2024年9月に観た映画
今年も残すところあと2ヶ月… この月は個性の強い邦画をよく観てました。
☆『モンキーマン』
これもいわゆる「なめてたやつが殺人マシンだった」系になるのかな? 理不尽な暴力に翻弄されるだけの役が多かったデヴ・パテルが驚異的な肉体改造を行って壮絶な復讐に挑む作品。これまでの役に鬱憤でもたまってたのでしょうか
この映画独自な点としてはインドが舞台ということで、悪徳宗教がのさばっている社会問題を扱っているとことか。あと復讐のカタルシスよりも潔く散る美しさに重点がおかれてたような。昔の松田優作作品によくあるような。
主人公に重ねられるのはハヌマーンという猿の神様。かつてウルトラ兄弟と共に戦ったこともあるという。で、今年はもう一本ハヌマーンをモチーフにした映画が作られたりしてます。そっちは未鑑賞
☆『箱男』
超難解と言われる阿部公房の原作をベテラン鬼才の石井岳龍氏が真正面から映画化。動く郵便ポストのように段ボールをかぶって街を徘徊する「箱男」と、それをめぐる陰謀を描いた作品…でいいのか?
永瀬正敏、浅野忠信、佐藤浩市といった名だたる名優がシュールなコントを大真面目に演じているように見えて、当惑したまま約二時間が終了。彼らに比べるとぐっと若いヒロインが体当たりでがんばっていてちょっと心配になったり。調べてみたら仮面ライダーアマゾンズS2のカラスアマゾンちゃんでした… おじさんちょっと衝撃
ラストのオチの「箱男はお前たちだ!!!!」というのはなかなか感心しました。
☆『サユリ』
個性派漫画家押切蓮介氏のホラー映画を、これまた頓狂な作風で知られる白石晃士監督が映画化。自分怖い映画苦手なんですけど、こちらは後半ものすごく痛快でスカっとする!という噂を聞いてオムツをはいて鑑賞に挑みました。
明確な実態がなく、人智を超えた霊に普通の人間がどうやって戦うのか… それは要するに「気合」ということを名優根岸李依さんが見事な太極拳で教えてくれます。主人公の家族に臨む悲劇は本当にひどくてやるせない話なんですが、自然災害等で幸か不幸か自分だけ生き残ってしまった…という例は現実にあるんですよね。勝手ながらそういう方たちが元気に生きてくれればと思いました。
☆『エイリアン ロムルス』
お久しぶりねのエイリアンシリーズ最新作。今回は監督さんが熱いエイリアンファンだったということもあり、なるたけ1作目に近いムードで、現在の技術を使ってどこまで出来るか…ということに挑んでる印象でした。ただ2~コヴェナント関係のオマージュもちょこちょこあり、長年のファンにはニヤニヤしちゃうような出来になっています。あと毎度前座ですぐ退場するフェイスハガーへの愛が熱い。どんな生き物にもそれなりに愛好家はいるものですね…
続編を匂わせることなく、「あとは自分で想像して!」とスパっと終わったのは好感がもてました。
☆『侍タイムスリッパ―』
公開館2館から始まり、話題が話題を呼んで全国公開が決定。今年有数の話題作のひとつ。幕末の会津藩士が現代の京都映画村にタイムスリップ。時代劇の切られ役として生きていくことを目指す…という作品
ブームの経緯が『カメラを止めるな!』と似ているのですが、あちらのようにどんでん返しがキモの映画ではなく、時代劇への愛を真摯に込めたストレートな作品。クライマックスで「本物の侍がいる…」というセリフがあるのですが、まさに主演のお二人の鬼気迫る演技に感じる観客の気持ちを代弁しております。みなもと太郎の『風雲児たち』ファンとしては主人公が会津藩の部屋住みというあたりがツボでした
☆『ラストマイル』
いま人気・実力共に脂がのっておる野木亜紀子氏脚本の人気ドラマ2本が、新作映画で合流する…!というふれこみで話題を呼んだ作品。ただ見てみるとその前作シリーズはあくまで添え物であって、中心となっているのはいかにもア〇ゾンをモデルとした巨大流通産業をモチーフとした1本の独立した映画でありました。いや、本当にサスペンスとして、社会派ドラマとしてよく出来てる。この問題に現代日本に生きる我々も少なからず関係してるわけで、ちゃんと考えるきっかけになるというか。
自分頭悪いのでロッカールームのメッセージとかよくわからなくて、観た後ネットの感想を読み漁って腑に落ちたりしました。そういうちょっと謎を残しておくあたりも大衆映画としては挑戦的。あとイケメン俳優がいっぱい出てる中、さもないおっさん二人組が一番いいとこをもってくのが好きです。
次回は『トランスフォーマーNEO』『シビルウォー』『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』『ボルテスV レガシー』『カミノフデ』について書きます。
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