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June 29, 2005

五分だけでもいいから 宮藤官九朗 『タイガー&ドラゴン』前編

ここんとこドラマネタばっかしだ・・・・ ま、いっか♪
放映されるや若者たちの間に「落語ブーム」を巻き起こした(マジ?)話題作。
天涯孤独のヤクザ山崎虎児は、借金の取立てに行った先の落語家・林家亭どん兵衛の噺を聞いて、感動。そのまま弟子入りして、「小虎」という名をもらう。どん兵衛には天才と言われながら、ある事がきっかけで落語をやめた竜二という息子がいた。竜二はファッションの世界で成功することを夢見るものの、これがまるで才能がない。話が進むにつれ虎児は実力と人気を身に付け、どん兵衛とも親子のように親密な関係を築いていくが、ヤクザのしがらみもなかなか捨てきれない。一方で竜二は虎児と接していく事で、少しづつ落語への情熱を取り戻していく・・・・・ なんか、こう書くと微妙に別の話のようだ(笑)。

このドラマの特色は『木更津キャッツアイ』でも試された二重構造。毎回ある古典落語にマッチした事件が起き、それと平行して落語の再現映像が流される。そしてクライマックスでは虎児が事件の顛末を、現実と古典を組み合わせたハイブリッド落語として語る、という形式を取っている。この部分になると視聴者は「ああ、一件落着したのね」と安心できるわけだ。それだけに虎児がなかなか噺を始めない第8回、第10回はハラハラした。
「世の中も人も変った」とよく言われるが、こういう構成をとることで、宮藤ちゃんは「人間そうそう変るもんじゃない。今の時代にだって人情はある」ということを訴えたかったのかもしれない。こんな殺伐とした時代だからこそ、なおさらそう言いたかったのかもしれない。

以下は前半のエピソードを簡単に振り返ってみた。単純に「笑えたか」「ひねりが利いてるか」という観点で評価しているので、その点了承していただきたい。

SP 三枚起請
実質の第1回。枕は今ひとつだが、話が飲み込めて行くに従い、段々引き込まれていく。この回はモチーフがとりわけ予備知識がないと解りにくい話なので、説明が非常に丁寧である。ヒロイン・メグミに翻弄される男どものバカっぷりが泣ける。ツボ:ヒロシ扮する伝説のロッカー、デス・キヨシ。評価:竹

#1 芝浜
竜二の店の店員、リサちゃんの恋模様が描かれる。SPと比べ短い分テンポがいい。他では清楚な美少女として描かれる蒼井優が、壊れまくっていくところが楽しい。モチーフの「芝浜」はモ-パッサンの某短編と似ている。ツボ:竜二に「ブス!」と言われてブチ切れるリサ嬢。評価:竹

#2 饅頭怖い
谷中家の長男、どん太の苦悩が描かれる。うーん、自分はこの回がワーストかな。クライマックスがなんか強引だったので。それはともかく阿部サダヲ演じるどん太は登場人物の中で一番突き抜けていて、彼のテレビ出演シーンにはよく笑わせられた。ツボ:抱かれたくない男性ベスト1を見て、「出川抜いたよ・・・」とつぶやくどん太夫人。評価:梅

#3 茶の湯
竜二にビッグチャンスが巡ってくる話。「ヤバイ」「キテル」を連発するいかにもなファッションリーダーも面白いが、この回は何より「茶の湯」の再現映像が楽しい、とゼンザイ先生が言っていた。わたしもそう思います。王道に忠実に行こうとしたら、かえってソッポを向かれてしまって・・・・というのは、クドカン自身の経験によるものか? 虎児のライバル、ジャンプ亭ジャンプが初登場。ツボ:青黄な粉 評価:松

#4 権助提灯
どん兵衛と、虎児の親分の若き日に関するエピソード。コテコテな70年代の再現に爆笑した。なんとなく芥川龍之介の『藪の中』コメディ編という感じがする。「ウン十年したら、おれたちもどっちがやったかわかんなくなっちゃうのかな」「それはねえ!」というやりとりがうけた。ゲストに森下愛子。ツボ:「フランシーヌの場合は」 評価:松

#5 厩火事
前半で最も泣ける話。古田新太&清水ミチコのどつき漫才夫婦を巡る話。さすがに芸達者なお二人だけあって、呼吸がぴったり。モチーフのオチ(下げというべき?)は色んなとこでみかけるけど、これが原点なのか、さらに前があるのか。 ツボ:酒を前に悶える古田。及びラストカット。 評価:竹

後半へ続く

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June 27, 2005

ついでに大河ドラマ『義経!』も振り返ってみようのコーナー②

例のサ○エさんネタ、1話からやってみたくなったので行ってみます。
完全に自己満足の世界ですけど、わかる人だけわかってください。

(第1話)
義朝です。今回しか出番がありません。なってみるとなおさらヒシヒシと感じられますが、「負け組」ってつらいですねえ。これでもけっこう羽振りのいいときもあったんですよ。「おごれる者は久しからず」か。ククク・・・・ あ、でもワシ、おごられたことはあっても、おごったことはないよ。さて、この回の『義経!』くんは
・一の谷から始めよう
・「平治」の「乱」って矛盾してない?
・トキワ流れていくよ
の3本でした。酒だ酒だ、酒持ってこい!

(第2話)
常盤です。3人のガキ、じゃなくて子供を女一人で養っていくって、ホント大変なんですよ! わたしはあくまで子供たちのためを思って、清盛さまのもとに身を寄せたのに、「女性セ○ン」や「女○自身」は、わたしのことを「悪女」「魔性の女」と叩くんですゥ。ひどいわ。これもきっと、このビボウのせい。ハァ。さて、この回の『義経!』くんは
・牛若坊やは人気者
・君は、時子の涙をみる
・竹とんぼ、竹をとったらタダの串
の3本でした。どーせ「曲がり角」ですよーだ!

(第3話)
うしわかです。こんかいで、ぼくのでばんはおわりなんだって。らいしゅうからは、「じゃにーず」のおにいちゃんが、かわりにしゅやくをやるよ。いままでどおり、「よしつね!」をおうえんしてよね! それじゃみなさん、ありがとうございました。ばいばーい! ・・・・・監督、こんな感じでいいッスかね? え? まだ回ってる?
え、ええとこの回の『義経!』くんは
・五本の足を持つ男
・君は、トキワの涙も見る
・お先マックラ鞍馬寺
の3本でした。このあとは「日曜劇場」でね!

