけにして、ケンジの日常は少しずつ狂い始める。ドンキーの死の背後に、「ともだち」と呼ばれるカリスマの存在を知ったケンジは、「ともだち」の率いる組織との戦いを決意する。しかし「ともだち」の力はケンジの想像をはるかに超えて大きなもので、ケンジと仲間たちは劣勢を強いられる。そしてケンジは、自分と「ともだち」との間に深い関わりがあることを知るようになる・・・
この辺が大体単行本5巻くらいまでのあらすじです。

浦沢氏は正直一から斬新な発想を生み出す才能は、あまりないと思います。しかし既存のアイデアを再構成して独特の仕方でアレンジする能力においては、ズバぬけた才能を有している。つまり彼の作品群の多くには、はっきりとした「元ネタ」があるんではないかな、ということです。

『MONSTER』の元ネタが『羊たちの沈黙』をはじめとするサイコスリラーであるとするなら、『20世紀少年』の元ネタはキング、マキャモンらの「モダンホラー」と呼ばれる作品群ではないかと、わたしは踏んでいます。
様々なサブカルチャーと共に少年時代が振り返られるあたりはマキャモンの『少年時代』を、かつてのガキ大将グループが大人になってから再び結集して悪に立ち向かうという流れは『IT』を、文明が荒廃した社会で一部の市井の人々が立ち上がってみんなに希望を与えていくというところは『スワン・ソング』『スタンド』などを思い出させます。作中にはサラリとキングについて触れたやりとりもあり、にやりとさせられました。
もちろんこれらをいじらずにそのまま出せば問題ですけど、そこは希代のアレンジャー、日本人に親しみやすいように、かつ自分の個性も出しつつ仕上げているので、そうなるともう立派な「浦沢作品」となっております。そういう点ではまことに「日本人」らしい作家といえるでしょう。

ただこの作品、悪い意味での浦沢色もいろいろ目立ちます。6巻を越えたあたりから、個々のエピソードの配分が乱れてくるというか、なにもこんなキャラにこんなにページつかわなくても、というところがちらほら。わたしは最近読み出したからいいですけど、一巻からリアルでおっかけてた方の中には、「ケンジ再登場になんでこんなにかかったんじゃー!」と叫びたくなった人も多いのでは。
浦沢先生ってきっと優しい方なんでしょうね。たぶん最初から全体的な流れは頭にあるんだと思います。でも個々のキャラクターに愛情を抱くあまり、ついつい丁寧に描き過ぎてしまうというか、冗長になってしまうというか。そんなとこまでキングの真似しなくてもいいのに(笑)。

いまのところ単行本19巻まで読みましたが、先の終り方があまり評判よくないようで不安になってきました。ただそのあとにさらなる完結編が書かれる予定だとか。先に『PLUTO』を終らせちゃおう、という腹なのか。ちゅーか、この人はなんでいつも二本同時進行なんだろうって、ずっと思ってました。

わたしが一番好きな浦沢作品は、実は『YAWARA!』でも『MONSTER』でもなく工藤かずや氏と組まれた『パイナップルARMY』だったりします。これについて語りだすとまた長くなりそうなので、また場をあらためまして。

| | Comments (8) | TrackBack (0)

April 28, 2006

戦国鬼嫁日記 ~大河ドラマ『功名が辻』より⑦

♪恋のダウンロ~ド~ ガラスのハ~ト~

ん~、いい歌。ウィッス! チヨです! ところでさあ、やっちゃったわねえ、アイフル。まさに「どうする!?」って感じ。大体「みなさまのために」とか言ってるあの嬢ちゃんだって、あそこの社員じやなくてタレントさんなんだから。その辺ですでに「だまされてる」っつーことに気がつかないと

あ、そんな話してる場合じゃなくて。ここんとこ本編と差が開いてくばっかりだから、今日は飛ばしていくわよ! ぶっちぎりだぜ!!

こないだは姉川の決戦のところまで話したんだっけ。そのあとも出入りが頻繁にあってさあ、本当、息つく暇もないくらいだった。ほら、うちのボス、敵が多いじゃない? つーかあの人、友達とかいるのかしら。いないわね、きっと。
姉川のすぐ次にあったのが、本願寺組との抗争。ここはすごいわよ~。なんせ坊さんのくせに極道なんだから。そういうのってありなわけ? まあ、末法の世の中だしね。
でも坊さんっていうのはやっぱり高年齢層にウケがいいせいか、けっこうな勢力をほこっていたの。地元からのカンパも半端じゃなかったそうだし。組の本拠地を叩こうとすると、町内会ぐるみで防衛してくるのにはたまげたわ。
基本的に極道ってのはカタギとか寺とかに手を出しちゃいけなくて、ボスも最初は遠慮してたの。だけどなにせこらえ性のない人だから、結局は「敵の味方はみんな敵じゃあ!!」ってことで、カタギも含めて猛攻撃をはじめちゃった。結果的に織田興業の勝利に終ったんだけど、世間のイメージは悪くなったわね~ まあもともとそんなに良くはなかったけどさ。

坊さんちの次は山梨の武田組。ここもすごかったわよ~。まじめに実力・規模、ともに全国トップクラスの組織だったから。親分の信玄のおやっさんからして、百戦錬磨のつわものだし。そいつらが本腰いれて攻めてきたってわけ。今度こそ織田興業は終った、ってみんな噂してた。まあ、そんなことしょっちゅうだったけど。
傘下の徳川グループが豆腐みたいに叩き潰されて、わたしらはみんな決死の覚悟を決めた。ところが相手ボスの信玄じっちゃんが、急に具合が悪くなってぽっくりいっちゃった。拍子抜けよね~
でもこの時いくらなんでもタイミングよすぎるっつーんで、「織田のやつ、刺客を使いやがって」なんて噂も流れたわね~ いや、本当のところはあたしも知らないのよ。聞いたのは六つだが五つだか言う伝説の武芸者をやとったとか。くれぐれも言っとくけど、噂だから。ウ・ワ・サ!
この時武田と連動して、前からないがしろにされてた足利のだんなも、織田興業打倒に乗り出したんだけど、武田さんちがさっさと帰っちゃったもんだから、完全に空回り。タマこそとられなかったけど、完全に表舞台からは消滅しちゃった。のんきに脚本だけ書いてりゃよかったのにね~ いろいろ持ち上げられて有頂天になってたんだと思う。きっと。

後はあのバカップル夫妻の実家の後始末。因縁あさからぬ浅井・浅倉組とも、ここでとうとうでケリがついた。つまるところ、浅井の馬鹿旦那の優柔不断が命取りになったってことよね。そんな彼の最期の言葉は「お市LOVE,FOREVER」だったとか。馬鹿なりにあっぱれだわ。妹で人質のお市ちゃんは、猿の兄貴がうまいこと口車で助け出した。

