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December 22, 2004

その名は「信用でけへん」・・・『MR.インクレディブル』について② 元ネタ?解説

この映画に出てくるアメコミネタを挙げていったら、それこそ切りがないんですが、根っこのところから影響を与えていると思われる作品を二つ紹介します。

●『ファンタスティック・フォー』
現在業界トップのMARVEL社が、社運を賭けて1961年に発表し、現在もバリバリ続行中のシリーズ。
科学者リード・リチャ―ズ率いる仲良し4人組は、ロケットで宇宙探検に出かけました。そこでうっかり未知の宇宙線を浴びてしまった彼らは、驚異のスーパーパワーをゲット。その力を正義のために役立てようと誓います。
この4人組の能力は
・MR.ファンタスティック(リード・リチャ―ズ) 主人公。伸縮変形なんでもござれのゴム人間
・インビジブル・ウーマン(スー・リチャ―ズ) リードの妻。バリアを張ったり、透明化できる能力を持つ
・ヒューマン・トーチ(ジョニ―・ストーム)  スーの弟。全身を発火させ、ブラストを放射する。飛行も可。
・ザ・シング(ベン・グリム) リードの友人。岩石人間で驚異的な怪力を有する。彼のみ常人の姿に戻れない。
あとリードとスーにはフランクリンという子供がいて、この子が現実を改変したり、世界をまるごと一つ作ってしまったりできるという、恐ろしいパワーの持ち主。
同社のX-MENに較べるとやや気楽なムードが漂っていますが、時々深刻な話になったりもします(メンバーが生死不明のまま長期不在になったりとか)。
けっこう昔、『宇宙忍者ゴームズ』の邦題でアニメが放映されたこともあります。なぜ「ゴームズ」かというと、ゴムのように伸びて、ホームズのように頭がいいからとのこと。うーん、バカ♪
この「本家」も近々映画が公開されるそうですが、『インクレディブル』より面白くなるかどうかはいささか疑問。

●『ウォッチメン』
アメコミNO.1原作者との声も高いアラン・ムーアが、1980年代に一年限定で発表した作品。
やはり複数のヒーロー(といっても1名を除き、みな一応ホモ・サピエンス)が活躍している世界。しかし政府はその「自警団的行為」を禁止。おとなしく普通の生活に戻る者、政府のエージェントになる者、警告を無視してなおも己の道を貫こうとする者・・・ それぞれが思い思いの道を歩んでいたある時、引退していた元ヒーローが謎の死に見舞われる。その影には国家を揺るがす巨大な陰謀があった・・・
国家の大義と個人の正義の対立を、冷徹な視線で語った傑作。発表されるやコミック界にセンセーションを巻き起こしました。ちなみに同時期に発表され、やはり名作と並び賞される『バットマン:ダークナイト・リターンズ』も、老境のブルース・ウェインがバットマン業を再開したことから、政府と対立していくというストーリー。読み比べてみると面白いかも。
この『ウオッチメン』も映画化が一応進行中だそうですが、何せ20年ちかく転がりつづけている企画なので、実現するかどうかははなはだ疑問。

この二作品、かつてひっそりと邦訳がでたこともありました。けれど現在は軒並み絶版・品切れ状態。映画が公開されれば、どっかの出版社がまたこっそりと出してくれるかもしれません。それまで待てん! という方は原書をとりよせるか、古本屋を地道に回ってください。無責任ですいません。

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Comments

 「ウォッチメン」や「MR.インクレディブル」だけでなく、アメコミではヒーローの活動と社会の衝突、それによるヒーロー達への法規制を描く話がよくあるようですが(マーヴルでも30年くらい前に描いて多用な)、これってアメリカの「銃規制の是非」が反映されているんでしょうかね?

 「銃規制の是非」と言えば、「NRA(全米ライフル協会)」は銃そのものの規制に反対していますが、そのかわり子ども向けテレビ番組やコミック、オモチャなどでの実銃の扱いに対してすごく口うるさいとか…責任転嫁してんじゃねえよ。

Posted by: 克森淳 | December 22, 2004 10:52 PM

あすは定休日の予定。
始めて三日でこんなんでいいのか。

Posted by: SGA屋伍一 | December 22, 2004 10:53 PM

>克森淳さま
ご来訪ありがとうございます。
>「銃規制の是非」が反映されているんでしょうかね?
あまり考えたことはなかったですけど、言われてみると「なるほど」と思いました。
スパイダーマンの「大いなる力には大いなる責任が伴う」という言葉も、「力=銃」と置き換えられなくもないですね。とはいえ、この「責任」を誤解してしまうと、あられもないことになってしまうわけで・・・ なんか今のアメリカみたいですけど。

Posted by: SGA屋伍一 | December 22, 2004 11:07 PM

 アメコミに限らず、ヒーローもので社会問題を描く時には、どうしても「お国柄」が反映されて行きますからね。
 たとえばタイでは、仏像泥棒が巨大ヒーローと化した伝説に名高いお猿さんに叩き潰されたり、ムエタイ使いに蹴っ飛ばされたりするし。

 さらに話は変わりますが、藤子・F・不二雄作品ではヒーローに対し否定的なスタンスのSF(すこし・ふしぎ)作品が描かれる事があります。「我が子・スーパーマン」において「そんなの(ヒーローの「正義」)はどこまでいっても個人の正義に過ぎん、いつかどこかで社会と対立するめものさ」と言うセリフがありますが、このセリフって、取りようによっては恐ろしい事この上ないですね。「社会」が「偏見」によって弱者を抹殺せんとしたとき、対立する事を選んだものに「死ね」と言っているのに等しいのですから……。F、A両名ともにその価値観の底には「イジメる側の詭弁・強弁を鵜呑みにしたイジメられっ子」のようなところがあってどうしてもひっかかります。

Posted by: 克森淳 | December 25, 2004 09:10 PM

>伝説に名高いお猿さん
ハヌマ―ンてやつですか(笑) スパイダーマンもこないだインド版が発行された模様。ヨガの秘法によりクモ能力を身に付けたという設定だとか。もうその時点で別物のような気が・・・

>藤子F・A氏
A氏などは疎開先で色々苦労されたようですから。その時の怨みつらみが『魔太郎が来る!』なんかにいかされているのかも。
F氏も独立した短編では何かニヒリストっぽいところがありますが(『劇画・オバQ』とか、そりゃないよって感じ)、『パーマン』なんかは、現実にそいつつヒーロー賛歌を歌っているのでは。ただ、わたしはもっぱらアニメの方しか観てないんですけど。

Posted by: SGA屋伍一 | December 25, 2004 10:49 PM

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