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December 29, 2004

バカまっしぐら! 2004映画ベスト②

では昨日の続きを。

第11位 ヴィレッジ
これもまた強引なお話でしたが、舞台の独特の空気と、二転三転するクライマックスを評価して。
ネタバレになるやもしれませんが、これまで『シックス・センス』『アンブレイカブル』『サイン』と観て来たひとはちょっと驚くかも。

第12位 シルミド
すごく見ごたえのある作品でしたが、ありすぎて胃に来ました。迫力満点、カタルシスゼロの「本当にあった怖い話」。ていうか、あんなB級アクションみたいな企画を実際にやらかしていた、という事実に恐れ入る。
韓流ブームに浮かれる女性たちに是非見ていただきたい一本。

第13位 ファインディング・ニモ
水槽にとらわれた我が子を救い出せ! 「そりゃ無理だ! 魚なんだし」と思うようなミッションを、根性で完遂させた男、ニモ! でもクマノミって本当は雌雄同体らしいです。

第14位 ラスト・サムライ
反乱軍がバタバタ倒れていく中、なぜかトムの急所にだけは当たらない、ということにはこの際目をつぶる。
小雪と子役と日本情緒が良かった。わたしって、つくづくプラトニック・ラブに弱いのね。・・・書いてて恥ずかしいな。独りもんってさびしいな。

第15位 アイ・ロボット
大量廃棄される旧型ロボットに萌えた。「なにこれ・・・」っていう感じのサミー君にも次第に愛情が芽生えてくる。
ウィル・スミスはどうでもよし。

第16位 スチーム・ボーイ
歯車、ピストン、蒸気機関・・・ レトロメカの好きなかたにはたまらない一品。話はありきたりだが、メカが目立つことが第一なので、それでよかったと思う。

第17位 バイオ・ハザード2
これもありきたり、といえなくもないが、色々あるアクション映画の中で、スピード感と無駄のなさが光った。

第18位 マスター・アンド・コマンダー
狭苦しいところにむさくるしい男たちをつめこむとどうなるか、ということがよくわかる作品。それだけにガラパゴス諸島のシーンはスカッとする。

以下は「ま、モトはとったかな」という作品
・アップル・シード
・ヴァン・ヘルシング
・スカイ・キャプテン/ワールド・オブ・トゥモロー
・ゴジラ:ファイナル・ウォ‐ズ
いいシーンもあるのだが(ゴジラで言えばマンダ、ヴァン・・・でいうとハイド)、なぜか序盤に集中している気がする。
サービス精神は買うが、中ほどを過ぎると、「なんかもうおなかいっぱいだなあ」感がつきまとってしまった。

で、ワースト3
第3位 サンダーバード
あまり期待していなかったが、予想どおりだった。というか、『スパイ・キッズ』みたいな話だった。『スパイ・キッズ』は好きだが。
第2位 リディック
これはけっこう期待していったのだが、なぜかあまり入り込めず、「ポカーン」としている間に終ってしまった。灼熱の惑星を脱出するくだりだけ良かった。

そして栄えある第1位は
キューティー・ハニー
庵野秀明の映像センスに期待して行ったのだが、波長のあわないギャグを次々とくりだされたため、とても居心地が悪かった作品。好みの問題なので、好きな人は勘弁してください。キカイダーのようなメイクでぶんぶん回転するミッチーにのみ爆笑。

うわあ、みごとにバカばっかし。お金ってもっと貴重なことに使わなきゃいけませんね。来年はまず『エイリアンVSプレデター』『カンフー・ハッスル』を観にいく予定・・・って全然反省してないぞ!

そういうわけで
♪明日わたしはー 旅にでますー
 もちろんあだ名にー 決まってますー
(本当に)数少ない閲覧者の皆様、お付き合いどうもありがとうございました。
また来週(年)!


