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June 24, 2005

いまだに大河ドラマ『新選組!』を振り返ってるよ!のコーナー③ 芹沢鴨の巻

久しぶりのこのコーナーです。今日は壬生浪士組きっての暴れん坊にして筆頭局長の、この方について語ってみましょう。
第二部である13話~25話は「鴨編」と作者が呼ぶほどに、芹沢氏がメインのパートでした。才覚はあるのだけれど、感情を御しきれない一人の男が、運命の女と出会い、徐々に破滅へと向かっていく・・・・ 他作品ではひたすら可哀相な人として描かれることの多いお梅さんが、本作ではむしろ芹沢をけしかけていた点が独特でした。
弟分だった近藤がめきめきと頭角を表して来たのも、彼の暴走をあおったようです。人を疑う事をしらない一途な青年と、何度か挫折を経験してるがゆえにひねくれてしまった中年。この対比は三谷さんがしばしば用いるモチーフの一つです。だからでしょうか。この第二部が、全体の中でもっとも完成度が高いと感じるのは。
「あの人は天狗党のことを持ち出されると途端にダメになる」ということを、相棒新見錦が語っていました。水戸のころなにがあったのかは、ついぞはっきりとは語られませんでした。しかし、おおよその予想はつきます。家柄のいい粕谷粧五郎になにやらコンプレックスを抱いていたこと。そして解説で触れられていた、突然部下三名を斬り捨てたという事件。牢内で自分の小指を噛み切ったってえくらいですから、よほど腹にすえかねることでもあったのでしょう(それとも自分自身が歯がゆかったのか?)。
いよいよ追い詰められてきた時、逃げ出して命を永らえることもできたと思います。しかし彼はあえてとどまり、近藤たちの踏み台になることを選びました。それはひねくれまくってしまったオヤジが最後にみせた純情だったのかもしれません。

今回鴨ちゃんを演じたのはベテラン佐藤浩市氏。彼が演じたことにより、ギラギラした野性味を残しつつも、これまででもっともかっこいい鴨ちゃんになったのでは。漫画作品なんかだと、どれもこれもすげえ顔に描いてありますから。芹沢氏は。わたしが佐藤さんを最初に認識したのは現代版仕置き人の『新・ハングマン』というドラマです。その他出演作をあげればキリがありません。新選組系では斎藤一を、大河では源義家をやっていたこともありました。でも結局一番馴染み深いのはリゲインの「喝!」というあのCMだったりして。

印象に残ったシーンです。
・第5話の初登場シーン。自分が裁いた鯉を近藤に「食えよォ」と迫る。この言葉がこんなにあとあと引っ張るとは・・・・
・12話、浪士組出発のミーティングにさいし、でかい鐘をどんつくどんつく突きまくるシーン。あれ、一回やってみたいですねえ。
・13話。タイトルにも付いてるけど、宿で鳥小屋が割り当てられてしまい、大爆発してしまうくだり。「俺、気にしてないから」みたいなことを言っておいて、当てつけのようにでかい焚き火をたく。タチ悪い。
・お梅さんとの出会いのシーン。無言で(デコに醤油ついてるよ)と教える。こっちはなかなかイキです。
・沖田との絡み。「こいつに汚いもんたくさん見せてやりてえんだ」。悪い大人です。
・子供に竹とんぼを作ってやっていたのに、「いい人ですね」と言われた途端、へし折ってしまう。また、桂さんにコテンパンにやられて、近藤さんが慰めに来ると、泣いてたくせに強がってしまう。・・・・すげーわかりやすい(笑)。
・殿内を切り捨てたことをなじる近藤に、「お前が騙されてると思ったんだよ!」と叫ぶシーン。幾分か真実味が感じられるだけに、ちょっとカワイソ、と思いました(殿内は気の毒ですが)。
・ぶつかっただけの又三郎を切り捨てる場面。こっちは同情の余地無し。もう壊れてます。
・最後近く、お梅さんに「田舎で寺子屋でも・・・・」と言われて、なんとも言えない表情をするところ。バックの紅葉が美しゅうございました。
・「新選組」の名を見せられた時、「いい名前じゃねえか」と微笑む。すでに覚悟をきめておられることがうかがえます。男子たるもの、引き際はこうありたいものですが。
本ッ当に回りにいたら大変だよなあ、こんな人。でもどこか憎めない。そんな鴨ちゃんに胸がキュンキュンさせられました。洗面器は、はい、ここ。