この間あたしは兄貴の甥っ子の家庭教師をたのまれたりしてた。はっきり言ってあまり物覚えのいい子じゃなかったけど、まあそこは昔ヤンキーどもを絞めた要領でビシバシとね。うふふ。終った後には偏差値がぐーんと上がって兄貴夫婦にも喜ばれた。ま、ざっとこんなもんよ。

そんなこんなでいったんは織田興業もおちついたんだけど、やっぱり人殺しって体によくないみたい。ボスも明智さんも宿六も、このころみんなそろっておかしくなりはじめちゃった。うつろな目で意味不明のことばっかり呟いてるし。あれはちょっと半端じゃなく変だった、つーか、怖かったです。そんな中兄貴だけは変わらずマイペース。おサルの本領発揮ってとこかしらね。

終ってみればボスの野望がまた一歩現実味を帯びた、ということになったわけだけんど、このあともえんえんドンパチは続くわけで。全国制覇はなかなか厳しい。次回は長篠の合戦からまた語らしてもらうわね! アディオス!

| | Comments (4) | TrackBack (0)

April 26, 2006

金狼怪奇ファイル 雨宮慶太 『GARO』

今日は特撮に新風を巻き起こしたこの作品をご紹介します。先ごろ放映が終了した深夜ドラマです。

古来より続く、人の邪心を糧とする魔物「ホラー」と、獣面の鎧を身につけた弱き者の守護者「魔戒騎士」の戦いを描いた作品。このドラマのウリは、なんと言っても斬新かつスタイリッシュな映像にあります。黄金に輝くヒーロー、多種多様な魔物たち、凝ったアングルのカメラワーク、けれん味のあるアクション、などなど。まあとにかく、主役のガロをいかにかっこ良く見せるか、それをひたすら追求したドラマだと思います。
ただ、いかにビジュアルが優れていても、あんまりお話がちぐはぐだったり、映像とかみあわなかったりすると、せっかくよくできた映像もなんだか色あせて見えてくるもの。
実は前々から監督の雨宮慶太氏は、美術的センスはまことに卓抜したものをもってるけれど、どうもお話作りの方はいまひとつ、という印象を抱いておりました。それがこの『GARO』では、映像をひきたてるのに大変ちょうどいいくらいの密度のお話が添えられております。脚本陣の力もあると思いますが、まずはその点を評価してあげたいと思います。

別の注目すべき点は『GARO』は深夜番組でありながら、まぎれもない特撮ヒーロー番組でもあるというところ。つまり、ヒーロー番組が「子供・おもちゃ」に頼らずともこれだけのものを作れる、ということを証明してみせたわけです。
まあこんなのばっかりになってしまってもちょっとアレですが、特撮というやつはなにかとグッズ展開に左右されがちなので、たまにはその束縛を受けないこういうものがあってもいいんじゃないでしょうか。

ここでいくら「スゴイスゴイ」と言ったところで、実際の映像を見てもらはないとそのすごさはわからないと思います。そんなわけでCGアート等に興味がおありの方は、是非一度ごらんになってみてください。
その中でも特に気合いの入ったシーンをあげるとするなら
・第三話 時計屋敷内でのバトル
・第七話 対銀牙騎士ゼロ
・第九話 特訓および騎馬・轟天の召還シーン
・最終回後半のえんえん落下しながらの死闘
とこんなところでしょうか

ムダに豪華なゲスト出演も忘れてはいけません。峰岸徹、川平滋英、麿赤児、森本レオ、etc
ほんとにこんな人たち、どう言って引っ張ってきたんだろ
『GARO~牙狼』は現在DVDが順次リリース中。CSファミリー劇場でも放送中だそうですが、正直ファミリーで観るにはキツイ描写もちらほら。んなわけで良い大人のみなさんは、子供の目の届かないところでご覧ください。
20060404173838

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 25, 2006

適当掲示板27&猿の惑星2006 

数少ない閲覧者のみなさま、毎度ありがとうございます。皆様のご感想、ご意見、ネタ、おすすめ品などうけつけております。
皆様は覚えていらっしゃるでしょうか。たぶん忘れてしまったと思われますが。昨年のいまごろ、わがA市では町の中をモンキーが堂々と闊歩する姿が頻繁にみられるようになり、かく言う私の身にも、危機が及んだことがありました。夏に入るとあまり見かけなくなりましたが、ここ最近、奴らがまたも中心部でよく目撃されるようになりました。そしてカメラマンは、とうとうその姿を撮影することに成功したのです。
20060406155444またしてもボヤがかかっていますが、犬だか猿だかわからない前の画像に比べれば、まだマシかと
大体距離は5mくらい離れていたでしょうか
追いかけられたらいつでも逃げられるように、かなりへっぴり腰の姿勢で撮りました
秦太さまはクマとにらみあったとかおっしゃってたのに、それに比べて俺は・・・ 俺は・・・

だって怖かったんだもん!

開き直りが入ったところで、ついでに我が家のサルどもを紹介いたします
2006042517261320060425173216左は『母をたずねて三千里』に登場するマスコットのアメデオ。もっぱら悪さばかりして、主人公の足をひっぱっていたような印象があります
右はちょっと前のチョコエッグがチョコQから出てきたライオンタマリン?とナマケモノ
ナマケモノは猿じゃないですけど、なんか似てたので


2006042517294920060407175152こちらも食玩ですが、一応全てニホンザルです
左のカエルの後ろのミイラみたいなやつは赤ん坊バージョン

どうもこのニホンザル、原型師さんのお気に入りのようで、他の動物よりも多くラインナップに登場している気がします


2006042517334520060425173446

そして何度かネタに出した玩具「リョクオオザル」
仮面ライダー響鬼が扱うディスク型の式神です


円盤形態から動物形態にパタパタ変形
デザインといいギミックといい、よくできたオモチャです

誤解のないように言っておくと、わたし、猿はあまり好きじゃありません。

さて昨日は江戸に行っておりました。姉と映画をみたり、お茶の水で本をあさったりなどして過ごしました
前回は『仮面ライダーTHE FIRST』のついでだったから、かれこれ五ヶ月ぶりの上京。勢いにまかせてけっこう出費してしまいました。反省
来月 も二十日に『風雲児たち』のイベントがあるようなので、その時はたぶんまた江戸に行くと思います。地震で我が家がぶっつぶれたりしなければ、の話ですが。つーかこのシャレ、シャレにならん

| | Comments (10) | TrackBack (0)

