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March 20, 2006

平成ライダーの六年間を振り返る 龍騎編①

えー、そいじゃ『龍騎』についてやるとしますか。これも最初は印象悪かったです。まず龍騎のデザインを見たときに、「なんじゃこのライブで使うデカいマイクみたいな奴は」と思ったし、「鏡の中からモンスター」という発想には「対象年齢ダウン?」と感じられましたし。しかし観終わってみると、平成ライダーだけにとどまらず、全特撮作品でもっとも思い入れのある作品となりました。2002年は大概の日本人にとって「日韓共催ワールドカップ」の年でしょうけど、わたしにとっては『龍騎』の年であります。

鏡の中から怪物が現れ、人々をさらう事件がひそかに起こっていた。事件を追っていたジャーナリスト志望の青年・城戸真司は、怪物を難なく退治する謎の怪人・仮面ライダーナイトを目撃し、ショックを受ける。親を奪われ泣いている少女の姿に心動かされた真司は、ナイトのパートナーらしき少女・優衣の助けにより、自らも仮面ライダー龍騎となる。しかしその直後、真司の前に現れた正体不明の男・神崎はこう告げた。「仮面ライダーは最後の一人になるまで戦い合わねばならない。その代わり、勝ち残ったものはどんな願いもかなえることができる」
そして真司とナイト・蓮の前に次々と現れるライダーたち。「オレたちは戦い合うべきじゃない。この力は人々を守るためのものだ」と主張する真司の声は、しかし彼らには届かない。果たして最後に勝ち残るのは一体誰なのか?

今回は『龍騎』の元となったと思われる三つのモノについて説明します。
まず石ノ森章太郎が自分で書いた原作版『仮面ライダー』の第4話「十三人の仮面ライダー」。前にも書きましたが、本郷猛と寸分違わぬ姿をした十二人の仮面ライダーが、ショッカーの刺客として本郷を襲撃するというエピソードです。このエピソードは、仮面ライダーがもともとはショッカーの作った人間兵器であることを思い出させます。作中では1号2号である本郷と一文字のみがショッカーの洗脳を脱したということになってますが、もし他のライダー全てに自我があったとしたらどうなるのか? この発想を発展させたものが『龍騎』のメインコンセプトとなったものと思われます。白倉プロデューサーは「あんまり意識してない」とか言ってたそうですが、現場はみんな意識してたそうですし、「13RIDERS」なんて番外編まで作っておいて、そりゃないだろう、と思います。

二つ目はやはり石ノ森先生の漫画『番長惑星』。所謂「リュウ三部作」の最後の作品。ひょんなことからパラレルワールドに迷いこんでしまった主人公リュウ。そこは我々の世界と非常によく似ているものの、なんと殺人が合法化されていた。己の優越性をしめすために、嬉々として殺し合いに興じるものたち。そしてリュウも、その戦いに巻き込まれていく。「人殺しはいけない」と自分に懸命に言い聞かせるリュウ。けれども周囲全てがそれを「良し」としていたとしたら、我々はなおもその信条を守ることができるでしょうか。『龍騎』では様々な価値観を持つキャラクターが現れ、我々にそれを問いかけます。

三つ目はこの前年に起きたNY貿易センター破壊テロ。飛行機を乗っ取ったテロリストも、報復としてイラクを空爆する米国も、「われこそは正義」とさかんに主張します。しかし我々の目からみて、どちらも正義からは程遠いと思わざるをえません。百人いれば百通りの正義がある。それでも最も広く「正義」として信じられているものあるか。あったとして、それは本当に「正義」と言えるのか。『龍騎』はうっかりすると全ヒーロー番組を否定しかねないこの問題に関し、果敢に挑戦を挑んでいます。

「戦わなければ生き残れない」
次回はこの作品の副主人公とも言えるナイト・秋山蓮と、ゾルダ・北岡秀一について語ります。

ryuki1ryuki2これが問題の「龍騎」(右はややアレンジあり)

スダレ仮面とかデンセンマンとか
色々言われてました

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Comments

『龍騎』、好きなシリーズです。
『アギト』は主人公の好感度は高いのですが、お話としてはクエスチョンマークが脳裏から離れませんでした。
後半かなり盛り上がって観ていました。

平成ライダーは「なぜ仮面ライダーを名乗るのか」という問題がいつも付きまとうように思われますが、言われてみれば、なるほど石森作品をきちんと踏まえてやってるよう思えてきます。深いねえ。

