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April 09, 2005

いまごろ大河ドラマ『新選組!』を振り返ってみようのコーナー⑪

当初は最後までいけるかどうか危ぶまれていたこのコーナーも、(数少ない)皆様の応援により、ど-にかここまで来る事ができました。まことにありがとうございます。
では張り切ってまいりましょう。十一回目です。

#47 ここがヤマでも山梨県
江戸に帰還した新選組。腰を落ち着けるヒマもなく、今度は空になった甲府城を守れという命令が降る。その道中、勇は故郷の人たちとの再会を果たす。
アヴァン・タイトルはおしっこの話題。先回との落差がすごい。いわゆる甲陽鎮撫隊の顛末が描かれます。さっさと城へ行けばいいのに、なぜ近藤はのらくらと時間をかけて向かったのか。二つの説があります。
A:どうせ先はもうないので楽しめるうちに楽しもうと思った
B:官軍はまだ当分来ないだろうとタカをくくっていた
このドラマではAの方針でいくのかと思いきや、もろにBでした。呆れます。
終盤で永倉と原田が離脱。永倉さんとはお互いわかりあって別れる、という形にしてほしかったけど、ものの見事に喧嘩別れでした(笑)。この辺、ちょっと唐突というか、スケジュールの逼迫が感じられました。サノスケ? あいつはまあ、逆にあんな形がらしいかと。差別かな。
終盤のキーパーソンは野田秀樹演じる勝海舟。新選組を厄介に思いながらも、同じ幕臣として申し訳なくも思っている。そんな感じが見てとれます。何しに出て来たのかわからない菜っ葉隊のビビル大木氏も登場。
この回の重要アイテム:マコトの旗。「この旗がオレを救ってくれた!」らしくない斎藤。でも微笑ましい。

#48 流れ流れて流山
「夢中弁解ヤマト」「加納さんの雪辱」というのも考えました。流山にて再起を図る新選組ご一行。しかし様子を見に来た官軍に怪しまれ、近藤は出頭を命じられる。行くべきか行かざるべきか―
全体として歌舞伎の『勧進帳』を思わせる展開。お役人の役になる古田新太演じる有馬藤太は暑苦しいながらも、情の篤い好漢として描かれています。
クライマックスでは近藤と土方の別れの場面が描かれます。必ず戻るといったのにあっさりゲロしてしまう近藤さん。山南さんもそうだったけど、どうしても少し粘れないのか。史実がそうなってるからしゃあないんですけど。
沖田の見舞いに来て「いつごろ死ぬんだ」と言う斎藤。かっこいいけど、実際には使えない、というか絶対に使ったらまずいセリフです。
冒頭で土方が「人は変っていかなきゃ」と言います。このドラマを通じて、みなそれぞれ成長しました。沖田、斎藤、平助etc・・・ 成長した途端お亡くなりになった方もいます(涙)。あと一番変ってないのは主役の二人のような気が。
この回の重要アイテム:今一度のコルク栓

#49 明治だよ! 全話終了!
もはやことは決した。近藤勇は板橋にて斬首。その報を聞き、彼を愛した人々はそれぞれの行動を取る。
このドラマには二つの課題があったと思います。一つは「人情家の近藤がなぜ“人斬り鬼”となったのか」を描くこと。もう一つは「主人公の斬首というラストをさわやかに締めくくれるか」ということ。二つとも満点とは言えませんけど、なかなか(特に後者は)がんばったと思います。
哀れなのは沖田。華々しく散る事もできず、お考ちゃんまでしなせてしまう。「彼の孤独を強調したかった」とのことですが、いくらなんでもこりゃあんまりです。
泣けるのは捨助。時として英雄になれないと悟ってしまった者は、どんな形であれ、本物の英雄と関わって生きたいと願うものです。それなのに「こんな奴知りません」といい放つ近藤さん。マジでむかついているようにしか見えませんでした(笑)。
全てを飲み込んで北へ向かう土方。彼にはまだ多くの冒険が残されています。
一番涙腺のツボだったのは最後の拳パックンチョ。近藤勇はここで生涯を終えるわけですが、彼の意思は多くの者に受け継がれ、平成のわたしたちの心をも動かす。すばらしいことじゃあーりませんか。
それでも「これじゃ尻切れトンボじゃねーか!」というあなたへ。この続きは
1.劇場版『新選組!』(あるのか?)で
2.○年後の大河『五稜郭!』(やるのか?)で
3.『風雲児たち 幕末編』(いつなのか?)で
楽しむことといたしましょう。
最後の重要アイテム:ジョン・健・ヌッツォの歌う『新選組!』テーマソング