(第4話)
オホホホホホホホホホホホホホホ!! 鬼一方眼よ!!
全ての美男子たち、わたしの足元にひれ伏しなさい!! え? 滝沢くん? そうねまだ「ジュニア」だし、もう2,3年じっくり熟成させたら、いい味が出るんじゃなくって?
さて、この回の『義経!』くんは
・タッキー、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
・弁慶もキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
・大人の事情、こどもの疑問
の3本でした。もののーけーたちーだけー♪

(第5話)
ウオオオオオオオオオ!!!! 清盛じゃああああああああ!!!!
頼朝のやつめええ!!!! よっくもたばかりおったなあ!!!!
なにィ!! まとめだとォ!!!! このワシが、そんなくだらぬことをすると思うかアッ!!!!!(がらがらがっしゃーん)
おう! この回の『清盛!』さまは
・サクラ サクラ いざ舞い上がれ
・徳子の「こころ」はお構いなし
・遮那王と弁慶、はじめての☆トキメキ
の3本じゃ!! おいお前、いま俺がなに考えてるか解るか!?(マイナーネタ)

(第6話)
師の御坊です。ここ鞍馬寺は四季折々の景勝に恵まれ、都会での疲れを癒したり、お子様の情操を育むためにはもってこいの環境です。シェフ特製の精進料理、「ゴマづくしスペシャルコース」も、今なら大変お安いお値段で提供しております。拝観料は大人1000円、子供500円。皆様のお出でを、心よりお待ち申しております。さて、この回の『義経!』くんは
・刺客の名はジャンプ
・入道様に会いたい
・ツンツン娘とのらくら兄さん
の3本でした。はあ~ッ ポックンポックン

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June 25, 2005

闘猫伝説 HARD PUNCHER モン吉 第5話

第5話 黄色と黒の悪夢

hpm5-1モン吉のデビュー戦の相手が決まった。
相手はなんとトラ
彼の名前はベンガル・ハリマオ。
インド出身だけあって、カレーが大好物だということだ。
大物の来日に、マスコミも色めきたった。

hpm5-2「ウソ・・・・」
恐れ知らずのモン吉も、驚きのあまり目を見張った。
悪い夢としか思えない。
ワシントン条約は一体どうなっているのか。
それともタチの悪いどっきりなのか。

hpm5-3だがモン吉は思った。
(あのSGA=キングならやるかもしれない・・・・)
そう、彼は面白ければなんだってやる男なのだ。
この際当たって砕けるしかない。
モン吉は覚悟を決めた。
そして試合の日は来た。
hpm5-4「フハハ、箱庭でどれほどいきがっていたかしらんが、このオレ様がジャングルの恐ろしさを教えてやる!」
猛虎が、カギ爪を振り上げた。

それがモン吉に届こうとした、瞬間


hpm2-4「お、おれは誰にも負けニャ・・・・ ん?」
「夢か」
突然目がさめた。
こころよりワシントン条約に感謝して、また寝なおすモン吉であった。


          続く

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June 24, 2005

いまだに大河ドラマ『新選組!』を振り返ってるよ!のコーナー③ 芹沢鴨の巻

久しぶりのこのコーナーです。今日は壬生浪士組きっての暴れん坊にして筆頭局長の、この方について語ってみましょう。
第二部である13話~25話は「鴨編」と作者が呼ぶほどに、芹沢氏がメインのパートでした。才覚はあるのだけれど、感情を御しきれない一人の男が、運命の女と出会い、徐々に破滅へと向かっていく・・・・ 他作品ではひたすら可哀相な人として描かれることの多いお梅さんが、本作ではむしろ芹沢をけしかけていた点が独特でした。
弟分だった近藤がめきめきと頭角を表して来たのも、彼の暴走をあおったようです。人を疑う事をしらない一途な青年と、何度か挫折を経験してるがゆえにひねくれてしまった中年。この対比は三谷さんがしばしば用いるモチーフの一つです。だからでしょうか。この第二部が、全体の中でもっとも完成度が高いと感じるのは。
「あの人は天狗党のことを持ち出されると途端にダメになる」ということを、相棒新見錦が語っていました。水戸のころなにがあったのかは、ついぞはっきりとは語られませんでした。しかし、おおよその予想はつきます。家柄のいい粕谷粧五郎になにやらコンプレックスを抱いていたこと。そして解説で触れられていた、突然部下三名を斬り捨てたという事件。牢内で自分の小指を噛み切ったってえくらいですから、よほど腹にすえかねることでもあったのでしょう(それとも自分自身が歯がゆかったのか?)。
いよいよ追い詰められてきた時、逃げ出して命を永らえることもできたと思います。しかし彼はあえてとどまり、近藤たちの踏み台になることを選びました。それはひねくれまくってしまったオヤジが最後にみせた純情だったのかもしれません。

今回鴨ちゃんを演じたのはベテラン佐藤浩市氏。彼が演じたことにより、ギラギラした野性味を残しつつも、これまででもっともかっこいい鴨ちゃんになったのでは。漫画作品なんかだと、どれもこれもすげえ顔に描いてありますから。芹沢氏は。わたしが佐藤さんを最初に認識したのは現代版仕置き人の『新・ハングマン』というドラマです。その他出演作をあげればキリがありません。新選組系では斎藤一を、大河では源義家をやっていたこともありました。でも結局一番馴染み深いのはリゲインの「喝!」というあのCMだったりして。

印象に残ったシーンです。
・第5話の初登場シーン。自分が裁いた鯉を近藤に「食えよォ」と迫る。この言葉がこんなにあとあと引っ張るとは・・・・
・12話、浪士組出発のミーティングにさいし、でかい鐘をどんつくどんつく突きまくるシーン。あれ、一回やってみたいですねえ。
・13話。タイトルにも付いてるけど、宿で鳥小屋が割り当てられてしまい、大爆発してしまうくだり。「俺、気にしてないから」みたいなことを言っておいて、当てつけのようにでかい焚き火をたく。タチ悪い。
・お梅さんとの出会いのシーン。無言で(デコに醤油ついてるよ)と教える。こっちはなかなかイキです。
・沖田との絡み。「こいつに汚いもんたくさん見せてやりてえんだ」。悪い大人です。
・子供に竹とんぼを作ってやっていたのに、「いい人ですね」と言われた途端、へし折ってしまう。また、桂さんにコテンパンにやられて、近藤さんが慰めに来ると、泣いてたくせに強がってしまう。・・・・すげーわかりやすい(笑)。
・殿内を切り捨てたことをなじる近藤に、「お前が騙されてると思ったんだよ!」と叫ぶシーン。幾分か真実味が感じられるだけに、ちょっとカワイソ、と思いました(殿内は気の毒ですが)。
・ぶつかっただけの又三郎を切り捨てる場面。こっちは同情の余地無し。もう壊れてます。
・最後近く、お梅さんに「田舎で寺子屋でも・・・・」と言われて、なんとも言えない表情をするところ。バックの紅葉が美しゅうございました。
・「新選組」の名を見せられた時、「いい名前じゃねえか」と微笑む。すでに覚悟をきめておられることがうかがえます。男子たるもの、引き際はこうありたいものですが。
本ッ当に回りにいたら大変だよなあ、こんな人。でもどこか憎めない。そんな鴨ちゃんに胸がキュンキュンさせられました。洗面器は、はい、ここ。

