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January 04, 2005

オモウラ箱館戦争 表の巻 富樫倫太郎『箱館売ります』

富樫作品との出会いは5年くらいまえ。『雄呂血』という作品。弁当箱のような厚さと異様な雰囲気の装丁に、ひきずられるようにして購入。その面白さに、あっという間に読了した。
この『雄呂血』、一言で言えば保元の乱に材をとった伝奇小説なのだが、時代の違う人物が出た来たり、ド派手な魔術合戦があったりと、それだけには収まらないエネルギーがあった。これをきっかけに同著者の『陰陽寮』シリーズにも、足を踏み入れてしまうことになった。
さて、『雄呂血』のあとがきには「近いうちに箱館戦争をモチーフにした話を書く。それには安倍泰成という陰陽師が登場する」とあった。幕末の「箱館戦争」と「平安時代」のイメージが強い「陰陽師」がどう関わるのか? 首をかしげつつ期待した。
それから4年(笑)。
新聞の広告に『箱館売ります』という本の紹介を見つけた。「おお、これがあの」と、急いで探して読んだ。旧幕府軍と新政府ゲリラのにらみ合いが続く箱館。そこへ漁夫の利を得ようとあるロシア諜報員が陰謀を企む。死に場所を求めてさすらう土方歳三の怒りが、場の空気を読めないあつかましいロシア人に炸裂する! 
「ここは俺たちの土俵だ! コサックダンスならモスクワでやれ!」
・・・というストーリー(本当か?) 本来なら決して手を組むことのないであろう土方と、新政府ゲリラの斎藤順三郎。その二人の心が、一瞬だけつながりあう(この“一瞬だけ”というのがいい)。この場面に、「く~っ、泣かすぜ!」とおもわず布団のなかでつぶやいてしまった。
この作者はちゃんと資料を調べて、その上でぶっとんだ話を書くのがカラーだと思っていた。だけど、こんな地に足のついた、しみじみする「いい話」も書けるんだなあ、と意外な気持ちがした。
ただ、ひとつ疑問が残った。
「安倍のなんたらとかいう陰陽師は、どこに出てきたんだ?」
その答えを得るには、あと半年を待たねばならなかった。
(つづく) 

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Comments

ああ~まだ読んでないです。期限迫ってます。結局お正月で家にいちゃあ読まないんですよね。へい。
読んだらレビュー書きます。

Posted by: 高野正宗 | January 04, 2005 at 09:17 PM

ゆっくりお休みできたみたいですね。
レビュー楽しみにしています。
メルアド欄に何も書かなくてもコメントできるようになりました。実に簡単なことだったようで、いやはやお恥ずかしい。
わしも『新選組!』の復習どうしようかなあ。ぼやぼやしてるうちに公式サイト消えちゃいそうだし(汗)。

Posted by: SG | January 04, 2005 at 10:58 PM

 オロチですか。一応名前は知っていました。
某映画と名前が同じでしたので。
 妖術合戦ですか、ツボです。(笑)
函館~と合わせて読んでみます。

Posted by: 犬塚志乃 | January 07, 2005 at 10:47 PM

>雄呂血
今はたしか徳間文庫より上下本で出ていたと思います。同名の映画とは、たぶんなんの関係もございません。これは主人公の少年の名前なんですけど、なんでこういう名前になったか、というところがポイントのひとつです。

この人の作品は、ほとんどが「史実との整合性」なんてハナから考えてない(笑)ものばかりなんですが、この作品の後半では、あまり題材にされることが少ない保元の乱についてくわしく書かれていまして、その辺に限って言うならなかなか勉強になりました。

Posted by: SGA屋伍一 | January 07, 2005 at 11:31 PM

こんにちは、はじめまして!
私も「箱館売ります」読みました。
史実を踏まえて上手く脚色してますよね~。
中盤からは一気読みしちゃいました(笑)。
TBさせて下さい。

Posted by: Aki_1031 | November 04, 2005 at 11:59 PM

はじめまして、です。
>私も「箱館売ります」読みました。
この本、書評ではけっこう良かったのに、あまり書店で目立たなかったんですよね。多くの方に読んでほしい作品です。

>中盤からは一気読みしちゃいました(笑)。
わたしもです。前半でちりばめられた伏線が、一点に向かって収束していく快感がすばらしかったです。
土方が最後に斉藤のもとを訪れて「ありゃあ見事だったぜ」というところや、榎本さんが土方にスカーフを返す場面が気にいっています。

>TBさせて下さい。
どうぞどうぞ。そちらのお宅も拝見させていただきました。わたしもその内お邪魔させていただくかもしれません。

Posted by: SGA屋伍一 | November 05, 2005 at 09:31 AM

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