ああ! 終った・・・・ 長い戦いだった(眠気と記憶力との)・・・・ 長いといってもしょせん三ヶ月程度ですけど
でもここまでやったからには総論みたいのも書きたいような、めんどいような。どうしよっかなー
(なんて歯切れの悪いEND) 

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Comments

お疲れ様でした。継続は力なりですな。
>野田秀樹演じる勝海舟。
そうでしたね。彼の表情にはどこかそういった
気持ちが現れていたような気がします。
対照的に今一だったのは山岡さん。
見事に振り回されっぱなし・・・。
>「彼の孤独を強調したかった」
これが孤独と言うのか・・・単に
「救われないキャラだ」
と言ってるようにしか見えないが・・・。
>捨助
何だかすき放題するだけやって、最後は暴れて死んだという印象ですね。
彼の行動理念は「勝っちゃ~ん」
の一言に尽きると思います。
>続きは
3を希望(いつになるのか・・・)。
別の話題は掲示板に書きます。ではでは。

Posted by: まさとし | April 10, 2005 12:19 PM

ありがとうございます。終ったような終ってないような・・・
>野田秀樹演じる勝海舟。
「ありふれた生活」によると、あんまり自分の演技に納得がいってなかったとか
>対照的に今一だったのは山岡さん。
そういや彼のこと忘れてた(笑) このドラマでは本当いいとこなしでしたね
>沖田
やっぱ三谷さんは二枚目とかきらいなんですよ。たぶん。
>続きは
3を希望(いつになるのか・・・)。
少なくみつもっても・・・あと十年? みなもと先生とさいとう・たかを氏の長寿を祈りませう

Posted by: SGA屋伍一  | April 10, 2005 09:52 PM

お疲れさまでした〜。泣けてきますねぇ。
>全体として歌舞伎の『勧進帳』を思わせる展開
確かに……。でも、「勧進帳」では義経は弁慶の機転で助かるんだけど、勇は助からんのだ。哀れだ。有馬も哀れだ。

>でもここまでやったからには総論みたいのも書きたいような、めんどいような。どうしよっかなー
ドラマにも「スペシャル」がありましたゆえ、ぜひスペシャルバージョンを!
座談会もありかな? でも、それは高野さんのところで見られますね。

今日(4月10日)、ようやく「新選組!」スペシャルの特典映像のみ見ました。
座談会、いいです。30日にやったのよりもずっとおもしろかったです。この収録、まだ最後の場面を取り終わる前にされていたのだとこれを見て知りました。きっとあの席、酒の匂いがぷんぷんだっただろうなあと思います。
「勘九郎劇場」ダイジェストでは、近藤の最後の台詞「とし」の誕生秘話が語られてました。
スペシャルの番組スポットは一度も見てなかったので、新鮮でした。

Posted by: kakakai | April 11, 2005 01:56 AM

こんばんは!
私もやっと、総集編の座談会だけ見ました(笑)
いやー長い!充実!BOX両方買ったのに、これだけのためにと思いましたが、これだけのために正解です。
逆にナレーションがないのがテーマだったこのドラマでナレーションが入ってしまう総集編の方が惜しいのかも。
第弐集に入る未公開シーンにも期待です。

さて。本題。
もちろーん!!!
乙彼様でした!!!
いやーよくやった!!(ぶんぶん←手を握る)
夕陽がまぶしいな!!(どこに?)
絶対やれると信じていたよ!(マジです)

