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July 09, 2005

亡国のタイムスリップ 福井晴敏・手塚昌明 『戦国自衛隊1549』

福井晴敏三部作?の第2弾。半村良原作で1979年に公開された映画『戦国自衛隊』のニューヴァージョンです。
磁気の異常発生に関する実験をしていたところ、うっかり戦国時代にタイムスリップしてしまった、的場一佐率いる自衛隊の一部隊。彼らが過去でなにやらやらかし始めたため、平成の現代に世界消滅の予兆である虚数空間の穴「ホール」が生じてしまう。現実世界を危機から守るため、自衛隊はかつての的場の部下・鹿島を含む特殊部隊を、新たに過去へ送り込むが・・・・ というストーリー。

オリジナルも一応観た事あります。(以下ネタバレあり)戦国時代に来てしまった自衛隊の方々は「自分たちが過去に送られたのには、何か意味があるに違いない」と考えます。それなら思い切り歴史に介入しちゃれ、とばかりに、近代兵器でもってバカスカ騎馬武者たちを蹴散らしてしまう千葉ちゃんたち。けれど結局は後ろ盾の裏切りにあって全滅。意味など全くなかったという、ニヒリズムとヴァイオレンスに満ちた70年代テイスト炸裂の作品だったと思いました。
出だしは同じですけど、それに比べると今回はかなり健康的というか、オーソドックスなタイムスリップものになっています。何せ原作のお二人が、非常に前向きな作品ばかり作っておられる方たちゆえ。自分としてはオリジナルよりも、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』に近い空気を感じました。
まあ、はっきりいってバランスの悪い作品です。登場人物の行動が一貫していなかったり、「自衛隊の存在意義を問う」という福井ちゃんの悪い癖が出てきたり。それに目をつぶることができれば、あとはまあまあ楽しめるんじゃないでしょうか。「細かい矛盾は気にせずに、勢いでなんとか盛上げれ!」そういう姿勢は紛れもなく角川映画ですね。「時間修正もの」のキモというのは、「あるリミットがあって、それまでに命題を達成しなければならない」・・・・その点でいかに受け手をハラハラさせられるか、そこにあります。この『1549』も、そういう点では及第点にいってるのでは。特にオリジナルの例もあるので、全滅エンドも十分に考えられる。そんなことも考えながら観ていると、けっこうハラハラいたします。

役者陣でいうと、一際輝いていたのがハル様一押しの北村一輝。的場隊と交換のような形で現代に来てしまい、また過去に送り返される侍の役です。江口洋介、鈴木京香、鹿賀丈史、みなさん「計算どおり」の演技ですが、北村氏に限っては計算以上というか、「モノホンの戦国武者ってこんな感じかな」と思わせるだけの説得力を有しています。あとこの映画で貴重なのは、それなりにカッコイイ生瀬勝久が観られるということ(笑)。こんな生瀬氏は、果たして今後見られるかどうかわかりません。
他に見所というと、自衛隊が全面協力しているため、ミリタリーファンはそのあたり楽しめると思います。

この記事を書くにあたり公式サイトを観ていたら、なんと早くもハリウッド版の製作が決定したとのこと。タイトルは『サムライ・コマンド・ミッション1549』 ・・・・・B級の香がプンプンいたします(笑)

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Comments

こんばんは。
丁度今日会った友人が、「面白かった」と言ってました。そうか~。戦車がどっかんどっかんだとまろ様がお楽しみになれそうですね。
私はどうかなぁ。ちょっと賭けかな。
でもハリウッド版は…うん、B級(笑)もちろん、うまくいくといいんですけどね、あくまで元は日本のものだから。

Posted by: 高野正宗 | July 09, 2005 at 09:18 PM

>北村一輝
浮いていたのではなく輝いていたのですね?(喜)
それを聞くと見てみたい気もしますが、邦画となるとつい映画館から足が遠ざかっちゃうんですよ。いつもの様にビデオ鑑賞になりそうです。もちろん彼が主演なら(←ありえませんが・笑)顔を見る為に行ってたかもしれませんが(苦笑)
>江口洋介、鈴木京香、鹿賀丈史、
硬派の江口洋介だから、きっと綺麗にまとまってるんでしょうね。この役を北村氏がやったら・・・、って危な過ぎかな?
>『サムライ・コマンド・ミッション1549』
忍者がまたいっぱい出てくるのかな(笑)
>B級の香がプンプンいたします(笑)
真剣に笑えるB級なら、ビデオ?で見てみたいです☆

Posted by: ハル | July 10, 2005 at 01:58 PM

>高野正宗さま
>戦車がどっかんどっかんだとまろ様がお楽しみになれそうですね。
そうですね。坊やの名前忘れちゃった(笑) たぶん自分も忘れられてるだろうけど。
>ちょっと賭けかな。
賭けですね。船は出てこないので、高野様向きじゃないかな。今度は『戦国帝国海軍』が作られるといいですね。

>ハルさま
>邦画となるとつい映画館から足が遠ざかっちゃうんですよ。
金のかけ具合では、ハリウッドにゃかなわないですからね。まあドラマ部分はともかく、特撮はがんばってました。
>この役を北村氏がやったら・・・、って危な過ぎかな?
「歯向かうやつらは皆殺しだ! イヒヒ♪」って感じでしょうか(お許しを)。まあ今回の彼は、礼節を重んじるなかなか渋い役どころでしたけど。
そういえば>江口洋介、鈴木京香、
あと生瀬勝久。この三人、去年どっかのドラマで微妙に共演してましたね。

