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January 23, 2006

ロード・オブ・ザ・コング 一応ネタ抜き編 ピーター・ジャクソン 『キング・コング』

時は20世紀前半・・・ 世界恐慌が人々に暗い影を落とし、シービスケットとシンデレラマンが壮絶な死闘を展開していた時代。金はないけど心の純粋なホビ・・じゃなくて女優アンは、映画監督であるデナム叔父から一つの重大な使命を託された。「はるか南洋の髑髏島に行き、そこにある"コング”を見つけ出せ。コングの力が世に解き放たれたら大きな災いが生じる。そうなる前にエンパイア・ステート・ビルの頂上からコングを投げ捨てるのだ」 アンは言った 「できるかっつーの」

すいません。ウソです。
世紀の大作『キング・コング』を二回にわけて紹介いたします。今回は一応未見の人向けということで。

時は(略)。舞台で糊口をしのいでいたアンだったが、恐慌の波は劇場にもおよび、彼女は失業を余儀なくされる。
彼女に救いの手を差し伸べたのは曲者の映画監督デナムだった。主演女優に逃げられた彼は、たまたま目に留まったアンにその代役を頼む。ロケ先はシンガポール・・・ということで、NYを船出するスタッフ。しかしデナムが船長に告げた本当の行き先は、謎のベールに包まれた絶海の孤島・髑髏島だった。彼らはかの島で想像を絶する脅威を目の当たりにする。

最初に言っておきますが、この映画、主役であるコングが登場するまでにそこそこ時間がかかります。その間にヒロインは偏屈者の脚本家と恋に落ちたりします。じりじりする方も多いことでしょう。「俺は怪獣を観に来たのに!」と。でもやっぱりどんな映画にも最低限のキャラ描写は必要です。それにこうした描写はよく言われているようにPJが単なる怪獣マニアではなく、ちゃんと人間関係が描ける作家であることも示しています。
・・・・と自分を説得するものの、もしかしてPJ、前の成功で大人になっちゃったのかな、と高まる不安。そんなころにようやく船はメインステージである髑髏島に着きます。
そっから先はもうPJの独壇場。怪獣の大売出し、ウルクの大行進、バッドテイストの雨嵐です。不安はきれいにどっかへ飛んで行きました。やっぱPJはPJでした。

時代は20世紀前半。なぜ現代にしなかったかと言うと、まずオリジナルへの敬意のため、という理由があります。PJは本当にオリジナルが大好きなんですね。もう一つは現代では「絶海の秘境」というものがいかにもうそ臭く見えてしまうけれど、その時代ならリアリティが出るんじゃないか、ということのようです。あと、人種差別にひっかからないようにするため、というのもあると思います。十分ひっかかってるような気がしますけれど。

この映画の宣伝、純愛ブームにのせるつもりか、「感動」「涙」「悲しみ」とやらがくどいくらい強調されていました。なんかおかしいと思いません? だって巨大サルの映画ですよ。みなさんは巨大なサルで泣けますか? 大体わたしはあんまりサルが好きではありません。ケンカふっかけられたこともあるし。でもやっぱりPJがすごい怪獣映画を作ったと聞いたら、そりゃ観にいきたくなりますよね。そして観にいったわたしは、インパクト映像の連打にすっかり酔わされてしまったのでした。
で、ご安心ください。意外なことに(笑)この映画は本当に泣けます! たぶん日本国民の半数近くは泣くのではないでしょうか。
だからと言ってパパやママにあたる人は、くれぐれもお子さんを連れて行かないでください。確実にトラウマになります。某三部作もそうでしたが、この人の作る作品は本当に悪趣味と良趣味の交互通行という感じです。

主演にナオミ・ワッツ。ホラーの方の『ザ・リング』で有名ですね。元気一杯のヒロインを好演していますが、実年齢38歳というのを聞いてたまげました。恋人役は『戦場のピアニスト』でオスカーを手にしたエイドリアン・ブロディ。そんな人がなんでまた『キング・コング』に? 単に船が恋しかったのか・・・ってそれは『海の上のピアニスト』か。

