三作目を散策する ジョナサン・モストウ 『ターミネーター3』
まことに勝手ながら、ネタが腐る前にアクション映画の話題を3本続けます。めざせ! 連続更新!(目標低い・・・・・・)
最初の一本はおととい地上波でやっていたこれです。『ターミネーター3(さん)』、略して『ターミねーちゃん』。漫画家の久米田康二さんは、十年前にターミネーター三代目が女性であることを予見されていました。お見事。ちなみにこの女優さん、オーディション時、「ターミネーターをやるってことは冒頭素っ裸でで出るってことだよ! いいの?」と聞かれ、「どってことねえ」と答えたそうです。
この『ターミネーター』シリーズ、他のアクションと比べて何が違っているのかというと、「追うものと追われるものの間に挟まれて、右往左往する主人公」の構図だと考えます。前半のワゴン、クレーン車、バイクと、サイズのまるで違う三台がクルクル順番を入れ替えながらチェイスする、そんなところにこの構図がはっきりと表されています。こういうの、意外にあまりないと思うんですよね。
1、2作目と監督は違いますが、(キャメロンどうしちゃったんだろう・・・・・)3作目でもその構図は健在。今回メガホンをとったジョナサン・モストウさんは、この前に『U-571』というなかなかまとまった潜水艦映画を撮っておられます。この作品、一言で言うと「ハートウォーマーだった艦長が段々人でなしになっていく」お話。機会があれば、こちらもどうぞ。
それで、本作の印象ですが、「せっかくきちんとまとまっていたものを、散らかすだけ散らかして、後片付けも早々に逃げた」という感じでした。スカイネットが作られるきっかけを、あれほどしっかり処分したのに、またどうやって蒸し返すのか期待してたんですけど、結局のところ「歴史の復元力」ということでごまかされたようです。
でもですねえ、わたしこの作品、そこそこ好きな方です。それは単純なハッピーエンドに逃げなかったところとか、三作目でもパワーが落ちていない点を評価してのことです。
三作目を面白く作るって、難しいですよね。二作目ですら難しいのに。違う監督による三作目には例えば『ジュラシック・パーク3』などありますが、なかなかがんばっていたものの、目新しさが薄れ、ややこぢんまりしてしまった感は否めなせん。ですからそうなるよりかは、散らかしてでもインパクトを重視したこちらの方が正解と思いました。
もう一つ評価したいのは、ときおり一息つけるようなギャグがちょこちょこ盛り込まれているところ。どんな映画にもユーモアが必要と、わたしは考えます。ウォルフガング・ペーターゼン、あなたに言ってます。
恐らく本来の「ターミネーター1号機」も登場します。なんでもできちゃうタミさんも、最初はこうだったんだ・・・と、微笑ましい気分にさせられます。でもやっていることは、相変わらず凶悪。
思い切り4作目にひっぱったまま幕となりました。ぼちぼち企画はあがっているみたいですが、拝めるのはいつのことでしょう。シュワちゃん、州知事になちゃったし。
最後に。「スカイネット」って会社、IT系でいかにもありそうな名前ですよね。やっぱりアクセスすると、終末の日とか来ちゃうんでしょうか。みなさんもくれぐれもお気をつけください。


Comments
まいど。
>三作目を散策する
この見事さにコメントしましたが・・・。
すいません、実は映画、見ていません。金曜日は上司と飲みに行っていたし、私どうも「ぬか喜び」になりそうな作品は直感的に
避けているようで・・・。
「エイリアン3」という例外はあるけど・・・。
「猿の惑星」(新しい奴ね)といい(これは見たけど・・・)全く・・・。
>それで、本作の印象ですが、「せっかく
>きちんとまとまっていたものを、散らか
>すだけ散らかして、後片付けも早々に
>逃げた」という感じでした。
>思い切り4作目にひっぱったまま
>幕となりました。
「猿~」も含め一言感想をいうのなら
―結局はこうなるのかよ・・・・やっぱり!
ですね(笑)。
ではでは。
Posted by: まさとし | March 01, 2005 12:12 AM
>猿の惑星
まさとしさまがおっしゃっているのは、近年公開されたティム・バートン監督の『Planet Of The Apes』のことでしょうか。
わたしもアレの最後は脱力感でしばらく立てる気になれませんでした。隣の友人からも、怒りのオーラが漂ってくるのが感じられました(笑)。
ビデオかテレビなら、大爆笑で許せたんですがね・・・・ 1800円払った身としては、辛かったです。
けれど、本家?の第三作『新・猿の惑星』はなかなかいいです。続編でありながら、前作とはまた違ったアプローチを見せているし、なにより予算が全然かかってないのにこれだけ面白いのは見事。万人に薦められるか、というとちょっと考えちゃいますが。
Posted by: SGA屋伍一 | March 01, 2005 07:56 AM
久しぶりです。スカイネットって会社、ありますよ。模型メーカーの青島文化教材社の系列で、ターミネーターのフィギュアを出しています(半ばそのために作られたようなものですが)。
ところで、「風雲児たち長屋」がアクセス不能になっていますが、この事態について何かご存知ありませんか。
Posted by: 克森淳 | March 05, 2005 06:45 PM
克森さま、いらっしゃい。
>スカイネット
そうか! この会社がより本物に近いターミネ-ターを創ろうと研鑚を続けて、例のコンピューターの基礎をこしらえてしまうという・・・・・・
んなわけナイナイ(笑)
>風雲児たち長屋
わたしも今朝から気になっています。が、パソコンに弱い上に、わたしもオフ上では常連さんたちとほとんど接触がないのでさっぱりわかりません。
大した事態じゃなければいいのですが。
Posted by: SGA屋伍一 | March 05, 2005 08:24 PM
感想は皆様と同じですが、猿の惑星は濃い話というかコミカル
なシーンが多い反面後半が陰鬱になりますがいいシナリオでし
た。
パンフに金子隆一先生がいました。カウボーイヴィバップ
天国への扉(ミッキ-・カーチスや石橋蓮司が出演)や
NHKのジーンダイバーでナノマシンのアドバイスをした方です。
多分ナノマシンつながりかと。
あとDTエイトロンやガル・フォースの柿沼秀樹先生もパンフで
あつく語っていたのは笑いましたが面白かったです。
Posted by: 犬塚志乃 | May 09, 2005 08:08 PM
犬塚さまがおっしゃっているのは新作のほうですよね? ふーん。アニメ方面ではけっこう支持があったんですねえ。
>DTエイトロン
また懐かしい名前を・・・ 売れる前のドラゴンアッシュが主題歌だったなあ。そこそこ好きな作品でしたが、ラストは呆然となってしまいました。しどいわ。
Posted by: SGA屋伍一 | May 10, 2005 06:50 PM