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June 21, 2005

先週(6/12)と今週(6/19)の『義経!』

(先週分)
惟盛です。去年オダギリ先輩が出てたからか知りませんが、今年はぼくが出させてもらうことになりました。
産まれてこのかた、蝶よ花よとそだてられてきましたけど、富士川以降くらいからいいことがありません。
おじい様にはこっぴどく怒られるし、戦は負け続きだし、叔父さんはぼくのこと嫌いみたいだし・・・・
でも、大丈夫。ぼく、アギトですから。平家の居場所を守るために、戦わなきゃいけないんです。
姉さん、見ていてくれ! さーて、先週の『義経!』くんは?
・猿の軍団 狼藉
・哀・福原(焼くことないじゃん)
・おじさんに気をつけろ!
・乱暴はやめて!
の4本でした。もう、氷川さん、ぶきっちょだなあ!

(今週分)
義仲です。そろそろ出番がなくなりそうなんで来ました。
実はわたし、数年前、地元の岐阜で教師をやっていたんです。美しい自然とあたたかな人たちに囲まれて。
わたしはいつしか同僚の女性を愛するようになってしまいました。その女性の名は、さくら。さくら、今君はどこに?
ぶはっ!! 巴、いつからそこにいたんだ! (ドカ、バキ、ガス) お助けあれ~!
・・・・さ、さて、今週の『義経!』くんは・・・・
・法皇様おおはしゃぎ
・法皇様おお弱り
・朝日がさんさん、ごくろーさん
・猿の軍団VS石原軍団
の4本でした。まさか、それが隠し剣の正体か!

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June 20, 2005

コウモリ1年生 フランク・ミラー 『バットマン:イヤーワン』

月の光がゴッサム染めて ビルの谷間にたたずむ影

趣味のアメコミコーナー。今日は映画新作『ビギンズ』で話題沸騰中の『バットマン』をとりあげます。
1986年、『ダークナイトリターンズ』で強引に最終回を描いたフランク・ミラーは、今度は現代的な視点でバットマンのオリジンを手がけました。それがこの『イヤ-ワン』です。バットマンがなぜ悪人狩りに精を出すのか、なぜコウモリのコスプレをしているのか、そうした疑問に答える内容となっています。スーパーマンやエイリアンをすら、気迫と知略で手玉にとるブルース・ウェインにも、チンピラ一人やっつけることさえできずに悶々とした時代があったというのはちょっとショックですけど、彼とて最初から「世界最高の探偵」であったわけではないのれす。また、映画では情けない役回りのゴードン警部がもう一人の主役を務め、警察の腐敗に立ち向うハードボイルドな男として描かれています。
たまに小馬鹿にしたように「アメコミのなにがそんなにいいわけ?」と聞かれることがあります。そんなときわたしは「色が付いているところ」と答えることにしています。たしかに基本的に白黒だけで、あれだけ多彩な濃淡を書き分けることのできるジャパコミはすばらしい。しかし「色が付いている」ということは、それだけで強烈なインパクトをわたしたちの網膜に焼き付けることがあります。
たとえばこの『イヤーワン』の第1章のラスト近く。月明かりに照らされた邸宅で負傷したブルースが、自分がどうしたらいいのかわからず、煩悶するシーン。
“全て揃っているのに、忍耐はもう限界だ あと1時間でも待つよりは・・・このまま死んでしまいたい 18年も・・・待ったのだから・・・”
脳裏に蘇る、少年時代の辛い記憶
“その瞬間、僕の人生はあらゆる意味を失った”
“何の前触れもなく、それはやって来る・・・”
突然窓をぶち破って、部屋に入ってくる蝙蝠
“そうだ、父さん 僕は蝙蝠になろう”
これらのシーンとて、おおむね黄色と黒、白しか使われていないのですけど、この「暗いんだけど明るい」微妙な光を表すには、やはり黄色じゃないとだめなんです。
そしてもう一つアメコミの傑作の優れた点は、上記のような、物静かでありながら激しい感情を語れるモノローグにあります。おそらくこれを今の日本の少年誌・青年誌でやったならば、「ああー!! おれはどうすればいいんだ-!!」ガシャ-ン!「そうだー!!!! おれはコウモリになるぞーッ!!!!」 ・・・・・と、集中線と破裂フキダシと「―ッ!!」の乱れ撃ちになってしまうに違いありません。叫ぶのが悪い、というわけではありませんが、どうも日本のマンガは感情多過というか、思うだけでいいことまで口に出してしまう傾向があるような気がします。現行の作家で「静かに感動を語れる作家」と言うと、とりあえず井上雄彦と内藤康弘くらいしか思い浮かびません。
無論、アメコミ作家の全てがこういう表現ができるわけではありません。優れた感性や情緒があったればこその芸当なのです。『イヤーワン』のこのシーンは、色使い、文章、ペンタッチすべてが調和良く組み合わさった、その完成形と言えます。

さて、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、映画『ビギンズ』とこの作品は着想が大変よく似ております。実は『ビギンズ』は当初『イヤーワン』の映画化として進められていたのですが、映画化するにはあまりにも地味な内容のせいか、企画変更を余儀なくされたとのこと。もし映画を観て興味を持たれた方は、どうぞこちらもご覧ください。JIVEより2400円で発売中。