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Comments

お見舞いありがとう。
>どれもこれもすげえ顔
しかも太ってるのもいたような・・・。
>新・ハングマン
○澤と某○高と植○のしかしらね~。
でてたんだ・・・。
「炎立つ」の源義家は?
ここまで挙げられていたらもはや言う事
ありません。
この人がベストオブ、芹沢になりそう。
切られる回で、踏み込んだ歳たちに姿を現した芹沢、かっこよすぎだ。他の四人を
食ってるな。ではでは。

Posted by: まさとし | June 25, 2005 at 02:27 AM

おはよ…今日はちゃんとまだ朝です(笑)
最近、「組」と名のつくアンソロジーを読んでいますが(決してまたドラマをやるからではなく※、山風のクセを自分の文章から抜きたいので)、鴨やんとお梅さんを扱ったものでは、
「鴨はお梅にだけはデレデレ」
というのがパターンになっているようです。
そうでなかったら、最初はムリヤリだったのに通ってくるようにはならんだろう、というのは確かに。
北原亜以子さんの作品は、お梅と土方の切ない関係を美しく描いていました。これがあの脚本家にかかると、またなかなかにキツいお梅さんとのあのシーンになったのですね。
鴨とお梅が江戸ですでに出会っていた、という異色作品もあります。
どうも鴨やんは清河に歯向かう場面を主にした作品以外では、お梅がらみでしか主人公になりません。

アンソロジーを片っ端から読むとわかるのは、脚本家Mは確かに、「新撰組」と名のつく本は『新撰組始末記』にはじまり最近のアンソロジーまで(作家個々人の短篇集までは手が回るまい)本当に全部読んでるな、ということです。
鳥羽伏見で島田が永倉を持ち上げたのは史実だし、鴨の部屋を近藤がとり忘れ(但し鳥小屋ではない)、いいよといいながら火を焚いたのも史実。近藤がお幸さんと先に出会っていて後に遊女として出会う、はほぼ池波作品(但し名前はおわかさんになっている)のパクリ。他にも色々元ネタは全部先行作品にあります。
でも、ここまでしたのに、結局、
「主人公は常に善意で行動したことにしなくてはならない」
の法則によって、遡行して色々な部分の綻びが目立ったのは残念です。

佐藤鴨さんは確かにベストですね。
あの暗殺の回が一番できのいい回だったと思います。あれは良質の殺人ドラマ。たった1回40分ほどとはいえ、暗殺の前から暗殺のシーンをたっぷり見せるまで、非常に凝縮されたいい回でした。先行作品では、何故かこの暗殺シーンだけは史実から動くことなく、寝込みをほぼ無抵抗に即死に近い状態だったことになっており、鴨がまともに抵抗するパターン、起きて待っているパターンは他に例がありません。これはMオリジナルです。
はぁ、佐藤さん、あの源義家もやってたですか。しぇ~。
「壬生義士伝」の斎藤は、イメージは近くてもいかんせん年齢が…

結局私は土方が好きなんだなぁと思います(笑)
次はお願いします(笑)