>>#47 ここがヤマでも山梨県
B:官軍はまだ当分来ないだろうとタカをくくっていた
もろにBでした。呆れます。
終盤で永倉と原田が離脱。永倉さんとはお互いわかりあって別れる、という形にしてほしかったけど、ものの見事に喧嘩別れでした(笑)。この辺、ちょっと唐突というか、スケジュールの逼迫が感じられました。

まったくです。
菜っ葉隊に関しては、あんなお仲間キャスティングでは逆に実在したことすら疑わしくなってしまった。当時本当に立腹したおぼえがあります。
山岡さんは、藤沢周平の幕末もの2編両方に出て来るのに、どっちでも何をしたかったひとなのか全くわかりません!!(笑)彼だけを扱った本でも読んでみないことにはね。
でも、うちの大学の創立者が彼を大好きで、学生手帳を見ると彼を褒め称える歌が一杯載ってます(笑)
島田魁の「最後までつかみどころのない…」(尾形俊太郎に対して)は、この人に捧げるべきでした(笑)
アレ?なんであんなところに五代がいたんだろう??

>>#48 流れ流れて流山
「夢中弁解ヤマト」「加納さんの雪辱」
やっぱこれでしょー!!

>>暑苦しいながらも、情の篤い好漢として描かれています。

ぶっははははは(笑)こういう文章、本当にうまいですね。

>>山南さんもそうだったけど、どうしても少し粘れないのか。史実がそうなってるからしゃあないんですけど。

史実もそうであるにしても、徹底的に比重が偏ってたのは否めませんね。結構、重くすべきところが一般の感覚と違ったかも。

>>#49 明治だよ! 全話終了!
このドラマには二つの課題があったと思います。一つは「人情家の近藤がなぜ“人斬り鬼”となったのか」を描くこと。もう一つは「主人公の斬首というラストをさわやかに締めくくれるか」ということ。二つとも満点とは言えませんけど、なかなか(特に後者は)がんばったと思います。

そして前者についてはよくわからなかったです(笑)
沖田君は、本当に、孤独どころじゃなかったですね。特に、お孝ちゃんまで死ぬ理由がまったくわからんです。
後半アラが目立ちましたが(やはり短気決戦型か)これも大きなアラでしたね。あの斎藤の崩壊といい。
捨助も、当初の予想通りとはいえ、死に方自体はもうちょっとまともにできたのではないかと。

>>3.『風雲児たち 幕末編』(いつなのか?)で楽しむことといたしましょう。

これが一番可能性高いですよね(笑)
続編は、まだ一部女子が騒いでますが、ないでしょう。

いとしき~ トシはいずこに~
いさみは~ 露と消えても~♪

本当に有難うございました。
ええと、勿論、総論と列伝アリですよね?(^^)

Posted by: 高野正宗 | April 11, 2005 07:51 PM

Kakakaiさま、高野さま、いつもコメントありがとうございます。
>座談会
そんなに面白かとですか。・・・激しく見たい・・・ しかしDVD-BOXを買う金も、見るヒマもない・・・ あ、『ガンバの冒険』もまだホコリかぶったままだ(涙)

>総論
ドラマ形体を語るような内容になるので、あまりギャグの無い内容になるかと思いますが、それでよければ。

>近藤の最後の台詞「とし」の誕生秘話が語られてました。
「ありふれた生活」でも語られていました。「3」では収録しきれなかったかな?

>そして前者についてはよくわからなかったです(笑)
わたしとしては芹沢を斬ってしまった以上は、いかなる犠牲をはらっても尽忠報国に徹する―という流れだったんだと思いますが、結局「鬼」としての近藤を描ききれなかったような気がします。

しかし今さらいうのもなんですが、本当に毎週見ていて楽しめる作品でした。辛い回もありましたけど、そういうのも全部ひっくるめて愛着の深いドラマです。

Posted by: SGA屋伍一  | April 11, 2005 09:53 PM

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