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June 19, 2005

うるとらまん次郎物語第二章 『ウルトラマンネクサス』

今回は各所よりのお怒りが怖い気もしますが、思い切っていってみたいと思います。辛うじてまだウルトラシリーズの最新作である『ウルトラマンネクサス』について。
宇宙より飛来し、人を捕食する怪物「スペースビースト」と、人知れず戦いつづける特殊部隊ナイトレーダー。その戦いに、謎の銀色の巨人が加わったところから物語は始まります。
この『ネクサス』では、今までのウルトラには無かった試みが幾つかなされています。ひとつはウルトラマンになる人間(デュナミストと呼ばれる)が中盤で交替する点。もう一つは、今回の主人公はウルトラマンにならないということ。じゃあ誰が主人公なのかといいますと、ナイトレーダーの一隊員である弧門一輝という青年がそれに当たります。我々はこの弧門くんの視点から物語を追い、ウルトラマンとビーストの謎に徐々に近づいていくという手法が取られています。
こうした構成をみても、今回はやや上の年齢層を狙った作品だったようです。しかし『ネクサス』にとって不幸だったのは、ここのとこ定番だった夕方六時という時間帯をガンダムに取られて、朝七時台という、子供と老人しか起きてないような時間に回されてしまったこと。「主人公がウルトラマンにならない」というこの試みは子供達にはマイナスだったらしく、『ネクサス』は視聴率的に苦しい戦いを強いられます。加えて前半はホラー色の強い演出が多く、古き良きウルトラを愛すファンにも完全に嫌われてしまったようです。
でもわたしは断固『ネクサス』を支持いたします。デュナミストである二人の青年姫矢と憐、そして劇場版『ULTRAMAN』の主人公真木にはひとつの共通項があります。それは「命のはかなさを知っている」ということ。今回のウルトラマンは決して強いヒーローではありません。戦うたびに傷つき、血を流し、デュナミストは次第に消耗していきます。そして怪獣との戦闘から周囲を守るため作り出される空間「メタフィ-ルド」は、文字通りウルトラマンの命を削って造られていたことも途中で明らかになります。考えてみればウルトラマンはもともと、ライダーより戦隊ヒーローより限りなく天国に近いヒーローです。郷や北斗は一遍死んでますし、ダンは死んで国に帰りました。ハヤタに至っては二度死んでます。『ネクサス』が優れているのは、「彼らがなぜそこまでして戦うのか」その理由をきっちり描いているところにあります。
戦場カメラマンであった姫矢は、現地で仲良くなった少女が眼前で死んでいくまさにその時、シャッターを切っていたことに深い自責の念を抱いています。その罪を償うために、姫矢は何度も何度も死地へ向かいます。もう一人のデュナミスト、憐は自分の命が限りあるものであることを知り、その命に意味を持たせるために懸命に戦いつづけます。しかし彼らは決して自暴自棄になっているわけではありません。その戦いが未来を切り開くものであることを信じているがゆえに、過酷な責務を自ら背負ったのです。
「代われるものなら代わってやりたい。ただ見ていることしか出来ない」戦いを通じて彼らと意思を通わすようになっていった弧門は、自分の無力さを嘆きます。組織から下される非情な命令も彼を苦しめます。そんな彼に隊長は言います。「見ることしかできないなら、見届けてやれ。最後までしっかりとな」
姫矢と憐、二人の男の戦いをしかと見届けた弧門が、彼らから受け継いだものとは? 『ウルトラマンネクサス』いよいよ次回最終回です。

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June 18, 2005

適当掲示板9&愛・地球博報告

雨の多い時期になりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
当ブログに関してのご意見、ご感想、皆様のオススメ品、ネタ、その他よろずお待ちしております。

さて、愛・地球博行って参りました。さあ、ご覧、これがマンモスだ~っ!! ・・・・と行きたかったのですが、マンモスは写真撮影禁止のため画像なし(涙) もう! ケチなんだから!
わたしはKakakaiさまのおっしゃっていた簡易コースで観て来たのですが、それでも30分ほど待ちました。マンモス(頭部のみ)の入ってるラボの前を、動く歩道に乗ってスーッと通り過ぎる方式。いくらゆっくり動いているからといっても、それこそ「ああ」と言っている間の対面でした。でも、いいんだ。やっと君にあえたんだから。きっとウン千年の時を越えて君にめぐり合うため、ボキは生まれてきたんだね。・・・・と感傷に浸っている間にもどんどんマンモーは遠くなっていく。マンモ-が行っちゃう!(いや、行っちゃうのは俺か) あ~ん、マンモ~!!
とまあ、そんな感じでしたが、やはりはるかな時代を経ても産毛ごと原形をとどめているマンモスは、ごっつい迫力がありました。へい。
以下はちょこちょこ撮った画像です。
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                   とまあこんな感じです。上段はあちこちの外国館から。下段は向かって左から大地&月の塔、世界最大の万華鏡、ナイトショーの画像です。
企業系はやはり混雑が激しく、行く余裕がありませんでした。それでも長久手日本館の球形スクリーンはなんとか観ることが出来ました(これもアッという間でしたが)。Zガンダム等に出てくる360度マルチスクリーンを体感しました。これ、酔いやすい人は気をつけてください。
まあ大した人手でした。人ごみや行列が苦手な人にはおすすめできません。まあ自分はここんとこ遠出していなかったので、混雑も含めてそれなりに楽しみました。さすがに朝4時半に起きて、夜中の2時に戻ってきたのは応えましたけどね。
そうそう、ゼンザイ先生にお土産を買うのを完全に忘れていて、昨日ちょっと怒られました。とりあえず『終戦のローレライ』と『逆境ナイン』を無料貸し出しすることで許していただきました。まあ、いつもタダで貸してますけど。

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June 17, 2005

ブラックキャットにもういっぺんよろしく 杉作 『クロ號』完結編

はじめに。今回は完全に『クロ號』の結末をばらしてありますので、「これから読もうかな」と思われている方はご遠慮ください。また「『クロ號』ってなんじゃあ?」という方は当ブログで3月末に作成された記事「ブラックキャットによろしく 杉作 『クロ號』」(http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2005/03/post_16.html)をご覧ください。

