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February 12, 2006

史上最強のメガネ J・K・ローリングほか 『ハリー・ポッター』シリーズ

えー、今日はですねー、21世紀のスーパーヒットシリーズ『ハリー・ポッター』ズバッとざっぱに総括しちゃいます。ウェーイ。

知らない人も少ないかと思いますが、あらすじを簡単に。
舞台はたぶん現代の英国。両親を亡くして意地悪な叔父さんちに身を寄せているハリーの元に、ある日突然「魔法学校」からの招待状が届く。彼の両親は優秀な魔法使いで、ハリーにもその血が流れていたのだ。学校に入学したハリーはロンやハーマイオニーといった親友も出来、楽しい毎日を送る。しかしかつて彼の両親を葬った邪悪な魔法使いヴォルデモードは、ハリーの周囲にわなをめぐらせる。

いきなりファンにケンカを売るようですが
「ぶっちゃけ『ハリポ』って、毎回同じような話ですよね?」
あ、そこの良い子の君、怒らないでね。決してけなしているわけじゃないんだ。そうとしかとれないだろうけど。
よく出来た枠組み=ハードウェアというのは、題材や小道具=ソフトウェアを変えただけで、何度も楽しめるものです。『ハリポ』もそういうよく出来た枠組みの一つではないかと。
ではその枠組みとはどんなものか、簡単に書きだしてみますと
・いわくありげな序章
・怪しげな来訪者
・ハリーの周囲で起きる怪奇事件
・主人公たちの調査と推理
・現れた意外な犯人との対決
ってこれじゃあ本格推理みたいじゃん! 実際、ハリー・ポッターってかなりミステリっぽいお話じゃないでしょうか。ローリング女史が影響を受けたのは『指輪』よりも、ドイルやクリスティーだったのではと憶測する次第。
そういう視点から見てみますと、『ハリポ』ってなかなか凝った造りになってます。魅力的な舞台設定、周到に張られた数々の伏線、巧妙なミス・ディレクションetc
では「ミステリ」として、勝手に『ハリポ』を一作目から四作目まで評価してみましょう。

一作目:『賢者の石』
シリーズの基本形。伏線の張り方とか意外性とか、なかなかお上手。続刊につながる謎もたくさん。

二作目:『秘密の小部屋』
ミステリ部分は及第点ながら、突出した要素がないため、なんとなく一作目の二番煎じという印象が強い。
強いていうなら、「返事を書いてくれる日記帳」という小道具が面白い

一作目と二作目は原作・映画両方鑑賞しました。映画は原作の冗長な箇所を、上手にはしょっていると思います。

三作目:『アズカバンの囚人』
「真相の意外性」という点では、いまのところ一番驚いた。ある意味反則ギリギリかもしれませんが。
ただ、そのインパクトがあまりに強かったせいか、舞台やガジェットの印象が薄い。そのせいか映画は観にいかなかった。

四作目:『炎のゴブレット』
こちらは映画のみ。ただでさえぶあつい原作が上下本になり(当然値段も上昇)、なんとなく及び腰になってしまったせい。三大魔法学校の対校試合ということで、舞台設定は一番派手。しかしミステリ部分はイマイチ。
原作の量から想像すると、映画は相当省略してるはず。どこをどう切ったのか少々気になりますが、まだ当分原作を読む気力はありません。

原作は第六作邦訳がそろそろ刊行されるらしいですね。完結まであと一本。
最後にもうひとつケンカ売り
「ヴォルデモードって、評判のわりにけっこうしょぼいですよね?」
♪魔法使いハリー む~ん

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Comments

全部、完結したら読みます(笑)。

Posted by: かに | February 13, 2006 04:56 PM

まあ、かに様も忙しそうな人ですからね(笑)
とりあえず一巻だけ読んで「あわね」と思ったら切ってしまう、というのも手ではあります。
その巻はその巻できっちり終わっているのが、『ハリポ』のいいところですね。

