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October 28, 2005

極めてかもし系 石川雅之 『もやしもん』

今日の朝日夕刊とネタがかぶってしまったのはしゃくだけど、淳庵堂のご主人がおすすめする、この漫画について。

みなさんは○○の存在を信じますか? ○○は我々の目にはなかなか見えないけれど、いつもそばにいて、我々の生活に多大な影響を及ぼしているのです。
ちなみに○○の中に入る言葉は、「霊魂」ではなく、「細菌」です。以前「バクテリア」という語を辞書で調べたら、「単細胞植物のひとつ。うんたらかんたら。細菌」と出ていました。「なら、最初から『細菌』と書けや」と思いましたが、そういえば細菌の定義もちゃんとわかっていなかったりして。
これは生まれながらにして、細菌が肉眼で見えてしまうという能力を持った、沢木直保青年の物語。ただ細菌のそのままの姿が見えるわけではなく、彼の目には菌がこんな風に「moyasimon4.bmp」をダウンロード一風変わったコロボックルのように映ります(左は酒造に使われるオリゼー菌 右は大腸菌)。この個性豊かで可愛い菌たちがこの漫画の魅力のひとつ。さて、そんな直保くんが菌のウジャウジャいる農大に行って、面白くないわけがない。さらにそこには菌に負けず劣らず面白い人間もたくさんいます。

こう書くと『動物のお医者さん』を連想する方もいるかも。確かに雰囲気似ています。ただ、佐々木倫子先生のあのサラサラとしたタッチでは、生き物系の大学の独特な匂いは伝わってきませんでした(だからこそ成功したとも言えますが)。その点こちらはなんせ「発酵」がテーマのひとつですから、画面の端々からいい香りがプ~ンと漂ってくるような、濃い画風になっています(キャラはみんな可愛いのになあ)。
また、役に立つのか立たんのかわからんようなトリヴィアが満載。特に「常時バトルロイヤル状態の細菌たちが、唯一共存していける場所」や、「発酵と腐敗の違い」の答えなんかは、目からウロコがボロボロこぼれおちることうけあいです。

先日めでたく第二巻が発酵、じゃなくて発行されました。菌の出番は多少減りましたが、学校内を騎馬武者や黒い三連星が駆け回っていて、あいかわらずハチャメチャでした。
町の本屋さんじゃなかなか見かけないものの、ひっそりとマスコミの注目を集めるこの漫画、大変オススメです。『イブニング』連載中。今年の流行語大賞は「かもす」で決まり!

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Comments

トラックバックありがとうございます。
こちらからもトラックバックさせていただきました。

>菌の出番は多少減りましたが
そーね。最近、細菌の出番が少ないですね。
・・・コホン。

まぁ、個人的にはもっと菌を出してー!と思ってるんですけど、菌ばっかだと話が進まないですしね(^^;
でも話がなかなか進まないあの雰囲気(におい?)がいいのですなぁ。

Posted by: 淳庵 | October 30, 2005 at 01:29 AM

お返事TBありがとうございます。
2巻は確かに菌のかもしがたりなかった気がしますけど、三馬鹿野朗の暴走ぶりがみごとにツボにはまってしまいました。農大って本当にあんなことやってんのかなあ。一応「フィクションです」とありますけど。

菌ではありませんが、アリと人間の物語が交互に語られ、最後に見事にシンクロする『蟻』という小説があります(角川文庫)。おすすめ。

Posted by: SGA屋伍一 | October 30, 2005 at 07:45 PM

菌類マニア秦太でございます。
 今日は千葉県立中央博の企画展「きのこワンダーランド」を堪能してまいりました。
 んで帰りに例の本屋(淳庵堂サマご参照のこと)に立ち寄り2巻購入してきましたですよ。この本屋さんの名前は2巻欄外のかもし店リストにバッチリ載っております。2巻はちゃんと平積みになってましたので勘弁してやりました(笑)

