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June 08, 2005

クルセイダーが来るせいだ リドリー・スコット 『キングダム・オブ・ヘブン』

最近映画はイマイチ続きのSGAでございます。そんな中、「キミだけは裏切ってくれるな!」という思いで観にいったのが、これ『キングダム・オブ・ヘブン』です。
フランスの片田舎で鍛冶屋を営む青年バリアンは、突然彼の前に現れた父の口から、自分が貴族の家柄であることを知らされる。父はバリアンをエルサレムの十字軍に加わるよう誘う。妻の自殺という罪と、弾みで司祭を殺してしまった自分の罪を償うため、バリアンはその誘いを受ける。幾多の困難を乗り越えエルサレムにたどりついたバリアンだったが、エルサレム王国の余命は既に限られていた。
十字軍というと一昔前は、聖なる目的のために身を捧げた戦士たち、みたいなイメージがありましたが、今は神の名を隠れ蓑にやりたい放題蛮行を働いた連中であることも明らかにされています。この映画の十字軍はその中間のスタンスでとらえられています。純粋な目的で来た者もいたし、不純なやつらもいたと。純粋だろうが不純だろうが、そこに住んでいる人々にとっちゃ、迷惑なことには変りが無いのですけれど。
バリアンもその土地自体に意味など無い事に、すぐに気がつきます。そこで彼は無辜の民を守る事で、自分の罪を贖おうとします。こういうストイックなヒーロー像、いいですね。マキシマスといい、デッカードといい、リドリー・スコットの描くヒーローはどこかひかえめで、そんなところが自分の好みであります(レクター博士は例外)。
中東におけるクリスチャンVSムスリムという構図は、いやでも現在の世界情勢を思い起こさずにはいられません。違うのは劇中ではイスラム側が圧倒的優性なのに対し、現在はまるきし反対なところ。
監督はイスラム側にもなかなか配慮を示して作品を作っています。イスラム側のリーダー、サラディンは有能な軍略家でありながら、平和を重んじ、敵にも温情を示す懐の広い人物として描かれています。この辺監督が、近年イスラム系の国々で撮影をすることが多かったことなどが、大きく影響を及ぼしているようです。
キリストは弟子達に崇拝するのに場所は重要ではない、とはっきり言っています。けれどそんなことはおかまいなしに、今もエルサレム周辺では痛ましい事件が絶えません。終盤交わされる「エルサレムの意味とは?」というやりとりに、監督の言いたかったことが表れていると思います。でも本当は単に、破城槌がドッカンドッカン押し寄せる攻城戦がやりたかったんじゃないか、という疑念も否めないのですが。
主人公バリアンを演じるは『ロード・オブ・ザ・リング』でエルフのレゴラスを演じたオーランド・ブルーム。髪の毛の色もヒゲも濃くなり、すっかり男の顔になったという感じです。
ラストはわたしの予想とはかなり異なるものでした。同監督の史劇『グラディエーター』と比べると、それほど胸に迫るものではありませんでしたが、こういうまとめかたも「い~んじゃな~い」と思いました。

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Comments

エイリアンのリドリー・スコットですね!(スイマセン・笑)
この監督は、最近戦う男の映画ばっかりとってるイメージがあります(ハンニバルは失敗だったような・・・)。なので、戦争物が苦手なワタクシは見る機会が少ないですね。
で、この映画はSGA屋伍一さんを裏切りませんでしたか?

Posted by: ハル | June 11, 2005 at 11:36 AM

>エイリアンのリドリー・スコットですね!(スイマセン・笑)
エイリアンのリドリー・スコットですよ!(笑)
それでいーんじゃないでしょうか。前にも書いたけど、どちらかってえと情を廃したような作品の方が彼の本分ですから。『ブラックホーク・ダウン』もそうでした。『ハンニバル』は「グロすぎ」と聞いて、観に行きませんでした。気弱なので。
>で、この映画はSGA屋伍一さんを裏切りませんでしたか?
「うん、まあがんばったね」という感じです(←偉そう)。期待以上ではなかったかな。
『トロイ』でうっぷんがたまっていたオーランドファンは拍手喝采だと思います。

Posted by: SGA屋伍一  | June 11, 2005 at 09:59 PM

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