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September 25, 2005

いまだに大河ドラマ『新選組!』を振り返ってるよ!のコーナー⑧ 藤堂平助の巻

今回は「試衛館マスコットボーイズ」の片割れ、藤堂平助くんについて。

ブーム以前、近藤・土方・沖田以外にスポットがあたることはめずらしいことでした。そんな「その他大勢」の中でも、平ちゃんはさらに影が薄い存在だったような気がします。それでもごくたまにある、物語における平ちゃんの描写を拾って行きますと
・育ちがいい ・冗談好き ・学がある ・伊東に心酔していた
こんな感じでしょうか。
しかしの三谷さんが目をつけたのは上のどれでもない、「意外に若かった」という要素。そこから「同年代の沖田に憧れと嫉妬をいだく、心優しい青年」のスケッチが出来上がったようです。

さて、平ちゃんはわたしの予想を二度にわたって裏切ってくれた、にくいあんちくしょう、でもございます。
一度目は前述したように、沖田との関係において。前半ひでちゃんに懸想しているような描写がいくつかあったので、もしかして新選組を離れる原因は嫉妬が高じて・・・・・となるのかな、と。しかし平助はねたみに駆られて嫌なキャラになるということはなく、最後までいいヤツのままでした。これはまあ、裏切られてよかったです。
二度目は第40話に関して。実はわたし、たまたま早い段階で、第40回のサブタイが「平助の旅立ち」となることを知ってしまったのです。それで「40回っていやあ、たぶん油小路のあたりだよな。ひょっとすると平チャンはなんとか生きのびて、どこかへひっそり旅立つのかな」と。しかし結果はみなさんご存知の通りです。無論そんな風に史実をねじまげた話にしたら、さらに多くの抗議が殺到したことでしょう。でもできることならわたしはそうして欲しかった。それくらい、彼の最後は痛ましいものだったので。

演じるは歌舞伎出身の中村勘太郎くん。そちら方面ではいまも熱心に活躍されているのでしょうけど、いまだに『組!』以外で彼を観たことがありません。
で、彼の家系をたどるとこれがすごい。まずお父さんが元勘九朗の現勘三郎。おじさんが孝明陛下の中村福助。さらには弟が『ラスト・サムライ』の明治陛下・・・・ とまるで擬似天皇家といった感じであります。彼が平助に選ばれた理由のひとつは、こういう「生まれの良さ」にあるような気がします。

恒例の名場面集です。
・「すいません~」と謝るシーン。特に前半は彼が謝るシーンがやたらと多く、「腰の低いやつ」というイメージが定着してしまった。
・前にも書いたけど第5話。「わたしの名前を覚えていてくれた!」哀しいよな・・・・
・第7話。夜の宿場町を沖田と二人語らいながら歩いている場面。お互いの悩みを打ち明けあうボーイズ。これが青春です。
・第18話。嬉々として親睦相撲を仕切る平ちゃん。野口くんと仲良くなったりとか、「わたしには命を投げ出してもいい方が二人いて・・・・」のセリフとか、けっこう重要なエピソード。
・第24話。ひでちゃんをデートに誘い、珍しくいい目みてるなあ、と思ったら、帰った途端彼女は沖田の方に。あんまりです。
・第26話。沖田のホッペについた米粒をとってあげるひでちゃんを見て、真似してみたが・・・・ だから哀しいんだよ、チミは。
・第27話。京都が火の海になるかどうかという時に、沖田の名を騙って芸者遊び。しかも局長にばれてしまう。でも局長はこのとき「お前はに比べればあいつはまだまだ子供だ」と、なかなかいいことを言っている。
・第28話。池田屋突入。ちょっと一息♪、と額当てを取った瞬間、背後からガスッと斬り付けられるシーン。痛そうなんだけど、やけにさわやか表情でした。
・第40話。別れを前に沖田と語り会うシーン。「今度は負けません」「せめて。相打ちに」後のことを思うと辛いです。例の隊服を贈られるところも印象深いです。
・第43話。「またひとり、逝ってしまった・・・・・」

地味、低姿勢、もてない、不器用というあたり、平ちゃんは試衛館でもっともわたしに近い人物でありました。そんな彼から学んだ事は「命をあげてもいい人は、せいぜい一人にしておこう」ということ。だって命はひとつしかないわけですから。