April 24, 2006

風と雲とギャグと 『風雲児たち』を語ってみたい⑥

今回は外伝というかミッシング・リンク的なエピソードである「宝暦治水伝」について。潮版で30巻、リイド版で3巻201Pから4巻88Pまでのお話です。

時は宝暦4(1745)年。幕府より突如として、薩摩は島津屋敷へ向けて、ある書状がとどけられた。それは薩摩藩に対し、遠く濃尾平野まで藩士をつかわし、毎年氾濫する木曽三川の治水工事に従事させよ、というものだった。しかも費用は薩摩持ちで。
ただでさえ財政がきついところに、そんな大工事をボランティアで引き受ければ藩の経営は破綻する。いきり立つ薩摩武士を静まらせたのは、家老平田靭負の次の言葉だった。
「薩摩の地と人々を守るためなら我等はよろこんで命を投げ出すであろう」「ならば同じことではないか」「濃尾の地に水害に苦しむ多くの人々がいるのだっ」
かくてはるばる濃尾へむけ、旅立った約千名の薩摩藩士たち。しかしその行く手には想像を絶する困難と、幕府の陰湿な妨害が待ち受けていたのだった。

このお話はもともと『風雲児たち』のタイトルで発表されたものではなく、みなもと先生がある財団から依頼を受けて書き下ろした作品。初出タイトルは『波濤』。それを後で『風雲児』の外伝という形で、公に出版したものです。だもんで、本編と比べると少しギャグは少なめ。それに、ぶっちゃけなくとも後の話にはそれほど支障のない部分なのです。
しかしこのエピソードは、後に触れる大黒屋光太夫のくだりとならんで、わたしが無印版『風雲児』全編で最も衝撃をうけた話でした。最初に読んだときは電車のなかで鼻水がとまらなくなり、えらい往生したのを覚えています。またこの「外伝」を読むことで、幕末における薩摩と幕府の関係が、どうしてああいうものとなったのか、より深く理解することができるでしょう。

奇妙な因縁が生み出した異郷の人々との友情。度重なる幕府の非情な仕打ちに耐える薩摩藩士たち。懸命な努力を一瞬にして無に帰せしめる自然の猛威。
そしていよいよ万策尽き果てたとき、畳が汗でへこむほど、平田が悩みぬいて考え出した最後の手段とは。
「薩摩武士の誇りなど自然の猛威には何の役にも立ち申さん」「場合によっては人として最低限の誇り・・・ それさえ捨てねばならぬ時がございましょう」「人の誇りまで捨てて、いったい何が残るとおっしゃいます」「工事の完成の暁には 多くの命が救われ申す」

人は果たして他の誰かのために自分の命を投げ打てるのか。この歴史秘話は、その問いに少なくとも一つの答えを差し伸べています。

「宝暦治水」のお話は、杉本苑子先生も『孤愁の岸』というタイトルで小説化されております。何度か舞台にもなってるとか。
さて、ある時わたくし、鹿児島の方とお話する機会があり、その時「あの『宝暦治水』のお話はいい話ですね」と言ったところ、「いや、あれはお上に命じられて嫌々やったことだし、薩摩は密貿易でがっぽがっぽ儲けてたんだから別にいいんじゃないの?」という返事。うーん、地元の人の認識ってこんなもんなんでしょうか。
ともあれ現在鹿児島と岐阜は、姉妹県となっているということです。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

April 21, 2006

平成ライダーの六年間を振り返る 龍騎編③

『龍騎』編三回目。先回は副主人公格の二人のライダーについてとりあげましたが、今日はどちらかというと「悪役」の部類に属するライダーを、やはり二名ほどご紹介します。

一人は曲者ぞろいの『龍騎』ライダーズの中でも、特に強烈なインパクトを放つ仮面ライダー王蛇。本名は浅倉威。いつも腹の底にイライラを抱えている彼は、病める現代社会を体現したようなキャラクターであります。
我々はカチンとくることがあっても、理性や世間体が邪魔して相手に手を出すことはほとんどありません。しかし浅倉くんはとても正直な人間だったので、むかついたヤツを片っ端から殴り飛ばすような人生を歩んでいました。そんな彼を世間が容認するわけもなく、初登場シーンは留置所の中だったりします。イライラが頂点に達した浅倉の前に神崎士朗が現れて、カードデッキを差し伸べたとき、彼に断る理由はありませんでした。
そんなわけでライダーの名を冠していても、とてもヒーローとは呼べないような王蛇・浅倉。意外なことにけっこう人気キャラでもありました。それはたぶん、他の多くのライダーたちが自分の行動についてえんえんと悩んでいるなかで、彼だけが自分のやりたいように嬉々として戦いに参加していたからだと思われます。
「このまま永遠に戦いが続くように願ってもいいな」
浅倉は勝利者の権利を得た時のことを尋ねられ、そう答えます。恐らく石器時代か戦国時代であれば、一角の英雄になれたであろう男。けれど法治国家にとっては邪魔者でしかない浅倉は、次第に官憲の手によって追い詰められていきます。それでも一向にめげてないところも、まことに「らしい」キャラクターでした。

王蛇とはまた違った意味で異彩を放っていたのが、仮面ライダータイガ。本名は東條悟。
彼の望みは英雄になること。恩師である香川教授から、「人々を危機から救うために力を貸してくれ」と頼まれたとき、彼は迷わず教授の協力者となったのでした。
ところが次第に彼の精神は常軌を逸しはじめます。恩師や親友を次々と手にかけていく東條。その理由が「英雄になるために」というのだから、わけがわかりません。
ある種の凶悪犯罪や自爆テロのニュースを聞くとき、我々は加害者に対し「狂っている」という印象を抱きます。しかし彼らは自分のことを狂っているなどとは思っていません。彼らは彼らなりの信念とルールに基づいて行動している。たとえはたからは狂人のようにしか見えないとしても。
なにを考えているかわからない東條は、そんなサイコな犯罪者たちを彷彿とさせる青年でした。特撮においては他に類をみない、しかもリアリティのあるキャラクターであります。

『龍騎』には他にもさらに多くのライダーたちが登場します。戦いをゲーム感覚でもてあそぶガイ。真司の意見に珍しく賛同し、共闘するライア。戦いを司っているらしいオーディンなどなど。
さて、ここで気づくのはライダーたちはみな「はみだし者である」という点。主人公の真司と蓮にしてからが、フリーターに毛が生えたような立場です。で、他はどうかというと、悪徳弁護士、不良学生、露天商みたいなの、犯罪者、しまいにゃ人外・・・と明らかに社会の底辺で生きているような連中ばっかり。少し遅れてやってた『グランセイザー』の面々がわりかし固めの仕事をしているのに対し、まことに対照的です。
ただ歴代の先輩方も定職についていた人はほとんどいなかったような。やはり仮面ライダーは、社会の流れから少し身を置いたポジションがお似合いのようです。

次回はまた一回お休みにして、現行作品『カブト』について語らせていただきます。その次には『龍騎』のパラレルな世界観についてやりたいと思います。

2006042120510420060421205138左が「王蛇」で、右が「タイガ」です。
王蛇は「コブラ男」+「ハカイダー」がモチーフで、タイガは・・・なんだろう。キバレンジャーか?
それはともかくタイガの独特のデザインは、かなり好みであります。


| | Comments (2) | TrackBack (0)

