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April 15, 2005

サブマリン507 樋口真嗣 『ローレライ』

♪ローレンローレンローレン
ローレンローレンローレン
ローレラ~イ

と、予告のとおり映画『ローレライ』についてダベります。
先に紹介した小説版とストーリーの枠組みは共通しておりますが、肉付けは同時進行で進められていったとのこと。つーわけで、この二作品は原作→映画化というより、兄弟のような関係にあります。
ですからやはりというべきか、半分くらい違う話でした。まず、映画には小説版では重要なキャラであるフリッツ・エブナーが登場しません。こいつ気に入ってたんだけどなー。
他のキャラクターの過去なんかもほぼ全てカット。というか、各キャラの出自も小説とは微妙に異なっている様子です。
そのため、ストーリーは極めてシンプルな形となっておりますが、それが話全体のテンポをよくしており、これはこれで悪くない気がします。小説は余分があるのがいいところ、映画は無駄がないのがいいところ、という感じでしょうか。

わたしが小説より「いいな~」と思ったのは主人公、折笠征人の人物造形。小説版の彼もなかなか好感の持てる少年ですけど、ヒロインの前に出るたびにラブコメよろしくときめいたりヘドモドしたりするのは、自称ハードボイルダー(笑)としてはイライラするわけですよ。それよりは映画の妻夫木聡演じるぶっきらぼうで、ストイックな折笠の方が感情移入しやすかったです。
逆に映画版で苦しいな、と感じたのは浅倉大佐の言う「国家としての切腹」が、なぜあのような行動となるのかわかりにくかった点。それなりに脳内で補完することはできますが、正直この点に関しては映画のテンポの良さが仇になったようです。小説を読むと、そりゃ賛同はしませんけど、浅倉がどのような思考の果てにあの決断にいたったのかが、それなりにわかるようになっています。

(以下、ちょっとネタバレ)
ラストも映画と小説では色々異なっております。小説版は結局泣かされてしまいましたが、最後の方の艦長の決断には少々納得し難いものも感じていました。ですから映画版の、幻想の中に消えていくようなあの終り方の方が、さわやかとというか、抵抗感なく受け止めることができました。実際に戦争を経験した人は「あんなに甘いものじゃない」と思われるでしょうけど、死を美化せずに煙に巻くように終らせた樋口監督の方針はまちがっていないと思います。

映画で一番涙目にさせられたのは國村準演じる船医が、若い兵士に「これ持ってけ」とあるものを渡すシーン。ここはできたら実際に観て欲しいところです。
あと、清永・・・・・・ お前は映画でも小説でも悲しいキャラだな(ハァ) 

結論として「小説は戦記・冒険もの、映画はファンタジー」という印象です。けれど、小説で納得のいかなかった人は映画を観てほしいです。また映画を観た人は是非原作も読んで欲しい。この『終戦のローレライ』及び『ローレライ』はそんな風に両者を味わう事によって、一層の深みをかもし出す作品と言えるでしょう。
話を戻して恐縮ですけど、同時進行ですすめて言ったはずなのに、映画の公開は小説刊行の二年以上あと。この間隔を考えると、「やっぱ映画作るのって大変なんだなあ」とつくづく思います。そりゃ小説書くのだって決して楽ではないでしょうけど。

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Comments

>浅倉大佐の言う「国家としての切腹」が、なぜあのような行動となるのかわかりにくかった点。

映画での朝倉は、朝倉がどういう思想をもってどんな人物像なのかが、まったくわかりませんでした。

映画『ローレライ』は、本来、樋口真嗣さんが表現したかったこととは違うんだということが、
『樋口真嗣■映画『ローレライ』画コンテ集』を購入し、樋口さんの「初期コンテ」を読んで知りました。
実際、映画として構築していく際に、諸事情により、違う作品に行き着いてしまったというのが本当のところなのではないかと…
「初期コンテ」にはフリッツも大活躍していますし、なぜ征人が伊507の乗組員として選ばれたのかの理由も書かれていますし、朝倉のキャラも上手く表現できています。
あと、清水も映画のような、お間抜けな死に方をせずに、かっこいい男気を見せています。

「初期コンテ」では、登場人物全てのキャラが立って描かれていました。

ということで、2つほどTBさせていただきますm(__)m


Posted by: a_bee | April 17, 2005 08:08 PM

記事読ませていただきました。
うーん、してみると当初の構想ではもっと原作に近い話になる予定だったんですね。
テンポも大事だけど、やはりあと1時間は欲しかったというところでしょうか。

以前『トップランナー』で庵野監督が「アニメは絵コンテができればもう完成が目に見える。しかし実写は絵コンテどおりにはなかなかいかない。それが面白い」と言ってましたね。実際の話、面白いと思えるのは庵野さんくらいで、多くの監督達は思い通りいかないことに切歯扼腕しているのではないでしょうか。

とはいえ、映画『ローレライ』は説明不足なところもありましたが、全体的に好みの作品ではありました。なんとか黒字になって、樋口監督にさらなるチャンスが巡ってくればいいなと。

清永はやっぱりフェ○トさんなんでしょうね(笑)

Posted by: SGA屋伍一  | April 17, 2005 10:51 PM

この映画、見たいけど、女性向きじゃないよなー。どうしよっかなー。と思っていたのだけれど、見に行ってみようかな。まだやってるところあるかな。と調べたら、まだやっていたので、見に行こう。

Posted by: kakakai | April 20, 2005 12:08 AM

あー。どうでしたかねえ。
毎度当て推量ですけど、Kakakaiさまだったら映画『ローレライ』より、『終戦のローレライ』より、『亡国のイージス』が気に入られるんじゃないかと思います。
>女性向きじゃないよなー。
とりあえずキャストは男だらけです。
ヒロインの香椎由宇ちゃんもキリリとしてて、ボーイッシュな方だしなあ。

Posted by: SGA屋伍一  | April 20, 2005 06:16 PM

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Posted by: 新世紀 | July 09, 2008 05:19 PM

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