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March 06, 2006

重甲ビーライダー 仮面ライダーカブトを語る①

むかしむかし、しぶやのもりに、つかまえられれば「おうさま」になれるという「でんせつのかぶとむし」がすんでいました。おばあちゃんからそのはなしをきいていた「てんどうそうじ」は、いっしょうけんめいどりょくして、そのかぶとむしをつかまえることにせいこうします。あといっぽのところでかぶとむしをさきにとられてしまった「かがみくん」は、てんどうからそれををうばおうとしますが、いつのまにかなかよしになってしまいます。しかしひみつそしき「ぜくと」は、「へいみんが『かぶと』をもつのはゆるされない!」とおこって、てんどうにこうげきをしかけてきます。

すいません。ところどころウソです。
というわけで平成ライダーシリーズ最新作「カブト」、現在までに6話を消化しましたが、いや、面白いです。わたしテレビ番組はほとんど録画視聴なんですが、久々にその日のうちに見ないと気がすまない作品です。
最初は印象よくなかったんですよ。常に「斬新」「挑戦」を追い求めている本シリーズにしては、今回のこれは名前といいデザインといい、いかにも保守的というか、スポンサー主導っぽいなあと。しかしやっぱり実際に見てみないことには、面白さはわからないものです。
まじめなあらすじを。宇宙より飛来した隕石により、渋谷の町が瓦礫と化してから十年。隕石に伴ってやってきたと思われる怪生物「ワーム」が、人間を襲い、その人間に擬態して社会に潜むようになっていた。その存在を感知していた秘密組織「ゼクト」は、ワームに対抗する切り札として「マスクドライダーシステム」を開発。しかしそれが実際に戦闘に投入される直前、システムのキーである「カブトゼクター」は、突如としてその場に現れた謎の男の手に渡ってしまう。

本作品で特徴的なのは、まず「すごく"ムシ”っぽい!」というところ。組織(insectから取った?)の名前、擬態や脱皮といった怪人の能力、OPや予告のデザインなど、「ムシ」を思わせる記号があちらこちらにちりばめられています。また本作品のライダー&怪人たちは、「クロックアップ」と呼ばれる超加速能力を有しています。単純に『サイボーグ009』や第4作『555』からの流れと考えることもできますが、ここは「ムシ」というキーワードで考えてみましょう。
どこまで本当の話かわかりませんが、大きな動物と小さな動物とでは、流れる時間の感覚が違うらしいです。たとえば我々からしてみれば、「ネズミは二年くらいしか生きられなくて可哀想だな」とか思うわけじゃないですか。ところがネズミにとっては二年という時間が、我々の60年くらいに感じられるらしいのです。『カブト』におけるこの「クロックアップ」というアイデアは、「昆虫の時間感覚を人間の大きさで再現してみたらどうなるか」という発想を発展・誇張したものだと思われます。この時間のズレを表現した奇抜な映像が、『カブト』の魅力の一つですね。

もう一点特徴的なのは、主人公・天道総司のキャラ造形。この天道という男、「おれが最強」とか「地球は自分を中心に回っている」というセリフからもわかるように、かなり自信満々の「オレ様」野郎です。最近のスポーツ漫画などにはよく見られる例ですが、ヒーロー物としてはかなり異色の設定。
この性格は彼が敬愛してやまない「おばあちゃん」によりはぐくまれたもののようですが、理由としてはもうひとつ、「彼が大災害を経験している」ということもあるように思えます。
大地震にせよ大津波にせよ、あまりにも破壊的なエネルギーを身をもって味わってしまったら・・・ もしかすると「自分は強い」ということを強烈に思い込まないと、圧倒的な無力感に飲み込まれてしまいそうになる。そういう人もいるかもしれません。もちろんそれで万事OKかといえば、はなはだ疑問ではあります。恐らくこれから主人公はそういう点で試されていくのでしょう。
戦争やテロはなんとか回避しているわが国も、こと自然災害という点では無縁ではいられません。それに直面した時我々はどう心を保てばばよいのか、またそれを経験した人にどう接していけばよいのか― それが『カブト』における裏テーマではないかと踏んでいます。

『カブト』にはもう一点、大きな謎があります。それは「主人公はなぜあんなに"サバ”にこだわるのか」ということ。『シャンゼリオン』へのオマージュなのか? はたまた「サバはあたる」というゲンかつぎなのか?
とりあえずおいしいサバの味噌煮が作りたい人は、公式サイト「まかない」のページ(http://www.tv-asahi.co.jp/kabuto/12_recipe/01/index.html)へGOだ!
(オレはめんどいからパスだ!)
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