April 19, 2006

雪の百年女王 C.S.ルイス A.アダムソン 『ナルニア国物語 第一章 ライオンと魔女』

こっちはまだ当分やってるかな。予想通り大した勢いです。でずにーが満を持して送り出したファンタジー大作。その第一弾です。

ピーター(いばりんぼ)、スーザン(かたぶつ)、エドマンド(ヒネ太)、ルーシー(おデコ)はあんまり仲の良くない四兄弟。爆弾降りしきるロンドンからど田舎の教授の家に疎開してきた彼らは、かくれんぼの折に異世界へと通ずる不思議なタンスを発見します。その異世界「ナルニア」は、残酷な白い魔女の圧政のため、冬が百年ぶっ続けという大変お寒い状況にありました。
そこで出会ったビーバー夫婦から、ピーターらは自分たちがナルニアの救世主として予言されていたという話を聞き、どん引きします。さっさと帰ろうとするピ-ターでしたが、困ったことに次男坊は大人の女の色気に惑わされて、敵の軍勢にとっ捕まってしまいました。エドマンドを取り戻すため、他の三人はとりあえず反乱軍のリーダーであるアスランという獅子に会いに行くことにします。

新聞の映画評を見ますと、『ロード・オブ・ザ・リング』の二番煎じ、という意見が多かったように思います。確かにロケ地は同じニュージーランドだし、ぱっと見、同じように感じられたとしても仕方ないかもしれません。
しかし『ナルニア』は『リング』と違うところもいろいろあります。たとえば『リング』が子供も楽しめる文芸作品だとしたなら、『ナルニア』はまず子供が楽しめるように書かれた話。深読みできる要素も多くありますが、単なるおとぎ話として楽しむことができます。
もう一点。『リング』で登場する動物は空想上の怪物が多かったように思えますが、こちらでは我々の社会にも存在する野生動物が、重要な役で数多く登場します。これがアニメだったらわたし引いてたかもしれません。けれど本物としか見えないような動物が重厚な声でしゃべっているのを見ていると、不思議と彼らがかっこよく見えてくるから不思議です。
そこで勝手にこの映画に登場する動物さんたちの、ベスト3を決めてしまいました。

三位 キツネさん。一見軽薄そうに見えて実は熱血漢。なんでこんなにかっこいいかと思ったら、声がシャア(池田秀一)でした。さすがシャア、人をたばかるのはお手の物

二位 ライオン・キング
ま、ここは順当に。風のように現れて、風のように去っていく。まさしくヒーローの王道と言えるでしょう。

一位 オオカミさん
あれ? こいつは悪役だったはずだが・・・ でもかっこいいんですよ、こいつ。なんでこんなにかっこいいのかと思ったら、声が遠藤憲一さんでした。

そういうわけでアニメ・特撮ファンは吹き替え版でごらんください。人間の方はこれらにくらべると些か魅力が落ちます。理由としては次女以外、性格がなんとも可愛げのないやつらばっかしなんで。しかし映画が終るころには、みなさんの多くはぺペンシー(笑える姓だ)の四兄弟が好きになっていると思います。次男坊はドベな役回りばっかりで、ちょっと可哀想でした。
わたしこの映画の予告、劇場に行くたびに見せられてたので、かれこれ十五回くらいました。ので「途中で飽きるかな」とも思ったんですが、そんなことは全然無かったし、子供たちもずっとお話に集中してました。大したもんじゃないでしょうか。
早くも第二作も製作決定だそうです。よかったですね。だって「第一章」だけで終っちゃったらかっこつかないですもんね。

| | Comments (2) | TrackBack (1)

April 17, 2006

仮面らいだー カブトくんヒビキさん 04の巻

スーパーヒーロー、夢の共演でお送りいたします

その1
Krkh041
「くそっ 音撃が利かない!

カブト、こいつは一体どうやって倒せばいいんだ!?」

「あのー
えーとですね。ヒビキさん」


Krkh042
「こいつは大気圏外に放り出すとかしないとダメですね」

「そんなこと言われてもなあ」


「しゃげー」


その2
Krkh043
「ふふふ

こういう時こそわたしの出番だな

じぇやっ」

「あなたは!!」


Krkh044
「だれですか?」

「あーもーみてわかんねーかなー

ウ○トラマンだよ

う・る・○・ら・ま・ん!」


Krkh045「だってウ○トラマンってそんなにちっちゃいもんじゃないでしょ」

「あー そいつは諸般の事情というやつでな

それにおれが巨体であいつを踏み潰しちゃったりしたら
キミら興ざめするだろ」

「しゃげー」


その3
Krkh046「あとオレ、失礼ですけどあなたみたいなウル○ラマン、見たことないんですけど」
「あ、オレ思い出した ・・・マックスだっけ?(注・違います)」
「あーもーしょーがねーなー
今から最近の事情について、一から説明してやるから」「しゃげー」「うるせえな。いま大事なとこなんだよ」


地球と自分たちに未だかつて無い危機が望もうとしていることに、彼らはまだ気づいていない

| | Comments (4) | TrackBack (0)

April 16, 2006

山田風太郎に関しては色々言わせてもらいたい⑧ こないだのETVから

えー、今回はちと趣向を変えまして。
昨年12月、今年2月に山田風太郎をフィーチャーした番組がETVで放映されました。それについて書きます(おせーよ)。情報をくださった高野正宗さまに感謝です。

まず順序が逆になりますが、二月に放映された『知る・楽しむ』。フランス文学者の鹿島茂氏が、山風の小説作法を解説するといった内容。もっぱら「明治もの」を中心に語られました。実は一回目だけ見逃してます。ご容赦。
仮に同じ時代、近い場所にA、Bという二人の著名な人物が住んでいたとします。けれど、後の資料に、二人があったという記録はまったくない。多くの歴史小説の書き手はこういう場合、「この二人が会っていた」ということを勝手に書いたりはしないものですが、山風は「会ってた方が面白いじゃん」ということで、ばんばんめぐり合いを創作してしまいます。そうした自由奔放さが山風作品の魅力であると氏は語ります。あんまり書くとネタバレになるのでアレですが、たとえば夏目漱石と樋口一葉。たとえば川路利良とビクトル・ユーゴー。こうした意外な組み合わせを作る能力は、山風の独壇場と言えるでしょう。、全部創作かと思えば、たまに史実もこっそり混ぜてあり、まっこと油断なりません。
で、こういうスタイルのもの他にあるかな、と考えてみましたが、荒俣宏氏の『帝都物語』って、たぶんに「明治もの」を意識してたんじゃないかな、と思います。どっちかと言うと保守派のような司馬遼太郎御大も、『燃えよ剣』で無名時代の桂小五郎と試衛館の面々をひきあわせちゃったりしてますね。