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December 28, 2004

バカまっしぐら! 2004映画ベスト①

あーっ! 気がつけば今年もあと4日ですか! たぶんもう年明けまで劇場にいくことはないと思うので、ありきたりな企画ですけど、2004年に劇場公開された映画の私的ベスト?やってみたいと思います。
バカ映画がけっこう多いです。あと、自分でいうのもなんですが、わたくし受け手としては、よく言えば心が広い方、悪く言えば見る目のない方だと思います。ですから、「あんな駄作がなんでこんな順位に・・・」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、ここはひとつこらえてください。

第1位 CASSHERN
いきなりこれですから(笑)。ムードとかセリフとかビジュアルとか、すべてツボにはまってしまったんです。確かにあまりにもご都合主義的なところは否めませんが、そこはそら、好きになった娘って欠点すらいとおしくなってしまうじゃありませんか。本家キャシャ‐ンとは似ても似つかないものになってしまいましたけど、予告であの「たった一つの命を捨てて・・・」というアレを流してくれただけでOK。傷つけ、憎しみあっていた人々が爽やかに笑いあうラストの絵が忘れられません。でも、あんまり人にはおすすめできない(笑)。
それにしても大滝秀治とか三橋達也とか、よく出ましたねえ。

第2位 シービスケット
こっちはわりと万人にオススメできる作品。栄光をあと少しでつかめるという所で、何度も彼らを襲う災難。しかし男たちは泣き喚くでもなく、怒り狂うでもなく、肩をよせあって静かに立ち上がる・・・
「追いすがってきたら、かならず目をあわさせろ。その後は脚じゃない。ハートだ」
熱い友情が胸に染みる一本。

第3位 ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還
ああっ、どこかからお叱りの声がきそうな・・・(震)。まあこの映画は、わたしがもちあげなくても誉めてくれる人はいっぱいいますから。個人的には3年連続公開という前代未聞の大博打に出て、みごと勝利を収めたピーター・ジャクソンの男気に拍手。もうジャクソンといえばピーターでしょう。男気と言えばふとっちょでさして美形でもないサムどんが、クライマックスでは光り輝いて見えてくるから不思議だ。

第4位 ULTRAMAN
思わぬひろいもん。前項参照のこと。映画を楽しむポイントは、「あんまし期待していかないこと」ですね。

第5位 スパイダーマン2
お約束。「ヒーローなんかやってたって、いいことなんざ何ひとつねえ! それでも君はやるか? おれはやる!」という気概に満ち溢れた一本。またしても決戦がひっそりとした裏路地だったり、思い切り続編へ話を降って終了というのはあれですが、まあ許しましょう。映画が作られるかどうか○年間やきもきしてたことを思えば、今はしやわせです。

第6位 デビルマン
同情評(笑)。おそらく今年最も袋叩きにあった作品。たしかに突っ込むところをあげていったら切りがないが、けっこう印象に残るシーンもあったので。

第7位 イノセンス
セリフは難解だが適当に聞き流しても楽しめる。見事な映像美とわりかしまっとうなアクション。そしてストイックなロマンス。感心したのは中盤で同じ場面が繰り返されるあたり。「また無意味な“エヴァ演出”か」と思いきや、実は・・・
主題歌もよかった。♪ふぉーろみー

第8位 隠し剣 鬼の爪
「ひどいでねえか。兄さま、なにもそこまでいわねえでも・・・」「ひでえもなにもこりゃ人間の喰いモンじゃねえ! 純さ見ろ、泡吹いてっど! おめ、一体椀の中になに入れただ!」「正露丸。体にええかと思って・・・」
この場合タイトルは『隠し味 おみおつけ』
あ、意外な隠し剣の正体とユーモラスな砲術訓練のシーンが良かったでがんす。隠し剣の練習モーションはついクセになるでがんす。あとヒロインは松たか子より宮沢りえの方が好みでがんす(どうでもいいでがんす)。

第9位 キング・アーサー
史実と伝説の融合果たそうという意図で作られた作品? アーサー王伝説に詳しい人が観たら噴飯ものだろうけど、アーサーと円卓の騎士たちの友情に泣けてしまったので。

第10位 Mr.インクレディブル
別項参照。おとうさんは、つよいのだ。けっこうヒットしてるみたいですが、あの濃いーいアメコミネタを全て理解できるひとはどれほどいるのだろう。「マントはいかーん!」とか。

特別えこひいき賞 仮面ライダー剣 MISSING ACE 
まあ独立した一本として評価ができる作品ではないし、例年のライダー映画より燃えなかったのも確かだが、なんか賞をやりたいので。