「う~ なんでクロが○○なきゃならね~んだよ~ バカヤロ~」
う~ そりゃこっちのセリフだよ~ バカヤロ~
そういうわけで先日発売された第9巻をもって、杉作先生の大傑作『クロ號』単行本の方も堂々完結いたしました。
シビアな面もあるこの漫画なので、きっとラストもほろ苦い形になるんじゃなかろうかと考えていました。
予想としては
①クロが死ぬ
②チン子が死ぬ
③クロとチン子が捨てられる
④クロがどこかへ旅に出る
というとこだったのですが、本当はこのどれも当たって欲しくなかったんだよ~! いつものようにほのぼのとした日常のまま終ってほしかったんだよ~! 「せめて④くらいでなんとか」と思ってたのによ~! あ~ ちくしょ~!(号泣)
最終話近く、クロはあることで一つの罪を背負ってしまいます。その罪を必死に償おうとしたクロ。しかしその結果はあまりにも厳しすぎるものでした。
しかしクロはその結果がわかっても決してジタバタません。むしろ従容として、来るべきものを待ち受けます。その前に自分の務めをちゃんと果たして。そう、猫は悲しくても涙を流したりはしない。切なげに鳴くか、じっと耐えるだけなのれす。
悲しいのは飼い主であるヒゲの方。こいつ(失礼)はどちらかというと、クロにひっかかれている場面の方が多かったはずなんですが、クロの死を目前にして、情けないほどに取り乱します。連載分でのラストシーン、泣きつかれて寝ている彼の姿には、本当に胸をつかれるものがあります。
そう、もっとはやく気づくべきでした。連載時目次のコーナーでいつも「チン子が」「チン子が」と書かれているのに、クロのことは一回も書かれていなかったことに。
この最終第9巻には、連載分のさらにそのあとのことが書かれた、「完結編」が十数ページに渡って付け足されています。そしてこの完結編の最後のページを見るとき、わたしたちは『クロ號』という珍妙なタイトルの意味と、この作品が最初からクロにむけて書かれたレクイエムだったことがわかるようになっています。なんとも心憎い、つーか小憎たらしい演出じゃあーりませんか。
クロは生前「人間なんて、飼っている猫が死んだとしても、すぐに代わりを見つける薄情なやつら」みたいなことを言っていたけど、ヒゲ(たぶん作者)は君が死んだあとも、ずーっと君のことを忘れないでいるいんだよ、クロ!
ついでなのでこのマンガのもう一匹の主役であるチン子のことにも触れておきましょう。「小んこいから」ということで、あまりにも呼びにくい名前を付けられてしまったチン子。その名前がよくなかったのか、兄貴よりもはるかに喧嘩がつよくなってしまったチン子。回りのことなど「どーでもいーわ」という顔をしながら、いつもみんなのことを、こっそり心配しているチン子。メス猫だけど、その男気にはマジで惚れます。「チン子長生きしろよ。クロの分まで」ヒゲのこの言葉は、このマンガを愛した読者みんなの気持ちであるにちがいありません。
杉作先生は近日発売中の時代マンガ専門雑誌『乱』にて新作を発表予定。『ロッキー』もあるけど、こちらも楽しみに待ちたいと思います。

以前実家で飼っていた猫のシル助が死んだとき、いつも「猫なんかきらいだ」と言っていた父が、「ショックだ」ともらしていたのには感動しました。でもその後に「オフクロが死んだときよりも」とつぶやいたのには、さすがに人間として問題だと思いました。

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June 15, 2005

果てしない百物語 富樫倫太郎 『陰陽寮』

あああああああああ! 終ったああああああああ!
先日、最終部となる9,10巻をもって、富樫倫太郎先生の超絶大伝奇絵巻『陰陽寮』が完結いたしやした。足かけ六年間、どうもお疲れ様でした。このシリーズについては前から当ブログで「終われ終われ」と言っておりましたが、まさかこんなに早く終るとは思ってもみませんでした(笑)。いやあ、なんでも言ってみるもんですねえ。
時は平安、藤原道長が台頭してきたそのころ、西国より恐るべき報せがもたらされた。大陸の異民族、刀伊が都に向かって攻め寄せてくるという。彼らの目的は不死の秘密を知るという、“来流須”の民を手中に収めることだった。この情けを知らぬ異民族に、希代の陰陽師・安倍晴明と逞しき武者たちが立ち向う。
物語はこの安倍晴明と、都の浮浪児・鬼道丸の一党、それに宮廷に仕える女官・杏奈を中心に進んでいきます。いくんですが、他にも多種多様な登場人物&怪物が出たと思えばひっこみ、お互いくんずほぐれつ入り乱れて、さながらお伽噺のバトルロワイアル状態となっております。例えば他にどんなもんが出てくるかというと、晴明のライバル葦屋道満はもちろん、渡辺綱、坂田金時、清少納言、徐福、シヴァ、セトetcetc・・・・ ははは。思いついたもん全部ぶちこんだれや、くらいの勢いです。
この物語のタイトルは、恐らく編集者が夢○獏先生の某人気シリーズの向こうを張って付けてしまったのでは、と憶測しているのですが、恐らくこちらはそちらよりも、はるかに収まりの悪い小説だと思います。富樫さんという方は、どうもプロットをおおまかにしか決めずに、あとはその場のノリで書き進めていくタイプらしいのですね。そういう感じでぐんぐん書いていったら、思わぬ方向へ筆が走ってしまい、「ありゃ-こんな展開にしちゃってオレどうすんだよ」と四苦八苦してる様子が目に浮かびます。なんせ御作者自ら、「どうしていいかわからず途方にくれていた」なんてことを後書きにかいておられますから。しかしそうしてノリのままにつむがれた物語というのは、時として並々ならぬエネルギーを発して、読者をひきつけます。そう、かつての(今も?)少年ジャ○プのように。
少年ジャ○プと言えば、この話のキャラというのはみな類型というか、変化しません。ヒーローはどこまでもかっこよく、ヒロインはひたすら可憐。悪人は果てしなく極悪で、無敵のはずの晴明はしょっちゅうピンチに陥っては、わたしたちをハラハラさせます。ここまでコテコテでいながらこんなに面白いのは、やはりそれが物語の王道だからか、はたまた作者の力量によるのか。
で、この度出された最終巻ですが、出来はどうだったかというと、またしても寄り道が多すぎて、わたしがもっともひいきしている鬼道丸のパートに行くまで時間がかかるのが不満でした。盛り上がりもどちらかってえと4,5巻のほうがあったんじゃないか、という気もしないではありませんが、今は素直にあれだけ八方に広がっていった物語が、なんとか完結したことを喜びたいと思います。なんだかんだ言って、この4年間一年に一度の新刊を待ちわびながらこの小説を追いかけていった自分は、読者としてほぼ理想に近い仕方で楽しむことができたんではとも思いますし。八割方のキャラが収まるところに収まったのに対し、問題が全然解決してない人もいるんですけど、それは恐らく近々始まる『新・陰陽寮(仮)』でなんとかなるでしょう。
そういうわけで『陰陽寮』は本伝が全10巻、外伝がいまんとこ3巻、トクマノベルスより出ております。外伝は『陰陽寮外伝一』と銘打たれているものを、9巻の前に読んでおかれることをオススメいたします。

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June 11, 2005

ザ・ドキュメント ある日のSGA屋伍一

usatann-1薄暗くカビ臭い部屋で、独りうなだれているこの男の名はSGA屋伍一。

おれももうすぐ32歳。いつまでもこんなんでいいのだろうか・・・・・)

