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February 06, 2006

風と雲とギャグと 『風雲児たち』を語ってみたい①

そういうわけで、みなもと太郎先生の手による世紀の傑作『風雲児たち』について、いよいよ書いてみようかと思います。ききき緊張するなあ。

このマンガは、小生のオールタイムベストコミックの一本であり、こちらによくおいでくださる方たちと知り合いになった(つっても実際に会ったのは一度きり)きっかけでもある作品であります。第1回はきわめてワタクシ的な内容で恐縮ですが、「わたしと『風雲児たち』について」という主題でいってみます。

『風雲児たち』とのファーストコンタクトはかれこれ19年前。今は亡くなって久しい伝説のオタク雑誌、『OUT』のコミックレビューでございました。紹介されていたのは潮出版社版(希望コミックスという)の15巻。「よくもまあ、これだけ面白いものを、あれだけつまらなく教えやがったもんだな(学校の歴史の授業のこと)」という小松左京氏の言葉のあと、簡単な説明があり、「この巻でクローズアップされているのは林子平、高山彦九朗、最上徳内、大黒屋光太夫、ラックスマン、ルグロ夫人、エカテリーナ女帝・・・ 君は何人知ってる?」と結ばれていました。「・・・誰も知らん」と思ったのを覚えています。自分はこの時まだ中学生でした。

その後、兄弟そろって『三国誌』にはまって横山光輝のコミック版を読んでいた折、巻末の紹介コーナーに再びその名を見つけました。それを見て興味を持った弟がどこかから買ってきたのを、勝手に拝借して読み始めたのでした(コラァ!!)。
最初に読んだのは潮版第5巻。前野良沢が登場し、林子平の生い立ちが語られるあたりです。十分面白かったものの、ぐんぐん惹きつけられた、というほどでもありませんでした。しかし弟がポツポツ買って来るのをつまみ読みしているうちに、次第にわたしは『風雲児たち』のとりこになってしまったのです。それを強く意識したのは潮版第7巻で、解体新書が完成したくだりでした。ギャグなのにこんなに感動できる。そのすごさを思い知りました。
ちなみに初期は買った順番がまるでバラバラで、5→6→7→1→8という流れだったと記憶しています。

このマンガ、当時そこら辺でどこでも売っているというわけではなく、続きの巻が欲しければけっこうな大書店に行かなければ手に入りませんでした。それでわたしは、少ない小遣いの中から4冊くらい買える金をとりわけておいて、休みの際東京に行くたびにまとめ買いしていました。そんでようやく新刊発行においついたのが18巻くらい・・・だったので、かれこれ15年ほど前ですかね。そっから先は八ヶ月に一度出る単行本を、まだかまだかと待つ日々が続きました。
そして29巻が発行される少し前に、掲載紙である『コミックトム』(これまたほとんど見かけない雑誌でした)が休刊。数ヵ月後に第2部にあたる?『雲竜奔馬』が新雑誌『トムプラス』で始まるものの、こちらも単行本が五冊出た時点からほどなくして休刊。
「このまま終わってしまうのか・・・」とやるせない気分になったのでした。それが今から5年ほど前です。

さて、それからさらに1,2年経ったころスポーツ新聞の片隅に、『コミック乱』といういかにもくどそうな(失礼)時代劇マンガ専門誌の広告を見つけました。そのラインナップにはなんと『風雲児たち 幕末編』の名が・・・! 喜びいさんでコンビニの書棚を探しまくったものです。
そのうちに『乱』の版元であるリイド社から、新装版が出ることに。そこでファンサイト(風雲児たち長屋 http://www.fuunji.net/)の存在を知り、ちょくちょくお邪魔するようになりました。実はそれまでインターネットというものに触れたことがなく、はっきり言って『風雲児たち』がネットをはじめるきっかけになったようなものです。

ほんでまあ、やっと現在にいたるわけです。『風雲児たち』は現在潮出版社版が全30巻、姉妹編『雲竜奔馬』がやはり潮さんから全5巻で出ています。リイド社による『トム』時代の新装版は全20巻。そして最新シリーズである『幕末編』が今のところ8巻まで出ています。

