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November 16, 2005

平成ライダーの六年間を振り返る アギト編①

本コーナーもやっとこ第二作目に突入しました。まずは制作の白倉伸一郎氏と石ノ森章太郎先生の関係についてダベります。

わたくし特撮はそれなりに好きなほうですが、大体気がつくとあまり見なくなっているということの方が多いです。そんなわたしが十代に入ってから、『クウガ』以前に熱心に観た特撮作品と言うと
・仮面ライダーBlack
・五星戦隊ダイレンジャー
・超光戦士シャンゼリオン
・ウルトラマンガイア
と、こんなもんでしょうか。当時はスタッフのことなど気にも留めていなかったのですが、後にこの内の二本が白倉氏によるものであると聞き、なにか因縁めいたものを感じたのでした(←おおげさ)。

さて、それまでの伝統をぶっこわすかのような作風で知られる氏ですが、実はかなり石ノ森章太郎作品をリスペクトしておられるようです。ところでみなさん石ノ森章太郎のヒーロー漫画って読んだことあります? スゴイです(笑)。子供が泣き出すようなひどい展開やオチがてんこもり。例をあげるなら十一人の仮面ライダーによってたかってなぶり殺しにされる本郷猛とか、○○たちを○○してしまうキカイダーとか。
石ノ森先生はテレビでヒーローものの明るいテーマを語る一方、「でも、それだけじゃないんだよね」ということを連載漫画の中で訴えておられました。「悪は怪獣や宇宙人ではなく、人の内から生まれるもの」「たとえそれが正義の裁きだとしても、殺しは罪であり、業である」ヒーローのかっこいい表紙に魅せられ手に取った漫画本から、少年たちはそういうシビアな真実を知らされていったのでした。
『クウガ』は石ノ森作品の明るい面を再現するのに成功しました。しかしもう一方のシビアな面については、誰も語るものがいない。先生はすでにこの世に無く、少年週刊誌では、もはやヒーローものは絶滅状態。それで白倉氏は「自分がやろう」と思ったのではないでしょうか。

もっとも、この石ノ森ダークサイドが全開になるのはむしろ『龍騎』『555』になってからで、それに比べると『アギト』ではまだ幾分柔らかめかもしれません。その代わり、この作品は石ノ森先生が繰り返し挑んでいたあるテーマを柱としています。そのテーマとは「進化」。我々はどこから来て、どこへ行くのか・・・・・ 先生は『サイボーグ009』『ミュータント・サブ』『イナズマン』『リュウ三部作』『ギルガメッシュ』など、多くの作品を通じてその疑問の答えを追求し続けました。『アギト』はその石ノ森作品の定番中の定番とも言えるテーマを、『仮面ライダー』でやってみよう、という試みのもと作られたと言っていいでしょう。たとえばこの『アギト』という名前、クウガの延長でクワガタ=「アゴ」から取られたのでしょうが、毎週のラストカット時に出る文字はもうひとつの意味があることを示唆しています。その文字とはA、G、T、Ω・・・・・ 人間のDNAの配列と同じようで、微妙に違います。つまりアギトとは「進化した人間。もしくは人間以上の存在」を指しているのではないかと。

これはあることから異常な力を手にしてしまった人々の物語です。ある者はその力を制し、ある者はそれに飲み込まれる。また、その力を持たない者たちは、彼らを羨み、かつ恐れます。さらに、その両者の相克を上から見下ろす存在・・・・・
石ノ森作品のひとつ、『アガルタ』にはこんなセリフがあります。
「オマエたち(略)に分不相応の・・・表面だけの不自然な力をもたらした!」「・・・わかるか 赤ンぼうにカミソリを持たせたら自分の指を切る・・・!!」「・・・だからこそ―カレラの種は根絶やしにせねばならん・・・!!」
つまるところ、『アギト』とはそういう話です・・・って全然わからないですね!(ゴラアッ!!)
次回はもう少しわかりやすく、『アギト』のストーリー・コンセプトを解説します。させてください。

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Comments

いよいよ『アギト』になりましたね。
私は平成ライダーはここからなので楽しみです。

いやあ、最初から深いですね。
そこまで深読みする?と最初思いましたが(笑)、
石ノ森リスペクターが作ったという裏事情を聞くと本当に思えてきました。

石森は読んでいるので割と分かり易かったですよ。

Posted by: かに | November 17, 2005 at 09:42 PM

正直かにさまが『アギト』を観ていたとは意外でした。
深読み、私見、妄想乱れまくりですが、白倉氏が石ノ森リスぺクターというのは本当です。彼の著書『ヒーローと正義』を読むと、それもかなりの筋金入りであることがわかります。
例えば『009』の「天使編」については「未完となったが、これはこれで正しいのだろう。その先の物語を、本当に読みたいのかどうか、いまでも自信がない」と語っています。
実は自分は『009』はほんのちょっとしか読んでないんですよね。そんなんで石(ノ)森先生を語るのもおこがましいのですが。

Posted by: SGA屋伍一 | November 18, 2005 at 08:40 PM

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