Posted by: SGA屋伍一 | July 10, 2005 at 09:53 PM

こんにちはSGA651さん。

『戦国自衛隊1549』観に行かれたのですか。
私は、劇場予告を何度も見せられた時に、既に気持ちが引いちゃって、金払ってまで観にいく映画ではないな、っていう気持ちになりました(^^;;;;

それに、自衛隊のタイムスリップ話という点でも、現在は、かわぐちかいじ氏の『ジパング』に嵌っている私としては、なんで今更『戦国自衛隊』のリニューアルなのか?に意味性を感じられず…(^^;
(福井さんの原作も読む気になれなくって読んでいません(^^;)

>北村一輝
いいですねぇ~。
TVドラマ『あなたの隣に誰かいる』において、北村一輝が凄くいい味だしていて、印象に残り北村一輝という役者を認識するようになりました。(役どころは限られるタイプのような気はしますが)

Posted by: a_bee | July 12, 2005 at 12:00 PM

a_beeさま、こんばんは。
>金払ってまで観にいく映画ではないな、っていう気持ちになりました(^^;;;;
強いてお勧めはしません(笑) わたしも行こうかどうか迷ったのですが、たまたまヒマができてしまったので。とりあえずモトはとったかな、ってとこです。

>なんで今更『戦国自衛隊』のリニューアルなのか?
なんでなんでしょうね~ 根強いファンがいるのか、それこそ『ジパング』にインスパイアされたのか・・・
「自衛隊全面協力」という点では映画『ULTRAMAN』が良かったです。戦闘機ってジャンボに比べると「小さい」という印象がありますが、これを観て「戦闘機だってけっこうでかい」ことがわかりました。a_beeさまはヒーローものとか好みでないかもしれませんが・・・・ 板野一郎氏も参加されてます。

>>北村一輝
いいですねぇ~。
ファン多いなあ、この人。やはりあの視線に、みなさんただならぬものを感じるのか。どこぞの映画評も、作品は酷評してましたけど、この人だけ誉めてました。

Posted by: SGA屋伍一 | July 12, 2005 at 10:01 PM

 昨日見ましたでやんす。
>北村一輝
 あの方だったのですね。あと、あの方も。
大河ドラマは演技だったのですね。
 これぞ歴史の真実(?)
>鈴木京香
 ドジっ子でした。なにか迷惑かけっぱなし
でしたが、その手の人からは「萌え~」と
言われそうですね。
>生瀬勝久
 はい、かっこう良かったです。
やるんなら徹底的にへタレなら面白かったかも。
どんなにやられても抵抗するな、とかw
この林一佐がこの時、地元の娘に無理やり産ませられた
のが堀尾氏だそうです(え?
 でも、どうしてみんなここは俺にまかせて、って言うのでしょう?
 それは軍隊は家族だからです、とジョン・ウェインも言ってました。
 >伊武・デスラー
 これより少し前ワイド時代劇で斉藤道三に追い出される土岐氏
を演じていましたのでこの映画では道三なのでつい、
笑ってしまいました。
 
 小林サッカー、どこにリンクしましょうか?

Posted by: 犬塚志乃 | July 01, 2006 at 08:16 PM

>大河ドラマは演技だったのですね。

「北条時宗」に出てたそうですね。元の時代に戻れてよかったよかった

>その手の人からは「萌え~」と
言われそうですね。

たしかに。あの年で「萌え」の対象になりうるというのは、すごいことです

>それは軍隊は家族だからです、とジョン・ウェインも言ってました。

「おれはお前らファミリーのためならなんだってやる」とメカ沢さんも言ってました。『ブラックホーク・ダウン』でもなかまのために、暴徒の中にたった二人で乗り込んでいった軍人さんのお話がありました。なかなかできることじゃありません。
それにしても生瀬氏、いまは『トリック劇場版』にコント『サラリーマンNEO』と大忙しですな

リンクですが、そちらの記事にTB送らせていただきました。よかったらその記事にでもどうぞ

Posted by: SGA屋伍一 | July 01, 2006 at 09:33 PM

70になっても演じれると思っていますw
例、野際陽子
>メカ沢さん
 か、彼がですか、でもあのマンガなら
メカ沢「ほら、オレ熱い血が流れてるじゃん」
「流れてるのかよ」
メカ「オレも家族が大事だからよ」
「いるのかよ」
 と想像してしまう自分がいます。
>生瀬氏
 トリック未見ですが、人気でるとのれん分けしますよね。
「お前等のしてることは、ぺちょっとお見通しだ」
歯切れ悪そうですw
>北村一輝・タイガー&ドラゴンネタ
 「ここに倒れているのが織田信長ならオレは一体誰なんだろうな?」

Posted by: 犬塚志乃 | July 07, 2006 at 09:44 PM

>例、野際陽子
そういえば一昨年の大河では超ツンデレでしたね

>メカ「オレも家族が大事だからよ」
>「いるのかよ」
たしか、弟がいました。「メカラッタ」とか言う・・・

> 「ここに倒れているのが織田信長ならオレは一体誰なんだろうな?」
坂本竜馬「だから豊臣秀吉じゃないの?」
ご存知でしょうけど的場一佐、『デスノート』でライトパパやってました

Posted by: SGA屋伍一 | July 08, 2006 at 08:28 AM

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