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February 01, 2006

東京タワーが出来るまで 山崎貴 『ALWAYS 三丁目の夕日』

これは二人の男の一年に渡る熾烈な戦いの記録である―

昭和33年、東京の片隅。駄菓子屋兼作家の茶川は、向かいに住む自動車修理業店主・鈴木のことを激しく恨んでいた。鈴木が自分のことを皆に、「戦争に行った事もなく、ろくに働きもしない人間のクズ」と吹聴していたのを知っていたからである。一方鈴木も茶川に対し憎悪の念を抱いていた。茶川が自分のことを「教養のない低脳ゴリラ」と心の中でバカにしているのを確信していたからである。
居酒屋の女将をめぐる三角関係、器物破損などを経て、両家の子息が同時に失踪するに至り、ついに二人の確執は頂点に達する―

すいません。微妙にウソです。
原作は西岸良平の長期連載漫画。絵柄とタイトルしか知らない(淳庵さま、すいません)ので、どれほどのアレンジがなされているのかはわかりません。正直「観たい作品リスト」の中には入ってなかったのですが、知人が「見たい」というので連れてってあげることに。まあわたしも『ジュヴナイル』とか『リターナー』とか好きでしたし。
もうちょいマジメに紹介します。東京タワーがぼちぼち出来るかという年の春、鈴木さんちには集団就職で田舎からきた住み込みの従業員(なぜか堀北真希)が、茶川のところには成り行きで預かることになった見ず知らずのこどもがやってきます。事情は違えど、赤の他人と暮らすことになった二つの家で起きる様々な出来事を、四季の移り変わりと共に追っていくという流れ。メインの茶川と鈴木はどちらも絵に描いたようなダメ人間なんですが、それなりに愛すべき人物として描かれています。これにしっかり者のお母さん、ワケアリのヒロイン、ノスタルジックな風景が加わりますと、連想されるのはやっぱり『男はつらいよ』。恐らく山崎監督なりの、「寅さん」へのオマージュであるかと思われます。

連れのお母さんの方は世代的にジャストミートだったためか、所々でボロボロ泣いておられました。どちらかといえばオタクっぽい作風の山崎監督が、そういう風味を抑えて老境の方たちを泣かせているということは、なかなかスゴイことだと思います。まあ、ひねくれ者としましては、そう素直に感動できないところもありましたが。ちょっと「泣かせ」の演出があざといなあ、みたいな。そんなわたしでも、終盤吉岡秀隆演じる茶川がキレるあるシーンには不覚にも鼻水がブシュッと吹き出てしまいました。あとから思ったんですが、もしかすると私生活での鬱憤をぶつけてたのかもしれません。迫真の演技でした(笑)。

小道具として、画面のそこかしこに昭和の失われたモノたち・・・力道山、SL、三輪オートなど・・・が登場します。古い世代は昔を思い出し、新しい世代はかつてを知る。そういう意味では大変良い映画でした。誘ってくれなければたぶん観にいかなかったと思うので、Fさんちに感謝です。メシまでおごってもらっちゃったし。
原作に思い入れがあるわけでもないのに、「タイトルに横文字とかつけなくてもいいのに」と思っていました。ですが最後まで見ますと、「ALWAYS」にこめられた深い思いがわかるようになっています。にくいね! 山ちゃん!
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Comments

私も見てきましたよー(^_^)

ということで、トラックバックさせていただきました。
そうか、あのシーンには吉岡秀隆の鬱憤が(^_^;

ところで、茶川さんのとこに来た子供は、「古行淳之介」君なんですね。
実の母は古行あぐり・・・じゃなかった、「古行和子」さんです。
(原作もこうなんですけど)

いっそ吉行和子が出てたら面白かったなぁ(^_^;

Posted by: 淳庵 | February 06, 2006 at 01:27 AM

TBいただきました。近いうちそちらにもお邪魔します。

>あのシーンには吉岡秀隆の鬱憤が(^_^;
推測ですが(笑) 子役から名が知られちゃうといろいろ大変なようです

>「古行淳之介」
なんでこの名前なんでしょうね。これじゃ朝ドラにもなった母親の「あぐり」さんが子供を捨てて男に走った悪妻、つーか悪母みたいだ でも母の名は妹の名で・・・ ややこし

Posted by: SGA屋伍一 | February 06, 2006 at 09:48 PM

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Tracked on February 06, 2006 at 01:17 AM

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