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Comments

こんにちは。
あ、忘れてました。まだこの人がいたのね(笑)とのっけから本質を衝いて?いやいや失礼。
へーちゃんについては、本当にSGA851様が書かれてる通りですね。もう結末がわかっているから最後の方は進むのが哀しかったですね…でも、短かったな、油小路(笑)あのへん、一番シワヨセで。逆に言えばあのスケジュールの中でやっぱりへーちゃんだけはおいしかった(笑)
私個人としては、へーちゃんというより本当にこの人は勘九郎(当時)の息子の勘ちゃんです。
弟の七ちゃんと一緒に、子供の頃から何度もドキュメンタリーになってたのをご存じですか?それこそ、有名俳優の息子兄弟ということで、「五つ子ちゃん」並に(笑)
で、勘ちゃんは小学校の高学年ぐらいの頃は、肥満児だった(笑)まず、これがよくあそこまで痩せたなあというのが最近の感慨。
この兄弟、デビューは「二人桃太郎」という無理矢理な演目で(笑)この時は父親は勿論叔父さんも出演。おじいさんの勘三郎もだったかな。
勘ちゃんは小さい頃から立役でいく、と言っており、弟の方は「きれいな着物が着られるから女形もいーな♪」と言っていた記憶があります。TVデビューは弟の方が早いし明治天皇のような大役(これは、出自と関係なくオーディションで)もありますが、私はお兄ちゃん派です(笑)そういう意味でも、ほぼ1年、お兄ちゃんの方が頑張っていたのは嬉しかったですね。
お兄ちゃんといえば、叔父さん兄弟(母好江の弟)=福助・橋之助も立場が似ていて、奥さんが芸能人だったりTVには橋之助の方が沢山出てたりしますが、これも私はお兄ちゃん派で(笑)(児太郎時代からのファン!)、継ぐものの大きさが全く違うんですよ、この女形の兄は、父(人間国宝・芝カン)を飛ばして多分大叔父の大名跡「歌右衛門」を継いで7世になるんじゃないかな。これはこれで、次男というのも大変な世界です。
ともあれ、兄福助の方も昨年夏は映画に出たり、今年は「歌舞伎役者探偵」という2時間シリーズも始まったし(笑)どうもそういうキャラになりそうです…。(息子さんと共演してまして、この息子さんも随分大きくなりました)もちろん、舞台の方も、相手役が弟の時が一番燃えてるような(アリャ?)。
兄弟は続くもので、橋之助にも息子が2人。
歌舞伎の家は跡継ぎあってナンボ。
吉右衛門は……確か娘4人……
さてこの勘ちゃんは愈々父上も勘三郎となり、息子も一層精進ということで…どうも弟の方はフラフラし気味?へーちゃんの役通り、割と兄ちゃんはしっかりしてるみたいなんですけどね。まぁ頑張ってほしいものです。

こんなサイトもありました。
http://www.mypixel.co.jp/kabuki/nakamura/info.html

Posted by: 高野正宗 | September 25, 2005 at 12:25 PM

連続すみません。しかも本題とは無関係な部分で補足。
「歌右衛門」の名跡については、不世出の大女形である前の6世が非常に長生きをしたのと、甥にあたる芝カン(しかん)はそれはそれでもう長い間すごい女形なのです(私、この人の「弁慶上使」で泣きました)。この方ももう年も年なので、順番から言うとこの人が継いでもいいのですが、まあもう今更継がなくても…ということで、息子の福助に行くのかなと。
誰がどうなるのかというのはまさしく出世魚なので、チェックしてないとわかんなくなるのがこの世界…
ここのところ襲名ブームですが、次の襲名ブームは勘ちゃんか福助と見た!?

Posted by: 高野正宗 | September 25, 2005 at 12:31 PM

毎度ありがとうございます。歌舞伎の世界はほとんど知らないので助かります。

で、周囲に気を使う兄とマイペースの弟ってやっぱりよくあるパターンなんですね・・・・ 
子供時代のVTR、そういえば見た気がします。ご存知でしょうけど、七之助くんは『真夜中の弥次喜多』でいろいろヤバイ役をやっていました。あれはやっぱり勘太郎くんでは似合わないだろーなー。
実際兄弟仲がどうなのかはしりませんけど、某相撲部屋のようにならないで、家庭円満でがんばってほしいものす。
福助さんも実はこの作品で名前を知りました。無知ですいません。

>舞台の方も、相手役が弟の時が一番燃えてるような(アリャ?)。
「弟に(演技で)負けてなるものかー!」
「おれだって兄ちゃんには負けーん!」
という感じでやっているんでしょうか(笑)

サイトの方もチラッとみました。「勘三郎」って相当長いこと受け継がれている名前なんですね。この「襲名」というのも日本ならではの風習なのかな?

