« 三脚カメラ、地球を征す スティーブン・スピルバーグ 『宇宙戦争』 | Main | 闘猫伝説 HARD PUNCHER モン吉 第7話 »

July 25, 2005

いまだに大河ドラマ『新選組!』を振り返ってるよ!のコーナー⑤ 永倉新八の巻

今回は女性陣の反響がいまひとつのような予感もしますが、新選組の「アニキ」、こと永倉新八つぁんについて語ってみたいと思います。
永倉さんという方は資料がたくさん残っているわりには、作り手によってけっこうアレンジの異なる方でございます。パッと見ですが、漫画『PEACE MAKER鐵』では短髪のやんちゃ坊主のように書かれていました。単に気のいいあんちゃんみたいに書かれているものもあります。そのどれもに概ね共通しているのは、裏表のない真っ正直な性格であるということ。時代劇でいうなら、遠山の金さんか一心太助といったところでしょうか。実際、三谷さんが今回永倉に託したイメージは「子供が憧れるようなヒーロー」というものだったそうです。確かに若いに似合わず、度胸と実力を兼ね備えた永倉像は、まさしく“正義の用心棒”と言った風でございました。
で、彼のまっつぐな性格がはっきり表れたのが、第30回「永倉新八、反乱」。自分は人より多く分け前をもらっているのに、「公平でない!」と怒る。野球に例えるなら攻撃側なのに、「いまのはアウトだろ!」と審判に喰ってかかるようなもんです。まっこと男子の鏡といえるのではないでしょうか。
前述のエピソードもそうですが、その気性ゆえに新八つぁんは組の拡大化のため「変わらざるをえない」局長&副長とたびたび対立することになります。この辺、第1部の家族的な雰囲気を思い出すと、なかなかに辛いものがあります。結局最後は喧嘩別れのように組を飛び出してしまうわけですが。
しかし新八さんは後年、新選組のイメージアップに務め、JR板橋駅にあるでっかい墓碑の設立などにも尽力したといいます。ぶつかりあうことはあったけれど、ココロの底では深くつながりあってたのね・・・・ うふ。

今回永倉を演じたのはお笑いコンビDonDocoDonの山口智充さん。わたしが彼を知ったのはクドカンのドラマ『木更津キャッツアイ』の山口さん(まんま)役。ヤクザという設定だったのでちょっと強面だな~、というのが第一印象でしたが、その後『ワンナイ』などで本当に芸達者なかたであることを知り、イメージが変わりました。歌もうまいし。で、今回はまたガラッと変って重厚な演技を披露。ただただ感心するばかりです。だけど最近ちょっとCMで荒稼ぎしすぎですよね(笑)。相方のことも考えたって!

印象深いシーンを。
・第2話。近藤・土方と初めて対面する場面。歴戦の兵と思いきや実は・・・・「年下かよ!」
・第6話。「あなたにこんなことはしてほしくない!」と訴える近藤の心に打たれ、仲間たちを敵に回すシーン。うーん、青春ですな~!
・何話か忘れましたけど、親友宇八郎のために、隠れて大工のバイトをしてるシーン。その格好が似合ってしまうところがまたなんとも。
・第12話。根岸友山に声をかけられたあと、手元を見ずにパチン、と刀を鞘に納めるところ。これ、けっこう難しいらしいです。
・これも何話か忘れましたけど、お梅さんに「永倉さん、好きかもしれん」と言われ、つい胸筋が反応してしまうシーン。ムッツリスケベの疑惑浮上。
・第22話。嬉々として原田と相撲大会のチラシを配る場面。「おれたちは別に(プライドとか)気にしないもんね~」。こういうこだわりのなさが、彼を明治まで生きながらえさせたひとつの原因だったかもしれません。
・第32話。原田と(またか)山南さんを逃がすためにわざとらしく芝居をするところ。なんか楽しそうでした。
・第39話。皆を家に呼んで、新妻とのおノロケをえんえんと見せつけるシーン。少々腹が立たないでもないが、この時彼が「おれは副長とじっくり飲みたいんだ~」と、土方を引き止め続けたおかげで、周平ちゃんは命を永らえることに。よしとしましょう。
・第43話。何度も立ち向ってくる平助に対し、悲しげに首を横に振るシーン。
・第47話。「もう我慢ならん!」とばかりに組から離脱する場面。やや唐突に感じられたが、この直前に奥さんを亡くしたり、本命が自分でなかったことがわかったりで、彼もいっぱいいっぱいだったのかも。
・最終話。「あの人を悪く言っていいのは・・・・ 俺だけだ!」

