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March 26, 2006

変えるべき処 富野由悠季 『機動戦士ZガンダムⅢ 星の鼓動は愛』

昨年の夏から続いていた「新訳Zプロジェクト」完結編でございます。
一作目では自分のことだけでいっぱいいっぱいだったカミーユ君が、第二作では恋をすることで人を思いやるようになり、この度の第三作では一気に時代の局面を決定する役割を託されることになります。
これまで「できるだけ多くのキャラ・メカを拾っていく」という方針で来た新訳Zですが、さすがに今回は無理だったようで。キリマンジャロ作戦・ダカール演説・ロザミア絡みのエピソード・サイコガンダムMKⅡなどはまとめてカットされました。せめてあともう一時間あれば・・・・ 同じことだったかな。

印象にのこったのは前半のややこしい政治劇ですかね。エゥーゴとティターンズの攻防に割り込んでくるアクシズ。相手より優位に立つために両勢力は、なんとかしてこの第三者を自分の側に引き入れようと画策します。当面の敵に勝つためには、ポリシーの違う相手とも手を組まねばならない。これが老獪な政治ってもんなのかもしれませんが、「大人って不潔!」とカツ君が怒るのも無理ないですね。勝敗を決定したコロニーレーザーだって、もとはといえば敵が開発した武器ですし(あ、ガンダムMKⅡも・・・)。

で、やはり今回の「新訳」で一番話題になったのは、例の「健康的にした」というラストシーン。これがねー、ちょっとねー。「健康的」が悪いわけではないんですよ。いろいろはしょられた他は本当にそこしか変わってないので、いかにも「急遽そこだけ差し替えました」という風に見えてしまうんです(わたしがオリジナルの方に馴染んでしまっているせいもあると思いますが)。ただ、本当に「健康的」にしたいのであれば、カツやジェリド、エマなども生かす方向でいかないといけないんじゃないかと。

もともとこの『Zガンダム』という作品、富野御大はやりたくてやったものじゃなかったそうです。「最近ウチもパッとしないし、ガンダムの続編でも作って盛り上げてよ」ということで、半ば強引にやらされたものだったとか。そんな風にただでさえ気乗りしないのに、ファンの評判は悪い、上はあれこれ言う。しまいにブチ切れた富野さんが「てめえら、みんな星になっちまえーッ!!」と言ったかどうかわかりませんが、そういった怨念がああいう展開、ああいうラストになって表れたんじゃないかと。
今回、いくらか丸くなった富野さんが「新訳Z」をやろうと思った理由としては、当時のファンに「あの時は大人気なくてゴメンネ」というものがあると思います。けれど、あの時監督が生の感情を叩きつけていたからこそ、『Zガンダム』は多大なエネルギーを持つ作品になり、世代を超えて愛されるようになったのではないでしょうか。そしてあの救いようのないラストが、図らずも戦争の無常、悲惨さをストレートに訴える役割を果たしていたと思います。

監督はもうこれで決着、みたいなことを言ってますが、ハマーン様は健在だし、なんかすっきりしません。『ZZ』をやれ、とは言いませんが、せめてもう一本、「真の完結編」となる作品を作って欲しいですね。

『恋人たち』を観にいった時は午前中の上映だったせいか、若い女性、親子連れ、と客層がかなりばらけていましたが、今回(夕方の回)は見るからに同年代の野郎ばっかりで、さながら同窓会といった風情がありました。友よ、心にオタクの炎は燃えているか。

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