鹿島氏の言葉でなるほど、と思ったのが「時代を書くのは簡単だけど人間を書くのは難しい」。たしかにその人間がなにを考えていたのか、なんてことは、当人にしかわからないことであります。というか、当人ですらわかっていないのかもしれません。
「明治もの」でいうなら『警視庁草子』に登場する川路利良。一方では大西郷に心酔し、崇め奉りながらも、一方ではその西郷を窮地に追いやるべく深慮遠謀をめぐらす。果たしてどちらが本当の川路だったのか。わたしは両方ともマジだったのでは、と思います。他にも『警視庁』では私怨の塊みたいな井上馨が、『エドの舞踏会』ではそれなりに信念の人だったりと、まことに人間というやつは一筋縄ではいかないというか、ちょいと観点を変えただけでガラリと姿を変える。そんなことに改めて気づかされました。

もう一つは昨年末のETV特集。山風の日記を通じて戦後の日本を振り返る、というものでした。
この日記で目立ったのはとにかく「日本人ってなんて軽薄なんだ」という記述。こないだ戦争放棄と言った舌の根の乾かぬうちに、警察予備隊なるものを設立する。戦争中の帝国主義にさんざんこりたはずなのに、ミッチーブームに沸き返る。まあ自分も「軽薄な日本人」の一人ですから、山ちゃんの愚痴を否定はしません。
ただ、山田先生のこの舌鋒は、他者だけではなく自分に対しても向けられていたものではないかと憶測します。皮肉っぽい作風でしられる山ちゃんですが、戦時中はごくごく普通の軍国青年だったことが、日記を読むとわかります。病身のため戦地に行けない、といううしろめたさが、なおさら彼をそのような方向へ駆り立てたのでしょう。もっともそれは具体的な行動にはあまり現れず、もっぱら帳面だけに叩きつけられたもののようですが。
戦争終結の報を聞いたとき「徹底抗戦すべし」と一時は思ったはずなのに、とき経つうちに自分は荒唐無稽な忍者小説で大もうけし、アメリカの持ち込んだ資本主義の恩恵にどっぷりと浴している。流行り廃りに踊らされる日本人の姿は、鏡で自分の醜い姿をみせつけられるようで、だからこそ山風はいらだったのかもしれません。だからこそ、三島由紀夫が節を曲げずに自ら命を絶ったとき、「終戦以来の衝撃」と日記に記したのでしょう。

二つとも見ごたえのある、力の入った番組でした。ただ「山風」ってこんなに高尚だったかなあ、とも思いました。もちろん作品に見られるふんだんなユーモア、アイロニーは、壮絶な過去に裏打ちされたものである、ということは承知してます。でも山風作品の魅力の一つは、そういう深刻な事態もけらけらと笑い飛ばす爽快さにあるのでは、とわたしは思います。山風の評価があがるのはまことに嬉しいことですが、同時に「山風はバカだからこそ面白い、バカこそ山風」なことも忘れないでほしいです。遺族の方、どうか怒らないで。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

April 14, 2006

まんが日本ムシばなし 漆原友紀・長濱博史 『蟲師』

本日はちょっと前に地上波で放送が終了したこのアニメを。原作はアフタヌーンKCより7巻までが刊行中。

舞台は、たぶん明治後期くらいの日本・・・だと思うんですが、具体的な地名はなにひとつ出てこないので、もしかすると、「そのころの日本によく似た世界」ということなのかもしれせん。
登場する人々は、誰もが抱くようなごく普通の願いを持っています。それは欲望と言うには、あまりにもささやかな望みであります。しかしときとして、そんな当たり前の思いすら、悲劇につながってしまうのが浮き世の辛いところ。
そんな悲劇の後押しをするのが、作品に出てくる「蟲」という存在。我々の周囲の昆虫や蜘蛛などとは、また別の生き物です。なにが違うかというと、まずそれらは特殊な視力を持つ、ごく一部の人間にしか見えません。生態や形は千差万別。基本的に感情はなく、ただ本能が赴くままに行動します。それらは繁殖や生き延びるために人や動物の体内に入り込み、障害となったり、奇異な振舞いをとらせたり、時には超常の現象さえひきおこします。

たとえば第9話「重い実」はこんな話。
とある山中に、周囲がどんな凶作のときでも、そこだけは作物が豊に実ると言う不思議な村があった。実はその豊作は、村が代々管理してきたある蟲の作用によるものだった。ただ、その術は豊作と引き換えに、体の弱っている村人一人の命が代償として奪われる、というものだった。蟲を司る職の男は、ある年覚悟を決めてその蟲を使用した。たが代償として奪われたのは、その男の妻であった。そして何十年ぶりかに感じられる凶作の気配を前に、男はある決意を固める・・・

この蟲でお困りの人たちを助けるのが、放浪の「蟲師」ギンコ。白髪や隻眼はブラックジャックを意識しているのかもしれませんが、ギンコはBJのようにひねてはおらず、斉藤英二郎のように感情的になるわけでもありません。まるで「そういうもんだろ」とでも言うように、淡々と静かな熱意を持って人を治します(治せない時もある)。自身、「蟲を寄せる」という体質のため、一つの土地に長くいられないという悲しい素性の持ち主なのですが、その悲しさを滅多に表に出すことはありません。このギンコのキャラクターと奇奇怪怪な蟲のビジュアル、慎ましやかな人々の人間模様、そして失われ行く日本の原風景。これらが『蟲師』の魅力と言うことができましょう。

マイ・フェィバリット・エピソードは上に述べた「重い実」のほか、虹のたもとを探す男とギンコの道中を描いた第7話「雨がくる 虹が立つ」、駆け落ちした男女が海で怪異に遭遇する第8話「海境より」、故郷の山河に息づく蟲が、ある絵師の筆に不思議な力をもたらす第18話「山抱く衣」など。正直言うと一話から三話は「なんか似たような話だな~」という印象で切っちゃおうかとも考えたのですが、四話を過ぎたあたりから話も蟲もバリエーションに富んだものが多くなってまいります。切らんでようございました。

『蟲師』アニメはフジテレビで全二十話が製作されましたが、さらにあと六話が製作され、BSフジで放映されるとのこと。フジの深夜アニメはよくこういう扱いをうけます。オダギリジョー主演で実写映画も準備中だそうです。

| | Comments (6) | TrackBack (0)

April 11, 2006

戦国鬼嫁日記 ~大河ドラマ『功名が辻』より⑥

ハアハア、フンガ、あ、みなさんこんばんは。チヨです。
え? 息が荒いって? うん、ちょっとね。んふふ。
おらぁ! 逃げるんじゃない! このあとまだパワーボムと四の字固めとウェスタンラリアットが残ってるんだかんね!
あ、失礼。今回の鬼嫁日記だけど、姉川の戦いの前後にあった家庭の事情について語らしてもらうわ。