近藤と共に試衛館を発った八人の中でも、池田屋に最初に斬り込んだ四人の中でも、維新の嵐をくぐり抜けて天寿を全うしたのは彼だけです。多少のラッキーはあったでしょうが、これってかなりスゴイことなんじゃないでしょうか。そして彼が多くの記録を残してくれたおかげで、わたしたちは新選組について詳しく知ることができるのです。折りよく『歴史読本』最新号の特集は「永倉新八と『新撰組顛末記』の謎」となっております。ご興味おありの方はどうぞ。


|

« 三脚カメラ、地球を征す スティーブン・スピルバーグ 『宇宙戦争』 | Main | 闘猫伝説 HARD PUNCHER モン吉 第7話 »

Comments

どうもこんばんは。
いつも詳しい解説、お話ありがとうございます。
楽しく読ませてもらってます。
(コメント返信いれておきました)
永倉役がはじめぐっさんだと知った時
全然イメージが違うと思って心配をしてたんですけどやっぱり正解の気がします。
おもしろかったです。
実際の永倉本物は史記を残してますが
どれが本当の話なのかハッキリしたいのが
本音です。
SGA星伍一さんはどう思います?

Posted by: ブログ姫 | July 26, 2005 at 03:01 AM

私は「新選組!」を見るまで、永倉新八という人の存在を知りませんでした。
だから、ぐっさん=永倉新八……いや逆だ、永倉新八=ぐっさんです。
前にも書きましたが、新選組を勉強するために、本を3冊買いました。

新選組始末記、新選組三部作 新選組遺聞、新選組日記

これまでに読んだ本もそうですが(とはいえ司馬遼太郎も浅田次郎も好きな作家なのでいずれは読んでいたかもしれないけど)、この3冊は、絶対に「新選組!」を見ていなかったら、読まなかったと思います。子母沢 寛という作家の存在すら知らずにいたかも。というわけで、「新選組!」以外の新選組を少しずつ知っていきたいと思っております。

ちなみに私のぐっさんの初見は記憶が正しければ、明石家アパート物語だった。
すっごく物まねがうまいという印象だった。
全然時代劇のイメージじゃないと思ったけど、今は逆に、なんで永倉さんがお笑いやってるの? と思ってしまう(電話のCMくらいしか見てないけど)。

Posted by: kakakai | July 26, 2005 at 08:11 PM

>ブログ姫さま
拙文ほめてくださってありがとうございます。
>永倉役がはじめぐっさんだと知った時
全然イメージが違うと思って心配をしてたんですけど
失礼ながら、わたしは永倉氏の存在は知っていたものの、顔がなかなか思い浮かばず、なんとなく原田とイメージがかぶったりしていました。で、今回このドラマを観て、Kakakaiさまと同じく、ぐっさん=永倉になってしまいました。実際はもう少し適当な性格だったのでは、と思いますが。
>実際の永倉本物は史記を残してますが
どれが本当の話なのかハッキリしたいのが
本音です。
『新撰組顛末記』と『浪士文久報告記事』のふたつがあるようですね。前者は記者のインタビューによるもの、後者は本人の手記、ということなので、『浪士~』の方が信憑性が高いのでは、と思いますが、自分もそれほど詳しく調べたわけではないので、正確なところはなんとも。


>Kakakaiさま
>子母沢 寛
司馬氏とならんで新選組のイメージアップの功労者ですね。しかし実録のように書いておいて、創作もけっこう混ぜちゃっているそうなので、研究者たちを大いに混乱させてくれたそうです。ハナから「小説」と割り切って読むほうが楽しめるかもしれません(モトよりそのつもりでしょうか)。他には勝海舟を主人公にした『親子鷹』が有名ですね。
>私のぐっさんの初見は記憶が正しければ、明石家アパート物語だった。
あ~、そういえばなんかいたような。でも何をやっていたかは覚えてなかったりして。さんまの「意味ないじゃーん」とかは覚えてますけど。
>すっごく物まねがうまいという印象だった。
西城秀樹の歌の真似は、本当そっくりです。自分もさらに真似してみましたが、むずかしくて諦めました。

