ライダー屋剣ちゃん総括 中級編 『仮面ライダー剣』
(徐々にネタを割ってます。ご注意ください)
この『仮面ライダー剣』、前情報では「今度のライダーは組織に属し、給料をもらって怪人を倒す言わば“職業ライダー”ということだった。“ライダーは基本的にフリーな立場でいてほしいなあ。でも独特の味が出せればいいか”そんな風に考えていた。しかし雑誌に出ていた第1話サブタイトルを見て、わたしは目を疑った。
「第1話 組織崩壊」
・・・早い。早すぎるよ。そんなのありですか。
かくして職業ライダーから、失業ライダーになってしまった剣崎一真の苦闘が始まる。
ギャレンの裏切り(?)、ヒロインの鉄拳、カリスに失恋(??)、しまいにゃ拉致監禁と、不幸のフルコース状態。それでも主人公は「ウエイッ!」とめげない。見上げた根性だ。
普通第1話からこれだけハイペースでやると、中盤あたりでもうもたついたりするものだが、そういう時便利なのが新キャラクター。かくして1クールを終えたあたりで、クローバーのライダー、レンゲルこと上條睦月が登場する。
おそらくライダーとしては、史上最年少の現役高校生。トラウマから逃げたい、罪無きひとをまもりたい、といういい動機でライダーになったものの、そのべルトが悪の手によりつくられたものであるため、善と悪の間で葛藤する、という青年。で、スペード、ダイヤ、ハート、クローバーときたら、「当然ジョーカーのライダーもいるのでは?」と思うでしょ。ところがどっこい・・・、いや、こいつは一応伏せときましょう。
この『剣』で独特なのが、怪人をカード化するシステム。そしてこのカードを自分の武器で読み取ると、その怪人の技が使えるようになる(シカアンデッド→なぜか電撃、イナゴ→なぜかキック)。つまりどんな雑魚怪人も、その後の設定に影響を与えるという、非常に怪人に対して「愛」の強いシステム。結局一度も使わなかったカードもあったけど。
あとこの物語でもう一つ独自の存在と言えるのが、謎の怪人ライダー、カリス=始。「おれには戦いしかない」
そううそぶくものの、人の情愛を知ってしまったために、色々苦しむ事になる(しょせん妖怪人間だし)。その辺感情移入して見ると泣けます。
また、伏線や謎をうっちゃらかしたまま終ってしまうものが多い中で、ちゃんとそういう“おとしもの”を回収しようという努力がみられるのも、評価したい点。これは後半主に脚本を担当した曾川昇氏の功績だろう。ご苦労さんでした。
というわけで1年通していろいろあった『剣』も、明日いよいよフィナーレ。
今までの努力もむなしく、町中にあふれ返ってしまったアンデッド(あーあ)
ギャレンは消え、レンゲルも倒れた。
そして満身創痍のブレイド=剣崎の前に、最後にたちはだかる者とは?
「切り札は君の中」
上級編はベストシーン、名台詞なんかをふりかえってみたいと思います。


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