胸のうちに問い掛けるが、無論答える者はいない。


usa-2こんな日は、過去のつらい記憶が彼を責めさいなむ。
「ごめんなさい。SGA屋さんとはいいお友達でいたいの」
「あのさあ、ぶっちゃけSGAってキモいのよ」
(ちくしょう、あのメスウサども・・・・・)
ぬぐっても、ぬぐっても、頬を流れ落ちていく涙。


usa-3そんな彼の悲しみを癒してくれるのは、サッ○ロド○フトワン。

別に銘柄にこだわっているわけではない。

6本まとめて買うと、他より50円ほど安いという、ただそれだけのことだ。


usa-4「ウィ~ッ 酔った~ イイ気持ち♪」
こうしてまたいつものように、彼の一日は終る。
目覚めよ、向上心。


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June 10, 2005

ガンダムと厳しい巨人 富野由悠季 『機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者』

これは映画のカテゴリにいれるべきかとも思いましたが、なんとなくアニメの方に分類いたしました。
『ゼータ』が放映されていた時分、わたしはまだ中学生でした。当時わたしはどちらかというと、高橋良輔監督の『蒼き流星SPTレイズナー』の方に入れ込んでいて、ゼータ派の友人と「打○きり」「落○目」とレベルの高い争いを繰り広げておりました。
『ゼータ』の真価がようやくわかり始めたのは、それから十年後くらいの再放送で。わたしは「権力というのは生ものと一緒で、気をつけないと腐る」ということを、この作品と『超人ロック』から学びました。また、放映からそれなりの月日が経っているのにも関わらず、そこに描かれた映像が「新しい」ものに見えたことにも感銘を受けました。
さて、それからさらに10年が経ち、新作『SEED』が人気を博している中作られた劇場版。果たしてその出来は?

まあぶっちゃけ分の悪い戦いなんですよね。テレビシリーズ14話分を、1時間半程度にまとめなきゃならん、という話なんですから。たしかに多少かけあし気味ではございましたが、わたしとしてはそれほど不自然には感じませんでした。むしろよくまとめたな、と。ライラなんか完全に省略されるかと思ったら、ちゃんと出てきたし。
しかしオリジナルと新作を継ぎ合わせた映像の方は、なんとも観ていて不自然でした。同一のキャラなのに顔が違って見えたし、なにより画質に著しい差があって、せっかくの「新しい」という『ゼータ』のイメージが大幅にダウンしてしまいました。
全部新作で作るのは、やはり時間的にも資金的にも苦しかったんでしょうか。富野監督は「全部つくりなおしたらそれでは『ゼータ』ではなくなってしまう」とおっしゃってましたが、そいでも全然構わなかったんですがねえ。後半にいくほど新作部分が多くなり、迫力ある・・・・というよか美しいMS戦が見られます。
話を戻してお話に関して。容量に限界がある中、監督がなんとか残しておきたかったと思える箇所は、主人公カミーユの両親に関する部分。カミ-ユのエキセントリックな性格は、この家庭環境が育んだ、ということを強調したかったのかな? あと少し変更があるものの、シャアに関してメインキャラが(本人含む)色々と論評する場面。シャアの狸っぷりがオリジナルより増しているような気がします。さらにカイとハヤトがシャアに関していかにも、という会話を交わしているところにも、思わずニヤリといたしました。
そんなわけでそこそこ楽しんだのですが、なにか物足りないと思えた点が一点。それはあの『Zガンダム』名物ともいうべき「修正」シーンが修正、というか丸ごとカットされていたこと。「こんな映画・・・・・修正しておけ!!」
・・・・すいません。これが言いたかっただけなんです。ハイ。
はやくも十月には第二部が公開予定。タイトルは『恋人たち』(ガニメデの優しい巨人』じゃないのか?)。
きっとスタッフはまだ30話以上あるオリジナルを、どうまとめるか四苦八苦していることでしょう。でも25話~31話はごく少数のエピソ-ドを除いて、まるまるはしょっちゃっていいんじゃないの? ン? 問題発言?

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June 08, 2005

クルセイダーが来るせいだ リドリー・スコット 『キングダム・オブ・ヘブン』

最近映画はイマイチ続きのSGAでございます。そんな中、「キミだけは裏切ってくれるな!」という思いで観にいったのが、これ『キングダム・オブ・ヘブン』です。
フランスの片田舎で鍛冶屋を営む青年バリアンは、突然彼の前に現れた父の口から、自分が貴族の家柄であることを知らされる。父はバリアンをエルサレムの十字軍に加わるよう誘う。妻の自殺という罪と、弾みで司祭を殺してしまった自分の罪を償うため、バリアンはその誘いを受ける。幾多の困難を乗り越えエルサレムにたどりついたバリアンだったが、エルサレム王国の余命は既に限られていた。
十字軍というと一昔前は、聖なる目的のために身を捧げた戦士たち、みたいなイメージがありましたが、今は神の名を隠れ蓑にやりたい放題蛮行を働いた連中であることも明らかにされています。この映画の十字軍はその中間のスタンスでとらえられています。純粋な目的で来た者もいたし、不純なやつらもいたと。純粋だろうが不純だろうが、そこに住んでいる人々にとっちゃ、迷惑なことには変りが無いのですけれど。
バリアンもその土地自体に意味など無い事に、すぐに気がつきます。そこで彼は無辜の民を守る事で、自分の罪を贖おうとします。こういうストイックなヒーロー像、いいですね。マキシマスといい、デッカードといい、リドリー・スコットの描くヒーローはどこかひかえめで、そんなところが自分の好みであります(レクター博士は例外)。
中東におけるクリスチャンVSムスリムという構図は、いやでも現在の世界情勢を思い起こさずにはいられません。違うのは劇中ではイスラム側が圧倒的優性なのに対し、現在はまるきし反対なところ。
監督はイスラム側にもなかなか配慮を示して作品を作っています。イスラム側のリーダー、サラディンは有能な軍略家でありながら、平和を重んじ、敵にも温情を示す懐の広い人物として描かれています。この辺監督が、近年イスラム系の国々で撮影をすることが多かったことなどが、大きく影響を及ぼしているようです。
キリストは弟子達に崇拝するのに場所は重要ではない、とはっきり言っています。けれどそんなことはおかまいなしに、今もエルサレム周辺では痛ましい事件が絶えません。終盤交わされる「エルサレムの意味とは?」というやりとりに、監督の言いたかったことが表れていると思います。でも本当は単に、破城槌がドッカンドッカン押し寄せる攻城戦がやりたかったんじゃないか、という疑念も否めないのですが。
主人公バリアンを演じるは『ロード・オブ・ザ・リング』でエルフのレゴラスを演じたオーランド・ブルーム。髪の毛の色もヒゲも濃くなり、すっかり男の顔になったという感じです。
ラストはわたしの予想とはかなり異なるものでした。同監督の史劇『グラディエーター』と比べると、それほど胸に迫るものではありませんでしたが、こういうまとめかたも「い~んじゃな~い」と思いました。

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June 07, 2005

先週(5/29)と今週(6/5)の『義経!』

(先週分)
ウィっす! 巴です!
あたし今でこそこんな筋肉ムキムキの女子プロレスラーですけど、ちょっと前までは雑誌のグラビア飾ってたトップアイドルだったんですよ。で、やっと卒業できたと思ったら、回ってきたのはやっぱりこんな肉体派の仕事。まあ、いいわよ。これまでは男たちを悩まし殺してきたけど、今度は容赦なく射殺していけばいいんでしょ! あなたのハートを狙い撃ち!
さ~て先週の『義経!』くんは
・冒頭15分見逃した・・・・
・絶つんだ情
・惨禍のくりから峠
・お仕事もらえて超ハッピー
の4本でした。もう、川ちゃんのバカ!


