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March 12, 2005

歩く稲妻 オリバー・ストーン 『アレクサンダー』

歩く稲妻がペルシャ攻める ホモと文化 食い漁る ゲッチュー
・・・今回はホントひんしゅくネタだな。公開ぼちぼち終了しそうなんで急遽UPです。鳴り物入りで入ってきたわりに、成績苦しいみたいですね。いくら純愛ブーム真っ盛りと言えど、「ヒロインが男」というのがやっぱり致命的だったんではないかと。

実はO・ストーンほぼ初体験。この前と言うと、なんかやりながらテレビで『プラトーン』観たくらい。そんなわけでドキドキもんでしたが、まあ、楽しめました。オリバーさんと言うともっぱら1970年代を舞台にした作品群で知られていますが、今回はなんと紀元前。・・・・・時代飛びすぎだろ。
さて、物語はアレク三太君(以下三太)の複雑な家庭環境から始まります。三太君はパパもママも大好きなのに、夫婦仲は超最悪。どれくらい悪いかと言うと、いつ殺し合いになってもおかしくないくらい。ついでに言っとくと、ママは蛇フェチ。オリバーさんは三太君の以後の行動・・・東方遠征、民族融和、ホモに走る・・・の原因が全てこの幼少期に端を発したものだと主張します。
幼少期を終えると、話は彼の生涯で最も華々しい瞬間である“ガウガメラ(怪獣ではない)の戦い”へと飛びます。けっこう盛り上がるんですが、このパートが終了した時点でまだ1時間。あとの2時間は、三太君の苦悩が延々と語られます。
そんなわけでこの映画、去年の『トロイ』などに比べ、あまりスカッとする作品ではございません。が、オリバー監督は最初からそういうものを作る気はなかったのでしょう。希代の英雄アレクサンダーも、仮面をはぐれば母親から逃げたいだけの悩める青年だったと。しかし、そんな私的な理由で八年も遠征に付き合わされる部下達はたまったもんじゃありません。このあたりの部下達の描写に、自らもベトナム戦争に従軍したオリバーさんの心情がうかがえます。
ですが監督は三太君にもけっこう愛着があるようで、周囲に理解されない孤独な男として、三太君を同情たっぷりに描いています。主要人物であるプトレマイオスの心情が、そのまま監督の三太君に対する思いを表わしているような気がします。

主演はコリン・ファレル。演技派らしいですが、自分は『デアデビル』のいかれた悪役の印象しかありません。今回の登板でますます「へんなやつ」のイメージを強くしました。
また、中盤で出てくる古代都市バビロンの再現は見事。古代ファンは必見です。
あと、先ほど「『トロイ』を意識してない」ということを書きましたが、作中でしきりに「アキレスが、アキレスが」と繰りかえされるところを見ると、やっぱり意識してたのかもしれません。

ジュリアス・シーザーは30代になったある日、「自分は三太がペルシャを倒した歳になったのに、何もなしてない」と嘆いたそうです。
ついでに言うと、エド・ウッドも似たような歳の時、「自分はオーソン・ウエルスが『市民ケーン』を撮った歳になったのに、なにも出来ていない」と嘆いたとか。
自分ももう31ですが、さして特にそういう感慨はございません。あ、だからダメなのか(笑)

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Comments

どうも。やっぱり何もしていない高野です。
でも、確かに思うことはありますね。27の時、
「自分は諸葛亮が軍師デビューした歳になって、何もしてない」。
ま、子供の頃から何となく28で結婚するという予感があり、実際29になったばっかりで結婚して、これが「出盧」かもしれませんが。
ま、そんなことはともあれ、今回も大爆笑です。のっけから。うまいっ!!!!!

そーか、ヘレニズムも、母ちゃんのせいなのか。
母ちゃんの演技がくっさすぎって批評がありましたが、いかがでしたか?
すっきりできないのかー。うーん。ここまで来たらもうDVDのつもりなので、いいんですけど、個人的にはすっきりできないのはわざわざ観に行くのはちょっとです。
けれど強圧的な母親→ゲイになる、は、ハリウッド監督らしからぬ陳腐な思想ですね。そういう前時代的な説って自由の国アメリカのおハリウッドで振りかざしちゃって大丈夫なのかしら?(笑)あの頃は、言葉通り、「愛に区別はな」かったんですけどねえ。
ま、アレクサンダーの生涯や鬱屈をもともと知っている人なら、過剰な期待をしてスッキリ感を求めずに来るかもしれませんが、そうでない人には辛いと。でも、どっちの人も楽しめるバランスには、確かに欠けていそうですね。
しかし本当に、まめにお出かけになりますね。えらいです。
とりあえず、最近はすぐDVDになるので、なったら借ります。

Posted by: 高野正宗 | March 13, 2005 at 06:26 PM

>ジュリアス・シーザーは30代になったある日…

 私は今年、イエス・キリストの享年と同い年になります…嗚呼(彼の生涯の約60倍の年月、キリスト教が世界に良し悪し問わず影響を及ぼしている事を考えるといささか気が遠くなります)。