Posted by: SGA屋伍一 | September 25, 2005 at 09:06 PM

>「弟に(演技で)負けてなるものかー!」
>「おれだって兄ちゃんには負けーん!」
福助と橋之助の場合違った意味で熱いような気がします。福助は女形なので……。一昨年二人がからむ芝居を見ましたが、福助はとても美人でした。
橋之助は毛利元就をやってましたね。大河では。

油小路の回、台湾で見ました。台湾でも見られるのは衛星放送のおかげですね。
もう、去年の秋のことになるのですね。はやっ!

 平ちゃんには関係ないけど、10月は名古屋の顔見世、勘三郎の襲名披露です。兄弟二人とお父さんの連獅子が見られます。2階席の奥の奥の席ではありますが、生で平助もとい勘太郎を見てきます。お父さんにそっくりの七之助も生で見られる。目当てはもちろん勘三郎なのだが。

Posted by: kakakai | September 25, 2005 at 10:37 PM

重ねて失礼。
新選組ネタですが、23日は会津まつりで副長が行列参加したらしいです。
正月番組の撮影も始まったらしいですし、タイトルは「新選組!!~土方歳三 最期の一日」。
水曜日の夜、NHKの再生番組の最初の方で土方、斉藤、松平公の3人がなにやらしている場面が流れました。

Posted by: kakakai | September 25, 2005 at 10:48 PM

>福助と橋之助の場合違った意味で熱いような気がします

そうですか・・・・ なんだか危険な世界に足を踏み入れてしまいそうな・・・・ そういう見方は不純でしょうか。

現勘三郎氏を最初に意識したのはドラマSP『森の石松』だったかな。ほとんど見ませんでした大河『元禄繚乱』の主役でもありましたよね。

>10月は名古屋の顔見世、勘三郎の襲名披露です。

以前「まねきあげ」についてもレビューされてましたよね。楽しまれてきてください。

情報もありがとうございます。
>「新選組!!~土方歳三 最期の一日」。
どうやら間をすっとばして、いきなり五稜郭陥落をやるようですね。本編のスタイルを崩さないのはいいけれど、やはりその間も見たかったような。
>最初の方で土方、斉藤、松平公の3人がなにやらしている場面が流れました。
アヴァンタイトルでしょうか? あ、斎藤もでるんだ。付き合いいいな、今回は。

Posted by: SGA屋伍一 | September 26, 2005 at 09:14 PM

ほとんどのキャストの続投が決まるなか、榎本だけは交代し、歌舞伎界より片岡愛之助さんがご出演とのこと。
梨園の事は、私さっぱりなんですが、複雑な姻戚関係で結ばれていて、数代遡ればみんな親戚なんだとか聞きますね。
面白そうなんでネットで系図を調べてみたら、おお!ほんとに繋がってますよ。
平助の、ひい爺さんの、義兄の、ひ孫の、養子が、二代目カマ次郎。
・・・それって、もう他人だ。

Posted by: 秦太 | September 27, 2005 at 12:32 AM

こちらも情報ありがとうございます。クサナギくんは交代ですか。彼、忙しそうですしね。

>数代遡ればみんな親戚なんだとか聞きますね。

はあ。となると「市川」とか「中村」とか名字が違ってもどっかでつながってるわけですね。まあ人類の祖先はみな一緒らしいですけど。

>・・・それって、もう他人だ。

嘉門達夫の『法事ソング』を思い出します。
♪親父の弟の嫁の兄貴の息子の従姉妹なんぞもやってくる 
こねーよ(笑)

Posted by: SGA屋伍一 | September 27, 2005 at 10:03 PM

>大河『元禄繚乱』の主役でもありましたよね。
「新選組!」スペシャルのDVDに「勘九郎劇場」に局長が出た時の回が収録されていたのですが、勘九郎丈は慎吾ちゃんがほかの仕事をキャンセルすることなく大河の主役をやったことに恐れ入ってました。勘九郎丈は、大河の主役をやった1年は歌舞伎をお休みしたそうです。
ちなみに『元禄繚乱』で大石主税の役をやったのは勘太郎……ではなく、七之助でした(平助がやったと思ってこれを書き始めたのだけれど、調べてみたら違っていた)。

Posted by: kakakai | September 28, 2005 at 08:30 PM

>勘九郎丈は慎吾ちゃんがほかの仕事をキャンセルすることなく大河の主役をやったことに恐れ入ってました。

三谷さんのエッセイによると平均睡眠時間二時間ということですから。彼の場合「まだ若いから」というのもあるでしょうけれど、体は大事にして欲しいですね。

>ちなみに『元禄繚乱』で大石主税の役をやったのは勘太郎……ではなく、七之助でした

知りませんでした・・・・ しかしわたしにはどうしても、あの金髪の喜多さんしかイメージできません。

Posted by: SGA屋伍一 | September 28, 2005 at 10:02 PM

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