金ヶ崎で深手を負いながらも、なんとか命を拾った宿六。相手幹部のタマを取って、組での地位も給料もぐーんとアップすることが決まったの。この時ばかりは、さしものアタシも、あつーい抱擁とキッスで迎えてやろうと思ったわ。ところが、連中の様子がなんかおかしい。わけもなくそわそわしてるっつーか、びくびくしてるっつーか。
ふしんに思ったアタシは、三人まとめて拷問部屋でちょいと一時間ばかりしめあげてやったの。そしたらゲロしたわ。なんでも地元のクラブかなんかでホステスともりあがって、そのあと各自どっかへしけこんだって言うじゃない。そんなこったろうと思ったわ。
さてこのあとどうやって折檻してやろうかと考えていたら、タイミングの悪いことに電話が鳴った。
「ハイ! ボスですか! え? これから浅井んとこへお礼参り? かしこまりました!!(ぷち) つーわけで、オレ行かなくちゃ!」
その時の宿六のうれしそうな顔っていったらないわ。まあボスの命令じゃ仕方ない。断腸の思いで縄をほどいてやったわよ。
この時の戦いが後に姉川の戦いとよばれるようになったんだけど、まあそんなことはどーでもよくて。

その後やり場の無い怒りをサンドバックにたたきつけていたら、真夜中過ぎにシンの字とキチ公が帰ってきた。ところが宿六の姿がないじゃない。
「実は出入りの最中に姿が見えなくなって・・・」
「もしかして敵の組に捕まってしまったのかも・・・」
二人はおろおろしてたけど、アタシにはピーンと来たわよ。あんにゃろう、ほとぼりがさめるまでどっかに隠れてようって腹なのよ。

案の定、数日経ってあいつはひょっこり帰ってきた
「いやー、死ぬかとおも」
しょっぱなにドロップキックをたたきこんだのは覚えている。そっからあとはもう、無我夢中だったわ。気がつくと宿六がアタシの下でボロ雑巾みたいになってた。
「もう、しましぇ~ん」
まだやり足りなかったけど、それくらいで勘弁してやったわ。なんて心の広いアタシ。
でもねえ、アタシだって人間よ? たまに思い出したりして、腹が立つことだってあるわけよ。
そういうときは宿六に責任とってもらうわ。当然のむくいよね。
「こ、このへんで今日はもう・・・」
まだまだァ!! あとパロ・スペシャルとアキレス腱固めと、パイルドライバーと、それから・・・


| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 10, 2006

チーズは誰にも渡さない ニック・パーク 『ウォレスとグルミット』シリ-ズ

現在最新作が公開中。クレイ(粘土)アニメの面白さを世間に知らしめたシリーズです。
ひょうたんみたいな顔のウォレス氏は発明家で病的なまでのチーズ好き。いつもくだらないけどすごい発明をしては、自分からトラブルに巻き込まれていきます。そのウォレスを影で支えているのが忠犬グルミット。犬だけど運転・料理なんでもござれ。ピンチに陥ったパートナーを助けるために、粉骨砕身・不撓不屈の精神で画面をところ狭しとかけずりまわります。

これほど単純に見ているだけで楽しい、という映像はそうありませんね。自分の中でこれに匹敵するのはバスター・キートンの諸作くらい。キャラの一人一人、小道具の一つ一つがなんでこうまで、というくらい愉快。理性を飛び超えて、脊髄に直接訴えかけてくるような面白さです。ではこれまでに発表された作品を、順を追って解説していきましょう。

・『チーズ・ホリデー』
家の中のチーズが尽きたことに気づいたウォレス氏。この際だからチーズで出来てる月(西洋ではそういうことになってるらしい)へ行き、チーズをカバガバ採ってくることを計画。あっという間にロケットを完成させ、月世界へと旅立ちます。するとそこには変なロボットがいて・・・
ニック・パーク氏が一人で作ったためか、後の作品とくらべると、いささかおとなしめでシュールな味わい。全部で23分しかないのに製作に六年もかかったというところが泣けます。

・『ペンギンに気をつけろ!』
街で頻発する窃盗事件。そのころウォレスの家に風変わりなペンギンが間借り人としてやってきます。巧みにウォレスに取り入るペンギン。彼の狙いとは?
脚本にボブ・ベイカー氏を加え、いよいよ面白さに歯止めがかからなくなっていく第二作。すっとぼけた面のペンギンや、「自動ズボン」なる珍発明、クライマックスにおける猛チェイスとグルミットのスーパーアクション。おなかいっぱいの29分です。

・『ウォレスとグルミット、危機一髪!』
窓拭き商売を始めたウォレスとグルミット。ウォレスは顧客の一人である毛糸屋の女性を好きになってしまう。しかしこの女主人、どうやら後ろ暗い秘密を抱えているようであり・・・
この作品で光るのはメカ・アクションでしょうか。登場するサイドカーのギミックがまことに奔放。あとプッチンプリンのCMにも登場した大量の羊たちが物語を盛り上げます。こちらは31分。

・『野菜畑で大ピンチ!』
いま公開中の最新作。「巨大野菜コンテスト」を控え、コンビは野菜を食い荒らすウサギ捕獲に追われていた。作戦は順調にいっているかと思われたその矢先、街にウサギの怪物が出現する。
今回は怪獣映画。なにしろ『ウォ・グル』が一時間二十五分も楽しめるのがうれしい。ヒロインがいかりや長介の化け物みたいなのがアレですが、珍発明、動物の群れ、大追跡は健在でこれまでの集大成といった趣。
グルミットが大切に育てた巨大ウリに別れを告げるシーンは涙なくしては見られません。

他に『ウォレスとグルミットのおすすめ生活』という2分の短編が十本入ったDVDがあるそうですが、貧乏のため未見です。クレイアニメというやつはとにかく作るのに時間がかかるそうなので、次が見られるのはいつのことでしょうか。
公式サイトはこちらです↓
http://www.sonymusic.co.jp/MoreInfo/Chekila/wandg/

| | Comments (2) | TrackBack (1)

April 08, 2006

適当掲示板26&花見報告2006 

毎度どうもっす。当ブログに関するご意見ご感想、その他よろず受け付けております。
Bbs27p
「貴様、ホラーだな!!」

「出たな、魔化魍!!」

人を外見で判断してはいけません


あ、今日はまともな話題があります。先週の水曜、となりのⅠ市に花見に行って来ました
Bbs27a1Bbs27a2Bbs27a3




Bbs27a4Bbs27a5Bbs27a6




ひごろお世話になってる方たちをワゴンにつめこみ、いざIZ高原へ。
春休み中なので覚悟はしていましたが、道路はけっこうな混みよう。それでもどこまでも続く桜並木を見ているうちに、疲れも吹っ飛びましたです。天候も文句なし。咲き具合は八分五厘といったところ。
樹上をリスがテケテケ走っていたそうですが、気づきませんでした。無念。

さて、去年の話ですけど、知人から「近所に緑色の桜が咲いている」という話を聞きました。これは見に行かねばなるまいと、その場に行ってみたところ、なるほど、それらしいのがありました。ただ、真緑というわけではなく黄緑がかった白色でした。よく見ると札がかかっていまして、それには「黄桜」と・・・ かっぱっぱ~ かっぱっぱ~ 
以下は今年のその桜。もういい加減散っちゃってますけど・・・
Bbs27b1Bbs27b2Bbs27b3