※ちなみに私の、例の続編についての公式見解は、
「いい加減にしとけや。」
です。
国営放送なんだから視聴率がワースト5位だろうと儲けは変わらないのに、なおDVDを売りたいってのがみえみえです。大河のDVDは民放ドラマのDVDを買うのとは事情が違うと思います。民放と違ってまず放送料金を取っている上に、御用会社が作ったDVDの売り上げがそのまま儲けになるんだから、あまり悪どいことはしないでほしいですね。
あそこで終わっているから新撰組なんだから。
大抵の作品では、むしろあの後、非常に自由になった土方が描かれていますが、大河の延長上ではそうもいかないでしょうから、窮屈なまま無理があちこちに出るでしょうね。どうせ俳優人気で引っ張るんだからいいけど。
はい、上から落とすための金盥は、ここ(笑)

Posted by: 高野正宗 | June 25, 2005 at 09:55 AM

>まさとし様
>すげえ顔
強いて例をあげるなら『俺の新選組』とか、ヤンサン連載中の『月明星稀』とか。『冗談新撰組』の彼もなかなかインパクトあります。
>ハングマン
○木さんは「オショウ」というコードネームでした。それなりに責任感ある、彼らしくない役でした。
>他の四人を
食ってるな。
あのひょうたんズッコケも、連中がイマイチふがいないんで、わざわざチャンスをくれてやったのかもしれませんね。


>高野正宗さま
>「鴨はお梅にだけはデレデレ」
そうなんんだ。京香さんは素でもみんなの人気者だったようですね。
浅田次郎の『輪違屋家里』も、鴨&お梅がけっこうメインだとか。
>あれは良質の殺人ドラマ。
「竜馬暗殺」の回も、これと似た構成でしたが、こちらは鴨ラスに比べるといまひとつ緊迫感が沸きませんでした。
>続編
わたしは楽しみにしております。ただやるのであれば新キャストもバンバンふやして、「金曜時代劇」くらいのワクで、何話かに分けてじっくりとやってほしかったですね。続編と言うか、また別の物語といった感じで。
リクエストいただいたのに申しわけありませんが、土方にはトリを飾っていただきたいんですね。続編の直前にでも書いて、『五稜郭!』につなげられればと構想(おおげさ)しております。

Posted by: SGA屋伍一  | June 25, 2005 at 10:05 PM

>土方にはトリを飾っていただきたいんですね。続編の直前にでも書いて、『五稜郭!』につなげられればと

 土方に行くまでにいったい誰が出てくるのでしょう? それまでに「組」のこともっと勉強しとこう。

Posted by: kakakai | June 29, 2005 at 08:49 PM

どうもです。
> 土方に行くまでにいったい誰が出てくるのでしょう?
試衛館のメンバーは全員回したいですね。斎藤、捨助も忘れずに。
ただ、記憶の方が本格的に風化してきました(汗) 自分ももっと勉強しとこうっと。

Posted by: SGA屋伍一  | June 29, 2005 at 09:24 PM

>佐藤浩市氏
かなり好きです。
今流れている車のCM見ただけで、心ときめいてしまいます(笑)
>お梅さんに「田舎で寺子屋でも・・・・」と言われて、
>なんとも言えない表情をするところ。
よく覚えてます。佐藤浩市様の表情に心臓鷲づかみ!ってのはもちろんですが、あのシーン全体に流れる空気みたいなものが物悲しくって、密かに自室で号泣しておりました。あっ、今思い出しただけでも涙が・・・。

Posted by: ハル | July 06, 2005 at 10:52 AM

おや。ここにも浩市さまの魅力に取り付かれてしまった方がお一人。
>車のCM
ピアスが似合うとか似合わん、というやつですね。ああいうキメキメのエグゼクティブも、団地に住んでる平凡なリーマンも不自然なく演じられるところに、彼の役者としてのすごさを感じます。

ギラギラした野性味を発散しつつも、時々あったかだったりさびしげな表情を見せるところが、佐藤“鴨”の素敵なところでした。
お父さんの三國氏もお若い頃芹沢鴨を演じたことがあったとか。見た方の話によると、やっぱりギラギラしてたそうです(笑)。

Posted by: SGA屋伍一  | July 06, 2005 at 07:49 PM

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