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February 19, 2005

人間不合格 太宰治 『走れメロス』

(注・以下の文章は到底文学を真面目に論じたものではありません。「冗談は嫌いだ」という方、太宰治を心から愛する方はどうかお引取りください)

あれは何年前のことでしょう。帰りの電車で何か本を読みたい。でもポッケに残ったのは300円だけ。これで買える文庫本はないかな~と近くの書店を探したところ、一冊見つかりました。それは太宰治著・『人間失格』。
・・・ブルーな気分の帰り道でした(笑)

で、『メロス』です。最初に知ったのはニッセイの作ったアニメ。のちに教科書で原典を読み、単純に感動しました。まあ、メロスの約束を果たすためには死をも厭わない男気とか、セリヌンティウスの友のためには命の一つくらいくれちゃるわい、という友情に、心打たれたわけですね。
ところが最近、あるサイトで「『メロス』のここがおかしい」という内容の文章を目にしました。読んでみると、なるほど、いちいちもっともなことが書かれてるんです。「ああ、そういえばそうだなあ」と。自分、好きになってしまうと欠点とかまるで目に入らなくなってしまう性向があり、それで何度か失敗もしております。
ま、それは置いといて(笑)、『メロス』に感動してしまった人間としては、そのまま引き下がっているのはなんだか癪な気がします。そこで『メロス』擁護のために一筆?書くことにいたしました。そういえばそれにうってつけの、「いい話」がひとつあったんです。以下は、わたしが中学生の折り学校に配られた、『文学者のA海』という冊子に載せられていたものです(やや脚色入れてますが)。

太宰治と壇一雄。当時「文壇のダブル・ダイナマイト」と呼ばれた二人は、旅先の小料理屋で一杯やることにしました。ところが計画性のまるでない二人のこと。高い魚をホイホイ注文しているうち、手持ちの金額では勘定がとても払えなくなっていることに気がつきます(馬鹿だ)。そこで太宰はダンを泊まっていた旅館に人質として残し、一人東京に金策のため、帰ります。太宰の帰りを待ちわびるダン。ところがどっこい大作、まてどくらせど太宰は戻ってこない。いい加減堪忍袋の緒が切れたダンは、親戚を呼び寄せて金を払わせ、なんとか自由の身になります。
「だざいーッ! ぶっころーすッ!」と殺る気まんまんで東京にかえってきたダン。血眼になって太宰の居所を探し回った結果、I伏鱒二宅で飲んだくれている標的を発見。「ワレええ度胸しとるやないけ!」と締め上げます。すると、太宰は、「お、お、おれだってつらかったんだぞーっ!」と逆切れしたといいます。

・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・

なんていい話でしょう。本家『メロス』の感動もふっとびます。しかし自分の失敗を、ずうずうしくも美談に造り変えて発表してしまう太宰のこういうダメダメさに、ある人は母性愛をくすぐられ、ある人は共感を覚えてしまうのでしょう。数年前のデータですが、新潮文庫の累計売上トップが『人間失格』というのもその辺から来ている気がします。「安いから」というのもあると思いますが(ちなみにダンさんは『メロス』発表後、「名作を創る手助けができてよかった」なんてコメントをのこしています。この人もようわからん人だ)。

少しは『メロス』擁護になったでしょうか。ていうか、全部敵に回した気がします。
馬鹿は死ななきゃ治らない、というお話。以上。

追記:より正確な事実が知りたい方は、以下のURLをごらんください。
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/memb/hayashi/meros.html

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Comments

 より正確な情報のほうも読みました。目から鱗。一応正統派の中高生で、新潮文庫の太宰治シリーズ(?)は読んだはずなんですけど、こういう話は知りませんでした。

Posted by: kakakai | February 21, 2005 01:00 AM

だって解説にこの話書いたら、感動がふっとんじゃいますから(笑)
まあ、自分はこういう太宰のダメダメなところが、なんか憎めなかったりもします。知人は「お前も人のことは言えない」という事でしょうけど。

しかし二枚目で家は金持ちで東大に軽く入れるくらいの頭があって、どうしてこうなってしまうのか? だからこそこうなってしまったのか?

ご覧になったことあるかわかりませんが、『おたんこナース』の第2話は笑いました。

Posted by: SGA屋伍一 | February 21, 2005 07:30 PM

こちらにもお邪魔します♪
わざわざ私の本の方にTB&コメント頂き恐縮でございました。

↑の太宰の話ですが、なんと息子から聞いて知っていました。
息子はどうやら『トリビアの泉』の本で読んだようです。
それで尚更太宰に興味を持ったんでしょうねぇ~
『走れメロス』は読んでいますが、『人間失格』も読みたくなったみたい(笑)

>自分の失敗を、ずうずうしくも美談に造り変えて発表してしまう太宰のこういうダメダメさ
あはは・・・こういうユニークな(?)ところが太宰の人気の秘密かもですね。

Posted by: 由香 | July 29, 2009 11:46 AM

>由香さま

律儀にこちらにもありがとうございます

>↑の太宰の話ですが、なんと息子から聞いて知っていました。

あら。けっこう有名な話なんすかね・・・ じゃあその事件が起きた場所が「熱海」だったってこともご存知でしょうか

暗い系の作品ばかり話題に上ることが多いですけど、太宰さんって軽妙なユーモア小説もちょこちょこ書いてるんですよね。息子さんにはそっちの方が向いてるかもしれません。あと『斜陽』とかはむいてないと思います(笑)

あとトリビアでは選考委員に「芥川賞くれよー!」と手紙で直訴するも、やっぱり落選した、なんて話もやってたような・・・

Posted by: SGA屋伍一 | July 29, 2009 09:24 PM

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Tracked on July 29, 2009 11:40 AM

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