真ん中の画像なんかそれこそ、まっちろにしか見えませんが、気合いを入れて見れば緑に見えてくるかもしれません。


| | Comments (2) | TrackBack (0)

April 07, 2006

風と雲とギャグと 『風雲児たち』を語ってみたい⑤

今回は潮版で3、4巻、リイド版で2巻107Pから3巻200Pまでのおはなし。

大河ドラマ『新選組!』で「会津藩には代々『将軍家にテッテ的に忠誠を尽くさねばならない』というおきてがある」と語られていました。『風雲児たち』のこの部分では、どうして会津がそのような特性を帯びるようになったのかが明かされています。

「徳川秀忠」という人物に、みなさんはどのようなイメージを抱かれているでしょうか。歴史に興味ないひとには「しらね」か、せいぜい「徳川幕府二代目の将軍」というくらいの認識でしかないと思われます。ちょいと興味のある人であれば「真田幸村の計略にひっかかって関ヶ原に間に合わなかったボンクラ」とか。
かように「二代目」という存在は影が薄くなりやすいようです。室町幕府、ナポレオン、ルパンetc
『風雲児』序章後半は、この秀忠にスポットをあてたきわめてめずらしいエピソードとなっております。

関ヶ原の戦後処理も大方終わったあるころ。秀忠くんは偉大すぎる父親とおっかない細君にはさまれ、ストレスに苛まれる毎日を送っておりました。そんな秀忠に安らぎを与えてくれたのが、妻・お江の腰元の静ちゃん。信じがたい話ですが、ふたりは大奥のバカ長い廊下でさもない会話をかわした時から、互いのことがわすれられなくなってしまったのです。やがて結ばれる二人。しかしこのことがお江の方に知られたら、血の雨が降るのは明らか。波風が立つのを恐れた静ちゃんは、秀忠の前から姿を消します。けれどこの時静ちゃんのおなかの中には、すでにあたらしい命が宿されていたのでした。

二人の悲恋をよそに、歴史は着実に動いていきます。秀頼親子を徐々においつめていく家康。またしても生き残るために知恵を絞らねばならなくなる薩摩・長州。そして始まる大阪城攻防戦。あまりにも斬新過ぎる合戦の描写は、是非本編でご確認ください(笑)。
その裏でひっそりと暮らしていた静と息子の幸松。母子にいかなる運命が待ち受けているのか。このへん『大奥』でやってたかもしれませんが、わたしは観てないのでわかりません。

この部分では、徳川幕府草創期の主な事件がさくさく説明されており、わたしのような物知らずには、大変勉強になりました。由比正雪のくだりなんか明らかに違う人のタッチなんですが、なま暖かい目で見守ってあげましょう。
ご存知天下の副将軍、水戸光圀について割かれた章も要チェックです。幕末において吹き荒れた尊皇攘夷運動。その大元となったのは? 家康がひたかくしにしておきたかった天皇を、水戸藩がずっと忘れずに敬ってきたのは誰の影響によるものなのか? ・・・ってこういう書き方したらわかっちゃうでしょうけど。

毎年冬になるとよくやる「あの事件」を早口で語り終えると、『風雲児たち』の壮大なプロローグはようやっと幕を下ろします。「じゃあ次は幕末?」と目を輝かす良い子のキミ。まだまだ甘いよ(笑)。
次回は「外伝」とも言うべき「宝暦治水」のエピソードをやることにいたします。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 05, 2006

平成ライダーの六年間を振り返る 龍騎編②

『龍騎』編二回目。今日は本作品の副主人公とも言える仮面ライダーナイト、およびゾルダについて解説します。

平成ライダーシリーズの特色の一つとも言える要素が、この「副主人公」。通常のヒーローものでは、主人公の強さを強調するためか、二番手キャラは引き立て役のようになることが多いようです。しかし平成ライダーにおいては共闘するにしろ対立するにしろ、主人公とほぼ同等の、なくてはならないポジションを与えられています。

で、本作品で主人公・龍騎と対になる存在が、仮面ライダーナイトこと秋山蓮。龍騎=真司よりも先にライダーになっていることもあり、当初は全ての面で龍騎を凌駕する存在でした。
彼がライダーになった動機は、恋人でなった恵里という女性を救うためでした。彼女はある事故に遭遇したことがきっかけで昏睡状態に。自分にとってかけがえのない存在であるがゆえに、また彼女を守れなかったという負い目のゆえに、蓮は藁をもすがる思いで「すべての願いがかなう」という神崎の言葉を信じ、仮面ライダーとなります。
その目的のためならどんな相手でも倒す・・・ そのはずだったのに、うっかり最初の真司を殺しそこなったために、蓮の苦悩がはじまります。表向きは非情を、クールを装っている蓮ですが、どうしても「人を殺す」という一線を越えることができません。それはなんとなく一緒にいるはめになってしまった真司のせいでもあります。「ライダー同士の戦いをやめるべきだ」と言う真司の言葉に苛立ちを覚えながらも、どこか彼のことを好ましく思い始めてしまう蓮。でも恋人を助けるためには真司だって倒さなければいけない。そのジレンマはストーリーが進むにつれどんどん深刻なものとなっていきます。
「ナイト」とは「夜」と「騎士」のダブルネーミングだそうです。蝙蝠をパートナーとし、愛する女性を守ろうと努める彼にふさわしい称号といえます。デザインにはアメコミの某ビッグネームも意識されているとか。

龍騎・ナイトと比べると一段扱われ方が下かもしれませんが、やはり本作品の重要キャラクターとして挙げられるのが仮面ライダーゾルダこと北岡秀一。黒を白にも変えるというスーパー弁護士。才能、名声、容姿全てを兼備えている彼ですが、ひとつだけ思うとおりにならないものがありました。それは自分の命。若くして不治の病に魅入られてしまった彼は、自分の命を永らえるために仮面ライダーとなる道を選びます。
ただ彼も蓮と同様、いまひとつ非情になることができないでいます。蓮に比べるとまだ積極的に戦いに参加しているようにも見えますが、彼は大体遠くからドカンドカン技を繰り出すだけで、直接とどめを刺そうとはしません。まあはっきり言えばいつも詰が甘いのです。彼自身も気づいていないようですが、その詰の甘さは、どうやら彼が秘書としてやとっている「ゴローちゃん」との関係からきているようです。自分の弁護のために体を悪くしてしまった北岡のために、ゴローちゃんはなにくれとなく北岡の世話を焼き、彼の助けになろうと奔走します。そして北岡もそんなゴローちゃんを可愛がっているわけですが、その交友が殺し合いにとって邪魔になる「人間性」を保たせてしまっているような気がします。
ゾルダとは「SOLDAT(ドイツ語)=兵士」から取られた名前。純粋に生き延びるために戦う彼だからこそ、「兵士」の称号が課せられたのかもしれません。