(今週分)
「継信です」「忠信です」「二人合わせて佐藤兄弟です」「まんまやがな」「なして関西弁しゃべっとんのや」「漫才やからやろ」「ほな、なんかおもろいこと言いなはれ」「せやかてわてら武骨モンやし」「もう時間無いど」「えーと、隣の家に囲いが・・・・」「もう、ええわ」「さ~て、今週の『義経!』くんは」
・猿の軍団 制圧
・三郎パシられまくり
・重盛聖衣(クロス)争奪戦
・恐怖! 呪いの屏風
「の4本でした」「あんたとはやってられへんわ!」

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June 05, 2005

いまだに大河ドラマ『新選組!』を振り返ってるよ!のコーナー② 沖田総司の巻

Kakakaiさまより教えていただきましたが、なんとびっくり、年末に新作SPが放映されることとあいなりました。
「いまだに」というより「いまこそ」という感じになってきて、めでたいことこの上ありません。
でははりきって参りましょう。幕末アイドルNO.1沖田総司くんの出番です。

沖田総司というと、普通はみなさん「薄幸の美青年」を思い浮かべるようですね。ところが実際の資料によると、「男前だった」と書いてあるものはどこにもない。むしろ色黒でヒラメ顔だったなんて、イメージぶちこわしの証言すらあります。子供に優しく、気さくな人柄だったというのは本当だったようですが。
「美形」というイメージが一般に広まっていったのは、やはり司馬先生の『燃えよ剣』からではないでしょうか。なんせ地の文にくどいくらい「可愛い」「可愛い」と書いてあります。もっとも司馬先生も、このイメージは沖田研究家の森満喜子という方から受け継いだもののようです。ともあれ、幕末のスターは数あれど、勝手に美形にされてしまったのはこの方くらいでしょう。

さて、『新選組!』における沖田くんですが、メンバーの中で最もいじめられたキャラでしたねえ。もちろん「いじめた」のは某シナリオライターです。最初は半人前扱いで、中盤は悪党と悪女に翻弄され、やっと一人前になったと思ったら不治の病に犯されてしまう。不治の病は史実だから仕方ないとしても、ラストの扱いなども含めて、「三谷さん沖田のこと嫌いなんだろうか?」と思わずにはいられません。
「わたしの好きな人はみなわたしの刀にかかって死んでしまう」というのも哀しいセリフでした。あるいはこうやっていじめぬくことが三谷さんなりの愛情の表れだったのか。だとすればかなり歪んだ愛情かと思われます。
「あいつはまだまだ子供だ」と近藤さんは言います。子供であるがゆえに、天才であるがゆえに、人の感情が理解できない。こういうキャラは普通にくまれ役になりそうなものですけど、あんまりそういう感じはしませんでした。子供特有の無邪気さが、母性愛を刺激するからでしょうか。うふ。

演じるは若手の藤原竜也くん。あんまり知らないんですけど、蜷川幸雄先生の秘蔵っ子だとか。やはり未見ですが、『バトル・ロワイアル』映画版で主役を務めたのも記憶に新しいところ。
三谷さんは座談会で「ハンパなセリフ書いたら藤原くんに怒られそうで」と言ってました。芸には厳しい方なんですかね。オフではW山本に色々小突かれていたようですが。
ファンのみなさんには申し訳ないんですけど、このひともあんまり美青年って感じじゃないんですよね。わたしのイメージは「子犬」(これ誰か言ってたっけ?)。あの目をウルウルさせてジーッと見られたら、「そうかそうか、さみしかったんかー!」と拾って帰ってしまうかもしれません。
あの妙チクリンなヘアスタイルをずっと続けたのはえらい。しまいにゃこっちも見慣れました。

印象に残っている場面を。
・序盤あたり 墨の付いた筆を持って源さんを「罰ゲームだぞー!」と追いかけるシーン。やはりガキだ。
・4話。山南さんに負けて果てしなく落ち込むシーン。打たれ弱いタイプ?
・10話。松平さまのとこから帰ってきたみんなを、ほっかむりして待っているシーン。「つれてってやりましょうよ!」というみんなの友情にホロリ。
・第2部でいろいろお梅に弄ばれるくだり。斎藤曰く「舞い上がっている」。まあ気持ちはわかるよ。
・吐血IN池田屋。先に演じた堺氏が「いい吐きっぷり」と太鼓判。蝶も舞います。
・32話。先の短いことを知り、懸命に竹刀を振るうシーン。「もっともっと強くなりたいし、もっともっと近藤さんや土方さんの役に立ちたい」。何もいえましぇん。
・38話。のっぴきならない状況に追い込まれた河合に関して、「命を大切にしないやつは嫌い」と言い放つシーン。及びその流れで39話でうどん、じゃなくて周平を「なんでもっと一生懸命やらない! ウラア!!」とタコ殴りにするシーン。もどかしさが半分、やつあたりが半分というところか。
・43話。「平助が逃げるわけないでしょう!」と叫ぶシーン。もう大人です。
・江戸に戻って。「病になったことさえわたしには得る物が大きかった」とお光さんに言うところ。もはや悟りの境地です。「あなたはおじいさんまで生きるの!」というお光さんが泣けます。

決めセリフは「わかんないな~」。果たして新作に出番はあるのか? 回想でちょこっとくらいは・・・・あるかな。

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June 04, 2005

闘猫伝説 HARD PUNCHER モン吉 第4話

第4話 地獄の特訓


hpm4-1SGAと契約を結んだモン吉はデビューにむけて準備を進めていた。
「いいか! プロのリングはこれまでとはワケが違うぞ! 今日から特訓だ!」
「ハイハイ」
檄をとばすSGAに対し、モン吉はすっかりやる気まんまんである。

hpm-2「だいたいなんで地上最強であるこのオレ様が、いまさら特訓なぞせにゃあならんのだ」

これまで一度も負けたことのないモン吉は、すっかり天狗になってしまっていた。


hpm2-3正直カチンときたSGAであったが、怒りをこらえて静かに言った。
「そうか・・・・ だが一汗かいたあとの飯はうまいぞ。この近くにうまい干物を出す店を知っているんだが・・・・」