Posted by: 克森淳 | March 13, 2005 at 10:19 PM

>高野正宗さま
>母ちゃんの演技
まあ、アンジェリーナねえちゃんがもともとクドめなので、わたしはあまり気になりませんでしたが、言われてみれば部屋の中で一人自分の世界に入っているシーンが多かったかな(笑)
>ヘレニズムも、母ちゃんのせい
という風に監督は語っていましたが、わたしはなんでもかんでも幼少期のトラウマのせいにするのはどうかと思いました。この辺、監督の性向もあると思いますが、もうちょっと健康的につくれんかな~と。
でもガウガメラの戦いはそれなりに燃えます。また、主人公とヒロイン(♂)の関係に、高野さまは萌えるかも(失礼)


>克森淳さま
まあ気楽にいきましょうや。
ちなみに自分、キリストは大変尊敬しております。ただ、現在の教会の様子を彼が見たならばさぞかし落胆することでしょうね。国家の紛争を推進したり支援したりする輩はその時点でクリスチャンとは言えません。キリストは「汝の敵をも愛しなさい」と言っているわけですから。

Posted by: SGA屋伍一  | March 13, 2005 at 11:22 PM

>ちなみに自分、キリストは大変尊敬しております

 ご存知かも知れませんが、私はキリスト教系のカルトに洗脳されてた事があるため、イエス(「キリスト」と言うのは苗字ではなく「油注がれた者=救世主」の意ゆえ、私はイエスと呼称)に対しては微妙な感情がありますが、歩けない人を癒し、「罪は許された」と言った事でとがめられた時「歩けない者に『立って歩け』と言うのと『罪は許された』と言うのとどちらが優しいか」と答えた逸話は好きです。

 「罪は許された」と言うのを「原罪」云々から外して「あなたの“障害”は、あなたの非ではないんですよ」と言う意味で捉えれば、とても優しい言葉だと思います。と、同時に「世界中の自称キリスト教徒や、ひいてはイエス自身すら常にこう言う態度であれば世の中少しは暮らしやすいのに…」と言いたくなる私(新約聖書の「福音書」におけるイエス像は、時折この逸話と矛盾する姿も見せる)。

Posted by: 克森淳 | March 14, 2005 at 12:02 AM

聖書でいう「原罪」について
「わたしはなにも悪い事などしていないのに
 なぜ罪人呼ばわりされねばならないのか」
と思うアジア系の方は少なくないようですね。
恐らく聖書と日本語の「罪」に関する概念には少なからぬ差があると考えていますが。

まあ、こんなくだらぬブログで「イエスが云々」というのは畏れ多い気もするので、この話題はできたらこの辺で。


Posted by: SGA屋伍一 | March 14, 2005 at 10:54 AM

三太君はそんなキャラだったんですか!勉強になりますわ。
でもそれならまして、コリン・ファレルはダメでしょ(笑)。美しさの無いホモなんて、見てるほうにしたら苦痛でしかございませんもの・・・あっ、失礼。

Posted by: ハル | March 14, 2005 at 01:01 PM

>この話題はできたらこの辺で

 すいません、どうも自分の古傷とか色々思い出していたら話題がこんがらがってしまって…。

 話を最初に戻しまして。後10年生きていたら、その時には「勝小吉が自らを“老人”と言っていた年になっちまった…」とか嘆いていそうな私。

Posted by: 克森淳 | March 14, 2005 at 07:25 PM

>ハルさま
あら? ハルさまコリン・ファレル好きじゃなかったんですか(笑)? まあ、非のうちどころのない美形よりは「味のある」顔立ちの方が愛情が湧くこともありますよね。犬や猫もそう(コリンすまん)。

>克森淳さま
どうぞお気になさらず。
小吉さんは単なる生き急ぎじゃないでしょうか。先週のA日新聞の読書欄に「後半生はオタクのもんだ!」とありましたから、まだまだお楽しみはこれからっすよ。

Posted by: SGA屋伍一 | March 14, 2005 at 09:54 PM

こんばんは。
…というわけで…(ってか、観てない映画に既にコメントしてる自分が恥)
私も一番興奮したのが、バビロンの青い門でした。
あれは涙モノ(T_T)
「あらーん」なシーンは、あんまり堂々とやってられちゃってただただ目が点でした。

Posted by: 高野正宗 | April 22, 2007 at 10:13 PM

おかえりなさい(笑)

>バビロンの青い門

あー、なんかありましたね。歴史系のイラストでよく出てくるヤツ
『ハムナプトラ』の冒頭のシーンで同様の興奮を覚えたことがあります

>「あらーん」なシーン

一家団欒して見るには向かない映画ですよね。踊り子(男)が股間をフリフリするあたりが一番げんなりきました

Posted by: SGA屋伍一 | April 23, 2007 at 10:59 PM

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