さて、この龍騎ライダーズ、従来の仮面ライダーとはだいぶかけ離れたデザインをしております。バイクにももうしわけ程度にしか乗らないため、「こんなのライダーじゃないやい」と思われた旧ファンもけっこういたとのこと。では彼らのどこがライダーなのか、考えてみます。
バイクが発明される前、「ライダー」と言ったら何を指していたのか。それはたぶん「馬に乗る人」=「騎士」だったんじゃないでしょうか。そして西洋では「騎士」とは単に馬に乗るだけの人ではなく、強い精神を持つことも要求されます。そんなわけで龍騎ライダーズの「ライダー」とは「目的をもって戦う者」という意味があるのでは、と考えております。で、馬の代わりにモンスターをそれぞれ所有しているわけです。従来の意味も持たせるために、一応バイクも所持していますけど。わずかに共通している顔面のスリットも、「騎士」を彷彿とさせています。

第三回は今回の二人とは違い、まったく理解不能なライダー、王蛇とタイガについてやります。

Knight1Zorda1左が「ナイト」、右が「ゾルダ」
ライダーデザインの崩壊はこの時始まったといってもいい(笑)

しかも、この辺はまだ序の口

| | Comments (0) | TrackBack (0)

魁!! ポエム道 ~4月のポエム

(四月二十日のポエム・朝っぱらからなにやってんだ)
20060420071035永野護氏の新作アニメは『ゴティック・メード』だそうです

どいつもこいつもメイドメイドメイドメイド・・・・

このままじゃ俺たち、メイドに支配されちまうぜ!!

いや、もしかしたら既に…


メイドがオタを征するのではない

オタがメイドを征するのだ


(四月十一日のポエム)
2006041117132820060411171039こんなにかっこいいロボコン、今まで見たことない

と言うか、こんなにかっこいい時点で
それは既にロボコンではない


だが、それもまた良し


(四月五日のポエム)
あっても行きたくない国   ヘルニア国

あっても乗りたくない船   プルサー丸

Pm060405
「おばあちゃんはこう言っていた

『男なら
ボウケンしなきゃダメだ』

ってな」

(注・わたしのおばあちゃんではありません)

| | Comments (4) | TrackBack (0)

戦ういい女 カリン・クサマ 『イーオン・フラックス』

金曜までで終わりそうなので、今のうちにやっときます。『イーオン・フラックス』。

近未来、人類の九割がウィルスで死滅した未来。なんとかその脅威を生き延びた人々はジャングルの中に理想郷を築き、その中だけで暮らしていた。平穏極まりない社会の中で、時として起きる失踪事件。それが政府の手によるものであることに気づいた一部の人は「モニカン」なる反政府組織を結成。その中に漆黒のスーツに身を包んだ女戦士、イーオンの姿もあった。

SFには「失楽園もの」みたいなジャンルがあります。といってもトウのたった男女が不倫をする、というわけではなく。完全に管理された未来社会、そのために人間らしさを失っていく人々、そして完璧と思えたシステムの中に生じていたわずかなほころび。そのほころびはやがて大きな裂け目となって・・・・ という話。最近では『マトリックス』『アップルシード』などが思い浮かびます。で、この『イーオン』もそういった類の作品です。人間つーやつはまことにワガママな生き物で、基本的に「平穏」「安定」を求めているくせに、あんまりそればっかりだと「なんか大事件でも起きねえかなあ」なんて物騒なことを考えたりします。こういう「失楽園もの」「ユートピアもの」はそういった人間の本質を暴いているような気がします。

妹を殺されて復讐の鬼となるイーオン。そして彼女に下された議長殺害の指令。これが古代であれば英雄みたく思えるのでしょうが、近代社会の中でそれをやられるといわゆるテロリストにしか見えません。そのまま強引に行くのかなー、とも思いましたが、幸い彼女は任務遂行中に不確かな記憶に悩まされ、レジスタンスを脱走。政府が全て悪いわけでも、レジスタンスが全て正しいわけでもない。そのことに気づいたイーオンはどうするか。二つの組織に追われながら、彼女は徐々に理想郷の謎に近づいていきます。

『マトリックス』『バイオ・ハザード』などの影響も見えますけれど、これはこれで独自の映像センスが見受けられます。こういうサイバーパンク?風の映画の舞台と言うと、大概薄暗いゴミゴミした市街地が舞台になることが多いわけですが、こちらはなぜか庭園の中でドンパチを繰り広げているシーンが目立ちます。そして果樹やら芝生やらが襲ってきたりします。見事に均整の取れたシャーリーズ・セロンさんのバディも、なかなかに見ごたえがあります。ただヘアスタイルだけはどうしても『ゲゲゲの鬼太郎』を連想してしまい、あまりかっこよく見えませんでした。小道具なんかでは、イーオンが号令をかけるとあちこちからコロコロと転がってくるボール状の爆弾がなんか愛らしかったです。
あと女性側にバリバリの武闘派のキャラが多いのに対し、男性の方はなよなよしたインテリ風のキャラが多い。最近は「戦う」ヒロインも少なくないとはいえ、ここまで従来のポジションが逆転した例も珍しいです。

この映画、ウェブ等での前評判があまり芳しくなかったのですが、自分は自分の目で確かめないと気がすまないたちなので、がんばって見に行ってきました。実際、そうすると「意外に面白かった」ということもよくあるのですよ(前評判通りだった、ということもよくある)。
で、『イーオン』は、と申しますと、まことに「可も不可もなし」という印象でした。こっそり「サービスデー」で良かった、と思ったりなんかして。
とりあえずこの手の映画が好きな人は観に行って損はないかと。繰り返しますが、公開は概ね今週金曜までのようです。英会話? うーん。それほど身につきませんでした。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 02, 2006

仮面らいだー カブトくんヒビキさん 03の巻

本編とキャラが違うのはこの際スルーしてください

Krkh031Krkh032「ふむふむ

“昆虫の変態には
幼虫→サナギ→成虫となる完全変態と
幼虫から直接成虫となる不完全変態がある”か・・・」


Krkh033
「マスクドフォームを幼虫と考えれば
オレにサナギの段階は無い

オレは変態でもまだ不完全な部類に入るわけだ
ああ、良かった」


Krkh021Krkh034b
「甘いぜ、カブト!
そうは問屋が下ろさねえってもんよ!」

「あッ!
ヒビキさん!?」


Krkh024aKrkh024b
「完全だろうが不完全だろうが
変態は変態だッ!」

「ああッ!!」

イブ「もういい加減後輩いびるのやめましょうよ」

そのころ別の場所では、
Krkh035aKrkh035bとある師弟がカブトに対しライバル心を掻き立てられていた
「ハダカで負けるわけにはいかんぞ、トドロキィッ!!」
「ハイ!」
「声が小さい!!」
「ハイィィ!!!!」

つづく

| | Comments (7) | TrackBack (0)

« March 2006 | Main | May 2006 »