その言葉に、モン吉のヒゲがピクリと動いた。


hpm4-4「こうか!?」
シュパ!と必殺の左ストレートが空を切る
(悪くない・・・・ だがこんなとこで満足してもらっては困る。お前には世界の頂点に立ってもらうのだからな)
SGAは胸の内でつぶやいた。

hpm4-5「脇をしめろ! 背筋をのばせ! 腰を入れろ! 一点を貫くように!」
SGAが吼える。
「それを500回だ!」


hpm4-6「こうだな!?」
ごう、と風が唸る音がジムに響いた。
(こいつは・・・・ 想像以上だ)
ほくそえむSGA。
こうしてモン吉は初戦に向け、万全の体勢を整えていくのであった。

          つづく


闘猫伝説 HARD PUNCHER モン吉主題歌
「燃えろ肉球 -THE BURNING PAD-」
(作詞・作曲・編曲 SGA屋伍一)

血を血で洗うコロシアム  ひらめく眼光 唸る爪
ゴングと同時に飛び出して  今だ必殺 肉球パンチ
HARD PUNCHER  HARD PUNCHER  
HARD PUNCHER  モン吉

歓声沸き立つスタジアム  敵はチンチラ アビシニアン
ロープにふったら狙いを定め  そうだ電光 肉球キック
CAT FIGHTER  CAT FIGHTER
CAT FIGHTER  モン吉 モン吉

*サビは『まんが水戸黄門』OP「♪ちゃん~ば~ら~」を、少し引き伸ばしたような感じで歌ってください。    


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June 03, 2005

なまえのあるかいぶつ 浦沢直樹 『PLUTO』

浦沢先生との(一方的な)おつきあいは『パイナップルARMY』(工藤かずや原作)からだから、もうけっこうなものになります。当時すでに『YAWARA!』で人気を博していたが、正直「このひとは原作付きの方が面白いなあ」と思っていました。しかしその後『MONSTER』を読み、「すいません! ぼくが間違ってました!」と泣いて謝りました(まあこの作品も後半はアレですけど)。
で、『MONSTER』に続き二度目の手塚賞を受賞した『PLUTO』について。原作は賞の名である手塚治虫御大の『鉄腕アトム』の1エピソード。それをかなり浦沢流にアレンジしたものとなっています。これまで原作が映画・小説という漫画は数多くありました。けれど原作が漫画の漫画というのは、ちょっと無かったように思えます。似たようなものはありましたが、トリビュートだったり原作がクレジットされてなかったり。受賞の理由はその辺が画期的だったからではないでしょうか。
ロボット技術が発達し、彼らが普通に人間社会に溶け込んでいる近未来。世界でもトップレベルにあるロボットたちが破壊されるという事件が相次ぐ。事件を調べていたロボット刑事ゲジヒトは、調査を進める内に被害者?を結ぶある事件があったことを突き止めるが・・・・
さすがに話題作だけあってよく売れている様子です。けれどこの漫画、かなりシュールな部類に入る作品じゃないでしょうか。だってロボットが普通にメシ食って、家族団欒して「明日動物園行こう」とか言ってるんですよ! ギャグならともかく、大マジメに。おまけにロボットの中にロボットが入って操縦してる日にゃあ、もうなにがなんだかワケワカメでございます。加えて登場するロボットの多くは人間と寸分違わぬ形をしているので、それがまた混乱に拍車をかけてくれます。ゲジヒトさんはアトムに対し、「君を見ていると、人間かロボットか識別システムが誤作動を起こしそうになる」と言いますが、そりゃあこっちのセリフですがな。でもさすがは浦沢というべきか、そのストーリーテーリングによってぐんぐん物語にひきこまれてしいます。多少の違和感も妨げにならないくらいに。
果たして手塚先生がどこまで考えてらっしゃったのかは謎ですが、少なくとも『PLUTO』におけるロボットのみに関して言うならば、彼らはそのまんまのロボットを表わしているのではなく、恐らく何かのメタファーなんでしょう。では一体なにを暗示しているのか? 人間に限りなく近く、でも人間とは違う存在? ・・・・ ・・・・ ・・・・あ、いかん、こっちがオーバーヒートしてきた・・・・ それなりに思いつくことはありますが、今の段階で答を出すのはまだ早急ですね(敵前逃亡)。
連載は7体目のロボであるエプシロンが登場。先にアトムの妹のウランちゃんもお目見えしたので、いよいよ役者が出揃ったというところ。でも肝心のプルートがいまだにシルエットのみ(笑) 彼の正体が明らかになる時、それはもしかしたら物語の根幹を成す謎が明らかになる時なのかもしれません。とりあえずこの作品はあまり風呂敷を広げすぎず、コンパクトに美しくまとまってほしいものです。
大きく叫びたかった点がひとつ。「チラッと出てくる『モグリの医者』って誰だよ! ブ○ックジャックって書けよ!!」
・・・・・ハアハア、失礼しました。ところでこの世界のDr・テンマはやはり『MONSTER』のDr.テンマの子孫なのか? 大学で“モグリの医者”とすれ違ったりしたのでしょうか? 妄想はとめどなく広がりつづけます。

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June 01, 2005

適当掲示板8&水曜スペシャル 猿の惑星

毎度ありがとうございます。当ブログに関するご意見ご感想、皆様のオススメ品、ネタなどあればよろしくメカドックです。
さて、以下は特別番組をお送りします。前回触れた猿事件の続報です。では、どうぞ。


ssp-1関東と東海の境に位置し、風光明媚で知られる温泉地A市。その平和は、突如として出没するようになった猛獣猿軍団により、はかなくも破られた。我々取材班はその実態を明らかにすべく、至急現地に向かったのだった。


ssp-2目撃情報をもとに、我々は駅から車で5分ほど離れた別荘地に向かった。山を分け入ること数分、果たしてとある民家の階段に、丸まって寝ている猛獣を発見した。画像ではクッションのようにも見えるが、隊員はたしかに猿だったと証言している。


ssp-3そして山を降りはじめたとき、我々は今度はなんと、堂々と道路を横切る猿たちと遭遇したのであった。これも画像で観ると犬だか猿だかわからないが、確かに猿だったと撮影した隊員は語っている。もっと近くに行って撮影できればよかったのだが、隊員の身の危険の事を考え、これ以上は断念せざるをえなかった。

ssp-4こうしてひとまず目的を達した我々取材班は、帰国の途に着いた。久しぶりの休息を満喫するのも束の間、今度は南米で幻の白い猿が目撃されたという情報を耳にした。我々はまた新たな目標に向け、ファイトを燃やすのであった。


        つづかない

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