ダーリンはGAINAX 安野モヨコ 『監督不行届』
安野モヨコさんという人は、オシャレでいまどきのレデェの漫画を描く人だと思っていた。まさかそんな人の本を買う日がこようとは。
『エヴァ』で一躍アニメ界のカリスマと化した庵野秀明と、安野女史のオタクな夫婦生活を描いたエッセイ・コミック。例えば第1話は奥さんがタイムスリップグリコのおまけを踏んづけるところから始まる。
「ごはんも食わんと菓子ばっかり食って いったい何歳なの!!」「10歳」
庵野氏は『エヴァ』のとき「シンジ君(14)はいまのボクです」と言っていた。退化してどうするよ(笑)
家中を特撮グッズやDVDで埋め尽くしていき、ところかまわずウルトラマンのポーズを決めまくるMr.アンノ。そのすさまじいオタクぶりは、オタク四天王の名にふさわしい。
Mrs.アンノは独身のころはまだオタク指数を低く保っていたらしいが、監督と生活するにつれ、自身も歯止めが掛からなくなっていく。「カントクのせいだよ」「服も全然買わなくなっちゃったし」「なんかどんどんヤバくなってる気がする」 ・・・・ま、相手が悪かったとしか言いようがないっすね。
この繊細で変人なダンナの奇行ぶりを、しっかり者でうっかり者の妻が面白おかしく伝えるというスタイル、「最近どっかで」と思ったら、今ちまたで流行りの『ダーリンは外国人』シリーズとまったくおんなじだ。ダーリンがヒゲを生やしててチリチリヘアーなとこまで一緒である。
わたしは『ダーリンは外国人』も楽しく読んだが、オタクにとってどちらが面白いかといえば、それはやっぱり本書のほう。出てくるネタの大体がわかってしまったということは、安野女史とほぼ同年代ということをさっぴいても、自分もかなりのオタクだということを再認識させられた。『リスのバナー』なんてタイトル、20年ぶりに目にしたしな。♪バナー きみはねこじゃない やさしいかあさんねこだけど(どんな家族だ) あ、みなさん『熊の子ジャッキー』って知ってます?
そうした解説つきのオタクトリビアが楽しいし、跳ねたりもがいたりするカントクの珍妙なポーズもいちいち面白い。
やや前の年代のアニメ・マンガが大好きというひとにおすすめします。
最近庵野監督、日産のCMに出ているが、それを観ておもったのは本物はマンガよりいささかカッコイイということである。ずるいよ! オタクなのに!
Comments
まいど
本書はぜんぜん知らないのですが・・・
気になるキーワードがあるので
>庵野秀明
色々噂は聞いてたけど・・・・・
そういうことでしたか。
>オタク四天王
残り三人は誰だ(笑)?
横道にそれますが、
アニメ化に際して彼がお気に入りで
監督もした「彼氏彼女の事情」原作が
ようやく完結したようです。
・・・・・いや、これは読んでたのと
庵野氏つながりということで・・。
>安野モヨコ
どちらかというとファッション
雑誌とかのイラストを電車のつり広告で
みるケースが多いですね。
ではでは。
Posted by: まさとし | April 26, 2005 09:58 PM
どもども
>オタク四天王
“オタキング”岡田斗志夫はまちがいないとして、他は竹熊健太郎、宅八朗、唐沢俊一・・・と諸説あるようです。我らが工藤画伯も大したレベルのようですけど。
>『彼氏彼女の事情』
テレビで2、3話観ました。わりかし普通の少女マンガという印象です。完結したですか・・・・ちょっと気になる。
>安野モヨコ
目とクチビルがバーン!とでかい絵が印象的ですが、この本みたいなコミカルなタッチでも書けるんだなー、とちょっと見直しました。
Posted by: SGA屋伍一 | April 27, 2005 10:03 PM
初めまして、angelparteと申します。TBありがとうございましたv
庵野監督、日産のCMに出てるんですね。知りませんでした、ぜひともチェックしなくては。
『彼氏彼女の事情』はアニメの方で見てました。完結したんですね~、私もちょっと気になります。
Posted by: angelparte | April 28, 2005 09:31 PM
>angelparteさま
返事がおそくなりまして、もーしわけございません! 突然TB送りつけて失礼しました。「オタク四天王」で検索したらそちらがヒットしたので、参考にさせて頂きました。
ご迷惑でなければ、そのうちそちらにお邪魔させていただければと思います。
>カレカノ
は未読ですが、野朗のくせに一時期『花とゆめ』系のマンガはよく読んでました
Posted by: SGA屋伍一 | April 29, 2005 09:29 PM