関ヶ原から幕末までを、コテコテギャグでぶった斬る! 大河ドラマ『新選組!』にも多大な影響を与えたこの作品を、未体験の方はどうぞお試しください。

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Comments

まいどです。先越されたあ~。
>『OUT』
あと『アニメック』もしっとるケ?
某古書店でオリジナル版を見ましたが
あの時点では買わなかっただろうなと思いました。
工藤センセの絵が無けりゃ買わなかったような気がする・・・。
今となっては我が家で市民権を得たマンガとなってます。
父、私共々愛読者です。
>『雲竜奔馬』
シーボルト・イネと並んでお気に入りの千葉さな子が出てます
ただそれだけ(笑)。
こっちは新本を見たことあるし。
というわけで何れはレビューやっちゃいますので。
ではでは。

Posted by: まさとし | February 07, 2006 at 09:31 AM

こちらこそマイド~

>あと『アニメック』もしっとるケ?

名前だけ。確かファンロードの姉妹誌だったでしょうか。わたしがOUT買い始めてまもなくお亡くなりになったと記憶してます。同時期にジ・アニメとかマイアニメとかも・・・

>オリジナル版

確かに1,2巻の表紙は人を選びますな(笑)
でも中にはかっこよかったり、洗練されたデザインの表紙もありますよ
長屋にUPされてたかな?

>我が家で市民権を得たマンガ

うちでは姉、弟が読んでます。いつの間にかわたしが購入係に・・・

>千葉さな子

「女が国家を論じてどうする」と言われてフテてしまったさな子さん。それを見た竜馬が、自分の生い立ちについて語りだす・・・
この辺のくだり大好きだったんですが、幕末編ではカットされたみたいで残念。

>何れはレビューやっちゃいますので。

期待してます! ではでは。

Posted by: SGA屋伍一 | February 07, 2006 at 06:04 PM

>ファーストコンタクトはかれこれ19年前
その4,5年後でした、私の場合。
たしか25巻くらいまで出た頃でした。

>弟がどこかから買ってきたのを、勝手に拝借して読み始めた
驚き。全く同じです。

皆さんそれぞれに『風雲児たち』との出会いのドラマがあったようです。
なにぶん存在を知ってる人しか存在を知らないマンガでしたから。
「我ら如何にして風雲児読者となりしか」で1冊本作れそうな気がしますよ。

>『雲竜奔馬』が新雑誌『トムプラス』で始まるものの、こちらも単行本が五冊出た時点からほどなくして休刊
ええ、あの時ばかりはさすがの長屋も雰囲気暗かったですよ。
 (でも、みなもと先生はこれで終わりにしないだろうという気はしてました。
  希望というより、ごく素直な予想として。)
『乱』での再開が決まったときの長屋はお祭り騒ぎでした。

>小松左京氏の言葉
これはうれしい情報をいただきました。
もうね、ずっとずっと気になってたんですよ!
だってリイド社版7巻に寄せられた小松先生のコメントときたら、
「えっ『風雲児たち』・・・?もちろん、前から読んでますよ。」
だけじゃないですか。
「・・・え!それだけ?感想は???一体どう読まれたんですか小松せんせぇーーーー」
あれ以来気になって気になって仕方なかったわけですよ。
ありがとうございました。

Posted by: 秦太 | February 10, 2006 at 12:01 AM

>その4,5年後でした、私の場合。
>たしか25巻くらいまで出た頃でした。

というと○○○○が○○○を決行する」あたりですね。微妙にわたしの計算とずれてるような・・・ たぶん秦太さまの方が合ってる

>驚き。全く同じです。

わたしも驚きました(笑) お互い弟は大事にしましょう。命から○番目くらいに。

>『乱』での再開が決まったときの長屋はお祭り騒ぎでした

いいな~ わたしもその場にいたかったな~ 
でも、スポーツ誌で思いがけず名前を見つけたのも、なかなかにサプライズハッピーでしたよ。

>>小松左京氏の言葉

あー。すいません。紛らわしい書き方だったんでアレですけど、このコメント、「日本史」に対する氏のコメントを、レビュアーの方が引用してたということなんですね。でも『風雲児』読んだあとのコメントかもしれないし。きっとそうだ!(笑)

関係ないですけど、今日の朝日夕刊科学面に、石川雅之氏が出てました。子供にも『もやしもん』が人気だとか(まずいギャグもあると思うが・・・はは)。それはそうと石川先生。わたしよりいっこ下でなかなかのイケメンでした。なんか・・・・意味もなく悔しいな・・・ 泣こう!