うーん、今日はもう疲れてきました。11位以下、ワーストなどについてはまた明日。 

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December 27, 2004

うるとらまん次郎物語 映画『ULTRAMAN』

すごいっすよ! 冬休みだってえのに客がおれ一人・・・ ファンならずとも円谷プロの先行きが心配になります。
ライダーかウルトラかと言われれば、子供のころからライダー派だった。だから、ウルトラにそんなに思い入れがあるわけじゃない。じゃあなんで観にいく気になったかというと、現在放送中の『ネクサス』と微妙にリンクしているという噂を聞いたから。「タイトルを越えてリンクする」・・・こういう仕掛けに、わたし弱いんです。ま。要は業界に踊らされてるってことですか。
でもねえ、これがけっこう良かったんですよ。思わぬ拾い物という感じ。

航空自衛隊のパイロット、真木は家族との時間を大切にするため、戦闘機を降りる決意をする。その矢先、宇宙より謎の赤い球体が飛来。真木の機体は吸い寄せられるように怪球と激突する。しかし真木は「骨折ひとつなく」奇跡の生還を果たす。家族との生活に安らぎを感じながらも、不安を隠しきれない真木。実はそれより少し前、同じように地球に飛来した青い球体があった。青い球体より誕生した、怪物「ザ・ワン」の進化に伴い、変質していく真木の体。やがて二つの球体は敵対関係にあることが判明する・・・
二つの球体が追いつ追われつ、というあたりは初代ウルトラマンの冒頭を思い出させる。ハル・クレメントの『一千億の針』も、善玉・悪玉二人の宇宙人がそれぞれ地球人の肉体に寄生して、対決するというストーリーだった。どっちが先だったか?

父親としてはごく普通の男が、理不尽な使命を課せられ、悩み、しかし死地へ赴く決意をする。その流れが非常に自然に感じられた。それはやはり彼が「パパだから」なのだろう。仕事に追われ家族を顧みてこれなかった自責にかられる真木。けれど息子はけなげにも「パパ、お仕事がんばって」と言う。これではりきらないお父さんはいないでしょう♪ 演じるのは「ハムの人」別所哲也。こないだ『逃亡者』で極悪人をやっていたとは思えない好演ぶり。さらにその脇を裕木奈江、遠山景織子、大澄賢也といった「酸いも甘いもかみわけた」ような方々が固める。華がないっていや華がないが、ま、主役はウルトラマンですから。
あとこの作品では飛翔感、浮遊感が非常にみごとに描かれていた。その辺も見所のひとつ。おしむらくは「ザ・ワン」のデザインはもうちょっと面白くできなかったかな、と。「ザ・ネクスト=ウルトラマン」の方はヌメヌメっとした生き物っぽい質感で、受けつけないひともいるだろうが、わたしは気に入っている。

終盤、あるシーンで真木は「それが運命だったんだ」と言う。一般で使われている運命、という言葉は嫌いだし、そんなもんあるかい!と思っているが、このときは素直に「そういうこともあるよなー」と思えた。「運命とは命を運んでいくこと」・・・『風雲児たち』にあったそんなセリフも思い出された。
で、スタッフロールも余韻に」ひたってついつい最期までみてたんですが、最後の最後で、「なにーっ!」という告知が! XXXXXってどういうこっちゃーっ! 

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December 26, 2004

鉄人をひろったよ ブラッド・バード『アイアン・ジャイアント』

昨日はちょっとヘビーな話題をふってしまったので、今日はココロが洗われるような話を。
『MR.インクレディブル』のブラッド・バード監督の前作、『アイアン・ジャイアント』について。この映画、ここ数年のベストかもしれません。
ストーリーはいたって簡単。(たぶん)宇宙より飛来した鉄の巨人と、ある一人の少年の心の交流を描いた作品。『巨大ロボット版E.T』と言ってしまえばそれまでだが、いまひとつリアクションの弱い子泣きじじいのようなE.Tに比べると、I.G(以下ロボ)は百万倍くらい魅力的だ。
このロボ、どうも宇宙人により造られた超兵器らしいのだが、頭を打ったショックで全てを忘れてしまったようで、発電所に突っ込んで感電したり、線路を喰おうとして列車と激突したりと、なかなか豪快なボケをかましてくれる。ルックスといい性格といい、『宇宙家族カールビンソン』の“おとうさん”の巨大版とでも言うべきか。
そんな能天気なロボが、あることをきっかけに兵器として覚醒してしまいそうになる。モンスターへと変貌したロボの前に親友の少年は立ちはだかり、懸命にこうよびかける。「ひとは自分のなりたいものになれる。きみのなりたいものはなに?」 クライマックスで天空へと飛び立つロボは、胸のうちでこの問に静かにこう答える。「すーぱーまん・・・」
ここに至ってわたしはあふれ出る鼻水をこらえきれなくなり、周囲の子供らに大層不気味がられた。
切通理作氏があるコラムで「好きなものを語るってむずかしい」と言っていた。まったくだ。言葉をいくらつらねても、この作品の素晴らしさの十分の一も伝えられていないような気がする。とにかくご自身の目で一度ご覧になってほしい傑作。ちなみに字幕版でロボの声をあてているのは、今『リディック』などで売り出し中のマッチョマン、ヴィン・ディ―ゼル(だと思った)。