どうせなら2年位かけてきちんと十三人バトルを描いて欲しかった…(無理だろうけど)。

Posted by: かに | March 20, 2006 at 10:41 PM

まさとしです。
>ライブで使うデカいマイクみたいな奴
私は日産エル○ラ○ドのライト周りが何となく「龍騎」に似てる
気がします・・・・・・・・・スリットの中にお目目があるという点。
>十三人の仮面ライダー
このあと本郷は死亡(?)し、脳みそだけになって一文字と一体(?)
になりますが、最後はアンドロイド的に新しい体が与えられてます・・・。
「ダイターン3」のドンザウサーみたいだ(ハカイダー?)。
>ナイトとゾルダ
見始めたのが途中とかだったのでこのふたり以外はよく
知りませんでした。あとは朝倉さんぐらいだし。
玩具ページ「Kノどらんく」で知識を補完したのは秘密な(笑)。
北岡クンは肩書きの割には何処か憎めない印象が
ありましたね。ガンダマーだし、ガンダムの声優やっちゃってるし(笑)。ではでは。

Posted by: まさとし | March 21, 2006 at 11:19 AM

>かに様

>アギト

わたしはそれほど疑問を感じませんでしたが。むしろ『龍騎』『555』に比べ伏線を回収してるほうかと。かに様が言われてるのは方向性やキャラのリアリティなどの点でしょうかね

>石森作品をきちんと踏まえてやってるよう思えてきます。深いねえ。

白倉氏がどれほど石森作品に入れ込んでいるのかは、自著『ヒーローと正義』を読むとよくわかります。
ただ『龍騎』は「"宇宙刑事”のリメイク企画だった」という情報(未確認)もあるようです。閉ざされた限定空間で戦うという設定や、お供に龍がいるところとかは確かに一緒ですね。

>どうせなら2年位かけてきちんと十三人バトルを描いて欲しかった…(無理だろうけど)。

無理でしょうね(笑) わたしとしては中盤の十話をそっくり作り変えられればいいなあ、と思います。劇場版、スペシャルと手を広げすぎておっつかなくなったというところでしょうか

Posted by: SGA屋伍一 | March 21, 2006 at 09:46 PM

>まさとし様

>私は日産エル○ラ○ドのライト周りが何となく「龍騎」に似てる
気がします・・・・・・・・・

あとで画像探してみます。龍騎ライダーズにスリットが付いているのは「ライダー」→「騎士」という発想からのようです。

>最後はアンドロイド的に新しい体が与えられてます・・・。

そしてなし崩しに終了(笑) まあ新しい体もらってもルリ子さんとは結ばれないでしょうな。石ノ森ヒーローのロマンスは実ったためしがありません

>>ナイトとゾルダ

また解説しますけど、前者は小林靖子女史が、後者は井上敏樹氏が考えたキャラです

>ガンダマーだし、ガンダムの声優やっちゃってるし(笑)。

こないだインタビューで「オルガはまだ生きてますよ! MSが爆発しただけです!」と言ってました(笑)

Posted by: SGA屋伍一 | March 21, 2006 at 09:53 PM

>アギトのはてな
初めての平成ライダーだったので(笑)。
特に初めの方は同時並行の話が多すぎて付いていくのに苦労したことを覚えています。これは子どもにはワカランだろう、子どもには格好いいバトルシーンを見せておけばオッケーというスタンスなのかなと思ったりしました。
つまらなかったわけではありません。特に劇場版は面白かった。改めて分析するに、やっぱり初心者なので馴染んでいなかったというのが最大の理由のようです。

Posted by: かに | March 22, 2006 at 01:52 AM

ご丁寧にレスありがとうございます

>特に初めの方は同時並行の話が多すぎて付いていくのに苦労したことを覚えています。

そういえばヒーローサイドがひとかたまりになって行動しないというスタイルも、特撮では『アギト』が最初だったでしょうか。普通のドラマ、映画では良くある手法ですが、なるほど、「特撮」として観てる側は面食らったかもしれませんね。わたしはアメコミ『X-men』でそういうのに慣らされていたので、すんなり入ることができました。このヒーロー並立制、一般層にも飽きさせないようにする狙いがあったものかと思われます。

>子どもには格好いいバトルシーンを見せておけばオッケーというスタンスなのかなと思ったりしました。

オッケーだったんでしょうね(笑) 結果的には。ただ肝心の変身ベルトは前作と大差ない仕様だったため、「同じもの持ってるでしょ!(BY親御さん)」ということで売り上げが伸びなかったそうです。

>特に劇場版は面白かった。

そうですね。完成度は平成ライダー映画のなかで一番だと思います。個人的に最も思い入れがあるのは『龍騎』の「EPISODE FINAL」ですが

Posted by: SGA屋伍一 | March 22, 2006 at 07:59 PM

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