 このマンガの良いところは、いい感じでデタラメなところだと思います。野外で光学顕微鏡のぞいて即座に「O-157だ」とか、部屋に除菌スプレー噴霧したくらいで虫草菌全滅、とかね。現実には、ありえません。「肉眼で菌が見える主人公」という大虚構に隠れてしまってますが、他の部分でも嘘八百かもして、もとい、かましてます。
 この人、取材にはかなり力を入れてるようなので、そういうデタラメを承知でやってるんですね。歴史物もそうですが、調べた情報に頼りすぎるとディティールに振り回されてしまいがちです。「もやしもん」の場合、お話に邪魔な知識はザックリ捨てて、面白いトコだけ使って薀蓄マンガしてるのがカッコいいです。

Posted by: 秦太 | October 30, 2005 at 11:58 PM

もうひとネタ。
 このマンガに気付かせてもらったのですが、「かもす」というのはとても美しい響きの和語ですね。「かもす」と声に出してみると一層よくわかります。

 作中に登場した「龍神丸」の酒蔵と提携して、石川雅之・講談社公認純米生吟醸酒「かもすぞ」なんてのをホントに売り出しちゃったのも楽しい。いまメーカーホームページ見たら、すでに完売とのこと。大人気ですな。

 しかし皆様、”かもし中”の大学はなにも農大ばかりではありませんよ。よろしければこちらをご覧ください。
http://www.rakuten.co.jp/suginoya/619259/751130/

 樹教授じゃないけれど、美味な日本酒を産み出したのは、きれいな水と、良い米と、醸造技術、そしてそれらを育んだ日本の自然環境と伝統文化です。
 この酒蔵のある糸島半島には、そのような昔ながらの里山環境が残っている地域なのですが、大きな大学が移転してきて、将来もこれを残していけるかどうかの瀬戸際に立っています。大学の内部でも、地域の側でも、いま多くの人が熱心な取り組みを続けています。
 これは、私が福岡時代に少しだけお手伝いさせていただいた、大きなプロジェクトの一環として企画されたお酒です。

・・・あ、別に買ってちょうだいと言ってる訳じゃないんです。てゆうか、私もまだ買ってないですし(←あかんやん)。

Posted by: 秦太 | October 31, 2005 at 12:04 AM

>菌類マニア
菌もお好きなんですね。虫は本妻、菌は愛人。そんな感じですか?

>かもし店
地元では一軒目からぶり、2軒目で一冊だけありました。田舎。
今日O田原市に行ってたんですけど、そこではわりと大きな書店二軒が、けっこうかもされておりました。

>他の部分でも嘘八百かもして、もとい、かましてます
>歴史物もそうですが、調べた情報に頼りすぎるとディティールに振り回されてしまいがちです

専門家の意見は参考になるなあ。こういうスタイル、ある歴史漫画を思い出させます。たしか・・・・『風』が最初に付いたような(笑)

>かもす
いいですね。一般には「かもしだす」という表現の方がよく使われますが。調べてみたら大体同じ意味でした。

>日本酒
『美味しんぼ』で豆腐に関しても同様なことが言われていた気がします。流通のためには仕方ないのかもしれませんが、「本物」もしっかり残していかなくてはいけないのでしょうね。
かく言うわたしも日本酒はあまりうまいと思いません。安いのばかり飲んでるからでしょう。故・中島らも氏の文章で「上物ほど水に近い味」とありましたが、それってうまいのかなあ。

Posted by: SGA屋伍一 | October 31, 2005 at 09:47 PM

>虫は本妻、菌は愛人。そんな感じですか?
まあたしかに、虫はお金もらって獲り、菌はお金使って採ってますから(笑)

Posted by: 秦太 | November 01, 2005 at 12:26 AM

考えてみたらけっこう失礼な物言いだったかな・・・・ ご容赦のほど

作中で川浜という虫マニアが出てきましたが、親しみを感じられたのでは? 秦太さまはあんなに横幅広くなかったですけど。

わたしは友達だとは思ってないですが、自分もけっこう菌には好かれてると思います。沢木くんに部屋を見てもらったら、きっとスゴイことになってるんだろうなあ。

Posted by: SGA屋伍一 | November 01, 2005 at 10:02 PM

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最近、コウジカビのファンなのです。 あー、でも乳酸菌もいいなぁ。あのチョンマゲのコ○助みたいなやつ。 [Read More]

Tracked on October 30, 2005 at 01:20 AM

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