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December 25, 2004

チャボじゃなくって ししゃもじゃなくって 橋本以蔵・たなか亜希夫『軍鶏』

廉価版完結記念。
この作品を初めて手に取ったのは二、三年ほど前、ブックオフで。以前から噂は色々聞いていた。冒頭部分を読んで「・・・えげつな。こんなマンガ、家には置いておきたくないなぁ」と思ったものの、そのパワーに引きずられるように、その場で15巻くらいまで読んでしまう。それからしばらく後、『イブニング』での復活にほっとしていたところへ、コンビニで廉価版を発見。迷いながらも、結局全巻買ってしまった。

東大合格間違いなしと言われながら、突如として「親殺し」という凶行に走った少年、成嶋リョウ。少年院に入った彼を待っていたのは、執拗なイジメの日々だった。しかし指導教官・黒川から教えられた空手を身に付けることにより、リョウは生きぬく術を見出す。少年院を出た彼は、リーサルファイト(ま、K-1ね)のスター・菅原直人の存在を知る。同じ空手を使う者でありながら、あまりにもかけ離れた位置にいる菅原を、リョウは激しく憎悪するようになる・・・

「親殺し」、それはオイディプス王の御世より語られながら、現代においても最大のタブーとされている。我々は当初成嶋リョウに忌避と侮蔑の念を抱くものの、血を吐きつづけながらもがくその姿に、いつしか哀れみと畏怖の眼差しを注ぐようになる。このあたりは、馳星周の暗黒小説と似たところがあるかもしれない。
しかし、そうしたショッキングな部分を剥ぎ取ると、意外にも『あしたのジョー』に対するまっとうなリスペクト作品であることが解る(この二つの作品に大きな相違点があるとすれば、ジョーが生い立ち的に限りなくフリーの立場にあるのに対し、リョウの方は肉親との愛憎にがんじがらめに縛られていた所から生じるのか・・・)この作品における「力石」である菅原は、そのモデルと同様、リョウをさらなる地獄へと誘うことしかできない。ならば悪魔=リョウの対極に位置する天使=トーマが、カーロス・リベラあるいはホセ・メンドーサの役割を果たし、彼に救済をもたらすのか。しかしこの物語が『ジョー』と同じ道をたどってゆくのであれば、「健全なる生への回復」という救済はありそうもない。

リョウの妹、ナツミは言う「ああしなければ、お兄ちゃんの心が殺されていた」
リョウは言う「おれは誰にも殺されない、誰にも奪われない!」
リョウの行為は決して正当化されてはいけない。だがどうすれば良かったのか? ここのところ、親が子供を殺すという事件をよく耳にする。永井豪が『ススムちゃん大ショック』を描いたころはSFだったことが現実になっている。そして、近年もっとも話題を集めている作品の幾つか・・・『ベルセルク』『バガボンド』(うがった見方をすれば『寄生獣』も)、そしてこの『軍鶏』も「子供のころ親に殺されかけた青年」が主人公となっている。これは単なる偶然なのだろうか。

親にすらその存在を否定された少年たちが、そのあまりにも過酷な道の途上で、ふと満天の星空を見上げて立ちつくす。そんなシーンがたまらなく切なく、いとおしかったりする。

