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March 09, 2005

ひょっこり竜宮島 羽原信義 『蒼穹のファフナー』

えー。これも放映終了からすでに2ヶ月以上経過しておりますが、DVDはリリース続行中なので、ひとつお目こぼしを。
日本近海に浮かぶ奇妙な形の島、竜宮島(たつみやじま)。豊かな自然に抱かれて日々を暮らす少年達の日常は、“フェストゥム”と呼ばれる謎の怪物の襲来により、突如として打ち破られる。このことを予期していたのか、動揺することなく迎撃体制をとる大人たち。そして少年達は、自分らが異形の存在と戦うために育てられた戦士であることを知らされる・・・・・・
この竜宮島、瓦屋根や石垣が立ち並び、階段がやたらと多い。要するに大林宣彦監督の「尾道三部作」をロボットアニメでやりたいのか、と最初は思った。だが中盤でこの島が「平和というものがどんな物なのか」教えるためのテーマパークも兼ねていたことが明らかになると、むしろクレヨンしんちゃんの「オトナ帝国」に近い存在であることがわかる。
作品のテーマは、「実存」だろうか。作中で、登場人物はフェストゥムによりしつこいくらい「あなたは、そこにいますか?」と問い掛けられる。基本的に「群体」であるフェストゥムは、「個」の感情や行動原理を理解できないからだ。そこで彼らは人間を侵食したり、吸収したりすることでそれを理解しようとする。一方少年達は否応なしにやらされる事になった戦いの中で、なぜ、自分がやらねばならないのか、自分の存在価値はなんなのか、答えを探し求めていく構図になっている。
ただ、みていてちょっと辛いのは、色んなところで言われていたが、『エヴァ』その他の先行作品と、イメージがダブるところがちょっと目立つ。スタッフは承知の上でやっているのだろうけど、パッと観て「エヴァの二番煎じ」と結論してしまう人は多いだろう。
逆によかったところは、主人公・一騎とリーダー・総士の友情の回復を描いたくだりなど。一騎は総士の必要とあらば仲間をも切り捨てるような采配が納得できず、自分の肉体が変質していく不安も手伝って島をとびだしてしまう。しかし地獄のような外界の惨状を目の当たりにした彼は、友が背負っていたものの重さを思い知る。そして、自らの意思で友の助けとなることを決意し、島に戻る。こういう健やかなテイストは、エヴァにはあまり見られなかった点だ。
また、戦闘員の年齢層が幅広く(ばあちゃん含む)、平常時は魚屋やサテンのマスターとかやっている描写が面白かった。
あと一点、くだらないことを。主役メカである『ファフナー』はドイツ数字で呼び表わされている。前半主役の11号機は「マークエルフ」という具合。これで1から10まで、ドイツ語でなんと言うか知ることができる・・・と思ったら9号機と10号機は出てこなかった。というわけで、どなたか9と10だけおしえてつかあさい。

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Comments

 >タイガー&ドラゴンと蒼穹のファフナ-
 スガ様と高野様に捧げるネタです
「地底変動」
http://web1.nazca.co.jp/hp/chitei/
タイガー&ドラゴンに松本ゆりか(真矢役)が出演。
第二の杉田刑事になりますか?

Posted by: 犬塚志乃 | April 24, 2005 at 07:41 PM

タイガー&ドラゴン、面白いですね。SP版も観ました。古典落語の勉強にもなります。
あ~、このコ、真矢ちゃんだったんだ。かなりバカっぽい役でしたね~ カンチョウされて喜んでたし

Posted by: SGA屋伍一  | April 25, 2005 at 08:32 AM

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