Posted by: SGA屋伍一 | February 13, 2006 09:46 PM

 こんにちは~。
 先日やっとレンタルで第4作見ました~(笑)
 このシリーズは、全く原作読んでませ~ん(笑)
 ファンタジーとしては全くこの原作者、素養がほぼゼロに近く(怪物とかの情報間違いだらけ)「いいとこどり」ですが、確かに、やさしいミステリとしてのツボは押さえてると思います。だから毎回映画は楽しめる(笑)
 第1作は普通に楽しめて、第2作は実は今でもわかったようなわかんないようなで(^^;)第3作はロンドンに行く飛行機の中で観てたら肝心なところで寝てしまった…ので、もう一回いつかレンタルします。これ見とかないと、第4作でシリウス・ブラックが何故そこまでハリーと仲良しなのかわからん!(笑)
 そして第4作…
 「ダーク」になり始めたのは前作かららしいですが、特に今回は、お子様にはキツくなり始めたな~、というのが一番の印象。小学生でも原作をちゃんと読んでいればわかるだろうけど、原作読んでないと小学生ぐらいにはちょっとキツいかなと(当然私にもキツい)。まぁ、映画になると、今回は競技シーンですが、子供も単純に映像として楽しめる部分は毎度毎度うまくあるんですけどね。
 ハリーっていうのは、”伝説の少年”である限り、魔法学校にいる間の方が、現実世界で伯母さん一家に苛め抜かれるよりよっぽど危険な目に遭うと(笑)第1作からしてズタボロになってますからねー、実はムチャクチャ可哀相なお子様ですね~。
 でも、少しずつ大人に(いや、もう今回14歳っていうのはそろそろキツいが)なっていくのもいいし、今回なんぞ風呂場で脱ぐわ幽霊に逆セクハラされるわ、色々前途多難です。
**ネタバレ**
 今回、セドリック好きだったのにさぁぁぁ…ショックでした。
**以上**
 えー、ハーマイオニー嬢ちゃんの順調な成熟を祈ります(笑)
 前にもどこかに書きましたが、やっぱりロンとくっつきたいんですよね~、という確信を深めました。
 しっかし、他の魔法学校2校をあんなにわかりやすくお色気派と筋肉馬鹿に描いてしまってよかったんでしょーか(笑)特に後者のろしあん風っぷりときたら…(あの選手はブルガリアンですが…ことおーしゅーが泣くで!)
 ええ、ヴォルデモート、あんなんかいっ!って思いました(笑)でもこれからもっと真の姿が現れるのかも。
 最新作。原題は「Half-blooded prince」。「混血」という言葉には未だに日本では複雑なものがあるのか、やっぱりこの訳にはならず、予想通り「謎のプリンス」ですね。何か日本、小さいなぁ…

Posted by: 高野正宗 | May 03, 2006 05:30 PM

 おおっ高野様ハリポようやく見れましたか。
知識がゼロでいいとこどりってキツイですw
 まちがってても良いから本場の雰囲気ってのが好きです。
原作をよんでいないと展開が速いと思うそうですがなんとかなって
ます。ロシアの校長昔その名を出してはいかん人の部下やったとか。
 ハーマイオ-ニーがキレイになってさ、ひざこぞうがまっ赤ってのは
おてんばの証拠さ。
 また。

Posted by: 犬塚志乃 | May 04, 2006 03:01 PM

>高野正宗さま

>このシリーズは、全く原作読んでませ~ん(笑)

高野さまなら「あ」という間に読了されると思いますよ。図書館ではかなり順番待つことになるでしょうけど。

第3作は見てませんが、映画としては4作目が一番派手だったと思います。第一作目も一発目のインパクトで面白かったです
>お子さんにはきつい
わたしとしては一作目からそういうのあるなあ、と思ってました。
「その辺も手を抜くな」という原作者からの指示があるそうです。「混血」もそうですが、そこはかとない差別ネタもちょこちょこありますね。本来童話ってやつは、そういうダークな要素も多分に含まれているものですよね

>実はムチャクチャ可哀相なお子様ですね~。

ま、パターンですね(笑)。あの学校と校長の危機管理能力を疑います。あと新任の先生の身元チェックを、どうしてもっとしっかりやらんのかと

ハニーちゃんとロンくんもでかくなりましたねえ。あちらのお子さんは成長が早いや。ハリーくんは東洋系のお嬢さんが好みのようですが

>ブルガリア

については良く知りませんが、きっとヨーグルト食いまくって栄養蓄えてんですよ。きっと

Posted by: SGA屋伍一 | May 05, 2006 09:48 AM

>犬塚志乃さま

>まちがってても良いから本場の雰囲気

本場の雰囲気・・・・ やはりファンタジーの本場はフランスでもドイツでもなくブリテンなんでしょうか
自分は楽しげな寄宿学校の雰囲気が好きです

原作解説ありがとうございます。上にも書きましたが、原作はそれまでの倍の量があるのに、映画は同じ尺の中でよくまとめましたね
内容忘れたころにチャレンジしようかしらん

Posted by: SGA屋伍一 | May 05, 2006 09:53 AM

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