Posted by: SGA屋伍一 | February 10, 2006 at 10:32 PM

今年のヤマ場を終えて覗いてみたところです。
いよいよ始まりましたね。楽しみです。

私の『風雲児たち』との出会いは『コミックトム』創刊号でした(関ヶ原の敗者は?っていう所ね)。あまりの面白さにびっくり、自分の作品でパロったくらいです。この後、語り出すと長くなるのでいずれ自分の所で書くことにします。

ちなみに長屋で『乱』七月号より連載開始!について最初に書き込んだのは私です(えへんぷーい)。

Posted by: かに | February 11, 2006 at 06:48 PM

おばんです

>いよいよ始まりましたね。楽しみです。

ありがとうございます。あまり期待しないほうが、意外に楽しめるやもしれません(笑)。

>私の『風雲児たち』との出会いは『コミックトム』創刊号でした

連載が始まったのはこの前身の『少年ワールド』からでしたっけ?
長屋に初めてお邪魔した時、「ぼくは十年以上読んでるんだぞ。えへんぷーい」みたいなことを書いたのですが、常連さんはほぼみんなそれくらいのキャリアであることを後で知り、お尻から血が出る思いでした

>関ヶ原の敗者は?っていう所ね

あの辺は今から見るとやや異質で評価が分かれるところですね。わたしはもちろん好きな方ですが。前に画伯が「なんでみんな関ヶ原のあたりを嫌うんだー!」と嘆いておられました

>いずれ自分の所で書くことにします

こちらも楽しみにさせていただきます

ちなみに、かに様のお名前を最初に覚えたのは『ホモホモ7』サイン会の直後くらいだったかの書き込み  『西遊妖猿伝』や星野宣之に関する深い解説に、「ただ者じゃない!」と思いました(笑)

Posted by: SGA屋伍一 | February 12, 2006 at 10:30 PM

>『少年ワールド』
それ以前、『マンガ少年』でみなもと先生が『お楽しみはこれもなのじゃ』を連載したときに、先生ご自身が、「(編集部が)みなもとは格下なのでマンガではなく文章を書かせましょうということで、この連載は始まった」というようなことをギャグとして仰っていたのを真に受けて、みなもと太郎のマンガ(もちろん『風雲児たち』)が連載している『少年ワールド』は『マンガ少年』より格下だと思いこんでしまいました。
 やがて『少年ワールド』は『コミックトム』にリニューアルし、『マンガ少年』は休刊、買う雑誌がなくなって『コミックトム』に移行した読者は多かったんじゃないかしら。そこで私の認識は大いなる誤りだったことに気付いたのは前述の通り。
 その後、単行本が出て「関ヶ原編」でいよいよのめり込むことになります。薩摩の正面退却の場面では生まれて初めてギャグマンガで鳥肌が立ちました。
>「ただ者じゃない!」
ヘンなやつで、どーも……。

Posted by: かに | February 13, 2006 at 04:53 PM

>「(編集部が)みなもとは格下なのでマンガではなく文章を書かせましょうということで、この連載は始まった」

みなもと先生ってちょっと自虐的なところがありますよね。優れたコメディアンにありがちな傾向ですが。その「連載」が多くの作家に影響を与え、三度にわたり出版されようとは誰が想像したでしょう

>『少年ワールド』

これのさらに前身が「希望の友」でしたっけ。「ワールド」同様実物をみたことはありません。三誌比べて見ると「ワールド」が一番一般ウケしそうな誌名ですけど、一番寿命が短かったのも・・・

>『マンガ少年』

こちらも実物は未見です。『まんが道』に登場する『漫画少年』と関連があるのかと思っていたら、まったく無いそうですね。でも両方『火の鳥』連載してるしなあ。

>ヘンなやつで、どーも……。

いえいえ。みなもと先生の個展の際お見かけしましたが、(まじめそうな人だなあ)と思いましたよ。勝手な印象ですいませんけど。

Posted by: SGA屋伍一 | February 13, 2006 at 09:43 PM

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