Posted by: SGA屋伍一 | July 26, 2005 at 09:07 PM

全然関係ないですが、今日、偶然(岡八郎ーーご冥福をお祈りいたしますーー関係のブログをうろついていて)、いまだに新選組! に関して書いてるブログを見つけました。そこはどちらかというと、出演者中心だったりするのですが、そこにも、「歴史読本」を取り上げていました。
ちなみに「新選組日記」は「永倉新八日記・島田魁日記を読む」という副題の付いた新書です。

Posted by: kakakai | July 26, 2005 at 10:17 PM

ひょっとして、次回は島田? いや、本文から察すると原田?
二人とも(原田はビミョーですが)、組がなくなってからも生きながらえた方たちですね。

Posted by: kakakai | July 26, 2005 at 10:19 PM

正直言うと『歴史読本』なる雑誌はいつも素通りしているのですが、今回は読まねばならんかな・・・・ 立ち読みでも(コラ)
『顛末記』と『浪士文久~』と他の資料の食い違いをつっこんだ内容ではないかと思われます。
>「新選組日記」
ご無理でなければ後日レビューしていただけると嬉しいです。
>次回は島田? いや、本文から察すると原田?
え~。実は次回は「こいつは違うだろ」という人を予定しております。ご寛恕のほど。

Posted by: SGA屋伍一 | July 26, 2005 at 10:29 PM

↑を見て一番最初に浮かんだ顔は眼鏡のオカッパでした。

Posted by: kakakai | July 27, 2005 at 11:10 PM

違います(笑)
「この人をやって!」という意見も、たぶん・・・・ないはず。
いや、わたしはキライじゃないですけど。

Posted by: SGA屋伍一 | July 28, 2005 at 07:31 AM

こんにちは~!TBありがとうございます。
早速お邪魔させて頂いてます。

永倉新八的「組!」考察、素晴らしいですね~♪
記事を読んでいると、その場面がフラッシュバックしてきます。
こうして見ると、新八さんったら本当にいい奴ですよねー。
一本気で揺るがない。ぐっさんの新八、最高でした。
油小路と最終話のあのセリフだけで号泣できますよ…。
歴史読本の新八特集も良かったですよねvv

Posted by: Aki_1031 | November 23, 2005 at 01:01 AM

>こうして見ると、新八さんったら本当にいい奴ですよねー。
そりゃあもう、新選組の「アニキ」ですから。
三谷さんもぐっさんのことを、「年下なんだけどアニキのように思えてしまう」というようなことを語っておられました。
ただわたしは近藤とはそれなりにわかりあって、という感じで別れてほしかったんですけどねー(泣)

>歴史読本の新八特集も良かったですよねvv
そうでしたね! って内容ほとんど忘れてる・・・・・
内山彦次郎暗殺は実は組の仕業じゃないかも、みたいな記事があったような。

Posted by: SGA屋伍一 | November 23, 2005 at 10:27 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70832/5148726

Listed below are links to weblogs that reference いまだに大河ドラマ『新選組!』を振り返ってるよ!のコーナー⑤ 永倉新八の巻:

» 新選組史跡巡り〜会津編〜 [ブログ姫日記]
またまた新選組ゆかりの地へ。 今回は新選組や白虎隊が悲しい歴史を辿る事となる 福島県会津若松市です。 何だか冬だった事もあり悲しくて涙がでました。 特に飯盛山は本当にかわいそうでかわいそうで・・・ 当然お泊りで行ったけどまだまだ見たりないものがありました。 まず阿弥陀寺へ。 ここには新選組の中で一番か二番と呼ばれていた剣士 そして会津を愛した隊士 斉藤一のお墓が ひっそりとありました。 次に向かった先は清水屋旅館跡です。 ここには土方様も泊まったとか・・・ ... [Read More]

Tracked on July 26, 2005 at 03:04 AM

« 三脚カメラ、地球を征す スティーブン・スピルバーグ 『宇宙戦争』 | Main | 闘猫伝説 HARD PUNCHER モン吉 第7話 »