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December 22, 2004

その名は「信用でけへん」・・・『MR.インクレディブル』について② 元ネタ?解説

この映画に出てくるアメコミネタを挙げていったら、それこそ切りがないんですが、根っこのところから影響を与えていると思われる作品を二つ紹介します。

●『ファンタスティック・フォー』
現在業界トップのMARVEL社が、社運を賭けて1961年に発表し、現在もバリバリ続行中のシリーズ。
科学者リード・リチャ―ズ率いる仲良し4人組は、ロケットで宇宙探検に出かけました。そこでうっかり未知の宇宙線を浴びてしまった彼らは、驚異のスーパーパワーをゲット。その力を正義のために役立てようと誓います。
この4人組の能力は
・MR.ファンタスティック(リード・リチャ―ズ) 主人公。伸縮変形なんでもござれのゴム人間
・インビジブル・ウーマン(スー・リチャ―ズ) リードの妻。バリアを張ったり、透明化できる能力を持つ
・ヒューマン・トーチ(ジョニ―・ストーム)  スーの弟。全身を発火させ、ブラストを放射する。飛行も可。
・ザ・シング(ベン・グリム) リードの友人。岩石人間で驚異的な怪力を有する。彼のみ常人の姿に戻れない。
あとリードとスーにはフランクリンという子供がいて、この子が現実を改変したり、世界をまるごと一つ作ってしまったりできるという、恐ろしいパワーの持ち主。
同社のX-MENに較べるとやや気楽なムードが漂っていますが、時々深刻な話になったりもします(メンバーが生死不明のまま長期不在になったりとか)。
けっこう昔、『宇宙忍者ゴームズ』の邦題でアニメが放映されたこともあります。なぜ「ゴームズ」かというと、ゴムのように伸びて、ホームズのように頭がいいからとのこと。うーん、バカ♪
この「本家」も近々映画が公開されるそうですが、『インクレディブル』より面白くなるかどうかはいささか疑問。

●『ウォッチメン』
アメコミNO.1原作者との声も高いアラン・ムーアが、1980年代に一年限定で発表した作品。
やはり複数のヒーロー(といっても1名を除き、みな一応ホモ・サピエンス)が活躍している世界。しかし政府はその「自警団的行為」を禁止。おとなしく普通の生活に戻る者、政府のエージェントになる者、警告を無視してなおも己の道を貫こうとする者・・・ それぞれが思い思いの道を歩んでいたある時、引退していた元ヒーローが謎の死に見舞われる。その影には国家を揺るがす巨大な陰謀があった・・・
国家の大義と個人の正義の対立を、冷徹な視線で語った傑作。発表されるやコミック界にセンセーションを巻き起こしました。ちなみに同時期に発表され、やはり名作と並び賞される『バットマン:ダークナイト・リターンズ』も、老境のブルース・ウェインがバットマン業を再開したことから、政府と対立していくというストーリー。読み比べてみると面白いかも。
この『ウオッチメン』も映画化が一応進行中だそうですが、何せ20年ちかく転がりつづけている企画なので、実現するかどうかははなはだ疑問。

この二作品、かつてひっそりと邦訳がでたこともありました。けれど現在は軒並み絶版・品切れ状態。映画が公開されれば、どっかの出版社がまたこっそりと出してくれるかもしれません。それまで待てん! という方は原書をとりよせるか、古本屋を地道に回ってください。無責任ですいません。

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December 21, 2004

アンコ空間にひきずりこまれてやる! 綾辻行人『暗黒館の殺人』

インクレとうちゃんについて引き続いて語ろうかと思いましたが、似たような話題を二日続けるのも芸がないかということで、今年度のミステリーにおける最注目作品にして、実に12年ぶりの「館」シリーズ最新作『暗黒館の殺人』について行ってみたいと思います。いや、今年中に読めていかった。『このミステリーがすごい!』発行には間に合わなかったけど。

まずあらすじを。十角館、水車館、迷路館・・・ 奇妙な館を次々と設計したことで知られる、孤高の天才建築家、中村青二。彼の「館」に一方ならぬ因縁と興味を持つ編集者・江南は、中村が関わったとされる謎に包まれた建物『暗黒館』の存在を知り、吸い寄せられるようにそこへ向かう。そこで図らずも奇禍に会った彼は、恐ろしくも美しくしい、ある一族の愛憎劇を目撃する事になる・・・ 
このシリーズでは機械的なトリックを期待してはいけません。中村氏の作る建物はなにせ「秘密の通路」だらけなので、密室状況というものが極めて成立しにくいからです。ですから、まずはこの暗黒館と、そこに住む人々が醸し出す怪しく、かつ魅力的な雰囲気を楽しんでください。初の上下本となりましたが、この舞台の闇を濃密なものにするために、それだけの長さが必要だったのだと思います。
そして「館」シリーズの真骨頂である驚異のどんでん返しは、本作でも健在でした。それまで頭にあった世界が、一瞬にしてガラリと様相を変えてしまう。この星一徹にも匹敵する「ちゃぶ台アタック」、なかなか味わえるもんじゃございません。

