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September 02, 2005

ミュンヘンへの道 荒川弘・水島精二 『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』 

いきなりテレビ版のラストをばらしてます。現在深夜の再放送を楽しみにしている方は飛ばしてください。

シリーズ終盤で、我々の世界とつながっていることが明らかにされた「錬金術」世界。主人公エドは弟の体を取り戻すことに成功するが、その代償としてこちら側の世界に、一人飛ばされてしまう。兄と弟はいつか必ず再会することを心に誓い、テレビ版は幕となりました。
で、劇場版。エドが飛ばされた先は、第一次大戦後の欧州。なりゆきでドイツはミュンヘンに滞在していた彼は、トゥーレ協会なる団体の陰謀に巻き込まれる。その陰謀とは、あちらの世界との道を開き、それによりナチスに政権をとらせんとするものだった・・・・ クーデターにオカルトめいたものの助けを借りようなんて、それこそファンタジーですけど、実際ナチスは神秘学にかなりの情熱を傾けていたそうなので、なかなかうまいところに目をつけた、というとこでしょうか。
テレビ版ではやんわりと訴えられていた「現実と向き合え」というテーマが、今回はかなり前面に出ています。1920年代のドイツは長引く不況、他国との緊張、右傾化していく世論・・・・と、今の日本とやや重なるところがあります。ひょんなことから知り合うことになった映画監督フリッツ・ラングを、「空想の中に逃げ込んで、起きていることに目をそむけるのか」ととがめるエド。かなりのオタクであると思われる會川くん(脚本)に、「そんなこと言われたくないな」とは思いますが、そのメッセージには頷けるものがあります。わたし自身マンガ・アニメ大好きでありますが、それにのめり込みすぎて、現実とのバランスを失わないよう気をつけんとな、と感じました。

先に述べたように、一応過去の現実世界を舞台にしているため、実在の人物の名もチラホラ出て参ります。この時代のドイツに興味のある方は、けっこう楽しめる・・・・・かと思うんですが、一方でやっぱりテレビシリーズを見てないとキツイかな、という気もします。なんせテレビ版で生き残ったキャラのほとんどが登場するうえ、彼らに対する説明がなんにもないものですから。まあテレビ版をがんばって一年見た人が一番楽しめるというわけです。もっともこの「付けたし」が良かったかどうかは、各人の判断にゆだねるしかないでしょう。わたしとしてはあってもいいし、なくてもいいかな・・・・というまことに優柔不断な立場。どうしてアナタっていつもそうなの? キライ!

失礼すますた。それにしても一度止まったはずの物語がまた動き出す、というのは感慨深いものですね。最近はそんなに珍しくもないですけど。個人的にアニメ作品で印象的だった例と言うと、『エヴァ』『ガンバとカワウソの冒険』『明日へフリーキック』というとこでしょうか。『エヴァ』はともかく、他のふたつはそう知ってるひとはおらんでしょうな。記事タイトルの元ネタも。

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