最後に豆知識。キング・コングの「コング」ってなんでしょう。当然と言うべきか英和辞典には出ていません。どうも怪獣っぽい名前ということで適当に付けられた名のようです。ただその由来は「金剛明王」から取ったとかなんとか。これ本当かなあ。
「完全ネタバレ」編は近日公開予定。

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Comments

すみませんいささかズレますが。
「コング」は、広東語(だったかな)で「猴(コウ)」=サル(「キンシコウ」といえば孫悟空のモデルのサル)を「KONG」(コン)と発音したことから、西洋人がかなりいい加減に「コング」にした、という話を、確か都筑さんだったか(違ったら都筑さんごめんなさい)で読みました。

Posted by: 高野正宗 | January 23, 2006 at 10:18 PM

どうしたことか、この映画のノベライズを田中芳樹さんが手掛けてるんですよね。
田中版小説コングの抜粋が集英社のサイトで公開されていますが、それがまさに「金剛」に触れた箇所で笑ってしまいました。
こんな作品にさえ中国トリビアを挿入せずにおれない田中先生。
ある意味、ピージャク監督と同類の作家さんなのかもしれません。

さて、手持ちの辞書で引いてみると、「金剛」の北京語ピンインは、"jin gang"。
う~ん、"King Kong"とはだいぶ距離を感じますね。
やはり南方の方言なのでしょうか。
そこで、「中国語方言字音データベース」さんで調べてみます・・・
広東語だと"gam gong"になるんだそうです。
ちょっと近付いてきましたよ。

やはり中華文明は底が知れません。
さらに"King Kong"に肉薄する発音の方言が存在しました。

"kim kong"

これ、台湾語の発音だそうです。
そういや台湾も、南で、島で、森が深くて、変な虫だらけですよ!
なるほど、合点がゆきました。
髑髏島はモルドールかと思いきや、実はフォルモーサだったんですね!

さあ、以上をふまえてぜひ、本作の台湾版公式サイトをご覧ください。
http://www.uip.com.tw/kingkong/

・・・お楽しみいただけましたでしょうか?


あ、映画自体の感想を書くのをすっかり忘れておりました。
次回のエントリーにもお邪魔させてください。

なお、King Kongの語源については、「金剛」説以外にもう一説あるという話をどっかで読んだんですが、どうしても内容思い出せなくて気色悪いです。

Posted by: 秦太 | January 24, 2006 at 01:19 AM

>高野正宗さま
語学的見地から情報ありがとうございます
キンシコウとやらですがこういうhttp://www.aoba.sakura.ne.jp/~momoncyo/zoo/animal_tibetan_sn_M.htm
姿のようですね。似ているといえば、似てるかな。


>秦太さま
こちらも学術的情報ありがとうございます

>この映画のノベライズを田中芳樹さんが手掛けてるんですよね
実は「金剛明王」の件、そのノベライズのあとがきを立ち読みして知りました。田中氏には『創竜伝』という竜王が現代によみがえって・・・という作品がありますが、「あれも怪獣もの」とおっしゃっていたので、やはり相当お好きなようです。

「中国語」というと一般に北京語をさすようですが、ほかにも色々異ヴァージョンがあるようで、語学オンチとしてはまったくチンプンカンプンでございます

>台湾も、南で、島で、森が深くて、変な虫だらけですよ!
>髑髏島はモルドールかと思いきや、実はフォルモーサだったんですね!

そいつは是非台湾に行って巨大昆虫を捕獲してこねば! メガネウラなんかもいたりして。わくわく
で>台湾版公式サイト
・・・そういうオチですか。やられたというか、まんまというか。

わたしとしてはこの「金剛明王説」、正直眉唾もんだと思っているのですが、コングの顔が明王系のいかめしい仏像に似ているのも事実ですね

>次回のエントリーにもお邪魔させてください
お待ちしておりま~す では。

Posted by: SGA屋伍一 | January 24, 2006 at 05:57 PM

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