この『暗黒館』、これまでの集大成のようなところがあり、まだこのシリーズを一冊も読んでおられない方は、くれぐれも最新作から読まないでください。やはりまずは第1作の『十角館の殺人』をどうぞ。こっちの方が大分薄いし、サクサク読めます。この作品と島田荘司の『占星術殺人事件』がなければ、金田一少年もコナンも現在のミステリー界の隆盛もなかったはず。あとにも先にもミステリーを読んでいて「そんな・・・ウソばい!」と叫んでしまったのはこれだけです。
一作目から順々に挙げてみますと
・十角館の殺人
・水車館の殺人
・迷路館の殺人
・人形館の殺人
・時計館の殺人
・黒猫館の殺人
そして 暗黒館の殺人 となっています。すべて講談社ノベルスより。6作目までは文庫版もあります。

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December 20, 2004

その名は「信用でけへん」・・・『MR.インクレディブル』について① とりあえず感想 

記念すべき一発目はこれ。ピクサ―待望の新作『MR.インクレディブル』
さすがにこの手の映画は野郎一人で行くとちょっとさびしいので、知り合いの婦女子数人をだまくらかして無理矢理つきあわせました。
自分はブラッド・バード監督の前作『アイアン・ジャイアント』がたまらなく好きで、「あの感動をもう一度味わえるかも」 そんな気持ちで劇場に入ったんですが・・・期待は見事に裏切られました。今年度も本当に色々バカ映画(蔑称にあらず)を観て参りましたが、これはもう最後のとどめという感じ。
しかし決して失望したわけではありません。だって自分、バカ映画も大好きデスカラ。
あらすじはもう色んなところで紹介されているので、いまさら書くのもアレですが、とりあえず簡単に紹介します。
スーパーマン、バットマンみたいなヒーローが実際に存在する世界。ヒーローたちはみなの賞賛を受けていたが、色々社会問題の原因も作ってしまい、ついには政府から活動停止命令が下る。かつてヒーローの花形だったMR.インクレディブルは平凡なサラリーマンに身をやつし、同じく元スーパーヒロインの妻と、不思議な力を受け継いだ子供たちを愛しながらも、効率優先の会社に嫌気がさし、かつての栄光を懐かしんでいた。そこへ謎の組織から、暴走したロボットを捕獲してほしいという依頼が入る。しかしそれは巧妙にしかけられたワナの入り口だった・・・ おお、こう書くとなんか真面目な話みたいだ(笑)!
うれしいのは、とにかくアメコミの色んなパロディがこれでもかってくらい詰まっている所。監督のアメコミへの愛情がヒシヒシと伝わってきます。そして生身の役者には到底無理なバカアクションの連発。特にヒロインMrs.インクレディブルのバーバパパを彷彿とさせる、千変万化の活躍ぶりは観ていて飽きさせない。ちなみにCVは黒木瞳。予想以上の大熱演でした。ピクサ―は吹き替えに限る。
テーマとしては「家族の結びつき」と「親父さん、がんばろーよ」というところか。ヒーローの正義の行動が、結果として新たな悪を生み出してしまう・・・というあたりもなかなかひねってある。
まあそんなことは考えなくても、十分面白い作品。頭を空っぽにして楽しみたいひとにオススメ。
で、次はこの作品が元ネタにしたであろうアメコミについて語りとうございます。

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ごあいさつ

はじめまして。SGA屋伍一と申します。
大した頭は持ち合わせちゃいませんが、これから色々好きな映画、マンガ、アニメ、ドラマ、小説などについて語っていきたいと思います。なるべく謙虚に、生ぬるく、春の陽だまりのように、を目標に。
再来年は自分でも自分がどうなるかよくわからない(鬼笑)ので、たぶん一年の期間限定ものになるかと思われます。
そういうわけで、どうぞヨロシク。

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